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月刊少女ξ ^ω^)ξちょwwwのようです
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__,ィ ヽ. `ヽ. ☆四月号☆
, '⌒Y / 、ヽ ヽ ヽ.
/ / i /l/|_ハ li l i li ハ
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〃 ‖ レ'¨´ヽiへ. _ (_人_),.イ/|/ ノ ll l| ( ・∀・)恋実れ!のようです
ll ll { ⌒ヽ_/ } ー‐<.__ ′ l| ‖ それでも幸せなようです
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‖ |iヽ{ ヽ_ゾノ‐一’::::ヽ. | ‖もちろん読みきりも充実!?
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〃:::::::マ二 _,ノ
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,','::::::::::::::i::::::::::::::::::::::i::::::ヽ そして今月の応募者全員サービスは『ξ ^ω^)ξちょwwwの膣内完全再現TENGA』だよっ☆
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ζ(゚ロ゚*;ζ 「は、は、はいっ、その……」
私はとうとう、行動に移してしまった。
── モララー先輩を、校舎裏の倉庫の影へ、呼び出したんだ。
ζ( 、 *ζ (これは裏切りじゃないの、裏切りじゃない、裏切りじゃ──)
何度も自分に言い聞かせる。
( ・∀・) 「確か君は、ペニちゃんの友達の、デレちゃんだよね」
Σζ(/ロ/*;ζ 「ほへ!? は、はいぃぃっ!」
先輩は、私の名前を知ってた!
なんというサプライズ。
おもわず、手に抱えた 【 それ 】 を取り落としそうになる。
.
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ζ(゚△゚*;ζ 「あの、あの、そうです。 私、放送部の」
心臓はバクバク。
手汗だらだら。
( ・∀・) 「もちろん覚えてるよ。 サッカー部のインタビューで……」
Σζ(/◇/*ζ 「はわ!? そ、そそそそうれす!」
ダメ元なんだ。
友達として、ペニちゃんと後悔のない付き合いを続けていくためには。
( ・∀・) 「あの時は楽しかったよ!
──それで、話って?」
彼女にも、私の本当の気持ちを知ってもらわなきゃ。
真実を知ってもらわなきゃ。
だから、私は。
ここでこうして、当たって砕けておかなきゃいけないんだ。
.
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血は出ないけど、ここんとこがすごく痛いんだ……
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ζ(゚ロ゚*;ζ 「ひゃい! あの、しょれは……」
……と、まあ。
色んな言い訳しているけど、けっきょく私は。
ζ( □ *;ζ 「だ、大事なお話が……あって……」
ともすれば。
親友であるペニちゃんを、出し抜こうとしている。
( ・∀・) 「うん。 それで、話とは?」
ζ( д *;ζ 「ひ……あ、の……あぅぅう」
(*‘ω‘ *) 『 恋心を芽生えさせるのは簡単っぽ。
相手の目を見ながら、ぽぽの体をぎゅっと握って 』
ζ( Ο *;ζ 「あのっ!」
( ・∀・)゙ 「うん?」
.
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>>288
ちゃんと洗わないから・・・
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大きく息を吸い込んだ。
──これで、玉砕。
ずっと抱えてきた想いは、ここで終わり。
結果を隠すつもりはない。
明日には笑ってペニちゃんに話すんだ。
いや……ちょっとだけ、泣いちゃうかも。
けれど。
きっと、そうすることで。
本当の親友になれるんだ。
今よりずっと、仲良しになれるんだ。
ζ(゚□゚*;ζ 「ず、ずず、ずっ……」
……でも。
玉砕するかもしれないけど。
恋は終わっちゃうかも知れないけれど。
できることなら──私。
(*‘ω‘ *) 『 好きになれ好きになれ、と唱えることっぽ 』
……叶うのなら?
.
-
ζ(///*ζ 「ずっと前から、も、ももモララー先輩のことが……
すっ、好きでした!」
( ・∀・)
ζ(/ロ/*ζ 「わ、わ、わわわわわわ……私なんかじゃ……ダメでしょうけど……」
( ∀ )
ζ(>ロ<*;ζ 「わ、私っっっ!」
顔を上げる。
視線が重なる。
ぽぽちゃん人形を、汗まみれの両手でぎゅっと握り締める。
好きになれ、好きになれ、好きになれ!
.
-
(; ・∀・) ζ(゚□゚*;ζ
モララー先輩。
どうか、私を。
私を、私のことを、好きになってください。
『 お願いします。 私と付き合ってください! 』
その時。
私の全身を、電撃が駆け抜けた。
.
-
( ∀ )
( ∀ ) 「い……い……」
ζ( ロ *ζ
───── え っ 。
(* ・∀・) 「い───やッっっっっっっっっほおおおおおおぉぉぉぉぉおお!!」
ζ( □ *ζ
───── 信じられなかった。
(* ・∀・) 「つッ! 付き合うッ! 絶対に付き合うともおおおおおおおッ!!」
───── な ん だ 、 こ れ 。
.
-
モララーwwww
-
ζ(゚□゚*;ζ 「…………」
ζ(゚□゚i|iζ 「──な、な……?」
なぜなら。
私。
(* ・∀・) 「デレちゃん! よく言ってくれたね!
僕はずっと前から君を好きで好きでしょうがなかったんだ!」
ζ( △ i|lζ 「───??????????????」
【 好きでもなんでもない人に 】
【 告白してしまってたから 】 。
.
-
(* ・∀・) 「僕はいつも君を見ていた。
他のヤツに悟られないように、いつもいつも。
気づけば君を目で追っていたんだ」
ζ(゚д゚*ζ (う、嘘っ。 私……あれえ?)
ζ(゚−゚*;ζ (どうして? 私、なんでモララー先輩のことを好きになっちゃったんだろう?)
その時。
私の脳裏に、ペニちゃんの言葉が蘇った。
('、`*川 『 ──あれ。 以前はあんた、別にー……って感じだったじゃない 』
ζ(゚д゚*;ζ (そうなんだ。
以前からモララー先輩の話は聞いてたし、
学校で見かけたことも何度かあった)
.
