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異世界BAR MEETのようです

1以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:01:39
秋のブン芸祭参加作品

115以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:58:47
合流した三人!!!!!!!!!!遂に目的の間近に到達!!!!!!!!!!!!!!
合流した描写はめんどくさいので割愛だ!!!!!!!なんだ文句あんのかやるか!!!!???おお!!!!???


(;'A`)そ「うわっ、趣味悪っ……」
  _
( ゚∀゚)「噂通りのクソ野郎っぽいな」


(;´^_ゝ^`)そ「なぁーーーーーーーーー!!!???ななななーーーーーーーーなーーーーーーーーーーー!!!???」

  _
( ゚∀゚)「イケナイ太陽ぉー」

('A`)「まーた古いネタを……」


ほぼ無傷!!!!!!!ジョルジュとショボン!!!!!!!!
そしてまだマッチョ状態を維持!!!!!!!!!ドクオ!!!!!!!!
マッチョ三人そろい踏み!!!!!!!!!!迫られるとコワイ!!!!!!!!!


(;´^_ゝ^`)「ゆ、勇者は!?近衛兵は!?」

(´・ω・`)「勇者は倒した。近衛兵はダッシュで逃げた」
  _
( ゚∀゚)「まー、遥か彼方に飛んでいく『最強』の勇者が見えちまったらなぁ」

('A`)「えっ、アレ最強だったの?全然大したことなかったんだけど」
  _
( ゚∀゚)「バッカお前、俺ら基準で判断したら可哀想だろ?」

(;´^_ゝ^`)そ「遥か彼方ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!???????」


詰み!!!!!!!!!!圧倒的詰み!!!!!!!!!!守る者は皆無!!!!!!!
城主デミタスは失禁寸前!!!!!!!!!!デカい方も出そうだ!!!!!!!!!またウンコなのか!!!!!!!!!

116以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:59:36
(´・ω・`)「勝負は着いた。卵を返して、そして二度と森の連中にちょっかいを出さないと約束すれば、これ以上マッスルを行使してやらんこともない」


なんだか曖昧な言い回しだ!!!!!!!!逆に不安を煽る!!!!!!!!!
しかしデミタス!!!!!!!!往生際の悪い男!!!!!!!!!!


(;´^_ゝ^`)「あの……ほんと……これだけは勘弁してくれませんかねぇ……」


マッチョ三人に詰め寄られて、まだゴネる根性だけは見上げたものだ!!!!!!!


('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「……」

(´・ω・`)「……では」


三人は顔を見合わせる!!!!!!!!口を開いたのはリーダーのショボンだ!!!!!!!!


(´・ω・`)「我々の雇い主の倍の『報酬』を差し出せるなら、見逃してやる」

(;´^_ゝ^`)そ「えっ本当!?」

(´・ω・`)「マッチョ ウソ ツカナイ」
  _
( ゚∀゚)「片言よ」

('A`)「もう完全に蛮族のそれ」


デミタスは内心『よっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!ちょっれえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!ゴネ得ゴネ得!!!!』と歓喜した!!!!!
金も高価な装飾品も幾らでもあるのだ!!!!!!!!!!!雇い主とやらがどれだけつぎ込んだのか定かでは無いが、余裕で上回る金額を用意してやると息巻いていた!!!!!!!
しかし!!!!!!!!次に出てきたショボンの言葉は!!!!!!!!予想だにしない物だった!!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「じゃあ、今すぐ両目を差し出して貰おうか」

(´・_ゝ・`)「えっ……?」

(´・ω・`)「両目」

117以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:00:16







(;´ ゚_ゝ゚ `)「はああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!?????????」









118以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:01:24
(;´ ゚_ゝ゚ `)「なっ、はっ!?欲しいのは金だろ!!!!!????どうしてそうなる!!!!!?????頭可笑しいんじゃねえの!!!!????」
  _
( ゚∀゚)「いーや、正常だぜ。なんせ依頼主が差し出す報酬は『片目』だ」

(;´ ゚_ゝ゚ `)そ「はーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!????????誰だよそいつ!!!!!!??????意味わかんねえんだけど!!!!!!!???????・」

(´・ω・`)「教えてやろうか?」


ショボンはスカウターがぶっ壊れるほどの握力を誇る右手でデミタスの頭を掴む!!!!!!!!!髪が薄い!!!!!!!


(´・ω・`)「お前の差し金で送り込まれた勇者に、住処を襲われ仲間を失くし、唯一残った希望すら奪われて……」

(;´ ゚_ゝ゚ `)「ヒッ……」

(´・ω・`)「一文無しで俺らの元に訪れ、価値の高い自らの『片目』を報酬に、卵の奪還を依頼した……」


ここまで聞けば、誰だよとか意味わかんねえとか喚いてたデミタスにも理解が出来た!!!!!!!!
それでもショボンは最後まで言葉を続ける!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「その卵の生みの親、ハーピィの母親だ」

(;´ ゚_ゝ゚ `)「……」

(´・ω・`)「さぁ、差し出せよ『両目』を。お前がその卵を手にしたいと言うのなら、母親を超える『覚悟』を俺らに見せてみろ」


デミタスは恐ろしさのあまり失禁!!!!!!!!!!床に滴る黄金水!!!!!!!!!!
思考回路はショート寸前!!!!!!!!!そこに投げ込まれるトドメの一言!!!!!!!!!!


('A`)「この剥製の爪の部分、いい感じに目ん玉ツゥルンって出来そうじゃね?」
  _
( ゚∀゚)「やべーなサイコパスの発想じゃねーか」

119以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:02:13
(´;_ゝ;`)「ああああああああああああああああ返しますうううううううううううううう!!!!!!!!」


恐怖が欲を凌駕した瞬間であった!!!!!!!!!!!
デミタス!!!!!!!土下座の姿勢で卵を差し出す!!!!!!!!


('A`)「なんだよ根性のねえ奴だな……」


それを受け取ったドクオ!!!!!!『リモコンローブ』で優しく包み込む!!!!!割れ物注意だ!!!!!!!
そのまま流れるようにジョルジュに手渡す!!!!!!!!一体何をしようと言うのか!!!!!!!!!


('A`)「あー……まぁ、顔を上げろよ」

(´;_ゝ;`)「くぴぃ……?」


優しい声色に、気持ち悪い鳴き声をあげながらグチャグチャの顔をデミタス!!!!上げるデミタス!!!!!!


('A`)「残り一発」


拳!!!!!!!!高々と!!!!!!!!!!!!振り上げている!!!!!!!!


(´;_ゝ;`)そ「話が違――――――――」

120以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:03:41
(#'A`)「フンッッッ!!!!!!!!!」ドゥワァッ!!


(´;_ゝ;`)そ「ヒッ!!!!???」


目を瞑る!!!!!!!!痛みに備えて歯を食いしばる!!!!!!!!
だが!!!!!!!!!!拳は鼻先で寸止めされていた!!!!!!!!!!


(´ _ゝ `)「あ゙っ」


ただし拳圧はモロに喰らった!!!!!!!!!!!!!!剥製を巻き込みながら壁に叩きつけられる!!!!!!!
ギャグ小説じゃなかったら死んでた!!!!!!!良かったギャグで!!!!!!!!!!


('A`)「次やったら本当にぶん殴るからな」


カウンター『0』!!!!!!!!!『汗と涙の十二発』終了!!!!!!!!!!
ドクオの体が元の貧弱ガリッガリのゴブリンゾンビに戻る!!!!!!!!!!


(;'A`)「クソッ、もったいねえ。でもスッキリ」
  _
( ゚∀゚)「当てときゃよかったのに」

(;'A`)「あー?殺さない盗まない犯さない、徹底しようヨシだろ?」
  _
( ゚∀゚)「いや遠目から見てたけど思いっきりぶっ飛ばしてたよな?死んだんじゃね?」

('A`)「バッカお前、殺しちまったらあのいけすかねえイケメンフェイスを何回も何回も何回もぶん殴れねえじゃねえか」
  _
( ゚∀゚)「ブサメンは性根がねじ曲がってんな」

('A`)「世の中が悪い」

121以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:04:27
(´・ω・`)「よし、帰るぞ。お客さんが首を長くして待ってるからな」
  _
( ゚∀゚)「せやな……ん?」

('A`)「どうした?」
  _
( ゚∀゚)「今、卵が動いたような……」


途端!!!!!!!『ピキリ』と皹割れの音!!!!!!!!!!
三人は再び顔を見合わせ!!!!!!そして!!!!!!!!!!!


(;´゚ω゚`)「走っぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
  _
(;゚∀゚)「えっさぁ!!!!!」

(;'A`)「ほいさぁ!!!!!!」



湯長谷で一揆が起きたと聞いた内藤政醇とその一行の如く、超高速で森の拠点へと急いだのであった!!!!!!!!!!


『超高速!!参勤交代』は今ならアマゾンプライムに入会すればプライムビデオで見放題!!!!!!!!
続編、『超高速!!参勤交代リターンズ』は円盤が出るのを待とう!!!!!!!!!面白かったぞ!!!!!!!!

122以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:05:13
―――――
―――



ξ゚⊿゚)ξ「……」


森!!!!!!!!!!『MEET』の大木の前!!!!!!
一人待つ未亡人!!!!!!!!!なんかエロい!!!!!!言葉の響きだけで股座がいきり勃つ!!!!!
彼女がここに来てからおよそ一日足らず!!!!!!!!奪還まで数日は掛かると踏んでいたが!!!!!!!!!


(;´゚ω゚`)「うおらあああああああああああああちくしょうただいま!!!!!!!!!」バァーーーーーーーーーーン!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξそ「えっ!!!!!?????」


まさかこんなすぐ帰って来るとは思ってなかった!!!!!!!!!!!!
ココロガピョンピョンスルン城を出てここまでおよそ三時間!!!!!めっちゃ走った!!!!!!!
なんかすげー皹割れていく卵は『ほんとマジ勘弁してくださいすいません』って言いながら宥めた!!!!!!


(;´・ω・`)「ハァー!!ハァー!!すっ、すいません……お見苦しい所を……」


汗だくのマッチョ!!!!!!!その背中には!!!!!!!!!


( A )「」


足が遅かったので途中から背負われたドクオ!!!!!!!!!今は貧弱童貞クソ野郎なんで仕方が無かった!!!!!!

  _
(;゚∀゚)「ゼハァー!!ゼハァー!!」


必死でついてきたジョルジュも息絶え絶えだ!!!!!!!!だが、しっかりと卵は抱えていた!!!!!!えらい!!!!!

123以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:06:17
  _
(;゚∀゚)「ハァー!!ハァー!!奥さ……ハァハァ……こ、ハァハァ……奥さんハァハァ……」


文章だけ見るととんでもない変態野郎でしかないが、ちゃんと卵を手渡そうとしているぞ!!!!!大丈夫だ!!!!!!ドエロ祭りみたいな展開にはならない!!!!!!!
ツンは突然汗だくでぶっこんできた変態共に困惑しながら!!!!!ローブで包まれたそれを受け取る!!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」


ローブをゆっくりとほどくと!!!!!!中から卵の殻が一つ零れ落ちた!!!!!!
今!!!!!!!!その瞬間!!!!!!!!!変態野郎共に対する感謝の気持ちや!!!!!!礼の言葉も!!!!!!消し飛んだ!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」


('A`)そ「ハッ、今誰か俺のことトム・クルーズにそっくりって」

(´・ω・`)「言ってない」
  _
(;゚∀゚)「ハァー……ハァー……ハァーマジ……ハァーマジ頑張った……マジ頑張った俺……」


外野がうるさい!!!!!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」


すげー宥めたのが功を奏し!!!!!!!!めっちゃいいタイミングで割れ始める!!!!!!
割れ目から除くほわっほわの白い羽毛は、父親譲りだった!!!!!!!!

124以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:07:27
('A`)「……」

(´・ω・`)「……」
  _
( ゚∀゚)「……」


生命の神秘!!!!!!!!ピーピーうるせえ野郎共も空気読んで見守る!!!!!
内側から力強く!!!!!!!!卵を割る!!!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」


今!!!!!!!この時!!!!!!!!!『卵』というひとつの世界を破壊して!!!!!!!!
父が殺され!!!!!!連れ去られ!!!!!!!男たちが取り返し!!!!!!再び母の元に戻った新しい命が!!!!!!!


「……マ……」


暗い殻の中から!!!!!!!!!光あふれる『異』世界に!!!!!!!!!!






( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






爆誕した!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

125以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:09:14
ξ゚⊿゚)ξ「あ……」


( ^ω^)「ばぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


元気!!!!!!!!!!!超元気!!!!!!!!!!!!!!!びっくりするほど元気!!!!!!!!!!!


( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」


:ξ ⊿ )ξ:「……ええ、ええ」


肩!!!!!!!!!!振るわせる!!!!!!!!!!
待ち望んだ命!!!!!!!!母と父の想いが取り戻した!!!!!!!希望!!!!!!!


使用イラスト【№37】


ξ;ー;)ξ「そう、ママ、ママよ……」


喜びの涙!!!!!!!!頬を濡らし、息子の綿毛を伝う!!!!!!!!!

  _
( ;∀;)「無理、めっちゃ目から男汁出る」ダバダバダバ

(うA;)「その目から出てる臭そうな名前の汁拭えよ」ドバドバドバ

(´;ω;`)「俺こういうのめっちゃ弱い」ヌハハァァァン


変態共もめっちゃ泣いた!!!!!!!!感動のシーンだ!!!!!!!!
素敵なイラストも相まって感動二倍!!!!!!褒めとけ褒めとけ!!!!!!!ヨイショしとけ!!!!!!!!!

126以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:09:56
ξ;⊿;)ξ「あっ、あの、な、なんてお礼を言えば……」

( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

( うω;`)「良いんです、ゆっくりでいいんです……」

( ^ω^)「アアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

ξ;⊿;)ξ「そのっ、あのっ、報酬、あのっ」

( ^ω^)「バブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


うるさい!!!!!!!!!!ミュートしとこう!!!!!!!!!!!


( ^ω^)「※ミュート」


( ^ω^)「※ミュート」


うん!!!!!!!!!!!!!!よし!!!!!!!!!!


( うω・`)「ああ、報酬なら……既に『受け取って』いますよ」

ξ;⊿;)ξ「えっ……?」


素っ頓狂なことを言い出すショボン!!!!!!!!ツンの目は両方揃っている!!!!!!!!!!
泣きすぎて頭が可笑しくなったのか!!!!!!!!!!元々可笑しいとか言うのは野暮だぞ!!!!!!!!

127以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:10:36
(´・ω・`)「息子さんを救うために片目を差し出す貴女の『覚悟』は、我々の腰を上げるには十分な行動でした。これ以上の追加報酬など、とても受け取れません」

(´-ω・`)「復讐がメインの依頼なら、私も少し考える所はありましたがね」


ξ;⊿;)ξ「えっ……で、では……?」


(´・ω・`)「それに……今の光景だけで、我々も仕事のし甲斐があったというものです」

  _
( ;∀;)「いやほんともう……ほんともう……」

(;'A`)「お前引っ張るなぁ……」


( ^ω^)「※ミュート」


ショボン!!!!!!!!片目を受け取ることをやんわりと拒否!!!!!!!!!!
実質無収入だ!!!!!!!だが、男達に一片の未練は無い!!!!!!!

達成感に満たされる清々しい表情!!!!!!!!!マッチョはハッピーエンドが大好きだ!!!!!!


ξ;⊿;)ξ「ありがとうございます……この御恩は、いつか、いつか……ッ」

(´・ω・`)「では、たまに息子さんの元気な顔を見せに来てください。それが我々にとって何よりの恩返しです」

ξ;ー;)ξ「はい……はい!!」


ハーピィ卵奪還作戦!!!!!完遂!!!!!!!!!!
MEETはまたもや、伝説を作り上げたのであった!!!!!!!!!

128以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:11:49
ξ;ー;)ξ「ありがとうございます、ありがとう……!!」

(;'A`)そ「おっ、おお?」


ツンは順に男達の手を取り、何度も何度も礼を言った!!!!!!!


(´・ω・`)「おっと、これはお釣りも考えないといけないな」
  _
( ;∀;)「美女の握手だもんなぁ……やっぱりアイドル物は最高や……」


どいつもこいつも色気とは無縁の!!!!!!!荒々しくごわつき、堅い掌!!!!!!!!!
身体を張って仕事をし!!!!!日々鍛錬を積み重ねる男の掌だった!!!!!!!!


