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3月15日リレー小説会用スレッド

1HP:2010/03/15(月) 21:57:12
リレー小説はこちらのスレッドで進行して下さい。
投稿し終わったら、チャットルームの方に次の人を呼びに行って下さい。
目安は掲示板で六行です。
上手いのが出来たらサイトに載せるかも?

2幸村 望:2010/03/15(月) 22:02:02
 こうして、彼女と屋上の夕日の中で交わした言葉を。
 僕は、決して忘れたりはしないだろう。

「貴方のことが大好きよ」
 軽やかな声で、彼女はそう呟いた。幸せそうに、喜びの中に照れを浮かべて。その言葉に、素直に頷けたらどれだけいいだろうと僕は思った。

3たすく:2010/03/15(月) 22:28:24
「ありがとう」
そう返すのが精一杯だった。彼女の名を口にしたい衝動に、胸がつまる。だけど彼女の思いに応えることはできない。理由はいくらでもある。

たのむから、そんな顔でみないでくれ。
言葉にならない言葉が、たそがれに溶けていく。

4師走ハツヒト:2010/03/15(月) 23:02:20
僕は微かに笑おうとして失敗した。きっと彼女には、今にも泣きそうな表情に見えただろう。僕の手を包む彼女の両手を、そっと振り払う。それでも彼女は幸せそうなままだ。
その顔を見ている事が辛くて、背を向けてしまった。
彼女は綺麗だ。顔も、声も、仕草も、その純粋な心の中も。純粋すぎるが故に、彼女は人を傷つける。その傷を見るたび、その人が自分を思ってくれる事を願う。
そんな彼女であっても、共に在りたいと想った。

5幸村 望:2010/03/15(月) 23:09:02
(それでも)
 僕らは、去ってゆく生徒たちを見下ろした。
「ねぇ、貴方は帰らなくていいの」
 「君こそ」と尋ね返そうとして、僕はそれを留める。彼女にそんな質問は愚問だ。薄く透けたその身体が、全てを物語っている。彼女はここから離れることなど出来ないのだ。
 だから、僕は彼女の隣に立つ。フェンスを越えた、その向こうに。

6たすく:2010/03/15(月) 23:20:38
「だめだよ」
霞みが彼女の口からこぼれた。夕暮れの赤は、境界線の光。彼女をみる。柔らかい光に、僕は目を細めた。
「けど、僕のせいで、きみは」
「だめ」
彼女は優しすぎた。ただ、それだけだった。

7師走ハツヒト:2010/03/15(月) 23:49:44
彼女が望まなくても、屋上に足を踏み入れた者はみな、フェンスの向こうへ誘われていった。そういう存在なのだ、彼女は。
だから、そんな存在にしてしまった僕が、そちらへ行こう。それで、彼女の苦しみが終わるのなら。
フェンスの上の枠に乗った僕を、彼女が必死に押し戻そうとする。心を固く張りつめさせた僕の体を、彼女の体はすり抜けて行った。
振り返った時には、もう僕の体は一日の終わりの光、その残滓と一つになっていた。


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