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月刊少女ξ ^ω^)ξちょwwwのようです
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┃┗━┫┏┓┃┗┛┃wwwww
┗━━┻┛┗┻━━┛
__,ィ ヽ. `ヽ. ☆四月号☆
, '⌒Y / 、ヽ ヽ ヽ.
/ / i /l/|_ハ li l i li ハ
. // 〃 /l i|j_,.//‐'/ lTト l、l j N i |
{イ l / l li // リ_lノ lル' lハ. ソ
i| /レ/l l l v' /\ /\イ !| ll,ハ 春の新連載祭り! 豪華三本♪
ハ| ll∧ハヽ ト、 '''' '''' /l jハ| ll ll
〃 ‖ レ'¨´ヽiへ. _ (_人_),.イ/|/ ノ ll l| ( ・∀・)恋実れ!のようです
ll ll { ⌒ヽ_/ } ー‐<.__ ′ l| ‖ それでも幸せなようです
‖ ‖ ヽ, /、 〈 |:::::::| `ヽ ‖ o川*゚ー゚)oとなりのとなりの王子様のようです
‖ {. ハ ヽ Y`‐┴、::::v l ‖
‖ |iヽ{ ヽ_ゾノ‐一’::::ヽ. | ‖もちろん読みきりも充実!?
‖ |i:::::`¨´-- :::......:...:.:.::.}| ‖
‖ |i::::::ヽ._:::_:::::::::::::::::::_ノ | ‖ (-_-)素晴らしい世界のようです
‖ |i::::::::::::i___:::::::::::/ | ξ゚∀゚)ξ神風強盗ジョルジュのようです
jj::::::::r┴-- `ー‐ '⌒ |
〃:::::::マ二 _,ノ
//::::::::::::i ー 一 '´ ̄::.
,','::::::::::::::i::::::::::::::::::::::i::::::ヽ そして今月の応募者全員サービスは『ξ ^ω^)ξちょwwwの膣内完全再現TENGA』だよっ☆
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どういうことなのwwwwwwwwww
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乙wwww
ある意味次回が楽しみな展開
次ぶっといアンカー控えてたっけ?
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ちょwwwwwwwwwwww
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乙www
クラブものって好きだ。続き楽しみ
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乙! 最初から一気に読んだ。各作品のバランスがいい感じに交わってるね!
ラスあるなら期待
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★☆★巻末目次ページ★☆★
それでも幸せなようです >>2-43
巻末コメント:退職したら上司と殴り合いになりました。結果TKO勝ちです。
ξ゚∀゚)ξ神風強盗ジョルジュのようです >>51-86
巻末コメント:退職しました 結果オナニーが一日2回から3回に増えました(本当)
(-_-)素晴らしい世界のようです >>92-127
巻末コメント:しばらく投下なかったら双子の兄に食われたと思って下さい。(性的な意味ではなく)
( ・∀・)恋実れ!のようです >>133-179
巻末コメント:退職願を受理する上司が休みでしたあばばばば
o川*゚ー゚)o となりのとなりの王子様のようです 第一話「春風と王子様」 >>184-226
巻末コメント:途中落ちてホントゴメンナサイ。ていうか全然書き進まなくてごめんなさい。
ほうじ茶ラテ飲んで乙女修行してきます。
◆次回は来月の第三土曜日を予定しています!
参加してくださった作者様ならびに読んでくださった読者様に多大なる感謝を!
このスレは次回も使いますので是非作品に関するご意見・ご感想、そして励ましのレスをお願いします!
それと随時参加者募集中です。詳しくはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1300820545/ までお越しください!
全裸の紳士が貴方を待っています。次の表紙を担うのは君だ!!
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よっしゃー!!これで今月はおしまいです。
次回のお話で気になることがあったら企画スレで質問してください!!
今回の企画で唯一失敗があるとするなら、読んでて自分の青春と比べてむなしくなる点だと思います。
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泣いたり笑ったりときめいたり、読んでると忙しくなるスレだ……
乙!
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作者の皆様お疲れ様っした!!