ξ;⊿;)ξ(嗚呼、間違ってなかったのだわ……)


そんな掌が、彼女にこう伝えていた!!!!!!!!!!


『俺たちは、頼れる男だっただろう』と!!!!!!!!!!!


礼を言いながら、ツンは何度も何度も頷いたのであった!!!!!!!!!!!

129以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:12:07
―――――
―――



『MEET』!!!!!!!己の正義ただ一つを貫き通す漢達の住処!!!!!
その名前に込められた、マスターの想いとは!!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「マーッスルたーいりょくきーほんだぞー♪」

(;A;)「あああああああああああああああキツいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!クソオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」ガシャンッ ガシャンッ!!!!
  _
( ゚∀゚)「ほれー頑張れー。頑張らないと死ぬぞー」

(;A;)「いいよなぁマッチョがデフォルトの奴はよォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」


それは、『出会い』と『縁』!!!!!!!!!

  _
(;゚∀゚)「いや無限に強くなれる奴に言われても……」

(;A;)「どんだけしんどいと思ってんだお前よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


仲間との『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!

130以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:12:45
(,,゚Д゚)「おっ、お前もか?」

( ^ν^)「ああ。聞いたぜ、相当揉めたんだってな」

(,,゚Д゚)「最後は兵とルーキー勇者に追われて逃げてきたよ……お互い、お尋ね者だな」

( ^ν^)「ハッ、人々の役に云々はどうしたよ?」

(,,゚Д゚)「方便って奴さ。アレに負けて、どうでも良くなったがな。お前もそのクチだろ?」

( ^ν^)「俺達はただの退屈しのぎだ。あっちの方が面白そうだし、ランカイも暇しねえだろ」

ランカイ「ワンワン!!!!!!!!!!」

(,,^Д^)「クハ、違いない……では、向かうか」


(,,゚Д゚)「『蝙蝠の住処』へ」


強敵、そしてこれからの仲間との『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!

131以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:13:09
( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーー!!!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、今日もおじちゃん達の所へ行くのね。今支度するから」

( ∵)「おっ、お出かけかい?」

ξ゚⊿゚)ξ「ビコーズさん。ええ、ちょっとMEETの方へ」

( ∵)「そりゃあ、あいつらも喜ぶだろうぜ。あの手の連中は子供が好きだからな」

ξ゚ー゚)ξ「はい、ウチの子もすっかり懐いちゃって……妬いちゃうくらい」

( ∵)「ガハハ!!罪な男だなぁ!!ええボウズ!?」

( ^ω^)「バブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


お客さんとの『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!


その全てを!!!!!!!マスター『ショボン』は重んじる!!!!!!!!!!
世界は『出会い』と『縁』で回る!!!!!!!!異世界だろうと同じ事!!!!!!!!!

132以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:13:41
(´-ω-`)「ふんふーん♪叫び返せハッソマッソ」


今日もまた!!!!!!!!!!!男気と筋肉の噂を聞きつけた客が!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「おや?」


『MEET』の扉を叩くのであった!!!!!!!!!!


(´・ω・`)


(´^ω^`) ニコォ






「やぁ、いらっしゃい。ようこそ――――」







133以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:14:10






♪ED Thema
https://www.youtube.com/watch?v=4vaN01VLYSQ&list=RDEKoD5LsbeeY&index=6







134以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:14:30
CAST



                       ___________
              __( ´^ω^` ):!::. :. . ..........:::=≧=‐- 、 ショボン
             _/ .:ヽ :i::::::::/: /:::':.. .:..,. ''. ::      `ヽ
      , --―'´;.:.、... .: .:i :i::/:  .:::..:,.‐''".    .      .:、  :.:::}
     /   . :.:.ノ:. ..\. ヽ:  , -‐''´ ..::: ..    :     .::l . :.:.::|
   /   . .:.:.:./:.     `ヽ、::/     .:::、:.. .. . :.     .::i ...:.:∧ 
    |   .:.:.:;イ::      .:i::.       . .::`''‐-=、ヽ、.:.. . .:: .:ノ: :! 
  /{::.   '´.:.i::.      . :|:      . .:: :.::::::::::::/゙"ヽ、:..:.::´::..: :| 
  ,' `: :...:.:.:.::.::;!::.. .    .:.:|:       :: :.:.:::::::::{::. .::;'`  .::.: ;!:|  
 {  :. `''''゙´|:::.:     .:::l::.      .:.::..:.:::::::::::|::. . ::i   ..:::iく ::| 
  {:.:.. .:.. . .:.:::ト、:.:.. . .  . .:.:;!、::.. . . . ... .:.::..:::::::_;;.ゝ、..:|  ..:ノ :. ヾ、
 /`'''  、,,,___:ノ \::. :.....:.:ノ::..`'ー::.....;;;_;;:.-‐''....:...:::,>'=、  .::i :.::}
. {:.:. .   ___\   ` ‐-=、:::.:.. ..::r ー-=、.....:...::..::::/      . .:::! :; ::|
 !ー: . / ___;>┐    \:.. :! ,.-―:‐、:: ,,.:‐''´    . . :__;ノ.イ
 ';.:../  /´、   ̄)ヽ. _,r―‐亠- 、!    |「:     . . - '''´. : :.:/
  ヽ!  { :..  ̄ ̄厂:く__,.-‐''    ..|    |!:. .   . .. ... - =_ヲ'

135以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:14:53



                        -─-
                   /      \
                       /
                   l           l
                   |   /   \   |
                   |    /\    .|      ドクオ
                   |   / ̄ ̄\  .|
                  l     ⌒    |
                -一| \     /. |ー-
              /     |  ` ー一'  ::: |..   \
            -─∠    ...::小 \::::::::::::.::::: 人::..   \
      /           ´ ̄ ー-ミヽ /二ニ=一---< ´ ̄`ヾ¨ ヽ
     /   爪                V´         }       \
            ヽ   ( /     `寸  -‐          }:..    V
    {   弋彡  ≧=く     ー=ミi/     弋 ル    ノ:::    '
     〉  ⌒{  ⌒ヽ  ヽ.       |         >   <:::_  ム |
            ー--ミム      |辷一     /      j  Y  `ヽ
    {  l (          > 、.___ノ二辷_ _ {    イ  ノ::.
    ∨ | リー=辷二 ̄ ̄       _,込  ヽ `><     `ヾ   }
    ∨小ム 〈                    リ  リ/         }   ′
      .∨   Y      ー--==-‐ ´  ム-=ニ            ノ  /
      弋   人            ..:r<                ハ
       `¨¨ヾ ー─      ィ<  |二_    __二     イ   ノ
            T ー─‐<___.{____|     ̄ ̄           フ´
              |       :{   :|: ≧=ー--   __ ニ=‐
               圦        ::ト ー┼一 ┤     ノ
             {ヽミ     :{:  :|:   :}:  彡´ }
             人   ` ̄¨¨¨ ┬─┬  ̄   人
             /    ̄`¨'辷─┴─┴─=ニ二´ ∧

136以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:15:07



                        _
                __,..-‐ (  ゚∀゚)`ヽ
             _,.r'´ ̄  ヽ、. ! ヽ`  /_, ⌒´`i、._
         _,..r'´,,....  _   ヽ `ヽ、_,..-‐´       `ヽ、      ジョルジュ長岡
        ,'´    _,r'´   ⌒ヽ< /_∠、_   〃′ __  `ヽ、
        i    ,r'´ `      `/    ⌒ ⌒ヽ' ̄  `ヽ   `)、
         !_  ⌒/        ,r'´ ̄    _ ,  ;;,,,        ヽ.
       ,r'   ,′      /         ヽ、           i
      /    !        ,′          ′             !
     ,i     !、      i            入. _,、_   ,.    !
     !/     ト、_,.-‐´  `、          ノ / `´  `Y'´    Y
    ,イ  ⌒ヽ、 ,!、       ` ‐ 、.     ′,′          `i
   _ノ、      Y、i、 _,..-―-.、_   ` ヽ 、_,.-l,i .l          !
  ./ .!、 `ト、_   \!'      `ヽ、_ ,;     イ il ,    i   __、 )
 〈   ヽ `ヽ、_.    `ヽ、        、   、_人 Y    〉  '  V
  `、       ヽ、    ヽ、>ー--  !^     ,l、|_,    !    !
    `;、       `      \__,..--..、  ヽ ',r'´    〈.     !
     ヽヽ、         ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-‐'´ ̄      )    !
      `ー-、.._  ,-.、_,-v'´    _ヽ _ヽ -`;ー!    `ニ=┬'     !
          `>、__  ̄⌒``ヽ  i  i  |`´  一' ̄´_,r'´    〈
          / ー<>      lニ!ニ!.ニ'       ̄´    、  !
          ヽ_  '´            _,..          ` ノ

137以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:16:19


                   ご指導、ご鞭撻

                  / jjjj      _
  やっと会えた!     / タ       {!!! _ ヽ、
               ,/  ノ        ~ `、  \        _
               `、  `ヽ.       , ‐'`  ノ      /  `j
         _      \  `ヽ (´^ω^`)" .ノ/    /  /`ー'     よろしゅうな!!
     ('A` )  ̄"⌒ヽ   `、ヽ.  ``Y"   r '      〈  `ヽ
   / ) ヽ' /    、 `、   i. 、   ¥   ノ       `、  ヽ _ 
  γ  --‐ '      λ. ;    `、.` -‐´;`ー イ         〉   ゚∀゚)    ,-、、
  f   、   ヾ    /   )    i 彡 i ミ/         / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
  !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"     }    {         ノ  ' L     `ヽ./  /
  |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.    /     `\      / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ   /   /ヽ、  ヽ.     (     ∠_   ヽ、_, '
       〈'_,/ /   /   /  ノ    ヽ.   )     i  、      ヽ
           | |  イ-、__  \  `ヽ    {   f  _,, ┘  「`ー-ァ   j
        l.__|   }_  l    \ \   |  i  f"     ノ   {  /
        _.|  .〔 l  l    ノ  _>  j  キ |  i⌒" ̄    /  /_
        〔___! '--'     <.,,_/~  〈   `、ヾ,,_」       i___,,」
                          `ー-‐'


使用イラスト 【No.29】

138以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:17:06



ξ*^⊿^)ξ (^ω^ *)<ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!    ツン ブーン




使用イラスト【No.37】






( ゚∋゚)  

      クックル

( ^∋^)




139以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:17:42


( ^ν^)  ニュッ



/ / / / //^\     丶   \ /^l
 / / / /  || 〉 > ニ二天二ニ <´⌒|
  / / /   v'   / ___人__ \   /
  / / /   /    / __人__   〈                ランカイ
   / /   /      (   、 ,  )    \
      /  /  /  `Tf亡i `Y´ jヒjT´ l l ヽ
 i      〉 |  |  lゞミァ^ー ^ ー'^ニ彡'|| 〈   <わんわん!!!!
 l     |  ヽ  \_ /へ ヽ  /  ヘ _ノ l 〉
 |     」: .  \__,」   r_―‐ュ _」_ / /
. :|l      \: .ニ二三キ三   `T´ 三メ三二テl
: :|\     :.:>X彡'^`Tヘ「`^ ̄^lフ^メ`丶`ヽl
: :|,  \    .:/.:/`ヽ  V |,、,、,/| |  \\ |
: :| \  \ : : : : :/: : : :\`^ ̄ ̄´ ノ  / ̄ |




(,,゚Д゚)    ギコ



使用イラスト【No.13】

140以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:18:39
( ∵) ビコーズ


(´^_ゝ^`) デミタス


(゚、゚トソン トソン


从'ー'从 渡辺さん


ζ(゚ー゚*ζ デレ





     モララー




特別出演 ( T) Mr.T

141以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:19:13
使用楽曲


♪Juice Newton - Angel Of The Morning
♪DMX - X Gon' Give It To Ya
♪Maximum Effort
♪Going Commando


ED Thema

♪Salt-N-Pepa - Shoop

142以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:19:33





『異世界BAR MEETのようです』 END






143以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:19:43






























144以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:20:05
―――――
―――




( ・∀・)「……」


ζ(゚ー゚;ζ「ッ、モララー!!」


( ・∀・)「……」


( ・∀・)「ここは?」


ζ(゚ー゚;ζ「スタローンの果てにあるチャック村。部屋を一つ貸してもらっているの」


( ・∀・)「……」


ζ(゚ー゚;ζ「もう十日も眠り続けてたのよ。良かった、目が覚めて……」


( ・∀・)「……」


『ぐるるるるる』


ζ(゚ー゚;ζ「あっ、お腹空いてるよね!!今すぐご飯用意するね!!」


( ・∀・)「……」


『ぐるるるるるるるるるる』

145以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:20:45
耐えがたき、底なしの飢えであった


ζ(゚ー゚*ζ「おまたせ。もう何日も食べてないから、先ずはパン粥で胃を慣らして」


( ・∀・)「……」


『粥』などで、到底癒せるものでは無かった
しかし、『食欲』は選り好みをしない。豪快に鳴り響く腹の音が、早く掻きこめと急かしていた


( ・∀・)「……」


だが、意に反し腕は上がらない。先の戦いのダメージと衰弱は肉体にも影響を及ぼしていた
デレは匙で粥を掬うと、何度が息を吹きかけ冷まし、モララーの口元に運んだ


ζ(゚ー゚*ζ「はい……」


( ・∀・)「……」


口に含み、咀嚼する
ドロドロに煮込まれたそれに歯ごたえは無く、味もしない
喉を通り、胃に落ちていくものの、底の抜けた桶に水を注ぐかのように、満たされていく気はしなかった


ζ(゚ー゚*ζ「……ねぇ」


デレはまた粥を掬い、口元へ運んだ


ζ(゚ー゚*ζ「もう……気負わなくていいんじゃない?」


( ・∀・)「……」

146以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:21:09
ζ(゚ー゚*ζ「モララーがスタローンの為に……頑張ってたのは私が一番よく知ってるよ?でも……」


ζ(゚ー゚*ζ「少し……焦り過ぎかなって、思っちゃって……その、一般人まで巻き込んじゃうのは……やっぱり、ダメだと思うし……」


( ・∀・)「……」


『足りない』


ζ(゚ー゚*ζ「今回の事も……軍資金調達の為とは言えやりすぎちゃってこうなったから……」


ζ(゚ー゚*ζ「暫くゆっくり休んで、一度考え直さない?モララーならきっと、勇者として正しいあり方を見つけられると……」


( ・∀・)「……」


『足りない』


ζ(゚ー゚;ζ「……ごめん、私が言えた場じゃないよね。でも……」


( ・∀・)「わかった」


ζ(゚ー゚;ζ「っ、本当?」


( ・∀・)「ああ」

147以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:21:34
モララーはデレの話など、何一つ聞いてはいなかった
ただ、この『欲』はどこから来て、何を求めているのかに頭を回していた
そして、ようやく気が付いた。この『腹』は、何を求めているのか


( ・∀・)「今までごめん、ようやく気付いたんだ」


ζ(゚ー゚*ζ「謝らないで。私がもっと早く言えばこんなことには……」


( ・∀・)「ねぇ、デレ」


ζ(゚ー゚*ζ「何、モララー?」





( ・∀・)「『いただきます』」


ζ(゚ー゚*ζ「えっ、モラr」







148以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:22:35






『+α』、スキル進化


『+αnthropophagy』









149以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:22:57
「……」


「『足りない』」


「もっと、もっと食べないと、積み上げないと」


「追いつけない。殺せない」


「……」


「ねぇデレ、もう君と話が出来ないのは、少し寂しいよ」


「……いや、寂しい筈がないか。僕たちはもう、『二人で一つだ』」


「ねぇ、ねぇデレ。君の力は、僕がしっかりと受け継いだから、心配しなくていいよ」






「『ごちそうさま』」





.

150以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:23:11

























.

151以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:23:32
―――――
―――



『セガール』某所にて



从'ー'从「……」


从'ー'从「モララーの『狂人変換』任務を完遂したことをここにご報告します」


「ほいよ。流石は『クックメイカー』のナベちゃんだ。仕事が早いねえ」


从'ー'从「私のスキルは、プライドの高い甘えたガキには効果覿面ですから」


「ハッハー!!まさに、最高ランクスキル保持者特有の性格じゃないか!!俺ァ、ああいう勘違い野郎がどうにも嫌いになれなくてね!!」


从'ー'从「『ご自身の好きなように操れるから』、ですよね?」


「ナベちゃんのそういう、他人のゲスい所を何の容赦もなく指摘するところめっちゃ好きだわ」


从'ー'从「恐縮です。では、私はこれで」


「お疲れぃ。また頼むな」


从^ー^从「はい、喜んで。先生」

152以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:24:11
「……随分、無理してたなぁあの子。どんだけ強く殴られたんだ」


「しっかし、『汗と涙の十二発』とは恐れ入ったぜ……ええ?いい拾い物したじゃねえか」




(`・ω・´)「なぁ……」


(`^ω^´)「兄貴よぉ……」





(`^ω^´)「このエゴと虚栄に塗れた世界で、どこまで『男気』を突き通せるか、拝見させてもらうぜ?」





.