-
(* ・∀・) 「どんな方法を使っても、手に入れたいと思っていた」
ζ(゚−゚*ζ (けど私、サッカー部にインタビューするまでは、好きでもなんでもなかったの。
あの日以来なの。
先輩が好きで、いても立ってもいられないようになったのは)
('、`*川 『 ──どんな心境の変化? 』
ζ(゚、゚*;ζ (わからない。
今ここでそれを思い出したのも、冷静に考えられるようになったのも。
まるで───夢から覚めたみたい)
(* ・∀・) 「そうなんだよ、放送部のペニちゃんに近づいたのだってね──」
体から力が抜けていく。
ぽとり。
私の手から、何かが転げ落ちた。
Σ( ・∀・) 「────!?」
(; ・∀・) 「信じられない! あ、あの薄汚い、【 あれ 】 !」
ζ(゚o ゚*;ζ 「!?」
.
-
モララー先輩の視線の先を追う。
そこには、私が取り落とした──ぽぽちゃん。
(; ・∀・) 「 【 あいつのおかげだったのか 】 !」
恋を叶える、毛糸のアイテム。
(*‘ω‘ *) 『 新しい恋を願ったら、前の願いは上書きされて消えちゃうっぽ 』
私が拾ったおにんぎょう。
Σζ(゚ロ゚i|iζ (───まさか!)
上書きされた、一つ前の願い。
(; ・∀・) 「あの人形の言ってたことは、本当だったんだ!」
── 【 前の持ち主の 】 願い。
.
-
ζ(゚Ο゚i||iζ 「ひょっとして、ぽぽちゃん人形を捨てたのは────」
(;* ・∀・) 「叶った! 僕の願いが! ヒャッホウ!」
( ´∀`) ( ・∀・) ('、`*川 ζ(゚、゚*ζ
( ´∀`) ( ・∀・)゙ ('、`*川 ζ(゚д゚*ζ !?
( ´∀`) ( ・∀・) ('ヮ`*川 ζ(///*ζ
ζ( д i|lζ (インタビューの日、ぽぽちゃんに恋の成就を願ったのは!)
── モララー先輩。
.
-
ζ(゚□゚i|iζ 「…………」
私の想いは、
ずっと抱えてきた恋心は、作られたものだった。
他でもない、先輩の手によって。
(;* ・∀・) 「君の話し声、髪型、うなじ、肩、胸……腰尻脚まゆげ鎖骨肩甲骨!
そしてそのくりんとした瞳!
た、たまんない、たまんないよ!」 ハァハァ
ζ(゚、゚i|iζ 「───!」
モララー先輩の様子がおかしい。
しきりに視線が泳ぐ。 汗だくで、顔が真っ赤だ。
((ζ(゚д゚i|iζ 「…………」
三(;;・∀・)つ 「待って!」 ガシッ
Σζ(゚ロ゚*;ζ 「きゃっ!? は、離してください!」
(;;;・∀・)つ 「どうして? 今日から君は僕の彼女だよ!?」 ハァハァ
後ずさりしようとした私の手を、先輩が掴んだ。
.
-
(;* ・∀・) 「前からこんなに好きだったのに!
実際に目の前にすると、もっともっともっと好きで! もう僕おかしくなりそう!
好きな気持ちが膨れ上がって、心臓が爆発しそうだよ!」
ζ(>□<i|iζ 「やっ、やめて、離して!」
『 ぽぽのチカラは、その好感度を5段階くらい繰り上げてやることっぽ! 』
Σζ(゚д゚i|iζ (先輩が、元々私のことを好きだったのなら……)
(( (;;;・∀・) 「もう我慢できない! 全てが愛しい愛苦しいそそる!
たまんない! 欲しい! 欲しいんだ! 今すぐに君が!」
(( ζ(;−;*ζ 「いやっ! 私、あなたのことなんて好きでもなんでもない!」
先輩は息を荒げて迫ってくる。
(;;; ∀ ) 「美味しそう……!」 ジュルリ
Σζ( д i|iζ 「……ひっ」
『 嫌いは好きに、好きはもーっと好きに 』
.
-
(;;;゚∀・) 「へへっ、ひへへへえ!」
Σζ(;Ο;i|iζ (そ、そうだ、ぽぽちゃん!)
(*‘ω‘ *)
(;;;゚∀・) 「しゅごおおおおおおおい! やっ、柔らかいなあああああああ!!」
ζ(;ロ;*ζ 「たすけてぇ! ぽぽちゃん、おねがい!」
(*‘ω‘ *)
ζ(;□;*ζ 「どうして!? 何か言ってよ、ぽぽちゃ……」
(*‘ω‘ *)
.
-
モララーこわいwwww
-
(( (; ・∀。) 「ひ、ひゅへへへっっっっっ」
ζ(;△;i|iζ 「!!」
三三三(; ∀ ) 「ひへへへへへへへへへへ!!」 ガバッ
Σζ(;д:*ζ 「いッ───!?」
『 いやああああああああああああああああああ…… 』
(*‘ω‘ *)
− 終 −
.
-
はたしてどうなる……ゴクリ
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おわりです!
昔の少女漫画と見せかけて昔の少女ホラー漫画でした。
遅れてホントすみませんでした。 一足先に離脱します!
-
こえぇ!!モララー!!
連載期待 乙でした!!
-
ミギャアアアア怖い
モララー人間やめとるがなwwww
トップバッター乙でした!