それでも幸せなでにこやかに入り、ジョルジュ子で( ゚д゚ )になり、
素晴らしい世界で透き通るような情景を思い浮べ、恋実れ!でニヤニヤし、
隣の隣の王子様でξ ^ω^)ξちょwww、と読み終えました。
想像していたよりずっとまとまってて面白いスレになったと思います。
ゆっくりでも継続して刊行していって欲しいです。
今回の作者様方、及びまだ見ぬ作者様達の次回作に期待(・∀・)!!
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5月号を楽しみにしている俺ガイル
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俺は、何か
彼女は、何か
俺とは、何か
彼女とは、何か
貴方の笑う顔が、俺は大好きだ
貴方の幸せが、俺の幸せだ
貴方が幸せになるのに、もう俺は必要ないならば
俺は貴方の幸せを 願おう
貴方に最後のプレゼント
▼・ェ・▼
俺に全く似てないけれども
全てをこいつに託すから
貴方はこれを持って
誰かと幸せになればいい
月刊少女小説ξ ^ω^)ξちょwwwwのようです 5月号
予告編
5月21日 午後6時 刊行
会場:http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/sports/37256/1302944414/
企画:http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/sports/37256/1300820545/
今夜開催
あなたの乙女心をくすぐる作品を、探しに来てください
☆参加者の方へ
最終確認参加宣言を、企画スレの方にお願い致します
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それでは、 『月刊少女小説ξ ^ω^)ξちょwwwwのようです 五月号』 刊行致します
http://c2.upup.be/jE2vsIhQ7F
ごゆっくりお楽しみ下さい
まとめ様:http://sogomatome.blog104.fc2.com/
☆参加者の方へ
投下の開始と終了時に、それぞれ宣言をお願いいたします
また、投下終了後、企画スレの方へ、作品名と巻末コメントの掲載をお願いします
kwskはこちらの方でご確認下さい
http://hinagatawwww.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC
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遅くなってすみません!
投下させてもらいます
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わたし、確かに恋してました。
三三(; ・∀・)
ξ*゚⊿゚)ξ 「キャー!」
(*゚ー゚) 「モララー先輩ー! かっこいー!」
ζ(゚ロ゚*ζ 「……」 ドキドキ
Σ('、`*川 「パス通った……えっ、あの距離から?」
ζ(゚ー゚*ζ (いけっ、シュート!)
.
-
ξ*゚皿゚)ξ 「入っとわあああああああああああ!?」
(゚△゚*川 「うっおおおおおおおお!?」
(*>ー<)ノシ 「すげえええええええ──!」
ζ(゚ワ゚*ζ 「───!」
(((; ´∀`)ノ d(・∀・ ;) (^ω^ )三三
サッカー部のエース、モララー先輩に。
−− ζ(゚ー゚*ζ こいをかなえるおにんぎょう! のようです −−
.
-
ξ*´〜`)ξ 「はぁぁ〜。 先輩ほんっとい〜わ〜」
(*´¬`) 「DNAの奇跡よね〜」
ζ(´ー`*ζ 「……うん。 かっこいいね」 ボケー
('、`*川 「あれ?」
ζ(゚ー゚*ζ 「ん?」
゙('、`*川 「デレ、あたしが前聞いた時は、別にーって感じだったじゃん。
どんな心境の変化?」
Σζ(゚ο゚*;ζ 「えっ!? あ、その……!」
.
-
('ー`*川 「やっと気づいた? 先輩のミ・リョ・ク・に?」
ζ(゚ー゚*;ζ 「う、うーんと……やっぱりよくわかんないかも?」
σ
ξ#゚⊿゚)ξ 「はぁー? ちょっとアンタ何様!?」
(#*゚ー゚) 「ぜーたく言ってんじゃねー! モララーさんディスってっとぶっとばすぞ!」
Σζ(゚ο゚*;ζ 「ご、ごめん! そういうワケじゃなくって……」
゙d('、`*川 「まあいいじゃない。 ライバルは一人でも少ないほうがいいしっ」
_,
ξ゚⊿゚)ξ 「そりゃそうだけどさー」
(*゚ー゚) 「先輩で射程外って……どんだけゼータクなのアンタ!」
ζ(゚д゚*;ζ (あ、あぶないあぶない、気づかれるトコだった)
.