153以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 02:25:30





















to be continued……?

154あとがき:2016/11/13(日) 02:41:25
宿屋のモララー一行のシーンだけが書くのほんと苦痛でした。吐くかと思いました
それ以外はめっちゃ楽しかったです。めっちゃ筆乗りました。十月の末にはほぼ完成してました

じゃあ明日から暫くブラッドボーンして過ごします。お疲れさまでした

155以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 08:41:28


156以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 13:51:55
乙乙!すごく面白かった
筋肉ってやっぱすげぇな

続きがありそうなので楽しみ

157以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 14:12:54
乙!面白かった
やっぱりマッチョは最高だな

158以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 15:57:15
ほんとブレねぇな!乙!

159以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 19:07:44
笑えるしアツイし読ませるしで非常に楽しかった
つくづくエンタメ作者だなあ、乙

160以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/28(月) 03:12:52
続くと言ったな、勝手に待ってるからな

161以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/28(月) 22:17:59
乙、続くんだな、おい、続けるよな? な?

162以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2017/03/08(水) 16:49:52
続きマダー!!!!!!?????

163以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 20:57:39
『ラジー』と呼ばれる街がある。此方の世界で言う所の、所謂スラムに該当する場所だ
『スタローン』並びに『セガール』の王都から遠く離れた僻地に点在するその街に集う者は大きく分けて五つ


一つ、奴隷や違法薬物を捌きに来たアウトロー
二つ、それらを求めて訪れる富裕層
三つ、ヒト・モノ・カネの流れをコントロールする暴力組織
四つ、戦利品として捕らえられた多種多様の奴隷
五つ、他に行くアテと金の無い者


治安、衛生面、そして人種。どれを取っても大陸『ノリス』の中で最低と呼んでも差し支えないが―――――



( A )「この街も変わらねえなぁ」 ※ハンバーグ師匠



『お尋ね者』であるMEETのメンバーが頻繁に訪れる数少ない街であった

164以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 20:58:40






異世界BAR MEETのようです








165以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 20:59:57





『ドキドキ☆ドックンの上手にお使いできるかな? 〜俺じゃなくてジョルジュが行けばこんなに絡まれずに済むのに〜』




.

166以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:01:33
( A )「……」


フードを目深に被ったブサイク!!!!!!!!!!!!!!!!!顔を隠してもブサイクなオーラは身から滲み出る!!!!!!!!!!!!!かわいそう!!!!!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!!!!!!!!!!
ここはラジーの闇市場!!!!!!!!!!!今日も腐りかけの肉や野菜!!!!!!!!どこからか流れてきた残飯が出店に並び!!!!!!!!!!!
中には茶色の割合が多い白い粉なんかも量り売りされている!!!!!!!!!!!そう!!!!!!!!!!!!粗悪品!!!!!!!!!!!ウチのは混ぜ物無しなんだよなんて言えない!!!!!!!!!!!これにはフィオもブチ切れだ!!!!!!!!!!


「オイオイお客さん、ウチの商品にアヤ付けようってんじゃないだろうね?」

「テメェふざけんな!!俺のズボンにゲロぶっかけやがって!!」

「痛ぇ……痛ぇよ……」


すごく物騒でうるさい!!!!!!!!!!!!!西成でもこんな治安悪く無い!!!!!!!!!!道端で殺傷事件でもあったのか!!!!!!!!!!!!小汚ぇオッサンが腹から血を流して蹲る!!!!!!!!!
途端に集まる人!!!!!!!!!!!人!!!!!!!!!!!人!!!!!!!!!!!!!!!服をはぎ取る者もいれば!!!!!!眼球をくり貫いたり腹を裂いて中身を取り出したりする者もいるではないか!!!!!!おおブッダ
!!!!!!!!シエスタしてんの!!!!!!!!!!!??????????
死して屍拾う者無しなど戦場限定の慣用句!!!!!!!!!!!!ここで死ねば瞬く間に掻っ捌かれ商品として棚に並ぶ!!!!!!!!!!!!資源の有効利用!!!!!!!!!!!!!!実際エコロジーだ!!!!!!!!!!!!
正に異世界羅生門!!!!!!!!!!!このノリスに『地獄』と名の付く場所があるならば!!!!!!!!!!ラジーを置いて他に無いのだ!!!!!!!!!!!!!!!!


( A )「……」

「お兄さぁん……遊んでいかない……?」


引かれた袖を咄嗟に払うブサイク!!!!!!!!!!!!!犯人は客引き兼『商品』の腰が曲がったババアだ!!!!!!!!ゴミ臭い空気に混じって駄菓子より安っぽい香水のキツイ匂いが鼻腔を炙る!!!!!!!!


(; A )「……」

「お兄さん……オイ聞いてんのかブサイク!!しゃぶってやるからチンポと有り金出せっつってんだよ!!」


そしてヤク中のおまけつきだ!!!!!!!!!!!!!!!!唾を飛ばしながら喚くババアに一言も返さず、ドクオはその場を足早に去った!!!!!!!!!!!!
キャッチと一緒だ!!!!!!!!!!!!!!構ったら付きまとわれる!!!!!!!!!!!!!!無視するのが一番だ!!!!!!!頭賢い!!!!!!!!!!


(; A )「……」


ローブの下に隠した荷物を確認するブサイク!!!!!!!!!!!財布!!!!!!!!!武器!!!!!!!!!!そして『報酬』!!!!!!!!!!確認ヨシ!!!!!!ご安全に!!!!!!!!!!
このファッキンクソッタレウンコ治安のスラムでは!!!!!!!!!!例え痩せ細った死に掛けのガキ相手でも用心しなければならない!!!!!!!!!!!
だからこそ『修行』の場としてはうってつけ!!!!!!!!!!!!人混みでの危険察知能力やアンブッシュへの対応が身に着くのだ!!!!!!!!そう!!!!!!スラムチャレンジ一年生!!!!!!

167以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:02:47
(; A )「疲れる……」


常に神経を研ぎ澄ますのでえれえしんどい!!!!!!!!!!!!クソ野郎ごった返す市場を抜け、長屋並ぶ路地へと踏み入れる!!!!!!!!
玄関の前でテーブルを広げ、ヤクを賭けてゲームをするオッサン共や!!!!!汚染された鳥の死骸の羽を毟るガキが余所者のブサイクをジロジロと観察する!!!!!!居心地が悪い!!!!!!
だからと言って急ぎ足をするとすぐさま住民にカツアゲと言う名の強盗殺人されるのであくまで余裕の足運びで目的地に急ぐ!!!!!!!!舐められたら終いなのは現代社会と一緒だ!!!!!!!!!世知辛いのじゃ!!!!!!!!!!


( A )「……」


五分ほど歩いた先に、屈強で小汚く!!!!!!頭にターバンを巻いた緑色の肌をしたオッサンが見張りとして立ってる小汚い店に到着!!!!!!!
足下に立て掛けられてる酷い刃こぼれのアックス!!!!!!!!柄は血脂で赤黒く染まっている!!!!!!!!!汚え!!!!!!!!


<ヽ`∀´>「何用で」

( A )「蝙蝠の遣いだ。初対面じゃねえんだから面倒な問答させるなよ」


い、命知らず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!聴き耳立ててるエッチなスラムの住人も思わず息を飲む豪胆な発言!!!!!!!!!!
門番はフンと鼻を鳴らすと、斧を担ぎ上げ!!!!!!!!!顎をクイと動かし『着いてこい』と促す!!!!!!!!


( A )「お邪魔します」


アイサツは大事だ!!!!!!!!!!!古事記にもそう書かれてある!!!!!!!!
ブサイクが店内に足を踏み入れると!!!!!!門番はクソボロい長屋には似つかわしくない厚い鉄扉を閉じ!!!!!!閂を嵌めた!!!!!!!


<ヽ`∀´>「……」


そして覗き窓から周囲を確認し!!!!!!!!!そして!!!!!!!!!!



<ヽ;`∀´>「んもー!!来るなら来るって連絡してちょうだぁい!!!!!!!!!」



突如クネッとしたオカマ口調で文句を垂らすのであった!!!!!!!!!!

168以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:05:31
('A`)「わり」


謝罪!!!!!!!!!そしてフードを取る!!!!!!!!!露わになるブサイクな顔面!!!!!!!!!目を伏せるな!!!!!!!!
これがこの物語の主人公だ!!!!!!!!擬人化イラストでやたらイケメンに描かれるドクオなんて夢は見るな!!!!!!!!


<ヽ;`∀´>「着けられて無いわよね?まさかドクオちゃん一人で来るなんて思ってなかったわぁん」

('A`)「俺はアホのマスターやおっぱいキチガイと違って小心者でね。店長は?」

<ヽ`∀´>「奥で仕事中よぉん。まま、座って。お茶を淹れるわぁん」


ようやく一息吐けたドクオは!!!!!!!脱いだローブと肩掛けバッグをポールハンガーに掛ける!!!!!!!露わになるヒップホルスターには何かの薬品が入ったなんかあの……えっと……メスシリンダーじゃなくて……あの……
試験瓶!!!!!!!!!そう!!!!!!!コルク栓で封をされた長細い試験瓶がいくつか!!!!!!!!年取ると道具の名前がパッと思い出せない!!!!!!!老化である!!!!!!!!
それに加えて十五センチ程の長さの棒やナイフ!!!!!!!弾薬盒のような小さなボックスも装備されている!!!!!!!備えあれば憂なし!!!!!!霧島も言っていた!!!!!!!!


('A`)「やーっと落ち着けるぜ……」


小汚い外装とは裏腹に!!!!!!!店内は小綺麗!!!!!!!そしてどう見ても長屋の外見より高い天井!!!!!!!お花も飾って素敵じゃない!!!!!!!
オカマは……オカマって表現は今はアウトなんやっけ!!!!!!!!???????じゃあお姉さんでええか!!!!!!!!
お姉さんは手の汚れを綺麗に洗い流し、清潔な水が入ったヤカンを『炎』が描かれた札の上に置く!!!!!!しばし待つと、沸々と沸騰を伝える音が聞こえてくるではないか!!!!!!!不思議やね!!!!!!!

169以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:08:03
<ヽ`∀´>「元気してたぁん?最近おっきなヤマをこなしたって聞いてからアタシ心配でぇん」

('A`)「見ての通り何とか生きてるよ。そっちはどうだ?ニダ姐」

<ヽ;`∀´>「もー大変よぉ!!『聖剣竜』が行方不明になってから召喚ペース上げたみたいで、異世界難民が増えちゃってぇん」

('A`)「わり、それ俺」

<ヽ;`∀´>そ「なんですってぇ!?」


聖剣竜って誰!!!!!!!!!!!!?????????って方に説明しておこう!!!!!!!!!!!前回、ブサイクによって大陸の遥か彼方まで殴り飛ばされた!!!!!!!!!!!!
異世界に来てチートを手にしザコ相手に無双して女を侍らせ曲がった正義感で無辜のニュートラルを虐殺しては世界救う気満々でいたイケメンのクソ野郎だ!!!!!!!!!!!!もう五年前!!!!!!????????え!!!!!!!!????????


('A`)「案外大したこと無かったわ」

<ヽ;`∀´>「嘘ぉん……アタシがセガール軍にいた頃には魔王率いる一師団が聖剣竜一行に打ち破られたのよぉん……?」

('A`)「結構貯めてたからな」

<ヽ;`∀´>「ほんと、ジャンクとは名ばかりのスキルねぇん」


ブサイクのスキル、『汗と涙の十二発』は!!!!!!!!!鍛えれば鍛えるほど破壊力の増す『十二撃』を、強靭な肉体を以て放つ男の中の男のスキル!!!!!!!!!!!!
だが、他の使い勝手の良いチートとは違って『鍛錬』という長い準備期間が必要であり!!!!!!!!!コスパクソ悪い!!!!!!!!!!故に下された評価は『ジャンク』!!!!!!!!!
それでも無限の可能性を秘めたスキルを使い熟すドクオに、『ニダ姐』は苦笑いと共にお茶を差し出した!!!!!!!!!!!!!!

170以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:12:44
<ヽ;`∀´>「足抜けして正解ねぇん。ドクオちゃんみたいなのが相手だと思うとゾッとしちゃうわぁん」

('A`)「ニダ姐みたく土台がしっかりしてる戦士なら、ブッパしか能のねえ俺如きに遅れは取らねえよ。『一騎当軍』や『嵐飼い』なら負けてたかもしれん」

<ヽ`∀´>「あら、じゃあ聖剣竜は?」

('A`)「身の丈に合ってない武器をただ単に振り回してるだけ……」


ブサイク!!!!!!!!!!!!!お茶を飲みまぁす!!!!!!!!!!!!!!!え゛ぇ゛!゛?゛お゛前゛も゛お゛茶゛を゛飲゛む゛ん゛か゛ぁ゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛ワ゛シ゛も゛飲゛も゛う゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛
そして彼(女)!!!!!!!!紹介が遅れたが元はセガールの将軍!!!!!!!種族は『オーガ』の『ニダー・ディヴァイン』だ!!!!!!!!ピンク・フラミンゴに出てたドラァグ・クイーンと名前が一緒!!!!!!!!ラストで犬のウンコを食った人とは無関係だ!!!!!!!!良かった良かった!!!!!!
彼(女)はノリス人ではあるが!!!!!!紆余曲折あって今はMEETの心強い味方!!!!!!!!強面に似合わぬ清く優しい心根の持ち主!!!!!!!!そして将軍だけあって物凄く強かったのだ!!!!!!!!


('A`)「ハァー……取り巻きに助けられながら、奪ったスキルでかっこよくゴリ押しして気持ちよくなってたんだろうよ。あいつには『個』が感じられなかった」

('A`)「多いぜ、そんな奴。特に高ランクスキル保持者なら余計にな。一騎当軍や嵐飼いみてーに『積み上げた』異世界人の方が珍しい」


一騎当軍こと『ジェネラル・ギコ』はカラテ!!!!!!!!!嵐飼いことニュッくんは神獣『ストーム・ビースト』との信頼関係!!!!!!!!!!
得られたスキルに驕らず、研鑽を積んだ者が相手となると!!!!!!!『一芸特化』であるブサイクの勝率は格段に落ちる!!!!!!!!つまりマスターがあの時下した采配は実は理にかなっていた!!!!!!!!筋肉は全身が脳なのでお前より賢い!!!!!!!!
十二撃を使い果たせば元のガリガリゴブリンゾンビ顔面のクソザコナメクジに戻るのだから泥臭い消耗戦に持ち込めばクソカスイケメン勇者でも勝てた!!!!!!!!!!


<ヽ`∀´>「両国の上層部が『それ』に気づかず、高ランク保持者を担ぎ上げてるのは、アタシたちにとっては幸運ねぇん……」


「『驕れる者は久しからず』」


部屋の奥からダンディな男の声!!!!!!!!!!!!放つ言葉は当然、このノリスには無い!!!!!!!!!ちゃんと義務教育受けた皆さんなら当然ご存知のはず!!!!!!!!!
知らない!!!!!!!???????え!!!!!!!???????すっげえバカじゃん!!!!!!!!小学生からやり直せば!!!!!!!!!????????


N| "゚'` {"゚`lリ「お前にも言えることだぞ、ドクオ」


車椅子に乗って現れたのは、プロフェッサーXじゃない!!!!!!!!髪の毛フサフサ!!!!!!!
青いツナギに身を包む、推定三十前後のいい男!!!!!!!!!異世界人の『阿部高和』のエントリーだ!!!!!!!!

