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倉工ファン Part3
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☆ ゴール前で後ろへ 「来い!」の合図 難民だった2人、表彰台で並んだ
ゴールが見える最後の直線に、2位を争う3人が接戦でなだれ込んでくる。
チェロノ(ケニア)、ナゲーエ(オランダ)、アブディ(ベルギー)の順。
ナゲーエがスパートで2番手に浮上、そのまま前だけ見てゴールに突進するのかと思うと、違った。
必死で走りながらも後ろを振り向き、右手でアブディに「来い! 来い!」というしぐさを見せる。
吸い込まれるようにアブディは3位に上がり、チェロノを抜いた2人がそれぞれ銀メダル、銅メダルに輝いた。
なぜ、レースの最終盤でそんな不思議なしぐさを見せたのか。レース後の記者会見でその答えが見つかった。
2人はともにソマリア難民だからだ。ナゲーエは「2人は互いの家族も友人もよく知っている。
今でも夢みたいだ。隣にいられることがうれしい」とレース後の記者会見で話した。
32歳のナゲーエは1996年に初めてオランダに渡った。いったんソマリアに戻った時期を経て、
いまはソマリアのスポーツ施設を充実させる基金を立ち上げるなどの活動もしている。
「今回の結果でソマリアの若者に刺激を与えられた」
同じ32歳のアブディは8歳のときにソマリアを出て、ジブチとエチオピアを経てベルギーに移住した。
2人は五輪前にフランスで合宿していたといい、「すばらしいトレーニングができて、コーチに感謝している。
日本の夏は厳しかったが、滞在は楽しむことができた」と笑顔だった。
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