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倉工ファン

253名無しさん:2018/09/15(土) 11:31:17
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1986年8月20日  準決勝  「 爆発したぞ 」


春には負けた 敗れて仰ぎ見る桜島は 巨大に過ぎた 力の半分も出せなかった自分たちは

その前では小さく悲しげだった 勝つか 負けるかと思う前に 自分が自分であり得るか

躰の中にためたエネルギーを 最後の一滴まで燃やしつくせるか それが問題だと桜島は言う


勝ちたいの 残りたいのと言う前に 今度甲子園へ出たなら 爆発して来いと煙を噴き上げる 

どうだ 見てくれ 誰も春の顔はしていない それぞれが 心を絞り 躰を絞り 可能性まで絞り

もう一滴も余すことなく出しつくす いい顔してるだろう 爆発したぞ 何度も 何度も爆発したぞ


大旗は持って帰れなかったが 青空の下で堂々と 砂塵の中で撥剌と 完全爆発 完全燃焼

その満ちたりた男の顔が 今度の土産だよ 爆発したぞ 何度も 何度も爆発したぞ

甲子園に負けなかったぞ 今度は大旗だぞ



中日を過ぎたあたりからの早さというのは特別の感情である。季節の変り目と重なるせいか、
毎日毎日惜別の詩を歌う心持ちになって、切ないものである。

前半に覚えなかった感傷が入り込んで来るのもその頃からである。
残暑はいくらきびしくても残暑で、盛りのにぎわいは出し得ない。 

今日で、七百三十五人の選手のうち、七百五人が甲子園を去ったことになる。
明日の決勝戦という最大のヤマ場を待ち望みながら、去った人への思いが支配するのも、
準々決勝、準決勝あたりの不思議な気持である。

さて、今大会で、鹿児島商は、なかなかに印象に残る好チームであった。初戦の松商学園との試合は、
面白さという意味では屈指であったし、この日の天理戦、絶望的と思えた6点リードを、
一時は1点差まで追いつめた粘りは、付焼刃や幸運だけでない。日常貯えた活力を感じさせた。


( 天理8-6鹿児島商 )




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