171以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:18:37
('A`)「よう、カズさん。仕事は済んだのかよ」

N| "゚'` {"゚`lリ「来客があっては集中も出来ん。ニダー、俺にもお茶を」

<ヽ`∀´>「はぁい、ただいまぁん」


声のトーン、上がる!!!!!!!!その表情、まるで恋する乙女!!!!!!!!そう!!!!!!貴重な萌えどころである!!!!!!!!好きだろ!!!!!!!恋愛要素!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「お前が『汗と涙の十二発』を使い物に出来るのは、ショボンのスキルがあってこそだ。それに、この世界は『積み上げた努力』など簡単に覆せる転生者で溢れている」


鋭い眼光に貫かれ!!!!!!!ブサイクは気まずそうに目を背ける!!!!!!!まともな大人はコワイ!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「努努忘れるな。我々は弱者だ。だからこそ、手段を選ばず、狡猾で、卑怯で、臆病で居続けなければならない。間違っても『勇者』や『魔王』のように英雄を気取るな。聖剣竜のようになりたくなければな」

('A`)「良いねえ。狡猾、卑怯、臆病。ザコの俺にはお似合いの言葉だ。今更説教垂れられるまでもねえんだよ」

N| "゚'` {"゚`lリ「卑屈が治ってないようで何よりだな。やはり幸運だ。高ランクスキルを身につければ、真っ先に傲慢に溺れるのはお前のような日陰者だからな」

('A`)「ご高説感謝するよカズさん。これで両脚が使い物にならずに済みそうだ」


一発触発!!!!!!!!!!!!!空気が震える!!!!!!!!!!!!!見つめ合わなくても素直にお喋り出来ないクソ野郎共が会話するとこんなんなる!!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!!!
そこに投じられる新たなティーカップ!!!!!!!!!!まるで自然落下のような速度でカズさんの眼前を通り過ぎたそれは!!!!!!!!


<ヽ`∀´>「ダメよん喧嘩しちゃぁん」


机上で音も無くピタリと止まる!!!!!!!!!!!お茶の水面から水滴が一つ浮かんで落ち!!!!!!!!!小さな波紋を広げた!!!!!!!そう!!!!!!!波紋疾走!!!!!!!!!


<ヽ`∀´>「ドクオちゃんはカズさんに言われずともちゃんと弁えているし、カズさんはドクオちゃんが心配だからキツイ口調になっちゃうのよぉん。だから、仲良くしてちょおだぁい」

N| "゚'` {"゚`lリ「善処する」

('A`)「がんばりまーす」

<ヽ;`∀´>「もう!!素直じゃないんだからぁん!!」

172以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:19:48
N| "゚'` {"゚`lリ「さて……」


お茶!!!!!!!!!!!!!!!!!音も無く啜る!!!!!!!!!!!!その所作、本来の意味で紳士じみている!!!!!!!!!
スラムのドブくせえ臭いに似合わぬ柑橘の香り、広がる!!!!!!!!!!!これにはピリピリしていた空気もやんわりだ!!!!!!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「今日のブツは?」

('A`)「これだ」


取り出したのは麻袋!!!!!!!!!!!!ハンドのボール程の大きさに膨らんでいるそれを手に取ったカズさんは片眉を上げる!!!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「軽いな。ハーピィの羽根か」

('A`)「察しの通りで」


一瞥もせずに中身を当てた良い男!!!!!!!!!いつもの事なのでブサイクも気持ち悪い顔面を歪めて驚いたりはしない!!!!!!!!!!!!!
袋の中から一片取り出すと!!!!!!!!ほうと感嘆のため息を吐いた!!!!!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「美しい……羽弁に汚れもなく柄もしっかりとしている。これは狩猟によって毟り取られたものでは無いな?」

('A`)「『お客さん』が換羽期でね。捨てるものだからっつって頂いたんだよ」


お客さんことハーピィの未亡人ツンさん!!!!!!!!!!!!奪われた息子さんを実質無償で奪還したのが前回の話!!!!!!!!え!!!!!!!!!?????????五年前!!!!!!!!???????何の話!!!!!!!?????
それからまぁ時間は経ち!!!!!!!!!!!MEETの近くに息子と二人で穏やかな生活を始めた彼女!!!!!!!!脳筋クソ野郎共との交流も続いていた!!!!!!!!そう!!!!!!!!このお話では希少な女性枠である!!!!!!!!!スケベはない!!!!!!!!
そして今回!!!!!!!!改めて頂いた報酬!!!!!!!!!『片目』と比べるまでもないが、それでもハーピィの羽根は市場になかなか出回らないレアアイテム!!!!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「磁器のような光沢に赤ん坊の産毛を思わせる肌触り……安物の帽子にこいつを一本挿すだけで価格が何倍にも跳ね上がるぞ」


装飾に良し!!!!!!!!!ペンに良し!!!!!!!!羽箒に良し!!!!!!!!!魔道具に良し!!!!!!!!お前に良し!!!!!!!!俺に良し!!!!!!!!フンガー!!!!!!!!
ここに中島誠之助先生が居たのなら!!!!!!!!!「良い仕事してますねえ!!!!!!!!!!!!!!ええ!!!!!!!!!!!」と太鼓判を頂ける一品!!!!!!!!!美女は羽根も美女だ!!!!!!!!!!!
しかし一転して!!!!!!!!カズさんの表情、曇る!!!!!!!一体何が気に食わなかったというのだろうか!!!!!!!!鳥アレルギーかな!!!!!!!????????

173以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:20:53
N| "゚'` {"゚`lリ「捌くのが……難しいブツだな」

('A`)「マスターもそう言ってたぜ。ま、どこの世界でも生態系を狂わせるバカはいるってこったな」


前回のお話を思い出して欲しい!!!!!!!!!!!忘れた!!!!!!!!!????????まぁ五年前やしな!!!!!!!!!!しゃあないしゃあない!!!!!!!!!俺は寛大だから今回は許すが次は無いと思えマヌケ


『ハーピィは過去、乱獲に遭いその数を極端に減らしている!!!!!!!!!爪から羽毛、果てはいやらしいことに至るまで、高値で取引されるからだ!!!!!酷い話だ!!!!!股座がいきり勃つな!!!!!!!』


前話より引用!!!!!!!股座がいきり勃つじゃない!!!!!!!!!!!!!人でなしが!!!!!!!!!!オチンコ野郎!!!!!!!!!!!
そう!!!!!!!!!!!!過酷な異世界事情!!!!!!!!!!!!母数が減れば当然、市場に出回る素材も減る!!!!!!!!!!
そんな中、非常に状態の良い品物がポンと並んでいればどう思うか!!!!!!!!!!!異世界であろうともクソ野郎多きこの大陸!!!!!!!!金の匂いを逃す筈が無い!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「下手するとハンターが動き兼ねない。慎重にならねばな」


『ハンター』!!!!!!!!!!ドクオは胸糞悪さを洗い流すかのようにお茶をがぶ飲みした!!!!!!!!メロンソーダが如く!!!!!!!!!
この羽根の提供者は!!!!!!!!一片の慈悲も無いクソ勇者一行に!!!!!!!!ひいては奴らに依頼したオタクの風上にも置けないオチンカスコレクターに!!!!!!!!!
住処を追われ!!!!!!!!仲間を!!!!!!!そして夫を殺されたのだ!!!!!!!!!大陸の端まで殴り飛ばしても!!!!!!!殺された者は帰っては来ないのだ!!!!!!!!!!決して!!!!!!!!!


('A`)「……たまに、『こいつ』が煩わしく感じるよ」


手首の内側に刻み込まれた『不殺』の文字!!!!!!!!!ドクオの両腕には『制約文字』が彫り込まれている!!!!!!!!!温泉に……入れないのである!!!!!!!!!!!
ドラゴンボール級破壊力を誇る『汗と涙の十二発』を全力で放って、『誰一人死なない』のは!!!!!!呪いとも祈りとも取れるこの制約があってこそだ!!!!!!!!!!


('A`)「クソ野郎は減る所か増えるばかり。少しでも処分しちまえば、彼女もガキも暮らしやすく……」

N| "゚'` {"゚`lリ「よせ」


鋭い眼光!!!!!!!息が詰まる!!!!!!!!まともな大人は怒るとコワイ!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「暴力で何もかも解決出来ていれば、俺たちの居た世界も少しはマシだった筈だ。お前の思考は、縛りの緩い此方の世界に染まっている」

N| "゚'` {"゚`lリ「この羽根の持ち主から何もかもを奪った連中と同じ思考だ。後に待つのは新たな暴力による報復しかない。だから『ノリス』の戦火は今なお止まる事なく広がり続けている。お前の両腕に刻まれた言葉の真意を今一度思い出せ」


『殺さない、奪わない、犯さない』!!!!!!!!!!乱世に置いて男を漢たらしめる三原則!!!!!!!!
強大な力を持つからこそ!!!!!!!!漢は自らを律し!!!!!!己の正義を貫く生き様を見せつけなければならない!!!!!!!!
だってその方が!!!!!!!!『かっこいいから』だ!!!!!!!!!何かあるとすぐ復讐やら無双やらとほざく連中にも教えてあげたい!!!!!!!

174以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:22:14
('A`)「……悪い、反省するよ」

N| "゚'` {"゚`lリ「フ……己を省みれるのなら上等だ。良い男になれるぜ。お前は」

('A`)「意味深なのは気の所為か?」

N| "゚'` {"゚`lリ「期待させて悪いが、俺だって抱く相手は選ぶ」

('A`)「こっちから願い下げですけど????????」


ブサイクはブサイクなので男であっても恋愛対象外だ!!!!!!!!!かわいそう!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「さて、取引を済ませてしまおうか。ニダー」

<ヽ`∀´>「はぁい」


ニダ姐が手渡した算盤をパチパチしたカズさんは!!!!!!凡その金額を提示する!!!!!!!確認したドクオは新たにメモを差し出した!!!!!!!!


('A`)「今回の入り用だ。いつも通り差し引いた金額と品をくれ」

N| "゚'` {"゚`lリ「どれ……うむ、概ね揃っているが……おや、『簪』に『ぬいぐるみ』と来たか」

('A`)「返礼品だ。できればオモチャの方は頑丈なモノを頼む。すぐに用意出来そうか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ウチの品揃えを舐めてもらっちゃ困るな若造。ニダー、頼む」

<ヽ`∀´>「りょーかい。ちょっと待っててちょうだぁい」


メモを受け取ったニダ姐は内股でパタパタと可愛らしく倉庫の方へと駆けていく!!!!!!!!そう!!!!!!!!萌えどころ!!!!!!!!!てぇてぇって言えオタク!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「ついでだ。ローブの調子を見てやる」

('A`)「そいつぁありがてえ」


ドクオの数少ない私物、『リモコンローブ』!!!!!!!ブロッケンJr.の帽子と同じ材質で出来ているので浮遊操作が可能の魔道具だ!!!!!!!
ポールハンガーからビャッと飛んだローブは!!!!!!!!ブサイクから逃げるかのようにカズさんの手元へと収まった!!!!!!!

175以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:23:30
N| "゚'` {"゚`lリ「ふむ……魔力の吸引紋が少し薄くなってるな。サービスで書き直してやる」

('A`)「助かるぜ。大事な相棒で、生命線だ」

N| "゚'` {"゚`lリ「そう言って貰えるなら、こいつも道具冥利に尽きるだろうよ。折角だ。『報酬』を使わせて貰おう」


カズさんは机上に置いてあったインク瓶を引き寄せ、羽根の根元をチョンと浸す!!!!!!そしてロープの襟首に刻まれている『吸引紋』を丁寧丁寧丁寧になぞり始めた!!!!!!!!!
異世界ファンタジー世界『ノリス』では!!!!!!!!!!場所によって濃度は異なるが、空気中に微量の魔力が含まれている!!!!!!!!!
魔道具は吸引紋からその魔力を吸収!!!!!!!!そしてエネルギーとして変換する!!!!!!!!言わば魔力はリモコンローブのご飯なのだ!!!!!!!!
そして前回、ブサイクがお腹ぶん殴って内臓をジャムの如くグチャグチャにされた『ジャム・メイカー』ことワタナベのゴーレム生成魔法!!!!!!!!これも魔法適正のあるものが空気中の魔力を皮膚呼吸により取り込み、体内に溜め!!!!!!!!
詠唱を以って魔法を発現する!!!!!!!!そう!!!!!!!!ウィンガーディアムレヴィオサーなのだ!!!!!!!あれ!!!!!!!??????オーサーだっけ!!!!!!!?????


N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、良い仕上がりだ」


カズさん、ご満悦!!!!!!!!!某刀剣擬人化ゲームでお手入れをされた美少女キャラの挙動とかではない!!!!!!!正直あの機能すげーいらない!!!!!!!!!!
元気百倍リモコンローブは!!!!!!!先ほどよりも力強い動きでドクオの手元に舞い戻る!!!!!!!!持ち主は驚きをそのクソブサイクな顔面で表現した!!!!!!!!きっしょ


('A`)「おっと……やり過ぎじゃねえか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「通常のペンよりインクの乗りが良かったのさ。まるでこの羽根が、お前の助けになりたいかのようにな」

('A`)「……」


彼女がもたらした『感謝』の想い!!!!!!!!!羽根の一つに到るまで行き届いている!!!!!!!!
この世界へ訪れてから、人によって散々な目に遭った!!!!!!!!しかし!!!!!!戦う術を学び、MEETの元で男を磨き始めてから!!!!!!!
誰かを『助ける』ことによって受けられる恩恵!!!!!!!!感涙と共に贈られた『ありがとう』の言葉!!!!!!!そして今!!!!!!!助けた者に助けられる『恩返し』!!!!!!!!


('A`)「そりゃ……悪くねえ気分だな」


漢であり続けるからこその幸福感に、一言の感想を述べたのであった!!!!!!!!!!!!!

176以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:25:37
―――――
―――



('A`)「確かに」


用意されたお金と品物を確認したブサイクは!!!!!!!!それらを手早くバッグの中に詰め込み、帰り支度を始める!!!!!!!!!
行きは良い良い帰りはコワイ!!!!!!!!重くなった荷物、肩紐がズシリと食い込む!!!!!!!!そう!!!!!!!まるでおパンツのように!!!!!!!!!!


<ヽ;`∀´>「もう帰るのぉん?今日は泊まって行きなさいな」

('A`)「折角だが、遠慮するよ。二人の愛の巣に長居するのも忍びない」

<ヽ`∀´>「んまぁ!!」


緑色の肌に朱が差す!!!!!!!!オネエの照れどころだ!!!!!!!萌えろ!!!!!!!!てぇてぇって言えオタク!!!!!!!!
対しカズさん!!!!!!!クールゲ……ガイ!!!!!!!!ブサイクの軽口に顔色ひとつ変えず、メモに走り書きをして手渡した!!!!!!!!!


N| "゚'` {"゚`lリ「次の移転先だ。偶には顔を出すようにマスターに伝えてくれ。それと、こいつはお前への駄賃だ」

('A`)「駄賃?」


十枚ほど積み重なった『お札』!!!!!!!!白地に吸い込まれるような黒円が描かれている!!!!!!!!
ノリスの通貨はファンタジーらしく全てが硬貨!!!!!!!!駄賃と言っても紙幣では無い!!!!!!!!!!


('A`)「『新作』かい?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、『闇符』だ。まだ試作だが、問題なく使えるだろう」

('A`)「効力は?」

N| "゚'` {"゚`lリ「二秒。効果範囲は直径一メートル。発動条件は『引っ掻き』から三秒後に設定してある」

('A`)「ふーん……目眩しにするには、心許ないな」

N| "゚'` {"゚`lリ「広範囲に渡る視界の妨害なら煙幕に軍配が上がる。だが使い勝手は良いぞ」

('A`)「なるほど。そんじゃ、色々と遊んでみるぜ」

177以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:26:37
ドクオはホルスターの弾薬盒を開く!!!!!!!!中には今しがた受け取った『闇符』と同じようなお札がギッシリだ!!!!!!!!決闘者なのかもしれない!!!!!!!通行人はどいてた方がいいぜ!!!!!!!今日からこの街は戦場と化すんだからよ!!!!!!!!
その中へと丁寧丁寧丁寧に符を詰め込むと、ローブを操作して身を覆い尽くす!!!!!!!!!頭隠してブサイクも隠す!!!!!!!!合理的だ!!!!!!!!