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じゃ、次行きます
よろしくお願いします
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ガァン
固いボールが鉄に当たり、投げた俺の後ろまで飛んでいく
(;,,゚Д゚)「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……クソッ」
押し殺した悪態は、誰もいない体育館に小さく木霊した
-
Case 2:根個ギコ
-
コート内ギリギリを半周してシュート
フォームを変えてシュート
角度を変えてシュート
何度も何度もゴールに向けてシュートするも、全くネットを通らない
(,,゚Д゚)「クソッ……クソッ……クソッ、くそっ……!!畜生!!!!」
鬱憤が溜り、堪忍袋の緒が切れる
右手で力いっぱい投げられたボールは体育館の壁に当たり、だぁんと大きな音を響かせる
そのまま転がっていくボールを眺めながら、その場に腰を落とした
俺は焦っていた
高校三年
引退試合も受験も、間近に控えていた
部活では今までレギュラーを落としたことはなく、成績もそこそこ
このままなら推薦を取れるレベルだった
しかし、ここ最近調子がよろしくない
得意だった遠距離からのシュートも、今では見る影もない
推薦の為にレギュラーの座を死守しようとそちらに注力した結果
スランプに陥り、しかも成績まで落ちてしまった
何度投げても入らないし、何時間勉強しても頭に入らない
苛立ちだけが、募っていった
-
(*゚―゚)「ギコ、君」
呼ばれる
男バスマネージャーの羽生しぃだ
(,,゚Д゚)「……」
正直、放っておいてほしかった
こんな姿を見せるのは、男としてのプライドが許さないからだ
しかし相手はマネージャー 選手のコンディションの管理も、彼女の仕事だ
仕方がないので、適当にあしらって帰すことにした
(,,゚Д゚)「……しぃか。どうしたんだ?部活なんかとっくに終わったろうに」
(*゚―゚)「体育館から、明かりが見えたから……
ほ、ほんとはもっと前から気になってたんだけど……」
(,,゚Д゚)「あぁ、それ俺だわ。自主練だから気にしないで帰っていいんだぞ」
-
(*゚―゚)「ごめんなさい。部長から鍵預かってるんです」
……あの野郎
(,,゚Д゚)「ジョル公仕事しやがれよったく……俺が鍵預かるぞ?」
(*゚―゚)「いえ、そういう訳には……終わるまでお手伝いします」
(,,゚Д゚)「いやいいよ」
(*゚―゚)「マネージャーの、仕事ですから☆」
(,,゚Д゚)「……………」
しぃはそのまま、遅くまで自主練に付き合った
俺としては一人の方がやりやすかったのだが、仕方がない
練習を終える頃には外はすっかり暗くなってしまっていたので、仕方なくしぃを送っていくことにした
-
(*゚―゚)「ギコ君は、どこの大学志望だっけ?」
(,,゚Д゚)「……シベリア」
(*゚―゚)「シベリア文大?」
(,,゚Д゚)「教師目指してんだ」
(*゚―゚)「すごぉい!!」
(,,゚Д゚)「すごくねぇよ 推薦取れるかもわかんねーし、なれるかもわかんねーし」
(*゚―゚)「受験生の言葉じゃないなぁ」
(,,゚Д゚)「……うまくいかねーんだよ」
(*゚―゚)「?」
-
俯いてしまう
下を向いてしまうと、垂れ出すように弱音がたらたらと出てきてしまう
(,,゚Д゚)「部活……レギュラー落ちしそうだし、それ逃したら推薦ねーし……」
上を 向かなければ
(,,゚Д゚)「レギュラーに拘って練習ばっかしてたら、成績落としちまうし……」
弱音なんか 零してたら
(,,゚Д゚)「勉強時間増やしても、頭に入んねぇし…………」
(*゚―゚)「…………」
(,,;Д;)「俺……」
……不安が止まんなくなっちまうんだよ
-
ぼろぼろとこぼれ出してきてしまった『弱虫』
(,,つД;)「……すまね なにも見なかったことにしてくんねぇか」
袖で乱暴に目元を擦る
しぃは気を使ってか、視線を逸らしてくれていた
情けないと思いつつ、その優しさを甘受する
沈黙の中に 呼吸を整えようとする自分の息遣いと、二人分の足音だけが小さく響いている
(,,゚Д゚)「……」
(*゚―゚)「大丈夫?」
(,,゚Д゚)「おう もう大丈夫だ。ごめんな」
(*゚―゚)「ううん 私、何もしてないよ?
それより ……ギコ君」
しぃが足を止める
疑問に感じて振り返ると、しぃは何やら思いつめた顔をしていた
-
(,,゚Д゚)「……しぃ?」
(*゚ -゚)「……」
沈黙
沈んだしぃの面持ちは、暗くなった路地にそのまま融けてしまいそうなほどに重かった
やがて深呼吸すると、しぃはにこりと笑って見せた
(*^―^)「――― なんでもない!勉強も部活も、お互いに頑張ろうね!!私、ギコ君のこと応援してるから!!」
しぃはそれだけを捲し立てると、「私、家こっちだから」と言って手を振り、近くの路地に走って行ってしまった
(,,゚Д゚)「……?」
何だったのだろう
そもそも、送る話だったはずなのに……
ギコは首を傾げつつ、来た道を戻っていった
-
時計を見れば、0時を回っていた
(,,゚Д゚)「……やべ」
帰宅後、戸棚からカロリーメイトをひと箱取り出して部屋に入った
それだけで空腹を誤魔化しつつ勉強をし、気付けばこんな時間だ
大会の選抜も近い 明日も朝練で朝は早い
もう夕食をとって風呂に入り、すぐに就寝しなければならない時間だ
辞書や参考書 問題集を閉じ、居間で冷めているであろう夕食に思いを馳せた
最後にノートをぱしんと閉じ、部屋を後にした
視界の端に何か黒い影が映ったのは、きっと気のせいだ
疲れているのだろうか 早く寝よう
( ・∀・)
-
wktkwktk
-
夕食のシチューを味わって食べた
温かい濃厚なシチューが食道を通る度に、体中がじんわりと温まっていき、心地良かった
その後少し熱めの風呂にじっくり浸かり、軽くマッサージして筋肉をほぐした
身体から湯気が出るほど温まってから部屋に戻り、そのまま消灯してベッドに入る
ケータイを開くとジョルジュからメールが来ていたので、それへの返信に『仕事しろや部長』と付け加えて送信
アラームを確認して枕元に置き、そのまま重くなっていた瞼に全てを託した
***
かつん かつん
音がする
何か固いものが落ちる音
角のあるものが転がる音
あれは 何の音だろうか
-
視界は薄暗い
心地良い闇と静寂
ここは何処だろうか
誰もいないのだろうか
( ・∀・)「いらっしゃいませ☆」
(;,,゚Д゚)「うおっ!?」
目と鼻の先に突如現れた、黒いベストを羽織った青年
立てた襟に黒いリボン おどけた仕草でお辞儀をする彼は、ディーラーか何かに見えた
( ・∀・)「僕の名前はモララー しがない魔法使いです」
前言撤回 魔法使いだそうだ
(,,゚Д゚)「……えー…はじめまして ギコといいます」
( ・∀・)「初めまして
君が行き詰っているように見えたのでね、少々スパイスを加えに」
(,,゚Д゚)「はぁ……」
-
自称魔法使い()のモララーさんは、スパイス と言って、賽子を何処からともなく取り出した
手品師か
( ・∀・)「さて、今君は何処に座っているかな?」
座っている?
