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倉工ファン

278名無しさん:2018/10/06(土) 12:55:33
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1988年8月14日  二回戦  「 限りなく・・・そして更なる拍手を 」


延長戦になり 本塁は果てしなく遠くなった 何度もその前まで行きながら その都度遠くなる気がした

本塁を駆けぬける幻想さえ 浮かばなくなってしまった十四回  


突然 勝利の門は目の前にあった 白球は右中間にあり 三塁ベースをまわった時 相手の外野手は

既に返球を諦らめていた 浜松商 サヨナラ 


五万五千人のスタンドの熱と 三十一・四度の厚さと 五十九%の湿度の息苦しさが歓喜と

悲鳴をカクテルして 爆発した  多分 勝った浜松商ナインにも 敗れた池田高校のナインにも

体内に残されたものは 何もなかったであろう

完全燃焼が単なる言葉ではなく 真に体内の酸素を燃やしつくした そんな感じのする熱戦であった


この試合を語る時 技がどうの 作戦がどうのは 全く無意味な感想で 驚異的な粘りを見せた両校ナインに

限りない拍手を送ることが 好ゲームに接した人間の 最小の敬意の表現であろう

二百球を超え あるいは 二百球に近く ともに一人で投げた両校投手に 更なる拍手を送りたい



池田高の圧勝になるかと思われた。その流れを断ち切ったのは、四回の、浜松商のレフト西尾のファインプレーである。
同姓の池田西尾の左中間のライナーを、躰を地面と平行にしてジャンプ、地上数十センチのところでキャッチして、
躰は何メートルが緑の芝生の上を滑った。

こういう美技は、一点の追加を防いだというだけではなく、時の勢いの流れを変える力を持っている。
それと、五回、同点になるきっかけとなった山田の三塁前バントヒット。
これも、やっと方向を変える意志を見せた勝運の流れを、決定づけたものと云える。そして、勝った。 

それにしても、凄い試合をやったもので、浜松商・岡本投手、池田高・桜間投手には、
握力で計り得ぬ力の存在することを、知らされた思いがする。


( 池田2-3浜松商、延長14回サヨナラ勝ち )




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