( A )「また来るぜ」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ。死ぬんじゃないぞ若造。ニダー、お見送りを」

<ヽ`∀´>「はぁい」


ドクオは軽く手を振って店を後にする!!!!!!!ニダ姐が扉を開いた瞬間!!!!!!!!吹き込むドブ臭!!!!!!!気はケツのように引き締まる!!!!!!!こっちのドクオはケツを引き締めても音は鳴らない!!!!!!!圧倒的筋力不足だ!!!!!!
ケツが鳴るってなんだ!!!!!!!??????なんだ……気持ち悪いな……頭おかしいんじゃねえのかお前……


<ヽ`∀´>「毎度……」

( A )「フン」


店を出た瞬間!!!!!!!!愛想の良いオネエは鳴りを潜め、無愛想な門番へと戻る!!!!!!!表裏一体!!!!!!まるでクリスとクラウザーだ!!!!!!!
だがブサイクには見えていた!!!!!!!組んだぶってえ腕の隙間から覗く、反り立つ親指!!!!!!!!!そう!!!!!!!ビッグ親指!!!!!!!!
激励のサムズアップを受け、ドクオもブサイクな微笑みを返して歩き始めるのだった!!!!!!!!!!

178以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:27:22













179以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:28:27
―――――暫くして



スラムの長屋街には似つかわぬ、銀の煌めきを放つ甲冑の面々が訪れた
手癖の悪いラジーの住民であっても、『騎士』を相手に略奪を行う度胸は無い。重たい金属の音を立てながら我が物顔で突き進む彼らを、煩わしそうな目で見るだけだ
その中で唯一、チェストアーマーと籠手、脛当といった最低限の防具を付け、惜しげも無く腹を露出した軽装の女性は住民に対して舌打ちを放つ


(*゚ー゚)「……酷い場所」


ラジーに常駐する監視班からの連絡を受けたスタローン王属騎士の一つ、『月猫』副隊長の『シーナ・ハニア』はしかめ面と共に率直な感想を呟いた
後に続く隊員と比べ、頭二つは小さな彼女であったが、その身から放つピリリとした不機嫌さに部下達は内心穏やかでは無く、誰もその態度を窘めようとはしない
ただ一人、彼女の隣を歩く『上官』だけが、苦笑いを浮かべて苦言を呈した


ミ,,゚Д゚彡「気持ちは分かるがな……ようやく掴んだ『脱走勇者』の尻尾だ。ネガティブな発言は士気に差し障る」

(*゚ー゚)「真面目なこと。いっそ最初から異世界人に首輪でも着けておけば、こんな不衛生極まりない場所に踏み込まなくても良かったのに」

ミ,,゚Д゚彡「俺もそう思うよ。だが、彼らにはあくまで『英雄』として働いて貰わねばならない。人を支配するのに必要なのは制約や圧力では無く、実益を伴った甘い甘い『夢物語』だ」

(*゚ー゚)「それだけで従うような度し難いバカばかりじゃないから、こうして私たち末端が働かないとダメなんじゃない」

ミ,,゚Д゚彡「最もだな……だからこそ、逃げ出した『聡い連中』は厄介だ。先の『ジェネラル・ギコ』や『嵐飼い』の件もある」

(*゚ー゚)「『お友達』に裏切られて、内心穏やかじゃないって所かしら?フサールお兄様?」

ミ,,゚Д゚彡「言葉が過ぎるぞ」


彼女の腹違いの兄にあたる『フサール・ハニア』の口調に若干の苛立ちが混じり、隊員達の緊張はなお一層昂まった。妹はそんな彼を見て、『はいはい』と気にも留めぬ態度を返す
異世界から現れた連中は、シーナが言ったように餌をぶら下げただけで付き従うロバのような愚か者ばかりではない。ノリスの現状や、規格外と見做され追い出された異世界人への扱いに疑問を抱く者もいる


ミ,,゚Д゚彡「……いや、お前の言う通りだ」

(*゚ー゚)「あらあら」


召喚時からの仲である『ジェネラル・ギコ』の心境の変化には、それこそ『蝙蝠』との接触前から薄々と感じていた。酒でも飲み交わしながら相談に乗ってやろうとした矢先に、彼は『嵐飼い』と共に姿を消した
『友情』の枷で繋ぎ止めようとした打算から始まった関係だが、いつしか『親友』と呼べる間柄になっていた。なっていた、筈だったのだ
たった一回の、『蝙蝠』本人との直接交戦。フサールとギコが築いた友情よりも、シンプルな『力』が勝った。その事実は、彼にとっては耐え難い屈辱であった

180以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:30:30
>>170
ドーラ様かよ
いや、アズマか

181以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:31:06
(*゚ー゚)「とんだ恩知らずよね。無様に敗北しただけに飽き足らず、将軍として推薦したお兄様のツラまで汚していくなんて」

ミ,,゚Д゚彡「……俺のツラなど、いくら汚れても構わないさ。戻ってきてくれさえすれば、我が王も情を掛けてくれるだろう」

(*゚ー゚)「お人好しも過ぎると欠点よ?」

ミ,,゚Д゚彡「そんな上等なモンじゃないさ……そろそろだな。総員、腹を括れ。情報通りニダー・ディヴァインが居るならば、苦戦を強いられるぞ」


かつて猛威を振るった敵国の将軍、『ニダー・ディヴァイン』。何度か剣を交える機会があったが、当時の実力のままであるなら、ルーキー勇者程度なら『善戦』も出来ずに倒れる存在だ
かつてはセガールでも屈指の猛将だったが、異世界人の違法保護が明らかになり、身柄を拘束。隠れ家で発見された十数名の規格外異世界人はその場で『魔王』によって処理された
彼も謀反の疑いで処刑を言い渡されていたが、執行当日に『蝙蝠』の襲撃によって逃亡を果たす。以後、彼の協力者としてセガールとスタローンの両国で指名手配されている重罪人である


(*゚ー゚)「でぇー……もっとヤバいのは『アベ・タカカズ』の方だっけ?」


シーナは、両腕を振るい籠手からそれぞれ三本のブレードを出現させる。それを皮切りに、隊員は次々と抜刀した


ミ,,゚Д゚彡「EXランクスキル『最高級職人《マエストロ》』。それが彼のスキルだった」

(*゚ー゚)「EX?だった?」


聞きなれないランクと、過去形。立て続けに投じられた二つの言葉に、シーナは小首を傾げる


ミ,,゚Д゚彡「ノリスのヒト、文化を根底から変えかねない超反則級のスキルランクだ。蝙蝠のスキルもこれに該当する」

(*゚ー゚)「へぇー。つまり、超大当たりってこと?」

ミ,,゚Д゚彡「そうなるな。最も、まともに運用された試しがない」

(*゚ー゚)「蝙蝠を見りゃわかるわよそんな事。SSランクのボンボンボウヤがどれだけ扱いやすかったか良くわかるわ。ぶっ飛ばされたみたいだけど」


『聖剣竜』が敗北したという知らせを聴いた妹が、たっぷり五分は腹を抱えて笑っていたのを思い出し、フサールは視線を泳がせた
人当たりと顔立ちの良い青年であったが、女性に対してやや気障とも取れる物腰で接していたのを覚えている
人気のある勇者だったが、シーナにとってはうざったらしい存在だったらしく、『スキルと顔面以外取り柄のないスカスカのつまらない男』と本人に直接評価を下した時は肝を大いに冷やした

182以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:33:42
(*゚ー゚)「で、その超大当たりさんは何をしでかしたワケ?」

ミ,,゚Д゚彡「勇者という立場でありながら、自らが発明した魔道具の製作法をセガールにも流通させていたのさ」

(*゚ー゚)「は?何の得があって?」

ミ,,゚Д゚彡「『技術は人々の暮らしを向上させ、幸福へと導くもの。それはヒトも魔族も例外ではない』。彼なりの信念に基づいた行動だったのだろう」

(*゚ー゚)「ばっかじゃないの、そいつ?」

ミ,,゚Д゚彡「職人気質ってやつさ。その結果、スキルのランクダウンと脚の機能を奪われ、監獄塔に投獄されていたが……これも蝙蝠の手引きによって脱獄されてしまった」

(*゚ー゚)「あーあー……手ぬるい真似なんかするから余計な面倒が増えるのよ。サッサと殺してしまえば楽なのに」

ミ,,゚Д゚彡「スキルランクが下がったとは言え、まだまだ利用価値があると踏んだのだろう。当時の上層部がお前ほど割り切りが良ければな」


隊員の一人は思った。「こいつらめっちゃ喋るやん」と


(*゚ー゚)「にしても、スキルの模写や奪取ならともかく、『ランクダウン』は初耳ね。そんなスキルや魔術の持ち主、見たことも聞いたこともないけれど?」

ミ,,゚Д゚彡「お前が物心つく前で、俺がガキだった頃の話になるが、そんな勇者がいたんだとよ。さて、楽しいお喋りはここまでだが……」


ポイントに到着。フサールは右手を掲げて隊員に待機を命ずる
一見、そこらの長屋と変わらない小さな建物だが、彼と妹の目には常人には見抜けない『残滓』を捉えていた
瞳は金色に染まり、縦長に切り込みを入れたかのように細くなる。その様は暗闇で怪しく光る猫の視線を連想させた


ミ,,゚Д゚彡「……」

(*゚ー゚)「……」


『月猫』の名の由来は、ハニアの血族が代々受け継がれた『眼』にある。通常、不可視である『魔力』を色として見ることが出来るのだ
ハニアの眼はサーモスコープのように物体を貫通してヒトや魔道具に含まれる魔力や、魔法を使った後に残る魔力滓を認識できる
痕跡を辿り、ジワジワと獲物を追い詰める。これが彼らの得意とする戦法だった。しかし―――――


ミ,;゚Д゚彡「なんだぁ……こいつは?」

(;゚ー゚)「気持ち悪……」


今回に限っては、『獲物』が一枚上手だった

183以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:35:26
「どうなされたので?」


同時に混乱した二人に、隊員の一人が心配そうに声を掛ける。彼の眼にはただの何の変哲もない建物にしか見えていない


ミ,;゚Д゚彡「魔力が『濃すぎる』。それも一、二種類なんてもんじゃない」

(;゚ー゚)「絵具かき混ぜたかのようにグチャグチャに染め上げられてるわ……」


部屋の中を、七色の絵具で満たしたかのように魔力が渦巻いている。これも一つの痕跡ではあるだろうが―――――


ミ,;゚Д゚彡「読んでいたな……」


獲物はハニアの二人が追ってくると踏んで、痕跡を『消す』のではなく『塗りつぶす』方法を選んだ
僅かな証拠を探して細々と掃除するよりも手っ取り早く、『どこへ行ったか』『何の罠が張ってあるか』『何の魔法、魔道具を使ったか』などの推測が困難となる


(*゚ー゚)「ふむ……貴方、中を検めなさい」

「は」


声を掛けた隊員は、文句ひとつ溢さず剣を構えて『木製』の引き戸を開き、中へと踏み込んでいく
ブービートラップの類は発動せず、室内も五歩は歩けば壁に到着するほど狭い。水道や厠の類も無い、ただの物置のような部屋だった
特に目ぼしい物は無いと判断し、外へと戻ろうとした時。部屋の四隅に『筒』が置かれているのを発見する


「……」


充分に警戒しつつ、剣先で軽く叩いてみる。爆発はしないが、中から『カラン』と乾いた音がした
倒して転がしても、中から乾いた音がするだけで異変は無い。持ち上げてみても、異変は起こらなかった
念の為、『防呪』『防発』の魔法を施し、慎重に外へと持ち出した


ミ,,゚Д゚彡「どうだ?」

「これが設置されてありました。差し出がましくも防護魔術を施しましたので、宜しければご確認を」

ミ,,゚Д゚彡「助かるよ。ありがとう」

184以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:38:27
筒は蓋に当たる部分に錐でくり貫いたかのような穴が幾つか開けられてあり、斜めに傾けると僅かに水が零れた


(*゚ー゚)「これって……」

ミ,,゚Д゚彡「バルサンだな」


アベ・タカカズが発明した燻煙殺虫剤。室内を毒性の煙で満たし、手の届かない場所に潜む害虫を退治する大ヒット商品
彼が元いた世界には同じ物が販売されていると聞くが、優先すべきは『何故こんな物が置かれていたのか』だった


(*゚ー゚)「こんな汚い場所のゴミ虫なんて、殺しても殺しても切りが無い。だとすると……」

ミ,,゚Д゚彡「室内を魔力で満たしたのは『これ』の仕業だな。猛毒や可燃性の気体では無かったのは、『近隣住民』への配慮と見るべきか」

(*゚ー゚)「『ココロガピョンピョンスルン城』の住民ごと『型破り』を焼き尽くそうとした聖剣竜と比べて配慮の行き届いてること」

ミ,,゚Д゚彡「他には?」

「いえ、綺麗なものです。仕掛けや隠し通路などの可能性も考えられますが……」

ミ,,゚Д゚彡「ブリーフィングでも言った通り、アベ・タカカズは渡り鳥のように拠点を移す。わざわざ大掛かりな逃げ道を作るなんて手間は取らないさ」

(*゚ー゚)「やっぱり転移魔法及び魔道具の線が濃厚だけど……これだけメチャクチャにされてちゃ正直お手上げだわ。私も『型破り』の討伐に付き合えば良かったかしら」


早々に捜索を諦めたシーナは、肩をすかして両腕のブレードを納刀する


ミ,,゚Д゚彡「珍しいな。ルーキー勇者の面倒を見る気になるなんて」

(*゚ー゚)「嘘、冗談よ。何であの手の連中は『ワンチャンある』みたいな顔してすり寄ってくるのかしら?」

ミ,,゚Д゚彡「向こうにいた頃はさぞかしプレイボーイだったんだろうよ。キミ、彼は今どうなっている?」


呆れ半分、面白半分の半笑いで別の隊員に呼びかける。その隊員も、笑いを堪えようと必死に口元を痙攣させていた


「は。現在、奴隷オークションにて2434Gの値が付いたと報告が」

ミ,,゚Д゚彡「どう思う?」

「恐れながら申し上げます。粋がって先行した分際で無様に敗北したのには、失笑を禁じ得ないであります」

ミ,,゚Д゚彡「ククッ、正直だな。救出班は?」

「『ギリギリまで弄んでから連れ帰る』と」

ミ,,゚Д゚彡「直に引き上げる。名残惜しいだろうが、早々に済ませるように伝えろ」

「は」

185以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:39:26
ミ,,゚Д゚彡「やれやれ……」

(*゚ー゚)「随分あっさりと諦めるのね。意外だわ」

ミ,,゚Д゚彡「俺らの仕事は『討伐』で、調査は含まれていない。まんまと見逃した監視班が悪いのさ。元より、一仕事終えた後に命じられた任務だ。隊の疲労をこれ以上溜め込むわけにもいかん」

(*゚ー゚)「だってさ」

「は!!お言葉ですが、我々月猫部隊!!この程度で音を上げるほど柔な鍛え方をしていません!!」


不意に話を振られた隊員は、憧れの副隊長に話しかけられた喜びからか、背筋をピンと伸ばして気合の入った返事をした
初心な反応にシーナはクスリと微笑を漏らす。フサールもまた口角を上げ、隊員の肩を労うかのように叩いた


ミ,,゚Д゚彡「勿論、諸君らの練度に疑問を抱いた事は無いさ。しかしだな、我々は『ご褒美』を取り上げられたままこの場に急行したんだぞ?そろそろ喉の渇きも限界だろう」

「は!!カラカラであります!!」


ドッと笑いが沸き上がり、張り詰めていた緊張が解ける。スタローンでも武闘派で知られる月猫であろうとも、蝙蝠の一派と事を構えるのは相応に覚悟が必要だった
今回はたまたま近場にいたという理由から派遣を命じられたが、本来ならば万全を喫して挑まねばならない相手なのだ。『戦果なし』の報告を土産にしても、幾らでも言い訳はつくだろう


ミ,,゚Д゚彡「では、王都に帰って小言を賜ろう!!その後、『反省会』だ!!たらふく食ってしこたま飲むぞ!!」


隊員達は踵を揃え、右拳を胸に当てて敬礼を行う。その一糸乱れぬ所作には、先ほど初心な隊員が言った通り『柔な鍛え方をしていない』という説得力があった
踵を返し元来た道を戻る彼らに続きながら、シーナは意地の悪い笑みを浮かべながら兄の顔を覗き込んだ


(*゚ー゚)「お小言で済むといいけど」

ミ,,゚Д゚彡「やめろ。頭が痛くなる」

186以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:41:08
(*゚ー゚)「サッサと帰りましょ。私はお風呂が恋しいわ」

ミ,,゚Д゚彡「そうだな……ん?」

(*゚ー゚)「どうしたの?」

ミ,,゚Д゚彡「……」

(*゚ー゚)「お兄様?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、何でもない。行こうか」


立ち止まったフサールの反応にシーナは眉を顰めたが、さして興味も引かなかったのか、後ろ手を組んで再び歩き始めた
彼の手の中に納まるバルサンの缶。その底面には、『客人』に対する短いメッセージが添えられていた


『またのご来店を』





ミ,,゚Д゚彡「全く……」


店も店主も見当たらないのに、来店もクソもあるものか。フサールは苦笑いを浮かべると、缶を『店内』へと投げ捨てる


ミ,,゚Д゚彡「次は、ちゃんと接客してくれよ」


返事の代わりに、空き缶が転がる音が背に返って来た―――――

187以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:43:10
―――――
―――



月猫がラジーに到着する二時間か三時間くらい前!!!!!!!!!!!!!!わかんね!!!!!!!!!!!結構時間経ってる!!!!!!!!!!うん!!!!!!!!!