今まで自分の姿勢を把握していなかったが、どうやらどこかに座っているようだ
目で確認しても、薄暗くて判別出来ていないが
モララーさんがぱちんと指を鳴らすと、世界は反転した
(,,゚Д゚)「っ!?」
光が溢れ 色彩が踊り出す
黄色い光に、赤や黒 黄色や白が整然と並んでいる
此処は何処だ
-
モララーさんは、黒い台を挟んで向こう側に居る
もはやただのディーラーにしか見えない
( ・∀・)「この台は本来、クラップスというギャンブルに使われる台です」
(,,゚Д゚)「モロディーラーじゃないですか」
( ・∀・)「僕は魔法使いさ この台も、単なる雰囲気だしね」
(,,゚Д゚)「他意はない、と」
( ・∀・)「全くないわけじゃないよ。ちょっとした賭け事をしようじゃないか」
(,,゚Д゚)「ルールなんて知りません」
( ・∀・)「僕が考えた簡単なルールさ」
手の中にある二色の賽子を、ころころと回していた
-
どちらがいい?と差し出された賽子から、透き通った青の賽子を選んで手に取った
モララーさんは掌に残った赤い賽子を、台の上に転がした
出目は4
( ・∀・)「僕より多い数を出したら君の勝ち。君が勝てば、僕は願いを叶えよう
ただし、僕が叶えてあげられる範囲は、君が賭けてくれたものの価値によって変動する」
(,,゚Д゚)「持ち合わせならありませんよ」
( ・∀・)「そんなことはない。金なんかいらない 君の持っている モノ を賭ければいい
君のモノなら、なんでも賭けられる
例えば成績や、思想ですらね」
意味を、理解しかねた
(,,゚Д゚)「…?」
( ・∀・)「一度、試してごらん 何を何を賭けて、何を望むのかを言って」
-
(,,゚Д゚)「…………じゃあ、『理科の成績』を賭け物に『部活のレギュラー』」
( ・∀・)「そうそう ……で、だよ。理科は推薦の受験科目じゃないね。でも一般では必須だ 充分賭ける価値はある。
こうして天秤にかけた時に対等な条件であった時、賭け事は成立する。勿論、賭けるものの価値が高ければ高いほど、勝つ可能性も上がっていく
その辺はその賽子が判断してくれるよ」
現実ではあり得ないゲームの説明が、すらすらと流れていく
そして俺はモララーさんに促され、自分の賽子を振った
( ・∀・)「君の勝ちなら、願いを叶えて 君が賭けたものは君に帰っていく」
かつん
( ・∀・)「君が負けたら、僕は君の賭け物をもらっていく」
かつん かつん かららら……
( ・∀・)「このゲームは」
-
出目 5
( ・∀・)「君の勝ち」
( ・∀・)「週末の選抜試験、期待しているといいよ」
(,,゚Д゚)「え?」
( ・∀・)「さて、この賽子は君に貸してあげよう 好きな時に使うと良い
責任は取らないけどね」
(,,゚Д゚)「は?」
( ・∀・)「最後に一つ 君に近しい女の子、気をつかってあげたほうがいいよ
彼女は無理をしはじめたようだからね」
(,,゚Д゚)「近しい?」
( ・∀・)「じゃ、そゆことで☆」
彼は台を、ちゃぶ台のように俺に向けてひっくり返してきた
-
(;,,゚Д゚)「うおおおおっ!?」
がばりと上体を起こす
視界は見知った景色で埋め尽くされる
(,,゚Д゚)「…………夢?」
自室のベッドの上で、固いものを握り締めて冷汗をかいている
……固いもの?
(;,,゚Д゚)「どっちなんだよ」
掌には、あの赤と青の賽子が握られていた
机の上には、ご丁寧に説明書まで置いてあった
-
朝練でジョルジュを小突き、しぃと女バスの子に挨拶をした
しぃの態度は普段通りで、昨日の面影などどこにもなかった
(,,゚Д゚)「……」
( ゚∀゚)「どうしたんだよ」
(,,゚Д゚)「……なんでもない」
( ゚∀゚)「さいですかい んじゃっ、俺は旦那にレギュラーから蹴落とされないよう頑張りますかぁ」
(,,゚Д゚)「お前はレギュラー確定だろ」
( ゚∀゚)「んなこたねぇさ 気ぃ抜けば蹴落とされる 後輩も粒揃いだしなぁ
でももう最後になるしよ、大人になった時にガキに自慢出来るくらいの功績は残してぇなぁ」
(,,゚Д゚)「えらく先を見るんだな」
( ゚∀゚)「そりゃそうさ 部活も 大学選びも、将来の為だもん」
-
(,,゚Д゚)「狼だっけか」
( ゚∀゚)「そっ だから何としてもレギュラーとって、試合も勝ち進まなきゃなんねぇ」
(,,゚Д゚)「難儀だな」
( ゚∀゚)「お前も推薦に賭けてんだろ」
(,,゚Д゚)「俺は、どうだかな……」
( ゚∀゚)「なに 旦那鬱期?」
(,,゚Д゚)「さぁな」
( ゚∀゚)「いけねぇな うん、いけねぇよ
なんならしぃちゃんに相談してみれば? 優しくしてくれるぜ?きっと」
(,,゚Д゚)「しぃ……か」
( ゚∀゚)「ん?」
(,,゚Д゚)「なんでもねぇ 早く練習戻れよ部長」
-
ジョルジュとの雑談を打ち切り、ボール練習を始める
(,,゚Д゚)(負けられねぇんだ)
少し、驚いてしまった
あのジョルジュでも先を見据えている
少し、恥じた
こんなところで立ち止まってはいけないと
今日は調子がいい
保持出来れば、レギュラーはかたいくらいに
練習試合では、敵チームの中の現在のレギュラーメンバー ジョルジュをあしらい、
連携プレイが抜群の流石兄弟を出し抜いて、ランニングシュートを決め込んだ
このまま
このままやっていいけばいい
視界を覆う霧が 晴れた気がした
-
インターハイ レギュラー選抜
結果を言えば、合格だった
無事メンバーに選ばれ、一緒に合格したジョルジュと拳を合わせた
しぃとも喜びを分かち合った
一時あった気まずさも消え失せ、しぃは満面の笑みで祝福の言葉をくれた
その目元には濃い隈があったのを 俺はまだ知らなかった
(*^―^)「ギコ君、ジョルジュ君、兄者君に弟者君、それにショボン君 みんなおめでとう!」
今回のメンバーには、二年のショボンが食い込んできた
しなやかな強さがある、去年からの有力者だった
-
( ゚∀゚)「じゃ、レギュラーだけ特別メニュー課すぞ」
( ´_ゝ`)「面接練習の時間よこせよ」
(´<_` )「小論の方が優先だろう」
( ゚∀゚)「試合に勝ち進まなきゃ、推薦の予行なんて意味はねぇんだぜ
我らがしぃマネージャーが、受験対策を用意してくれるらしい
だから、今は気合入れて試合に打ち込め」
