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倉工ファン Part2

277名無しさん:2020/12/24(木) 16:06:02
☆ ノート2冊にびっしり “星野の考え”/星野氏編



星野氏の人心掌握術を間近で見てきたのは、楽天・松原健太郎氏(42=営業本部営業第3部部長)だ。
余命を知らされた最後のマネジャーは、約3年間仕えた“星野の考え”をメモに残していた。

松原は星野が亡くなるまで、球団に関する日程を調整し、身辺を支えた。
個人事務所の『オフィス1001』と情報共有し、1枚のスケジュール表の中で動いた星野のすべてを知った男だ。


「ぼくの親戚も膵臓がんで、ごそっと痩せて亡くなっていたので、正直、やばいなと思いました。
本人も腹の中ではそう思ったと思います。 でもあらゆる医療の最新技術で、なんとかなるんじゃないかと…。

ぼくが星野氏の関係者から聞いたのは『半年かも』『明日かも』『いつどうなるかわからない』という説明でした」
松原への取材はここでいったん止まった。 しばらく沈黙が続いた後で「しゃべっていいですか」と切り出された。


「昔話をすることが多くなりましたね。倉敷の小学校の同級生に会いたい、小さい頃に行ったあそこに行ってみたいとか。
今までたくさんやってきたから死んでもいいというんじゃなくて、やっぱり長く生きたい気持ちがすごく強かったと思います」

楽天の秋季キャンプでは松原の運転で倉敷市の水島地区を巡回した。「この用水路はもっと水があって泳いだんだけどな」。
少年時代をなつかしんだ。


シーズン終了が近くなると、星野のもとには引きも切らず電話が入った。

「各球団のコーチ、選手から、引退、退団などの連絡が頻繁にかかってくるのですが、これがものすごい数なんです。
次の就職先のお願いには『わかった』とか、『期待せず待っとけ』と言ってましたね。でも突き放しはしない。

来る人は絶対突き放さない。
自分を慕って、ちゃんと対応する人は絶対ほったらかしにしないし、頼られたら絶対やる。すごいと思いました」


「どんなに怪しい記事を書かれても、そういう媒体の記者からも好かれるってなかなかいませんよね」と少しだけ笑った。
マスコミは敵にあらずと、人対人で付き合った星野の処し方だ。

都内のかかりつけの病院とマンションの往復は、人と顔を合わせない裏動線を使った。
気力を振り絞る星野につく松原も、身を削る思いだったに違いない。

「『お前は湿布を貼るのだけはうまいな。 お前の湿布はしわができない』と言われました。 うれしかったです。
怖いお父さんみたいな感じでした」


松原は約3年間仕えたことをメモに残していた。 
チーム編成をはじめ、慶弔供花の送り先、星野がもらす格言的な言葉までつづられた。

コーチ人事は「7対3の割合で、7が球団OB、3がOB以外が理想的」と指針を示すなど、
A4ノート2冊に“星野の考え”がびっしりと書き込まれた。


メモの日付は17年12月21日とある。星野が都内で知り合い4人とそば屋で会食した翌日、松原は羽田空港で見送っている。

「最後まで静養先のハワイに行きたいなと言ってましたね。ぎりぎりまで行く予定でしたから、残念だな、残念だなって。
たぶんできる治療は全部やったと思います。 『また来年な…』って言われたような気がします」

14日後、急逝。 すぐ駆けつけた松原は、徒歩で自宅周辺をパトロールした。
「マスコミにかぎつかれてないかと思ったんです」。 最後まで筋を通し、忠義を尽くした。




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