( ^Д^)「見つけたぞ悪党!!」

('A`)「うわウザ」


ブサイク!!!!!!!!!!!!全力ダッシュ!!!!!!!!!!!!!君子危うきに近づかず!!!!!!!!!名言だな!!!!!!!!!
用事済ませたし早よ帰ろとしてたドクオの前に立ちはだかる少年漫画主人公みたいな男!!!!!!!!!!!鼻には絆創膏だ!!!!!!!!!
大体こんな感じで絡んでくる奴にロクなのはいない!!!!!!!!!!そこそこ長い異世界生活で学んだことの一つだ!!!!!!!ゼロから積み上げろ異世界生活!!!!!!!


( ^Д^)「臆病者!!逃げるのか!!」

('A`)「うん」

( ^Д^)「俺の名前は『プギャー・モウショウ』!!お前を倒し聖剣竜を超える最強の新人勇者だ!!」

('A`)「志ひっく」

(#^Д^)「一回止まれよお前!!!!!!!!!!!!!!!」


止まらない!!!!!!!!!ブサイク全力ダッシュ!!!!!!!!!!!クソどうでもいいしめんどくさいからだ!!!!!!!!!


(#^Д^)「この俺から逃げられると思うなよ!!『魔装外骨格』《タキシード》!!!!」


そう!!!!!!!!!!!!!ジャッキー・チェン主演の映画のタイトル!!!!!!!!プギャーの身体がぼんやり赤く光る!!!!!!!!
力強く踏み込み、跳躍!!!!!!!!!ドクオの頭上を越えてクルっと一回転!!!!!!進路上にスーパーひーろ着地!!!!!!!!これには全力ブサイクも急ブサイクブレーキを踏まざるをえない!!!!!!!!


( ^Д^)「へへ、どうよ」

('A`)「膝壊すぞ」

( ^Д^)「なんでこんな余裕なんこいつ」

188以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:44:41
( ^Д^)「蝙蝠の一派、『型破り』だな」

('A`)「人違いです」

(#^Д^)「顔面が特徴的過ぎて誤魔化しようがねえんだよ!!観念しやがれ!!」

('A`)「イケメンってこと?」

(;^Д^)「イケ……いやうん!!美醜の判断基準は人それぞれだから!!」


気遣い!!!!!!!逆に傷つく!!!!!異世界いってもブサイクはブサイクのままだったし、モテもしなかった!!!!!!かぁいそ!!!!!!!!!ギャハハハハハ!!!!!!!!!
しかし第一印象!!!!!!!!悪い奴じゃなさそうと判断!!!!!!!!!逃走から交渉へと切り替えるブサイク!!!!!!!!よっ!!!!!!!!世渡り上手!!!!!!!!


('A`)「俺がその……膜破り?だったとして、どうするつもりだ?」

( ^Д^)「『型破り』だよちょっとエッチにしてんじゃねえ!!お前を連行する!!大人しく着いて来てくれりゃ手荒な真似はしねえよ!!」

('A`)「俺の名前は『宇津木ドクオ』ってんだ。オメーは?」

(;^Д^)「会話する気ねえのか?さっき言っただろ!!『プギャー・モウショウ』……」

('A`)「そっちじゃねえよ。元の世界での名前だ」


異世界人の中でも『勇者』や『魔王』に選ばれた者は!!!!!!王国から『洗礼名』を賜る!!!!!!!!!前回のキングダム登場人物の名前元ネタにしたアレがそうだ!!!!!!!アレとかそうとか語彙力ないんか?
ドクオのように規格外とされて追い出された者には与えられず!!!!!!!!!!カズさんのような逃亡勇者は剥奪される!!!!!!!!洗礼名とは言わばステータスの一種なのだ!!!!!!!!

189以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:45:40
(;^Д^)「た……高木、蕗弥……」

('A`)「そうか。まだ『思い出せる』か」

(;^Д^)「は?忘れるワケねーだろ……」

('A`)「だよな」


『名は体を表す』という慣用句がある!!!!!!!!!!!名前とは性別、体格、年齢、性格、歪な性癖(ワキおにぎりとか)等!!!!!!!!!全てをひっくるめた『個』を指し示す言葉!!!!!!!
そして人は時に!!!!!!!!!!他者の名を騙り別の人生を演じられる生き物!!!!!!!!!ドニー・イェンがイップ師匠を演じるようなもん!!!!!!詠春拳だ!!!!!!!
勇者や魔王に与えられた『洗礼名』とは!!!!!!!!!元の世界への未練を断ち切り、『ノリス人』として生まれ変わる為に投じられる暗示への第一歩!!!!!!!!!!贅沢な名だねえ!!!!!!!!
洗礼名を名乗り、備わったスキルで敵を殺す生活を送り!!!!!!英雄として祭り上げられる内に!!!!!!!!やがては聖剣竜のように使い勝手の良い駒として成り下がるのだ!!!!!!!!


('A`)「絶対に忘れるな。覚えている限り、いつでもお前は引き返せる」

(;^Д^)「え、あ、はい。ご忠告どうも……」

('A`)「じゃ、達者でな」

(;^Д^)「え?この流れで逃げられると思ってんの?」


('A`)「……」

(;^Д^)「……」


(#'A`)「逃げるんだよォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

(#^Д^)「待ちやがれテメー!!!!!!!!!!意味不明の忠告しやがって!!!!!!!!!!」


再び全力ブサイクダッシュ!!!!!!!!!!!!!!!!なんかうやむやにして逃げられるかと思ったがそう上手くいかない!!!!!!!

190以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:49:11
(;'A`)「お助け〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

( ^Д^)「逃走は抵抗と見なすぜ!!大怪我しても恨むんじゃあねえぞ!!『魔装外骨格』!!」


スキル発動!!!!!!!身体が赤く宇多田ヒカル!!!!!!!大体十メートルくらいの距離を!!!!!!


( ^Д^)「一発で仕留めるぜ!!」


一歩二歩三歩!!!!!!!!怒涛の勢いで詰める!!!!!!!後頭部を狙った拳、迫る!!!!!!だが!!!!!!!


('A`)「あらよっと」

(;^Д^)そ「な!?」


ふわり浮くブサイク!!!!!!!!拳を踏み台に更に跳躍!!!!!!!!五メートルは上昇(ゲイン)した!!!!!!
スーパーマリオUSAのピーチ姫が如く空中をスライド移動!!!!!!!そのまま壁を乗り越え着地!!!!!!!!


(;^Д^)「なんだそれ!?」

('A`)「じゃあな〜〜〜〜〜〜〜とっつぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」


カラクリを一々説明するほどお人好しではない!!!!!!これはブサイクが身に纏った『リモコンローブ』によるもの!!!!!!!!
リモコンローブ、又の名を『風羽衣』!!!!!!!!効力は着用した者の運動補助!!!!!!並びに短時間の飛行、滑空!!!!!!!!!
端的に換言すると着たらすげー動ける優れものだ!!!!!!!!!!ただし、余程の訓練を積まなければ意のままに動くことは出来ない!!!!!!!


(#^Д^)「それくらい俺だって!!」


ただのチンピラ相手ならとっとと逃げ太郎出来た!!!!!!しかし相手は新人とは言えスタローンに認められた勇者!!!!!!!
一息に壁を駆け上がると、追跡を再開する!!!!!!!めんどい!!!!!!!まいっちんぐマチコ先生!!!!!!!!


(#^Д^)「『魔装外骨格』は魔力を利用したシンプルな肉体強化!!魔力渦巻くこの世界、リソースは無限にあるんだよ!!」

('A`)「そうなんだすごいね」

(#^Д^)「さっきから腹立つなお前!!!!!!」


逃げながら、煽る!!!!!!!ブサイクな顔面もあってポイント倍点!!!!!!誰だってザコ顔面にバカにされると腹が立つ!!!!!!!!

191以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:53:29
(#^Д^)「お前!!聖剣竜とかいう勇者をぶっ倒したんだろ!!見せてみろよ!!ご自慢の『汗と涙の十二発』ってスキルを……」

(;'A`)「っ……」

(#^Д^)「よぉッ!!」


リモコンローブの補助を以ってしても!!!!!!!!全力全開フルパワーの『魔装外骨格』のフィジカルには遠く及ばない!!!!!!!!王家の装備か何かだろうか!!!!!?????プリコネ二期はまだだろうか!!!!!?????
飛び蹴り!!!!!!無様にも側面に転がって回避!!!!!!!直撃は避けられたが足が止まった!!!!!!!ピンチだ!!!!!!イケメンになるまでボコボコにされる!!!!!!!


(;'A`)「ふー……」

( ^Д^)「ってぇー……ああ、悪い悪い。『出来ない』んだっけか。お前のスキルは長時間『鍛えない』と使えないゴミスキルだもんな。シコシコと筋トレとかやってんのか?」

(;'A`)「よくご存じで」


怒涛のレスバトルに応じながら!!!!!!ドクオは顔面よりはマシな形してるお脳をフル回転!!!!!!逃走は継続!!!!!!しかし逃げきれる可能性は極めて低い!!!!!!!!
『魔装外骨格』!!!!!!!ランクこそBと見劣りするが、シンプル故に使い勝手の良い有能スキル!!!!!!素人丸出しの殴打でもコンクリ砕けるほどの威力を誇る!!!!!!!
そしてプギャーの察しの通り!!!!!!!!!現段階では汗と涙の十二発を発動しても大した威力は出ない!!!!!!!筋肉は一日にして成らずなのだ!!!!!!!


(;'A`)「こんなザコ連れて帰っても、大した成果にはならんぜ。ここは一つ見逃しちゃくれねえか?」

( ^Д^)「俺だって野郎を連れ去る趣味なんざねえよ。だがアガリは良いんでな。ケモミミ美少女奴隷を買う資金にすんだよ」

(;'A`)「ほう」


認識、改める!!!!!!!悪い奴じゃ無いだろうが異世界に浮かれるクソ野郎!!!!!!!大抵ほっとけば好き勝手するタイプの人間!!!!!!!!
戦争とは無縁の穏やかな生活を送りたい『ニュートラル』の中には『ワーウルフ』を始めとしたケモミミ種属も多数存在する!!!!!!!!!
『商品価値』としての高さから誘拐される事も多々ある!!!!!!!そして大抵はクソ人間や魔族の元で『ペット』として飼われる!!!!!!!!!
家族と離れ離れにされ!!!!!!!!!仕置きをされない為に心を押し殺し!!!!!!!!愛想笑いを浮かべて苦しみに耐える日々を送らねばならぬのだ!!!!!!!!
それ以前に!!!!!!!!!!自らの欲の為に『同郷』の者を捕らえる事に躊躇無し!!!!!!!新人でありながら、良識がだいぶ麻痺している!!!!!!!!!


('A`)「わかってんのか?俺ら、同じ異世界人だぜ?テメーらのご都合の為に許可もなく召喚した連中に売り渡そうってのか?」

( ^Д^)「そうだな。だが俺とお前じゃ立ち位置が違う。俺はこの力でスタローンを平和に導く『勇者』で、お前はただの『テロリスト』だ。どっちが正しいか、言わずともわかるよな?」

('A`)「いらねえ異世界人を右も左もわからない世界に身一つで放り出す連中の判断に身を委ねるとか正気かお前?頭は使わねえと錆びるぜ」

( ^Д^)「運も才能もねえごく潰しの面倒を見て誰が得するんだよ。合理的な判断じゃねえか。元の世界だってそうだった」

192以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 21:59:02
プギャー、構える!!!!!!!!!!身に纏う赤き光はより色濃さを増す!!!!!!!!!!瞳は爛々と狂気に染まる!!!!!!!!
病魔が如く身を蝕むは『選ばれし者』という優越感!!!!!!!!!優しさや思いやりを食い尽くし、人を怪物へと変えてしまうのだ!!!!!!!!


( ^Д^)「やっぱめんどくせえわ。誰も見ちゃいねえのに格好つけてヒーローの真似事すんの。殺しやしねえが、死んだ方がマシってくらい痛めつけてやる」

('A`)「そいつは恐ろしい」

(#^Д^)「チッ……いつまでその汚ぇ澄まし面、続くだろうなぁ!!」


踏み出すッ!!!!!!!!!!!轟と風を纏い大振りで放つ右拳!!!!!!!!!!!!!対しドクオ!!!!!!!!!リモコンローブを使い壁際まで後退!!!!!!!!
寸での所で回避!!!!!!!!拳は地面を砕き破片宙を舞う!!!!!!!!当然これでは終わらない!!!!!!!!再び踏み込み後の無いブサイクへと追撃!!!!!!!!!!


(;'A`)「っ……」


鼓動、跳ね上がる!!!!!!!!!!しかし対処は滞りなく行う!!!!!!!!ホルスターから抜いた棒!!!!!!!!先端をプギャーに、末端を壁に向け唱える!!!!!!!


(;'A`)「『伸びろ』!!」

(;^Д )・'.。゜「ッ!?」


特殊警棒が如くの勢いで伸びた棒!!!!!!!!!突っ込んできたプギャーの腹に深々と突き刺さる!!!!!!!力の逃げ場は末端が突き刺さる壁が殺す!!!!!!!!
相手の膂力を利用した『カウンター』!!!!!!!!膂力で劣るならオツムで勝つ!!!!!!!!マスターの教えの一つだ!!!!!!!!!


:(;^Д^):「ゲエッ……!?」


ゲロこそ吐かなかったものの、蹲って鈍い痛みに耐える!!!!!!!!!ドクオは自身の身長ほどに伸びた自身の『獲物』をクルリと回して悠々と背後へと歩く!!!!!!!!!!
ローブの下に隠した左手!!!!!!!!!弾薬盒を開き何枚かの『符』を抜き取った!!!!!!!戦闘……準備!!!!!!!!!!!


('A`)「確かに、俺のスキルはまだお前を倒す程の威力に到っていない。先日アレだけ大盤振る舞いしたからな。狙い目だってのもわかるよ」

:(;^Д^):「……」

('A`)「でもな、肝心なことが見えてねえんだよ。『運にも才能にも恵まれなかった奴が、どうして今もこうして生き延びているか』」

193以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:01:59
千載一遇のチャンスに追撃行わず!!!!!!!!!!棒を握った手!!!!!!!!!!人差し指で『立て』と挑発!!!!!!!!
新人勇者の眼に映るは、『汗と涙の十二発』唯一の強みを発揮できない筈の大したことのない『ザコ』と捉えていた相手!!!!!!しかし!!!!!!!!今!!!!!!!!!!!!


:(;^Д^):「……ギ」


『ザコ』は醜い顔面で!!!!!!!!!!


('A`)


高みから『勇者』を見下しているではないか!!!!!!!!!


('A`)「物事には必ず理由がある。それを教えてやるよルーキー」

:(# Д ):「く……」


身体!!!!!!!!!!持ち上がる!!!!!!!!!!挑発に次ぐ挑発で頭はポッカポカのポッカ100レモン!!!!!!!!
スキルを使えないドクオが『勝利』する為の条件、順調に達成していく!!!!!!!!しかし油断はしない!!!!!!!!!
ローブの下!!!!!符の一枚を『引っ掻き』、頭の中で秒読みする!!!!!!!!!!!!


('A`)「立てないなら手を貸そうか?僕ちゃん?」

(# Д )「黙……」


力が入る脚!!!!!!!!!タイミングを見極め!!!!!!!!!!!!!


(#^Д^)「れぇッ!!!!!!!!!!」


符を、プギャーの顔へ向けて投げつけた!!!!!!!!


('A`)「三」

(; Д )そ「!?」


ピッタリ三秒!!!!!!!!!!!『闇符』に込められた暗闇が球体となって展開する!!!!!!!!
突如視界が暗転したプギャーは出鼻を挫き、パニック状態となって顔を手で覆い異常を確かめようとする!!!!!!!!
効果時間、二秒!!!!!!!!!!!!短時間ではあるが不意を突くには十分すぎる時間!!!!!!!!!!!!!

