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倉工ファン

247名無しさん:2018/09/08(土) 11:56:22
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1986年8月14日  二回戦  「 ジンクスに勝つ 」


待つということは戦うより難しい 待ちながら平常でありつづけ 待ちながら昂ぶらせるのは 躰の中に

理不尽な虫を飼っているようなものだ 勇んで乗り込んできた甲子園は 触ることの出来ない蜃気楼で

ただ 待つことを 待つ運命を与えた


大会が佳境に入り 列島の夏は燃えているのに 相手を待たない勇士たちは その炎の中に入れない

激闘を見 熱闘を聴き ライバルに熱い視線を送り 早や去る友に複雑な思いを抱き すると もはや

闘志は時に重い荷物に変る 己に勝つ 己に勝つ ただ一枚の不運を ただ一校の選ばれたものと思う


49番目は勝てない 49番目は勝てない 拓大紅陵高校 遅い遅い初勝利 きみらは 運命に勝ち

疎外感に勝ち 時間に勝ち 自分に勝ち ジンクスに勝った 49番目は縁起がいい 49場目は縁起がいい



毎年思うことだが、49代表のうち一校だけ、相手が決まらずに取り残されるというのは、
抽せんの方法として仕方がないことではあろうが、罪なものである。 運命のいたずらと言いたくもなる。 

更に、この場合、実に過酷な現実まで加わって来るのだから、ついてないで済まされないものもある。
49番目は勝てないというジンクスが存在するのも無理からぬことで、ぼくも、毎年、
どういう言葉で励ますべきだろうかと考えたりするのである。

肉体の調整や緊張の維持は、非情にメンタルでナーバスなもので、目標が定まっていると何とか組立が出来る。
しかし、闘志などというものは一旦空転するとどうにもならないだろう。
だが、拓大紅陵はこのジンクスを破った。 もし、優勝でもしたら、来年から49番目は、選ばれた一つになる。


( 拓大紅陵4-0岩国商 )




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