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イラスト・SSスレ

220みやこ:2011/07/08(金) 05:49:42
【エクストラターン】
新参と古参の戦いからちょうど一ヵ月後の今日、あの戦いから生還した新参魔人達は一所に集っていた。
彼らの集うそこは学園の敷地の隅に位置している雑木林の中で、横一列に並ぶ彼らの前には高さ3mほどの丸みを帯びた石があった。
大きく刻まれている「新参之墓」という文字が、その物体の意味するところを表している。
そう、本日新参魔人達は先の戦いで散った仲間を偲ぶために集まったのだ。

喪服を纏った彼らの顔には大なり小なり悲しみの色が浮かんでいる。
普段明るく元気な彼らもこの時ばかりはじっと佇み故人に想いを馳せていたのだ。

「あの時私が止めていたら」

「俺がもっと早く駆けつけていれば」

長い黙祷を経て、ぽつりぽつりと後悔と懺悔の言葉が漏れだした頃、その陰気な空気を打ち払うかのように彼らの背後から陽気な台詞が響いてきた。

「そんなことより野球しようぜ!」

やれやれどこの馬鹿野郎だと振り向いた新参達は自らの目を疑った。
声の主は先の戦いで死んだはずの緑風佐座であったのだ。
さらに驚くことに緑風の傍らには彼と同様に死んだはずの行方橋ダビデの姿もあった。

「緑風さん!! 行方橋くん!!」

いち早く一人の新参魔人が歓声を上げ彼らに駆け寄った。
それに続くように次々と歓声があがり、わらわらと二人を取り囲む。

「どうして! あの時確かに二人とも…!」

「あぁ、それは――――」

まるでテンプレート通りの質問に、緑風はニヤつきながら答えた。
あの時月宮の即死攻撃を受けた緑風の心臓は確かに停止したのだが、その代わりに魔人の核とでも呼ぶべき臓器が覚醒し彼の命を繋ぎとめたのだと。
ほら触ってみろよ、心臓はまだ止まったままなんだぜなどと無邪気に笑いながらに緑風は言った。

「じゃ、じゃあ行方橋くんは…!」

「死んだのは残像だ」

行方橋ダビデは平然と答えた。
残像使いとしてのスキルを極めた彼は、ついに自身と同じ容姿・思考・能力を持った残像を生み出すことに成功していたのだ。
彼は数年前に自身と完全に等しい7体の残像を生みだし、それを別々の場所に分けて安置していた。
そしてその完全なる残像は現在活動している「行方橋ダビデ」の消失をトリガーとし、新たなる「行方橋ダビデ」としてそれまでの記憶を引き継ぎ行動を開始するのだという。

二人の説明を聞き、新参達は更にヒートアップして矢継ぎ早に質問を投げつける。
「心臓て…緑風君月宮先輩の能力で爆散したんじゃなかったっけ…?」「ダビデお前は何人目だ?」「能力…その能力について詳しくお願いしますっ!!」「今までどこにいたのー?」「なんで二人は腕組んでるの? 死ぬの?」「スリーサイズは!?」「罵ってください!」


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