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本のブログ(2013年から新規)
53
:
korou
:2013/07/14(日) 18:41:30
綾崎隼「命の後で咲いた花」(アスキー・メディアワークス)を読了。
読みやすく、話の内容もまとまっていて
仕掛けについても見え見えなのに全く緊張感を失わないという見事な構成。
セカイ系の小説として
21世紀の最初の10年を支えた市川拓司の後を継ぐ作家の誕生である。
すでに「蒼空時雨」でその才能は知っていたものの
こうしてハードカバーの小説で期待通りのモノを読んでしまうと
改めて今最も旬な作家だなあという感慨を覚える。
こうした作家の存在により
セカイ系というジャンルが
実は永久不変な、人間の真実を描ける紛れもない文学の一つであることが
証明されたと言ってよい。
市川拓司氏のような儚さと終末観を湛えつつ
この作者には、さらにもっと自然な流れとゆったりとした感情の流れが加わり
セカイ系はますます進化してきたかのようだ。
もはや何も付け足す言葉は要らない。
今最も旬な物語である。
2013年に読まれるべき物語である。
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