(´・ω・`)「……って、しぃ先輩隈すごいじゃないですか 大丈夫ですか?自身も受験生なのに」
(,,゚Д゚)「ぇっ…………」
(*゚−゚)「…………」
言われて振り返ると、しぃは困ったように笑ってみせた
(*゚―゚)「……大丈夫だよ。 みんなの方こそ、頑張ってね」
-
焦っていた
正直 目の前が見えないくらい
がむしゃらになって模索していた
不可能を可能にする為に
皆の分と、自分の分
あれだけ折れていたギコ君も
あの日を境に立ち直って、無事レギュラーの座を死守した
自分も、立ち止まってはいられない
ハードルを上げたのは自分だ
背伸びしたのは、自分だ
志望校を、VIP学院大学から シベリア文科大学に引き上げた
普通に考えれば手の届かない学校
学院すら精一杯だった私が、背伸びした先
ギコ君と並んで歩けるようになりたい
ただそれだけで
ただ、その一心で
-
インターハイ優勝を目標に掲げ、日々の練習は激しさを増した
地区予選・県予選突破で鼓舞しあい
ニチャン圏大会
準決勝戦 VIP高校 vs 新速大付属高校
試合では圧倒的な勝利を見せた
大きく広げた点差の殆どを、ギコによるものが占めていた
(;^ω^)「根個、絶好調だったおね」
(‘A`)「あいつ去年からこんな奴だったっけなぁ」
( ゚∀゚)「旦那、絶好調だったじゃねぇか」
(,,゚Д゚)「こんなところでへばってられないからな」
( ´_ゝ`)「このまま俺ら出番ないんじゃね?」
(´<_` )「そうしたいのは山々だが、男が廃るだろう兄者よ」
-
しえんしえん
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無事決勝へと駒を進めた
優勝すれば、次はいよいよ全国大会だ
(,,゚Д゚)「……なーんて、実は実力でもなんでもねーんだけどなぁ」
帰宅しすぐ、制服のポケットから二つの賽子を取り出し机に投げた
自身の身はベッドに投げ、その弾力を甘受する
実はもう、この賽子によって 全国大会の道のりまでは約束されていた
あとはそれに見合うだけの技術を身につけるべく、練習を強化してきただけだった
(,,゚Д゚)「これって卑怯だよなぁ……」
-
自らのこれまでの素行・成績を全て賭け物にし、圏大会の優勝を願った
結果賽子は自分に味方し、優勝を投げてよこした
結果が解っているせいかリラックスして試合にも臨めるし、勉強の方にも手を出す余裕が出た
必然的に成績もまだまだ向上の兆しを見せている
何もかもが快調だった
いやむしろ、快調過ぎた
挑むことの刺激を失くした世界はとても平坦で、とても退屈だった
(,,゚Д゚)「…………」
これを使えば、うまくいけば全国大会もものにできる
いや、受験さえも
だからこそ、決めた
(,,゚Д゚)「やっぱ、自分の力で勝ち取ってこそ男だよな」
賽子を机の引き出しに入れ、鍵をかけた
もう自分の為には使わない そう決めて
-
全国大会を見据えて、自主練に励んだ
ボールを手の延長のように、ジャンプを足の延長のように体になじませ、
確実に、どこからでも・どんな体制でもシュートできるよう、徹底的に研究をした
ジョルジュがよくやる 女バス対自分 で多数の追跡から逃れシュートをきめられるようになったら、今度は 男バス対自分 にも挑戦した
一人で流石兄弟の連係プレイを出し抜いてボールを奪った時は、顧問すらも唸らせた
蒸し暑い季節にも、しぃと共に体調管理にも気を遣い、一度も体調を崩さなかった
決勝も勝ち進み、皆がお祭り騒ぎをしているときも、調子には乗り過ぎないよう心掛けた
-
努力家だな
-
八月の始め
狼スポーツ公園第二アリーナ
全国大会四日目 準々決勝
第二試合 VIP高校 vs ラウンジ工業高校
第三クォーター終了時 48 – 57
試合は劣勢のまま佳境を迎えた
_
(;゚∀゚)「次で最後だ!まだまだ逆転狙えるぞ!!」
(;´_ゝ`)「ラウンジを超えるんだ!」
(´<_`;)「俺達はまだまだいける!」
(;´・ω・`)「全国制覇果たして帰るんだ!絶対に!!」
(*゚―゚)「VIPは止まらない!」
(,,゚Д゚)「俺達はここで止まってちゃいけない」
( ゚∀゚)「……しまっていこう」
(#,,゚Д゚)(#´_ゝ`) 「オ―――――ッス!!」(´<_`#)(・ω・`#)
-
円陣を解いて観客席を見やる
そこでは男バス 女バス 吹奏楽及び応援部 生徒会や父兄達が、必死に声援を送ってくれていた
負けるわけにはいかない
そう思い、観客席から視線を外す その時だった
見渡した時には見えていなかったはずの、黒服の男が見えた気がした
( ・∀・)
忘れもしない ニヤけ面で
(,,゚Д゚)「っ!?」
咄嗟に視線を戻すも、そこには何もいない
( ゚∀゚)「どうしたよ 旦那」
(,,゚Д゚)「……いや」
途端 気になりだしたポケットの違和感
一瞬考え、無視することにした
(,,゚Д゚)(自力でやるって決めたんだ)
第四クォーターが始まる ――
-
これまでの得点の殆どをジョルジュが占めていた
負けてはいられないと、自分もボールを持って積極的にゴールに向かっていく
得意のジャンプシュートで相手選手をスルーして得点を稼いだり
流石兄弟と連携してランニングシュートをキメたり
ショボンの活躍で相手選手をファールに追い込んだりと、試合展開はこれまで以上に白熱した
残り15秒を切った時 点差は二点になるまでの追い込みを見せた
ジョルジュが遠方からパスを回してくる
流石兄弟が相手を牽制する
ドリブルしながら走る自分を、ショボンが並走して援護する
あと一回 スリーポイントラインの外側からシュートすれば、逆転勝ちとなる
バスケット左側 ライン直前でジャンプし、左腕でフックシュートを放つ
会場全体が息を吞む
全員の動きが、ボールの動きがコマ送りのように遅く見える
自分の鼓動の音ばかりが大きく聞こえる
電光掲示板が、タイムリミットが1秒をきったことを知らせる
体勢を直しもせず、ボールを見つめる
-
ピ―――――ッ
試合終了の笛が鳴る
ボールはバスケットを通らず、ばぁんと音を立ててコートに落ちた
会場は一瞬静寂に包まれ、次いで、相手側応援席から歓声が沸きあがった
(,,゚Д゚)「…………」
自分たちは負けたのだ
膝の力が抜け、体が浮遊感に包まれる