194以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:04:26
('A`)「はいっと」


続けて『拳』が描かれた符を投げる!!!!!!!!下腹部に貼り付いた符を、棒で鋭く『突く』!!!!!!


:(; Д )・'.。゜「プギャッ!?」


腹を思い切り鈍器で殴りつけられたかのような『衝撃』!!!!!!!!!リモコンローブの加護があるとはいえ、貧弱ゴブリンクソブサイク童貞野郎には到底出せそうにない一撃!!!!!!!!!!!!
壁に背中を打ちバウンド!!!!!!!!!!!腹を抱えて膝を着く!!!!!!!!!!!ゲロも吐いた!!!!!!!!!!汚ぇ!!!!!!!!!


('A`)「なるほど、確かに使い勝手が良い」


二秒経過!!!!!!!!!!黒球はすぐさま消失する!!!!!!!!!!ブサイクはプギャーが立ち直す時間を与えつつ、次の符の選別に移る!!!!!!!!!
リモコンローブに並ぶドクオの必須品!!!!!!!!!かつて『最高級職人』と呼ばれたカズさんが産み出した魔道具の一つ!!!!!!!!その名を『オショー』!!!!!!!
名の由来は彼らの世界、属する国の有名な昔話『三枚のお札』の和尚さんから!!!!!!!!!その効果は符に様々な現象をため込み、持ち運ぶことが出来る!!!!!!!!!
火から熱を!!!!!!!!!氷から冷たさを!!!!!!!!!!楽器から音を!!!!!!!!!太陽から光を!!!!!!!!!夜から闇を!!!!!!!!
魔力の力で符の中に保存!!!!!!!!!そして書き込んだ『発動条件』を満たせば解放される!!!!!!!!!そう!!!!!!!!プログラミングである!!!!!!!
熱符にやかんを置けばお湯が沸かせられ!!!!!!!!!『撃符』を棒で突けば裏面から衝撃が放出される!!!!!!!貝!!!!!!!???????何の話!!!!!!!??????オリジナル設定ですけど!!!!!??????
ノリスでは威力制限が施された『オショー』が魔道具専門店に並んでいる!!!!!!!!生活必需品の一つだ!!!!!!!!!せんたっきと一緒!!!!!!三種の神器!!!!!!!!!!


:(;^Д ):「ぐ……オショーの戦闘利用は……ノリス法で厳しく禁じられて……」

('A`)「的外れな指摘だな。『テロリスト』がそんなもんお行儀よく守るワケねえだろ」


暴論!!!!!!!!!!詭弁!!!!!!!!!!!!だがお構いなし!!!!!!!!そもそも勝手に連れてきて放り出したのはノリスの方!!!!!!!!!!ルールを守る道理なし!!!!!!!!!


:(;^Д ):「反則だぞ……クソが……」

('A`)「何が?鍛えもせずに強くなったお前ら勇者が言えた口か?生き残る為に何だって利用するのは間違ってるか?ズルい生き方か?」


ルーキー、身震い!!!!!!!!!!!!ポッカポカしてた思考も冷める!!!!!!!!!目の前の男は自分より先にこの世界に召喚された!!!!!!!!
『蝙蝠』とやらの庇護下でただぬくぬくと過ごしていたんじゃない!!!!!!!剣と魔法とスキル飛び交う戦時中の異世界で『生き続けた男』!!!!!!!!!!
これまで喧嘩や暴力とは無縁だった世界で生き!!!!!!!貰ったスキルという力を好き勝手に振るい!!!!!!!!『物語の主人公』気分だったプギャーとは違う!!!!!!

195以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:16:19
('A`)「俺らがやってんのはゲームでも試合でも、ましてやクソヤンキーのくだらねえ縄張り争いでもねえ。互いの尊厳の争奪戦だ」

:(;^Д ):「……」

('A`)「なぁ、お前ちゃんと理解して挑んできたんだよな。同郷の野郎を売り飛ばしてテメーの欲望満たすってのは、そういう事だもんな」

:(;^Д ):「あ……」


言葉を失う!!!!!!!!!甘く見ていたのだ!!!!!!!!!『戦闘』を!!!!!!!!!!!目の前の『ベテラン』を!!!!!!!!!!
呆けた新人に対して、ドクオ深くため息!!!!!!!!!!!たっぷり吐き散らかした後、打って変わって素早く空気を吸い!!!!!!!!!!



(#'A゚)「い つ ま で 跪 い て ん だ ボ ケ ゴ ラ ァ ! ! ! ! ! ! ! !」



恫喝!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヤクザさんもビックリのドスの利いたハイパーボイス!!!!!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!



(#'A゚)「どうした……来いよ!!!!!早く立て!!!!!!与えられた運と才能で弱者を嘲り踏みにじる生き方を選んだんだろうが!!!!!!!他でもないお前自身が!!!!!!」

:(;^Д^):「ヒ……」

(#'A゚)「またとないチャンスだぞ!!!!!!?????お前の目の前に立つブサイクな男は弾の入ってない大砲抱えた役立たずだ!!!!!!立てよ……立てっつってんだろ!!!!!!」


怒涛の……剣幕!!!!!!!!!プギャーの目に映る男の姿が、とてつもなく大きくなっていく!!!!!!!!!
『真剣』!!!!!!!!!!!!!『スキル』などというチャチな能力には到底出せない圧倒的迫力に圧されてしまう!!!!!!!!!
優位、覆る!!!!!!!!!!!!!!心身ともに追い込まれたプギャー!!!!!!!生まれて初めて遭遇する『命の危機』!!!!!!!!!!彼が選択したのは……


(;^Д^)「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!!」


『抵抗』!!!!!!!!!!!痛み苦しみは恐怖で麻痺する!!!!!!!!!!魔力を纏い、ロケットスタート!!!!!!!!!

196以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:19:35
(#'A゚)そ「ぐうっ……!!」


体当たり!!!!!!!!!表面積の大きい攻撃、躱すに到らない!!!!!!!!!!リモコンローブで身体を後方に流し衝撃を緩和!!!!!!!!
だが骨身に響く重い衝撃!!!!!!!!!!!!初のクリーンヒット!!!!!!!!!!!舐めプしてたらこのザマだ!!!!!!!!!!カッコ悪!!!!!!!!!!!!!!


(#^Д^)「殺……してやらぁ!!!!!!!!」


殺意!!!!!!!やられる前に殺る!!!!!!!!!!れっきとした防衛本能!!!!!!!!!!予想より大きく吹き飛んだドクオを追い、赤い閃光奔る!!!!!!!!!


(#'A゚)「ってぇ……!!!!!!」


しかしこの漢!!!!!!!!!!!SSランク勇者『聖剣竜』と取り巻きの美少女達を大陸の果てまでぶん殴ったクソ野郎!!!!!!!!!一ミリたりともなろう大好きクソオタクへの配慮を知らない!!!!!!!!!
汗と涙の十二発が使えようが使えまいが同じ事!!!!!!!!!!!ブサレイツォ、容赦せん!!!!!!!!!!!!!!!!!!両脚で踏ん張り、ブレーキ!!!!!!!!!!棒を両手に持ち、待ち構える!!!!!!!!!!!!


(#'A゚)「み」

(;^Д^)そ「ッ!?」


感情のままに繰り出された攻撃!!!!!!!軌道を読むのは容易い!!!!!!!!!!!屈みながら回転!!!!!!!!顔面に飛んできた拳を回避!!!!!!!
がら空きの下半身!!!!!!!!!遠心力を以て腿を棒で打ち、掬い上げる!!!!!!!!!!!仰向けにひっくり返るプギャーの身体!!!!!!!!!


(#'A゚)「ろ」

(; Д )・'.。゜「カハッ!!!!!」


疾風怒濤!!!!!!!!!!リモコンローブの運動補助をフルに使うブサイク!!!!!!もう一回転し地に落ちる暇も与えず腹を叩く!!!!!!!
同時に!!!!!!!!!靴底に仕込んだ『風符』を落下地点に設置!!!!!!!!!発動条件は『圧力』!!!!!!!!!!!


(#'A゚)「やァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」

(;^Д )そ「あああああああああああああああああああああああ!!!!!?????????」


プギャーの背中が符を隔てて地に着いた瞬間!!!!!!!!!!!暴風が二人を高く舞い上げる!!!!!!!!!!!MEETのおっぱい大好きクソ眉毛『ジョルジュ』が込めた風だ!!!!!!!!
上空!!!!!!!!ドブ臭い空気から解放され!!!!!!!!ラジーの薄汚れた街並みが一望出来るではないか!!!!!!!!!デートスポットとしては最悪の部類!!!!!!!!!!

197以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:22:06
:(;^Д^):「ヒッ……」


高層ビルほどの高さまで身一つで上昇(ゲイン)するなど、通常あり得ない体験!!!!!!!!!!思考も身体も凍り付く!!!!!!!!
しかし空中戦!!!!!!!!『風羽衣』を纏うブサイクにとってはお構いなし!!!!!!!!!!体勢を調整しつつ、棒に『符』を貼り付け、身体を捻る!!!!!!!!!


('A`)「痛いぞ。しっかり防御しろ」

:(;^Д^):「待っ……!!」



待たぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



(#'A`)「『飛び打尾』ッ!!!!!!!!!!!」


『飛び』!!!!!!!!!!!!!『打つ』!!!!!!!!!!!!『尾』!!!!!!!!!!!!!!!
反射的に交差した両腕の間!!!!!!!!!!!!狙いすましたかのように棒、振り下ろされる!!!!!!!!!!!!!
接触と同時に『撃符』発動!!!!!!!!!!!!!!!!!!!腕から胸、背中を突き抜ける衝撃!!!!!!!!!!!!!!


(; Д )・'.。゜「ごでぃば!!!!!!!!!!!!!!!!!」


チョコレートメーカー!!!!!!!!!!!!!!今はそんなことはどうでもいいのである!!!!!!!!!!!!!!
強烈に叩きつけられたプギャー!!!!!!!さながら彗星のように地上へと墜ちていく!!!!!!!!!!ジョー!!!!!!!!!!!きみはどこにおちたい!!!!!!!!???????
どこってお前!!!!!!!!!!ガラの悪い連中が根城にしてるゴミ溜めだ!!!!!!!!!ブサイク!!!!!!あからさまにめんどくせえって顔!!!!!!!!!


('A`)「やったわこれ……」


リモコンローブでフワフワと滑空しながら砂埃盛大に舞う落下地点まで移動!!!!!!!!!え!!!!!!!??????ブレワイっぽい!!!!!!!???????オリジナル設定ですけど!!!!!!!!???????


('A`)「あーらよっと」

:(メ;^Д ):「ウ……うう……」


着地!!!!!!!!!!幸運にもゴミ山がクッションの役割を果たし、加えて『魔装外骨格』が発動中だった為!!!!!!!致命傷は避けられた!!!!!!!!!!良かったね!!!!!!!
だが満身創痍には変わりない!!!!!!!!!立ち上がる間も無く襲い来る罵声と暴力!!!!!!!!!負けるか俺はホーリーナイト!!!!!!!!!!懐かしのフラッシュだ!!!!!!!!

198以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:24:07
('A`)「わかったかルーキー?『運にも才能にも恵まれなくても、工夫次第で幾らでもやりようはある』。俺の師匠の言葉だ」

:(メ; Д ):「痛ぇ……ヒグッ……」


ちょっと男子!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!男子泣いちゃったじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


('A`)「その逆も然りだ。運と才能に恵まれても、使い方を学ばなければ本領を発揮しない。お前、格闘技どころか喧嘩もした事ねえだろ」

:(メ; Д ):「ヒンッ……ヒッ……」

('A`)「ロクにパンチも打てねえ癖に、肉弾戦なんて挑んでんじゃねえ。魔力で単純に膂力が上がるのなら、長物一つ振り回すだけでも全然違う」

「ち、違う……こんなんじゃない……」


眉!!!!!!!!顰めてもブサイク!!!!!!!このルーキー、話を聞いてない!!!!!!実際無礼!!!!!!!!無礼が過ぎてブレイド2になったわ!!!!!!!!!
焦点の合わぬ目!!!!!!!!!!!脳震盪でも起こしてラリったのだろうか!!!!!!??????


「違うじゃん……も、もっと……ノベルやアニメじゃ楽に勝ってたじゃん……嘘ついてたのかよ……き、期待させんじゃねえよ……」

(;'A`)「……」


呆れてポカンと口を開けるブサイク!!!!!!!!物も言えぬとは正にこのこと!!!!!!!!世に蔓延る『フィクション』に対して彼は今!!!!!!!!泣きながら文句を垂れている!!!!!!!
チートを手にし敵を蹂躙し!!!!!!!!異性を侍らせありとあらゆる欲望を大した苦労もせず叶える物語!!!!!!それは決して誰かを騙そうとして産み出されたのではない!!!!!!!
所詮は『エンターテイメント』なのだ!!!!!!!!現実では叶えられないからこそ、オタク共にとっては楽しい夢として映る具現化した妄想なのだ!!!!!!!!!!!無様に敗北したプギャーの不満は、的外れ以外の何物でもない!!!!!!!!!

199待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:25:33
('A`)「わかったかルーキー?『運にも才能にも恵まれなくても、工夫次第で幾らでもやりようはある』。俺の師匠の言葉だ」

:(メ; Д ):「痛ぇ……ヒグッ……」


ちょっと男子!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!男子泣いちゃったじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


('A`)「その逆も然りだ。運と才能に恵まれても、使い方を学ばなければ本領を発揮しない。お前、格闘技どころか喧嘩もした事ねえだろ」

:(メ; Д ):「ヒンッ……ヒッ……」

('A`)「ロクにパンチも打てねえ癖に、肉弾戦なんて挑んでんじゃねえ。魔力で単純に膂力が上がるのなら、長物一つ振り回すだけでも全然違う」

:(メ; Д ):「ち、違う……こんなんじゃない……」


眉!!!!!!!!顰めてもブサイク!!!!!!!このルーキー、話を聞いてない!!!!!!実際無礼!!!!!!!!無礼が過ぎてブレイド2になったわ!!!!!!!!!
焦点の合わぬ目!!!!!!!!!!!脳震盪でも起こしてラリったのだろうか!!!!!!??????


:(メ; Д ):「違うじゃん……も、もっと……ノベルやアニメじゃ楽に勝ってたじゃん……嘘ついてたのかよ……き、期待させんじゃねえよ……」

(;'A`)「……」


呆れてポカンと口を開けるブサイク!!!!!!!!物も言えぬとは正にこのこと!!!!!!!!世に蔓延る『フィクション』に対して彼は今!!!!!!!!泣きながら文句を垂れている!!!!!!!
チートを手にし敵を蹂躙し!!!!!!!!異性を侍らせありとあらゆる欲望を大した苦労もせず叶える物語!!!!!!それは決して誰かを騙そうとして産み出されたのではない!!!!!!!
所詮は『エンターテイメント』なのだ!!!!!!!!現実では叶えられないからこそ、オタク共にとっては楽しい夢として映る具現化した妄想なのだ!!!!!!!!!!!無様に敗北したプギャーの不満は、的外れ以外の何物でもない!!!!!!!!!

200待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:27:16
(;'A`)「すげえな……ここまでカッコ悪い奴初めて見たわ……」


呆れを押し退け込み上げるは『賞賛』!!!!!!!!!なんかもう逆に凄い!!!!!!!拍手ッ!!!!!!!贈らずにいられないッ!!!!!!!!!
ぽたぽた焼のおばあちゃんでもブチギレて背中に焼きごて押し当てるレベルの煽り!!!!!!!!しかし心が折れたルーキー!!!!!!!!反応なし!!!!!!!楽天インポマンだ!!!!!!!!


('A`)「それでお前、奴隷なんか買って何するつもりだったんだよ」

:(メ; Д ):「は……?」

答えが分かりきってるような質問!!!!!!!!そんなもんえ、ええええ、エッチなことに決まってんだろ!!!!!!!!言わせないでよバカ!!!!!!!!変態!!!!!もう知らない!!!!!!!


:(メ; Д ):「……か、可哀想……だったから……」

('A`)「ほーん。まぁ可愛い女の子が酷い目に遭ってりゃ誰しも情が湧くだろうな。わかるよ」

:(メ; Д ):「そ、それが何だってんだよ……」

('A`)「それ以外は?」

:(メ; Д ):「っ……!!」


奴隷はかわい子ちゃんだけじゃない!!!!!!!!オッサンもババアも等しく奴隷!!!!!!!見た目、年齢、種族違えど境遇は同じ!!!!!!!!


