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倉工ファン

50名無しさん:2017/08/22(火) 09:20:09
実力以上の力を引き出す無欲。先を見て足元をすくわれる欲。

昭和24年夏、甲子園初出場を果たした倉工ほど、微妙な勝負のあやを体験したチームはない。

第31回全国高校野球選手権大会。8月17日 準々決勝。
夕暮れの迫る第4試合。

相手は、中京商 以来の3連覇を目指す小倉北。
春夏通算16勝を挙げた好投手 福島 一雄 を擁し、洗練された野球をするチーム。
知名度は、雲泥の差。高く分厚い壁。 小倉北 4年連続5回めの出場。

小倉北 ( 福岡 )   対   倉敷工 ( 東中国 )

「 私どもは、勝とうなんて全く思った事はなく、9分9厘とか一厘の望みだとか
世の中には、あるかも知れませんが、その一厘でさえ認められない、
10が10小倉の勝ち。と言う戦前の予想だったんです。 」と、小沢。

捕手の藤沢 新六 は「 勝てる。と言うのは全くなくて、一生懸命やるだけだなあ。
と、私は思っていました。 」と。
スタンドを埋めたファンも、倉工の勝利より善戦を期待していた。

倉工ナインも 「 勝てるわけない 」と荷物をまとめて宿舎を出発。
負けたら、道頓堀川あたりを観光して、帰るつもりだった。

だが、この開き直りが幸運を呼び込む。
「 キープ マイ ペース 」それだけを唱え続けた、エース小沢の過酷なマウンド。
そして、倉敷の少年たちが奇跡を、起こす。


小倉北  020 102 001 0

倉敷工  010 102 110 1  ( 延長10回 )


息詰まるシーソーゲーム。倉工の守備の乱れに乗じて、ダブルスチール、スクイズと、
多彩な攻めで、先手先手と責める 小倉北 に対して、
二回と六回に藤沢の、2ホームランをはじめ、長打で追いすがる 倉工 は、
九回ついに福島投手を、マウンドから引きずり下ろした。

延長10回、一死満塁から横山 のショートゴロの間に、決勝点を挙げ熱戦に終止符を打った。




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