崩折れる直前に抱き止めてくれたのは、逞しい顔をした流石兄弟だった
( ´_ゝ`)b「ギコ、流石だったぞ」d(´<_` )
試合終了
ラウンジ工業高校 vs VIP高校
88 – 86
準決勝進出 ラウンジ工業高校
-
あれから二ヶ月
部活も引退の時期を迎え、夏休みも終わり、二学期が始まった
三年は全体的に受験モードに染まり、
ちらほらと推薦入試の合格通知をちらつかせる者が出て来た
自分やジョルジュも、例に洩れず推薦で大学の合格通知を手にしていた
( ゚∀゚)「しっかしまぁ……」
( ゚∀゚)「しぃちゃんが受験対策作ってくれてなかったら、俺達今頃真っ暗だったよなぁ」
(,,゚Д゚)「まったくだな。しぃには感謝しないと」
(*゚―゚)「そんなことないよ 」
( ゚∀゚)「いんや、だって結局しぃちゃんが大変な思いしてるじゃん」
(,,゚Д゚)「そ。だから、俺達に出来ることは 全部やらせてほしいんだ」
-
そう
部員の殆どが推薦入試に成功し、功労者であるしぃが 推薦入試で合格をもらえなかったのだ
受験先はシベリア文科大学 初等教育学科
学科は違うが、受験校は一緒だった
以前しぃが目指していた学校よりも、一回り程ランクが高い
しぃは直前になって志望校を変えた
(,,゚Д゚)「けど、なんでまたシベリアにしたんだ?」
(*^―^)「え?えへへ……どうせ大学へ行くなら、公務員の方がいいかな、なんて……」
笑ってみせたしぃだが、その表情は確かに疲弊していた
(,,゚Д゚)「…………」
何故だろう
二つの賽子が脳裏をよぎったのは
-
よくがんばった!
つか注釈wwwww
-
帰宅後、テーブルにガムテープで張り付けられていた賽子を剥がした
インターハイの時もそうだったが、何かしらの分岐点に立たされた時、この賽子はポケットの中に現れた
何度引き出しに戻しても出て来る為、勝手に動かないようにガムテープで固定していた
それを自分で剥がすということ
自分の意志で、使うということ
(,,゚Д゚)「久しぶりに使うなぁ……自分の為じゃないし、いいよな」
自分達の為に頑張ってくれた彼女に 今度は自分からしてあげられること
(,,゚Д゚)「俺の学力を賭け物に、しぃのシベリア合格を……!」
賽は投げられた
-
二月
駅に赴き、切符を買った
シベリア行きだ
VIPから電車で一時間半 私鉄に乗り換えて一時間 更にバスで30分
シベリアは、VIPよりずっとずっと北にある
今日は下宿先のアパートを選ぶために、シベリアまでの長旅だ
黒いコートの襟を立てて、ホームで電車を待っていた
(*゚―゚)「……ギコ、君?」
(,,゚Д゚)「?」
振り返れば、そこにはしぃがいた
(,,゚Д゚)「おう。しぃもお出かけか?」
(*゚―゚)「うん シベリアまで」
(,,゚Д゚)「シベリア?」
(*゚―゚)「報告遅れてごめんね うかったよ、シベリア文大」
-
しぃはそう言って、満面の笑みを見せた
しぃは無事、シベリア文科大学を合格した
感極まって、周囲の視線も忘れてしぃの両手を握る
(,,゚Д゚)「しぃ、本当に良かった!おめでとう!!」
(*゚―゚)「ギコ君、ありがとう」
(,,゚Д゚)「おう ていうか、おれの合格もしぃのお陰だし、むしろこっちがありがとう」
(*゚―゚)「ギコ君、そのことじゃなくてね。別件で、ありがとう」
(,,゚Д゚)「別件?」
(*゚―゚)「合格発表を聞く、前の日にね、変な夢を見たの
黒いベストを着た男の人が、私にトランプを一枚差し出してこう言ったの」
(*゚―゚)「 『この男に礼を言いなさい 彼は君の為に、己の努力の結晶を賭けた』 」
(*゚―゚)「起きてから、そのカードの意味を調べたの
……でね、ここからは私の偏見なんだけど、カードを見た時に思ったの
あれは、ギコ君だって」
しぃは力説する
あのニヤけ面はしぃの夢にも出たのか
-
(*゚―゚)「男の人がね、笑って言ってたの。
『僕もそう来るとは思わなかったけどね でも、彼が気付いたならそれでいい』
ギコ君が何をしたのかはわからない。でも、私の文大合格に大きく影響することをしたことはわかった
出来れば知りたいけど、あの男の人は秘密って言って教えてくれなかった
だから私は、ギコ君にお礼だけ言わせてもらうね
ありがとう」
しぃが深々と頭を下げる
前髪が垂れ、肩口で切りそろえられた髪が さらりと揺れた
(,,゚Д゚)「……あっ、いや、しぃ 頭上げてくれよ
お互い様なんだ 俺は、部活も、受験も、しぃに助けられてきた
だから、恩返しも込みで、少しだけ『お願い事』をしただけなんだ」
(*゚―゚)「お願い事?」
頭をあげて、見つめてくるしぃ
恥ずかしい こそばゆい
長く目を合わせていると、顔にまで出てしまいかねなかった
-
少しだけ 視線が泳いでしまう
(,,゚Д゚)「えっと……お願い事 『しぃが文大受かりますように』」
言うべきか、否か
答えは、決まっている
あとは腹を、括るだけ
(,,゚Д゚)「…………と、」
(,,//Д/)「『これからもしぃと仲良くできますように』」
(*゚ -゚)「……………………!!」
-
『自分の学力』を賭け物に、『しぃのシベリア合格』を
『大学生期間の恋愛の可能性』と『現在持ちうるスペック』を賭け物に、『しぃに近付けるように』
結局 自分の為に使ってしまった
卑怯者
でも、進むきっかけが欲しかった
だから今度は、俺が頑張る番
(,,゚Д゚)「俺、しぃが、好きだから
その……大学行っても、一緒に居たいなって」
でも、薄々気づいてることも、ある
(*゚―゚)「…………ギコ君、あのね……」
――――――――――
-
( ・∀・)「気付いたんだね 『勝ち』しか出ないことに」
( ・∀・)「でもそれは僕の力じゃなくて、『実力から測った憶測』だということ」
( ・∀・)「だから本当は 負けても賭け物は失わないし、勝てる努力を彼がしたから、賽子の結果通りになっただけ」
( ・∀・)「魔法って、便利だなぁ…………」
試合に勝てると思った彼は、結果に見合う為の努力をした
彼女が彼を好いていたから、彼は彼女に近付けた
結果を知っていれば、リラックス出来る
知っていれば、自分からきっかけすらも作り出せる
( ・∀・)「『先見賽子』 ってな」
-
ヒュウーーーッ!甘酸っぺえ!