('A`)「俺に掛かった懸賞金でその子だけ救おうとしたのか?ご立派だな。その辺でお買い物を楽しんでいる金持ちの連中となんら変わりねえ見上げたカス野郎だ」

:(メ; Д ):「うぐ……ううう……!!」

('A`)「それで勇者だの平和だのと宣いてんだから救いようがねえ……」

:(メ; Д ):そ「ひっ、ひぃい!!」

201待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:29:54
歩いて、近づく!!!!!!!トドメ刺されるとゴミ山の中で蹲るプギャー!!!!!!!!
だがブサイク!!!!!!!!!得物の棒を縮小させてホルスターに挿し込み、暴力の代わりに『一枚』の紙切れを差し出した!!!!!!!!!


:(メ; Д ):「なん……?」

('A`)「紹介状だ。お前がマジモンの『勇者』になる気があるんなら、森に来い。『BAR MEET』はいつでも新入りを歓迎する」


男の勲章、『力こぶ』のロゴが入った名刺サイズの紹介状!!!!!!!!暫く待っても受け取ろうとしないので軽く放り投げる!!!!!!!
ヒラヒラと舞った紹介状!!!!!!!!!!プギャーのお膝下に着地!!!!!!!!!!お行儀ヨシ!!!!!!!ご安全に!!!!!!!!!!!


('A`)「奴隷くらい金じゃなく拳で解放して見せろや。ケモミミ美少女が惚れるような男になってよ」

:(メ; Д ):「……」

('A`)「以上だ。じゃあなルーキー。どんな選択をしても知ったこっちゃねえが、精々死ぬな」


別れを告げ、背を向け歩き出す!!!!!!!!!見逃されたプギャー!!!!!!!何も出来ず見送る他無い!!!!!!!
紹介状拾い上げる!!!!!!!!!すると、指先に違和感!!!!!!!!!!!もう一枚『紙』が重なっていた!!!!!!!!


(メ; Д )「ッ!!」


『八方に爆ける礫』が描かれた『符』!!!!!!!!!ドクオが使い熟していたオショーが手の中にある!!!!!!!!
その威力、身をもって経験済み!!!!!!!!!!恐らく気付かずに渡してしまったと判断!!!!!!!!!!!
消失しかかっていた殺意!!!!!!!!!!!!!再びメラメラと燃え上がる!!!!!!!!!!


(メ# Д )「コケに……しやがって……!!」


偉そうな説教!!!!!!!わかったような口!!!!!!!!!!クソブサイクの分際で顔に泥とゴミを塗った屈辱!!!!!!!!!!!!!
彼の言ったように力をつけて奴隷を解放するなど、遠回りでしかない!!!!!!!!!奴隷が可哀想だから!!!!!?????咄嗟に口から出た出まかせに決まってる!!!!!!!目的は下半身に詰まってる!!!!!!!!!

202待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:31:41
(メ#^Д^)「死ねえええええええええええ!!!!!!!!!」


叫びと共に符を振りかぶる!!!!!!!!!!!!その無防備な背中、吹き飛ばす為に!!!!!!!!!!!


('A`)「一個言い忘れてたわ」


(メ#^Д^)「ええええええ……えっ!!!!!!??????」


ピタリ止まって振り返る!!!!!!!!まるでプギャーの行動を予知していたかのように!!!!!!!!!!


('A`)「発動条件、『それ』な」

(メ;^Д^)「え……」


手の内から離れた『爆符』!!!!!!!!!!!絵が光を放ち、眼前で……


(メ; Д )・'.。゜「えばらっ!!!!!??????」


爆 発 ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !


('A`)そ「うおおすげえ」


爆風と共に飛んできたゴミの欠片をローブで防ぎ、深くため息!!!!!!!!!爆心地のプギャー!!!!!!!!!まっくろくろすけになって壁にめり込んでいる!!!!!!!!
ちゃんと息はある!!!!!!!!!!見た目の派手さとは裏腹に威力控えめ!!!!!!!!高血圧の方でも安心!!!!!!!!!!!


('A`)「……やっぱそう、簡単には変われねえよな。人って奴はよ」


焼け燃え尽きた紹介状!!!!!!!!!!紙吹雪が如く舞い散った!!!!!!!!!!!!!!!!
インガオホー!!!!!!!!!産まれ変わる機会を自ら放棄した新人、ここに完全敗北!!!!!!!!!

203待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:34:46
「終わりましたカァ〜?」


石の下から這い出るミミズが如く、次から次へと湧いて出る人の気配!!!!!!!!!!!!勝者に語り掛ける間延びした高い男の声!!!!!!!!
マジエグイくらい女性に縁がないブサイク!!!!!!!!!!露骨に嫌な表情を浮かべる(ブサイク)!!!!!!!!!!見知った顔だからだ!!!!!!!!
汚いゴミ溜めに似合わない燕尾服!!!!!!!!!クルリとパーマを巻いた茶髪!!!!!!!!!!宝石をあしらった趣味の悪い鼻ピ!!!!!!!


('A`)「コソコソと見てたのかよ。趣味が悪いな、オットリーヌ」

£°ゞ°)「オ〜、他人行儀じゃあないデスカ〜。愛と親しみを込めて『ロミス』と読んでくだサ〜イ」

('A`)「何の用だ」

£°ゞ°)「冷たァイ……」


彼こそがラジーを取り仕切る暴力組織『ライバック』の舎弟頭、『ロミス・オットリーヌ』!!!!!!!!!そしてその部下たちのエントリーだ!!!!!!!!!
取り囲まれるブサイク!!!!!!!!ある意味ハーレムだ!!!!!!!!!!性別が女で手に武器を持ってなかったら完璧だったのに!!!!!!!!!!


£°ゞ°)「何もナニもありませんヨ〜?人のナワバリで喧嘩してると耳にして、この愛すべき街の治安を守るためにはせ参じただけじゃないデスカ〜」

('A`)「それはそれは、お騒がせして申し訳ない。じゃあ俺は帰るから後片付けは頼む」


帰れない!!!!!!!!!!!ドクオの目の前に立ちふさがるガラの悪そうな連中!!!!!!!!通せんぼだ!!!!!!!!意地悪せんといてぇな!!!!!!!!!


(;'A`)「うわダル……」

£°ゞ°)「人の縄張りで好き勝手暴れて、ハイサヨナラは無いデショ〜?親しき仲にも礼儀はありマース」

('A`)「まだるっこしいな。素直に詫び入れろっつったらどうだ?」

£^ゞ^)「ハッハァ!!話が早イ!!」


異世界だろうとヤクザはヤクザ!!!!!!!!!!人の弱みに付け込んで甘い汁を吸うクズ共!!!!!!!!!任侠なんてあらんかったんや!!!!!!!

204待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:37:42
£^ゞ^)「ワタシも心苦しいのデスヨ『型破り』?デ〜スガ、被った損害はキッチリ支払って貰うのがラジーのルール!!そう、ルゥッルルルルルルルルルルルゥーーーーーーーール!!!!!!!」

£°ゞ°)「アナタがスタローンに売り払われるよりは安く済むと思いマスガど〜でショ〜???????」


('A`)「……」


明確な脅しだ!!!!!!!!ここで断ればプギャーに代わって身柄を捕えるという意思表示!!!!!!!!!クチャアと破顔した口から涎こぼれ落ちる!!!!!!!!!
一戦交えた後に現れる辺り、よく観察していたのだろう!!!!!!!そして察した!!!!!!!今のドクオは『汗と涙の十二発』を十二分に使えないのだと!!!!!!!!!!十二発だけに十二分!!!!!!!上手い!!!!!!!!


£^ゞ^) そしてこのニッコリロミスだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


('A`)「と、仰ってますが?」

£^ゞ^)「? 何を言って……」


「だぁれが、ハイ出ししろっつった?ええ、ロミス?」


£;^ゞ^)「」


暗がりから足音!!!!!!!!そしてドスの利いた女性の低音ボイス!!!!!!!!!!!!ニッコリロミス、凍り付く!!!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「テメエ、俺の顔に泥塗るつもりか?ああ?」


現れたるは獅子革のコートを身に纏う、顔面傷だらけ妙齢の女性!!!!!!!!!!!!!ここがロアナプラならホテル・モスクワのボスだ!!!!!!!!!!


£;°ゞ°)「あ、あ……姐さん……」

(#゚;Д゚)「『親父』だろうがクソがァ!!!!!!!!!!」


突き刺さる腹パン!!!!!!!!!!!!呻くロミス!!!!!!!!!!!!部下のチンピラも恐れおののく!!!!!!!!!
彼女こそ『ライバック』のボス、『ディ・ライバック』!!!!!!!!若くして暴力組織のトップに立つ女傑だ!!!!!!!!!!

205待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:41:39
(#゚;Д゚)「蝙蝠の一派に手ぇ出してんじゃねえ!!死にてえのかテメエらァ!!」

:£;°ゞ°):「で、デスガ親父……」

(#゚;;-゚)「一丁前に口答えか?いつから俺より偉くなったテメエ?」


この迫力、閉口せざる得ない!!!!!!!!!!!奥歯を噛み締め、頭を深く下げて退いた!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「ここの始末は俺がつける。テメエらサッサと持ち場に戻りやがれ」

:£; ゞ ):「し……失礼、致しマス……!!」


スゴスゴと引き下がるロミスとチンピラ共!!!!!!!!!!去り際、血走った瞳をディとブサイクに向けた!!!!!!!!隠しきれない……殺意!!!!!!!!突き刺さる!!!!!!!!
残された二人とボロ雑巾一匹!!!!!!!連中の気配が消えるのを待ち、先に口を開いたのは『親父』の方だった!!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「カズさんから連絡があったよ。珍しい品を仕入れてくれたそうだね」

(;'A`)「アッアッアッアッ、はい」


女性だ!!!!!!!!!!!!!!!!どもる童貞!!!!!!!!!!!!!!!童貞は女性が苦手なのだ!!!!!!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「相変わらずスケに弱いんだね……何人か回そうか?」

(;'A`)「いいです、いいですマジ」


商売女も苦手だ!!!!!!!!!!!!!!!!童貞は風俗がコワイ!!!!!!!!!!!!!だから童貞!!!!!!!!!!!!!


(;'A`)「ふぅー……その様子だと、貴方も覗き見していたようで」

(#゚;;-゚)「勇者をマークしていただけで、成り行きだがね……ウチのが失礼をした。余計なお世話だったかな?」

(;'A`)「いえ、助かりました。此方としても『ライバック』との戦争は避けたいので」

(#゚;;-゚)「ククッ、身の程を弁えてるじゃあないか。俺も、蝙蝠と交わした盃をみすみす返上したくは無いしな」

206待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:44:24
MEETとライバック!!!!!!!!!この二つの組織は商売相手としての付き合いがある!!!!!!!!!
今回のハーピィの羽根のように迂闊に売れない珍しい品物!!!!!!!!それらを幾らかのマージンを頂戴し、売りさばいてくれるのがライバックだ!!!!!!
それぞれのボス、ショボンとディは義兄弟の盃を交わしている!!!!!!!!!つまり、どちらかの裏切りはケジメ案件に繋がる!!!!!!!
もしも部下同士が衝突すれば!!!!!!!!盃は返上!!!!!!!!!!!全面抗争へと突入する!!!!!!!!!!!そう!!!!!!仁義なき戦い!!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「で、アンタはこのケジメ、どう着ける気だい?」


だがヤクザ!!!!!!!!!!シマに厳しい存在!!!!!!!!!!!!義兄弟の一派であろうと荒らした罪はキッチリと償わせる!!!!!!!!!!
しかしドクオも『はいそうですか』と従う気は無い!!!!!!!!!!!!!立場は対等!!!!!!!ブサイクが親指で指したのは、背後のボロ雑巾勇者!!!!!!!!!


('A`)「奴の身柄、好きにしてください」

(#゚;;-゚)「ほぅ?ライバックは奴隷とヤクのウリから足を洗ったんだがな?」

('A`)「放っといても『お行儀の良い』ラジー住民の日銭になるのがオチです。それなら、奴を迎えに来たスタローンの連中から身代金代わりに小銭を頂戴した方が有意義かと」

(#゚;;-゚)「ふむ……他にも目論見がありそうだね?」

('A`)「このノリスを舐め腐った異世界人のガキに、奴隷という立場の恐ろしさをわからせてやってくださいよ」


ディは吹き出すと、豪快に笑う!!!!!!!!!空気を吸い込み上下する胸部!!!!!!!!!!!残念ながら揺れなかった!!!!!!!!!パンツを穿けオタク


(#゚;;-゚)「わかったわかった。そいつで手打ちにしよう。お前さんも売られた喧嘩を買っただけのようだしな」

('A`)「助かります」


ペコリ一礼!!!!!!!!!!!!!!礼儀のプリンセス・ストライク!!!!!!!!!!!!!!!プリコネ二期はいつだろうか!!!!!!!!!!????????
ゴミ塗れで壁にめり込むプギャーを片手で引き剥がし、肩で担ぐヤクザ・ボス!!!!!!!!勇者がまるで子供扱いだ!!!!!!!!!!!!力強い女性は美しい!!!!!!!!!!

207待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!:2021/02/23(火) 22:47:49
(#゚;;-゚)「また腕を上げたね。型破りのボウヤ」

('A`)「あんま褒めないでくださいよ。ローブあっての動きだ。こいつに頼らなくても戦えるようにならねえと、いつまで経っても脳筋の変態共に追い付けねえ」

(#゚;;-゚)「クク、魔王や勇者に目の敵にされている野郎は違うな」

('A`)「貴方ほどじゃねえですよ。相変わらず、寝首を心配する日々が続いてるようで」

(#゚;;-゚)「稼げるシノギを手放しちまったからね。怨まれて当然さ。それでも俺の『子』であるのに代わりない」


外道であった先代から、親父の座を力づくで奪った女!!!!!!!!!任侠を信じ極道へと返り咲こうとする者にしか知りようのない、途方もない苦労!!!!!!!!!身体に刻まれた傷跡が物語る!!!!!!!!!!!!!


(#゚;;-゚)「奴らが侠になるまで、『親父』として努めるだけさ。気を付けて帰りなボウヤ」

('A`)「今後ともMEETを御贔屓に。ライバックさん」

(#゚;;-゚)「『蝙蝠』によろしくな」


軽く手を振り、歩き出すディ!!!!!!!!!!!!その年齢からは考えられないほど哀愁のある背中を、ブサイクな顔面で見送ったのであった!!!!!!!!!!!!

208以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:49:58
(;'A`)「フゥー……」


ようやく一息吐き、その場にドカリ腰を下ろすブサイク!!!!!!!!!!緊張の糸、解ける!!!!!!!!!!!
勇者の襲撃にヤクザの脅し!!!!!!!!!!!その総締めとの対話!!!!!!!!疲れるのも無理はない!!!!!!!!!


(;'A`)「まーったくよぉ……」


しかもこの後、長い帰路が待っている!!!!!!!!!!!!トレーニングの一環とは言え、しんどいものはしんどい!!!!!!!!
少しの休憩を経て、どっこらしょと立ち上がる!!!!!!!!!!!肩に食い込むバッグ紐!!!!!!!体当たりで軋む身体に鞭を打つ!!!!!!


(;'A`)「あーもー……」


帰るまでがお使いだ!!!!!!!!!!!!見窄らしくブサブサと歩き始めたドクオ!!!!!!!疲労感をたっぷりと込めて、文句を一つ溢した!!!!!!!!




(;'A`)「俺じゃなくてジョルジュが行けばこんなに絡まれずに済むのに……」




頑張れブサイク!!!!!!!!!!!!!我が家は遠いぞ!!!!!!!!!かぁいそ!!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!!!!!!




おわり

209以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 22:55:37
名前欄が途中からアレしてんの投下した後に修正するの忘れてそのままにしてました。ドジっ子なんで

210以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 23:26:15
おつおつ
名前欄で耐えられなかった
笑った

211以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/23(火) 23:47:18
地の文がクソうるせえ勢いだな面白かったわ、乙

212以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/02/24(水) 15:12:00
ドジっ子を自称として使うんじゃねえ!

213以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2021/03/01(月) 16:30:11
この勢いで進む地の文が!!!!!!!
呼んでて心地よい!!!!!!

214 ◆L6OaR8HKlk:2021/03/28(日) 14:23:22
.


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