-
あぁよかった…!
支援
-
_,
ξ゚ 3゚)ξσ 「……B専?」
(*゚ー゚) 「あー、なんかそういうツラしてるよね」
ζ(゚、゚*;ζ 「ひどーい!」
('、`*川 「現れるのかしらね、デレさんのお目がねに適う人は?」
ζ(゚ー゚*ζ 「べつに理想が高いってわけじゃないんだけどね……」
ζ(-、-*;ζ (うう……私だって先輩のこと……大好きなのに……)
.
-
(*゚ー゚) 「今どんくらいいんのかなー? 先輩のファン」
ξ゚⊿゚)ξ 「さーねー。 非公式のファンクラブもあるくらいだしー?」
('、`*川 「もはや考えたくもないわね……」
ζ(゚、゚*ζ (……そう。 この学園の中に、ライバルはいーっぱい)
ζ(-、-*ζ (先輩の周りは、キレイな娘たちがいっつも取り巻いてるんだ。
それにカレは私の名前すら知らない。
とってもとっても遠い存在なの)
(((・∀・ )゙ 「──」 チラッ
Σζ(゚ロ゚*ζ 「!」
Σξ*゚皿゚)ξσ 「きゃああああ! ちょっ、ほらッ!?」
(*>ー<) 「こっち! 今こっち見たよねー!?」
.
-
((( ・)
('ヮ`*川 「後姿までイケメンだね〜。 眼福眼福」
('、`*川 「ん?」
ζ(/ロ/*ζ 「…………」 ポケー
('、`*;川 「ちょっ、おーい、デレー?」
ξ*゚∀、゚)ξ 「 」 ホゲー
(*´ q`) 「 」 ボエー
('д`*;川 「……こっちも」
ζ(/。/*ζ 「……」
──目が合った。
それだけのことなのに、すっごくドキドキする。
私、しあわせです。
いつかきっと、この恋が叶うといいな。
モララー先輩。
.
-
ショボ辺さんのアナルバイブに噴いたwwwww
そしてwktkしえん!
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※ ※ ※
かえりみち。
ε-ζ(-。-*ζ 「はぁ〜……」
ζ(-、-*ζ 「先輩……今日もかっこよかったな」
目を閉じればまぶたの裏に浮かんでくる。
華麗にシュートを決めたあのシーン。
そして、振り向きざまに私のほうへ向けられた、カレの視線。
ζ(´ー`*ζ (……放課後、サッカー部の応援に誘われたとき、断らなくて良かったぁ)
端正な顔立ちに輝く汗。
今日もモララー先輩はとっても魅力的でした。
.
-
あーなんか童心にかえるわ いいね
-
ζ( − *ζ (いつか届くといいな、私の気持ち)
けれど、心のどこかでわかってる。 それはとっても難しいのだということ。
残念なことに、部活も学年も違う私とモララー先輩に、接点は乏しい。
カレのことを想いながらてくてく歩いているうち、ふと道の端に目がとまった。
゙ζ(゚、゚*ζ 「あれ?」
道路わきの草むらから、なにかがひょっこり顔を出している。
.
-
ζ(゚o ゚*ζ (……おにんぎょう?)
ひろいあげてみた。
つぶらな瞳にねこの耳。 ふっくらふくらんだほっぺ。
毛糸でできた、てのひらサイズのそれは、
お世辞にも精巧なつくりとはいえないけれど、なかなかどうして愛嬌がある。
ζ(゚ー゚*ζ (ぬいぐるみ、じゃないよね。 ブードゥー人形みたい)
しろいフェルトの名札には、『 こいのぽぽちゃんにんぎょう 』 と書いてある。
どのくらい前から落ちていたんだろう。 すごく汚れてる。
誰が落としたのかはわからないけど、このまま放っておくのもかわいそう。
私は 『 ぽぽちゃんにんぎょう 』 の土を払うと、バッグに入れて持ち帰った。
.