-
もう彼らは大丈夫だろう
さぁ、次へ行こう
僕も暇じゃない
( ∀ )「――― ……早くしないと、『あの子』に会えない」
僕も賽子を振ってみようか
やめておこう
僕達の未来なんて、僕自身の力じゃ左右出来ないのだから
( ∀ )「実れ 実れ 『恋』 実れ 」
収穫祭まで、時間がない
( ・∀・)恋実れ!のようです Case 2:根個ギコ 了
-
以上です!
ありがとうございました!!
バトンターッチ!!
-
乙!ニヤニヤしながら読んでた。
最後のモララーの独白がすごく気になる。
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おおお? なにやら気になるエンディング。
来月も楽しみだ!乙っした!
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うーいほんじゃあ新連載いっちゃうよーぅ
いっちゃうよーぅ
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いっちまえっ!
-
wktk支援
-
从 ゚∀从
おっす、あたしハインリッヒ高岡!!
この春から新高校生になるピチピチギャルだ!!
自慢じゃないが、あたし結構モテるんだよね。
小中と、貰ったラブレターは二千通をゆうに越したし、
毎日昼ご飯は何種類もの手作り弁当から選び放題だった。
バレンタインのチョコ争奪戦は毎年怪我人が出るほど白熱したなぁ……まあ用意なんてしなかったし、むしろ沢山貰っちゃったんだけどさ。
いや、自慢じゃないんだけどさ。
自慢じゃねえよ……だってこれ全部
同性からのアプローチだったんだもんよ……
-
从 ゚∀从花盛りのおまいらへ、のようです
*第一話*
『教室パニック!? ハインちゃん颯爽登場! の巻』
-
_,、
从 -∀从
思い返せば本っっ当に悪夢のような日々だった。
(*゚ー゚)-3『ハインお姉様一緒に帰りましょおぉおおぉおお!!』
静かに登下校することも叶わず、
川*゚ -゚)『高岡、君のためにマフラーを編んだんだ。君によく似合う格好いいデザインだぞ』
勝手なイメージを被せられ満足にガーリィな服も着れなかった。
*(*‘‘)*『ハインちゃん結婚してぇええぇえ!!』
うっさい虫が邪魔をして、男の子との出逢いも皆無に等しかった。
もう嫌だ、ちょっと男勝りな性格と中性的な外見してるからって
なんであたしがこんな目に遭わなきゃならないんだ。
あたしだって女の子なんだ。普通の女子は格好いい男子と恋の一つでも育むもんじゃないのか。
-
これはwktk支援
-
_,
从;-∀从
あいつらは異常だ。
いくら女子校なんて男との出逢いが無い環境に身を置いてるからってレズビアンに走るかフツー。
もう女とは一生分関わった。濃淡余すところ無く、女の性は見尽くした。
連中とは二度と関わり合いになりたくない。
高校という新たな門出、あたしは今度こそ素敵な男子と出逢って少女マンガのような甘い恋をするんだ!!
-
从*-∀从
ふふふ……ん?
そんなこと言ったって共学である以上女子は居るって?
そうなんだよ、そこが悩みどころでな。
女が居る以上またレズビアンどもに追っかけ回されたり、イケメンを先取りされることも有るだろうからな……
从 ゚∀从カッ
しかし! 少女漫画フリーク歴十年のあたしの脳みそはある画期的な解決策を編み出した!
共 学 じ ゃ な け れ ば い い ん だ よ !
………それじゃああたしも入学できないだろって?
むふふ、そこは考えがあるのだよ。
まあ見てなさい! 乙女の飽くなき恋愛への執念は岩をも溶かすということを!
いざ、麗しの全寮制男子校・私立雛所高校へ!!
-
――入学式当日
从*゚∀从
ふふ、ふははははは!
ズラーーーーリ
( ・∀・)´・ω・`) ´_ゝ`)'A`) ^Д^) ∵)/ ,' 3 ゚∀゚) <●><●>) ><) ゚∋゚)
男子だ!!
男子がめっちゃ盛りだくさんだ!!
すげー! 本物の男子だよ!!
从*゚∀从-3 ムッハァー
この中にあたしの未来のカレシがいると思うと胸がはちきれそうだぜ!
……はちきれるほど無いけどな、胸。
しかも今はただでさえ小ぶりなそれがサラシで締め付けられて完璧にまっ平らになっている。
作戦は大成功だけど何か言いようが無く虚しい。
-
そう、あたしハインリッヒ高岡は―――
今日から男装っ娘として生きていくのだ!!
バァ―――从 ゚∀从―――ン
数ある少女漫画の中でも、ワケあり乙女が男子校でいい男たちに囲まれててんやわんやする話が一番好きなあたしにとって、ここはまさに理想郷!
入学用の書類の偽造は中学の担任(女)が投げキッスひとつでやってくれたんだぜ! きめえ先公だったけど最後には役にたったわ!
瑞稀ちゃんマジリスペクト!
