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倉工ファン

281名無しさん:2018/10/07(日) 12:52:29
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1988年8月17日  二回戦  「 心のこり 」


とうとう校歌を 聴くことが出来なかった 甲子園で勝利をあげながら 降雨コールドゲームのため 

セレモニーは 主将同志の握手だけで終った 敗れたチームの無念さに比べれば セレモニーのない無念さは軽かった


次の試合で勝ち 二勝分の感激と感動を味わえばいいと そう思ったかもしれない 滝川第二高校

一回戦の雨中の圧勝も 降りしきる豪雨と それに対する処置の慌しさの中で 歓喜も中くらいだった


校歌が流れ それに和し 校旗を目で追いながら涙を流す  称えるとか称えないとか 愛するとか愛さないとか

そんな思いを超えた熱い感傷が ある時代のある時間に 共通の感傷を刻みこむ だから その一瞬は

重々しいよりは甘ずっぱい 甘ずっぱいから値打ちがある


滝川第二高は 歌われなかった校歌 揚がらなかった校旗の心のこりを 取り払おうとこの日戦ったが 東海大甲府に敗れた

「ただいまから 滝川第二高等学校の栄誉を称え 同校の校歌を斉唱し 校旗の掲揚を行います」

いつの日か ほんの近い未来に その声は響くであろう



東海大甲府の都築が、五回に放った2ランホームランが、シーソーゲームのような一戦にケリをつけ、
それは同時に、滝川第二の、セレモニーのやり直しの夢を砕くものになった。かと云って、勝った東海大甲府や、
打った都築を敵役にしようというのではない。 これは、あくまで、感傷である。

そして、夏の高校野球には、力や、技や、勝負の機敏や、熱戦の興奮といった要素の他に、人それぞれが感じる感傷も、
大きな魅力の一つになっているのである。 さて、甲子園にようやく明るさが戻って来たようである。
近年なかったくらい雨にたたられたが、そろそろカッと照るだろう。 感傷も乾いていた方が甲子園らしい。


( 東海大甲府5-3滝川二 )




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