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2013/1/20リレー小説用スレッド
1
:
師走
:2013/01/20(日) 00:47:20
リレー小説はこちらのスレッドで進行して下さい。
投稿し終わったら、チャットルームの方に次の人を呼びに行って下さい。
目安は掲示板で六行です。
お題は「ファンタジー」「レース」「拷問」です。
12
:
師走
:2013/01/20(日) 02:19:11
「賭けに乗るかい?」
僕の鼻先に、えぐるようにしてコインをぶつける。
からからの口をなんとか開いて、女に問いを投げた。
「その前に聞きたい事がある」
「何だ」
「タダでそんな賭けやらせてくれる訳ないだろう。条件は何だ?」
女の目の中に、愉快そうな光が躍った。
13
:
風観
:2013/01/20(日) 02:24:34
「君の相棒がほしい」
僕は耳を疑った。動揺する僕に構わず、女は続ける。
「君の相棒は素晴らしい。君がいなくともゴールまでたどり着いた。背中に君がいれば一位だったんだよ」
ということは、相棒はちゃんと生きている。よかった。安堵のため息が漏れた。
「そんな素晴らしい馬を私にくれたら、チャンスをあげよう」
14
:
有内
:2013/01/20(日) 02:31:25
「まあ、案ずることは無いよ。賭けに負ければ君の馬は貰うけど、要は勝てばいいんだから」
「……無理だ」
相棒を賭けになんて出せるわけが無い。それなら、僕が地獄に落ちた方がマシだ。
「まあ、色々言ってるけどね。実を言うと、君に選択肢なんて無いんだよ」
「なに?」
「だって君はレースに負けたんだから。そんなんで次も同じ馬に乗れると?」
15
:
師走
:2013/01/20(日) 02:37:30
考えてみれば当たり前だ。僕の相棒は僕がいなくてもゴールにたどり着けたのだ。落ちる僕などが上に乗っている方が非効率というものだ。もっと強靭な乗り手を乗せる方が確実だろう。
けれど、誇り高い僕の相棒が、僕以外の人間を乗せても走るだろうか。
僕だって、相棒に僕以外の人間が乗る事など耐えられはしない。
なら道は一つしかない。
僕と相棒が生き残る為には。
「その賭け、乗った」
16
:
有内
:2013/01/20(日) 02:42:33
「いい返事だ」
ピンッ、と勢いよく女の手からコインが真上に弾け飛ぶ。
「国章が刻まれている方が表だよ。さてどちらかな?」
パシッ、と女が空中のコインを左手の甲に当てて隠す。
今まで感じたことの無い緊張。
これで当てないと、僕と相棒は――
17
:
師走
:2013/01/20(日) 02:46:47
そう、相棒の速さについてこれるのは僕しかいない。
どの走り手たちも、相棒を負い抜けない。
他のどの乗り手も、相棒に乗れるはずがない。
あの風のように過ぎる景色を見極められるのは、僕の目だけだ。
そしてこの目は、確かに左手に乗る瞬間のコインを捉えていた。僕は力強く答える。
「表」
18
:
有内
:2013/01/20(日) 02:53:11
女がゆっくりと、覆っていた右手を外す。
自信はある。表。絶対に、これだけは外せない。
そこにあったのは、この国の国章だった。
「やれやれ、運が良い」
女は笑みを特に崩さない。
「参った。君の勝ちだよ」
19
:
師走
:2013/01/20(日) 03:02:21
女はコインをポケットにしまうと、両手の枷を外した。
「おめでとう、君は地獄から逃れた」
僕は手首や身体を動かして確かめる。よく見ると、丁寧な程の手当てがしてあった。
「相棒は、厩舎か? すぐに調整に戻りたい」
「おや。君は勘違いをしているようだね。あれは賭けの参加費だよ」
笑んだまま、女は首を傾げた。「君は良い乗り手だ。もっと速い馬に乗せる」
20
:
有内
:2013/01/20(日) 03:22:45
「……そんな」
「おや、そんな悲しい顔をしてどうしたのかな。もっと喜びなよ。今より成績を伸ばせるチャンスなんだから」
「そんなの無理だ! 僕には相棒しか居ない! あいつじゃなきゃ駄目なんだ!」
叫ぶ。声の出る限り。
それは僕が本当にあいつと一緒に居たいから。一緒に、レースで走りたいから。
21
:
師走
:2013/01/20(日) 03:31:58
「駄々をこねるんじゃない。自分の立場、分かってる?」
冷然と女が見下した。「厩舎に行きたいなら行けばいい。君が乗る予定のが待っている」
僕ははっとした。立場。そうだ、女はさっき、「良い乗り手」だと言った。だとしたら。
「僕以外で一番上手い乗り手と、僕が乗る予定の馬。それと僕と相棒で、次のレースを。負けたら、従います。証明させて下さい」
女の方を真っ直ぐに見て、頭を下げた。
もう一度相棒に乗りたい。相棒と共に走りたい。僕の心はそれだけだった。
22
:
有内
:2013/01/20(日) 03:38:26
「面白い提案だね」
女は不敵に笑う。
「レースが面白くなるなら、それでいいよ。ふふっ、相棒を賭けた騎手が格上のコンビに挑む。盛り上がるだろうね」
一瞬、背筋が寒くなる。
盛り上がる、ということはその分、『妨害』だってより激しいものになる。怪我だって今回ほどのものじゃ済まないかもしれない。
でも、それでも――
23
:
師走
:2013/01/20(日) 03:44:39
僕は、いや、僕と相棒は、最初からこのレースに命を賭けている。
一人でないなら、怖い物なんて何もない。
目を閉じて風に立つ相棒の姿を思い浮かべると、背筋の寒さは消えた。代わりに暖かさが身体に満ちて行く。
目を開くと、それを待っていたように女はぱんと手を打った。
「よろしい。厩舎へ行って、相棒と再会するといい」
僕は、頷いて歩き出した。「良いレースを期待しているよ」という声が、背中にかかった。
そして再び、僕と相棒は、土煙と喧騒の場へ戻ってきた。
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