Let's go to イケメンぱらいそ〜花盛りのおまいらへ〜!!
-
―――教室
(,,゚Д゚)「えー入学おめでとう。
俺は今日から一年お前らを受け持つことになった羽二屋ギコというもんだ。気軽にギコ先生と呼んでくれ」
ギコ先生かー……渋くて豪快そうなオッサンだな。
でも年上は好きじゃないからパス。
しかしなかなかどうして、イケメン揃いのクラスに入れたなぁ……ティヒヒ、超ラッキー!
軽く品定めでもしとくかな〜♪
-
投げキッス一つwwwいいのか教師www
-
( ゚∋゚)
い、いかっつぅー!
ムッキムキじゃねえか……付き合うならもっと人間じみた奴がいいな
('A`)
ちょ……真っ青じゃねえかあの小さい人……
不健康な方はちょっと遠慮したいかな……
( <●><●>)
目でかっ
( ・∀・) ( ゚∀゚)
イケメンだけどなんかチャラついてるな……
遊んでる奴より、文化系な草食系男子の方がタイプなんだよね。
-
( ><)
あ、あの子可愛いな
キープキープ
( ´_ゝ`)
……お
高身長痩身、黒髪、なんかパソコンとか強そうな顔……こいついいかも!
こいつと図書館で勉強会したり……パソコン教えてもらったりして、
触れる指先、一瞬交わる視線、灯る小さな恋の炎……
从//∀从
キャアアアア!!!
いい! すごくいい!
そういうのに憧れるのは女子に生まれた宿命だよな!!
決めた! あたし、こいつと仲良くなっていずれお付き合いする!
-
(,,゚Д゚)「先生の話は以上だー。
こっからは友達作りタイムだ。各自席を立って自由に周りの奴に話しかけていいぞ」
ちょ、コミュ障の方になんて不利なスタートだよ。
あの小さい人、更に青くなってもはや人間の色とは言い難くなってるじゃねえか……
まああたしは社交性バッチリの行動派だから大丈夫なんですけどね!
早速気になる彼に未知との遭遇試みちゃうぞ☆
三从*゚∀从 ( ´_ゝ`)
ヨッ
三�悔� ゚∀从 ヽ(゚∀゚ )( ´_ゝ`)
-
なんというハイン…
支援支援
-
( ゚∀゚)「よう、お前どこ中出身? 俺シベリア第二中学なんだけど」
チッ、チャラ男が話しかけて来やがった。
邪魔だチャラ男、てめえに用はねえ。
_,
从 ゚∀从「ヤヲイ学院中だよ」
( ゚∀゚)「なわけねぇだろwwwwあそこ女子校じゃんwwwww」
あーはいはいそーですね、適当に誤魔化すのもめんどくせえ。
( ´_ゝ`)ノ ��('A`;)
あっ! そうこうしてる間に彼が小さい人に話しかけてる!
くそっ、このチャラ男が居なかったらあたしが彼の『初めての人☆』(※会話的な意味で)になっていたのに!!
どけチャラ男! あたしの門出を邪魔すんな!
-
アッ フンヌーッ
?
( ゚∀゚)ノ 三从# ゚∀从 ( ´_ゝ`)((( A )))
(;A;)ブワッ
( ;´_ゝ`)「!?」
从;゚∀从「!?」
( ;゚∀゚)「!?」
(;A;)「びえぇえええぇえぇん!!」
-
( ;´_ゝ`)「えっちょっ何っあのっ」
从;゚∀从「!?!?!?」
な、なんだぁ!?
( ;´_ゝ`)「あ、え……えっと大丈夫ですか!? どっか痛いんですか!?」
ソッ
( ;´_ゝ`)つ ��(;A;iii)
(((;A;)))「いぃぃぃやああああああひぃいいいぃいいいギャアアアアアアアアッ!!」
( ;´_ゝ`)「ええええええ!?」
-
ドクオどうしたwww
-
あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!
『気になる彼が小さい人に話しかけたと思ったら小さい人がいきなり大泣きしはじめた』
な……なにを言ってるのかわからねーと思うが
俺もなにが起こったのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
コミュ障だとか体調不良だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
( ^Д^)「何だ何だ」
( <●><●>)「何やら異常事態なのはわかってます」
/ ,' 3「zzz...」
-
三(,,;゚Д゚)「どうした! 現代教育の闇・いじめなのか!?」
( ;´_ゝ`)「NO! NO! NO!」
ガシッ
(,,;゚Д゚)つ(゚A゚)
「落ち着け! 先生が来たからもう大丈夫だぞ!」
( ゚A。 ゚)「」ブクブク
( ;^Д^)「うわこいつ泡吹いて倒れやがった」
( ・∀・)「あーらら」
( ;><)「何がなんだかわけわかんないんです!」
いつの間にかクラスの全員が野次馬になって周りを取り囲んでやがる……
こりゃまずいな
ダッ
��( ;゚∀゚) 三从 ゚∀从 ( ;´_ゝ`)( 。A ゚)(゚Д゚;,,)
ガシッ
( ;゚∀゚)つ从 ゚∀从
「おい待てよ!」
-
_,
从 ゚∀从「んだよ、まだ何か用か」
( ;゚∀゚)「触んのやめといた方がいいんじゃね……なんか気味悪ぃじゃんあいつ」
从 -∀从 ハー
从 ゚∀从「ガキの理論だな。
困ってる人を見たら助けてあげなさいっていう当然のことを、
パパママ先生から教わる年齢からやり直した方がいいんじゃねえか?」
( ;゚∀゚)「な……」
从 ゚∀从「俺は行く、どけ。急がねえと余計に大騒ぎになるだろ。」
( ゚∀゚) 三从 ゚∀从
( ゚∀゚)「…………かぁっこいー」
-
( ;´_ゝ`)アワアワ
从 ゚∀从「おい、大丈夫か?」
( ;´_ゝ`)「え、ああ、俺は」
(。゚。A ゚ ゚)⊂从 ゚∀从「こいつを保健室に連れて行きたいんだ。手ぇ貸してくんねーか?」
( ´_ゝ`)「わかった。片側を担ごう」
从 ゚∀从「サンキュー」
从 ゚∀从>「先生、あとはよろしく頼むっす」ビシイッ
(,,;゚Д゚)「あ、ああ、まかせろ。
すまんな。保健室は二階の端の方にあるからな」
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