-
※ ※ ※
その日の夜。
ζ(゚ロ゚*;ζ 「────」 ガシャン
私はこれまで生きてきた十数年のうち、一番のびっくりを目の当たりにしていた。
*'``・* 。
| `*。
,。∩∧ ∧ * ぽ!
+ (*‘ω‘ *) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚_ゝ +゚
☆ v 。*゚
`・+。*・ ゚
えっと……その。
机の上でくるくる回っているそれは。
他でもない、拾ってきたぽぽちゃん人形で。
.
-
(*‘ω‘ *) 「拾ってくれてありがとうっぽ!
前のご主人に捨てられて早数ヶ月。
あのままじゃ、野良犬に噛まれてぼろぼろになってたかもしれないっぽ」
Σζ( □ *;ζ 「しかもしゃべったああああああああああ!?」
(*‘ω‘ *) 「ぽ? なにをそんなに驚いてるぽ?」
ζ(゚□゚*;ζ 「り、リモコンとかついて……ないよね?」
(*‘ω‘ *) 「失礼なニンゲンっぽ!
ぽぽのカラダにゃ、種も仕掛けもないっぽよ」
ζ(゚д゚*;ζ 「……」
(*‘ω‘ *) 「拾ってくれたお礼に、ご主人の恋を叶えてあげるっぽ!」
──ああ、やっぱり夢を見てるのかな。
ためしに頬をつねってみたけど、すごーく痛かった。
.
-
シャベッタアアアアアアアアア
-
ζ(゚ο゚*;ζ 「あの、今もその、現実とは思えないし。
聞きたいことは山のようにあるんだけど──」
(*‘ω‘ *) 「ぽ?
ぽぽはぽぽで、それ以上でもそれ以下でもないっぽよ」
ζ(゚−゚*;ζ 「まずはひとつだけ、いいかな」
(*‘ω‘ *) 「聞くといいっぽ」
ζ(゚ー゚*ζ 「さっき言った、『 恋を叶える 』 って、どういうこと……?」
(*‘ω‘ *) 「ぽ! よくぞ聞いたっぽ!」
ζ(゚、゚*;ζ 「……」 ゴクリ
(*‘ω‘ *) 「残念ながら、ぽぽにお願いしたところで、
見ず知らずの二人が一瞬で恋人になれちゃうってわけじゃないっぽ」
ζ(゚ロ゚*;ζ 「う」 グサッ
.
-
>>252
当日仕上げの底力ですww
デレがかわいらしい支援
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(*‘ω‘ *)ノシ 「でもでも安心するっぽ!」
(*‘ω‘ *) 「人は異性を無意識にランク付けしてるものっぽ。
まあ許せるかなって人、なんとも思ってない人、
ちょっと気になる人……みたいにぽ」
ζ(゚、゚*ζ 「う、うーん」
(*‘ω‘ *) 「ぽぽのチカラは、その好感度を5段階くらい繰り上げてやることっぽ!
嫌いは好きに、好きはもーっと好きに。
たとえ知らない相手でも、目を見ただけで電撃がビビッと走るぽ!」
ζ(゚д゚*ζ 「はぁ……」
ζ(゚o ゚*;ζ (そんなことって……あるの?)
.
-
(*‘ω‘ *) 「そこから先はご主人の行動次第! だけど──」
(*‘ω‘ *)b゙ 「相手はご主人にメロメロっぽ!
恋が実っちゃうこと、ほぼ間違いなしだっぽ!」
ζ(゚−゚*;ζ 「……恋が、実る」
(*‘ω‘ *) 「ぽ!」
ζ(゚、゚*;ζ (ぽぽちゃんのこの話しぶり。
まるで心の中を見透かされてるみたい)
(*‘ω‘ *) 「ご主人、好きな相手はいるっぽ?」
Σζ(゚ロ゚*;ζ 「ほへっ!? あ、はいっ」
.
-
(*‘ω‘ *)b 「ひとつだけ注意するっぽ」
(*‘ω‘ *) 「ぽぽの叶えられる恋はひとつだけだっぽ。
もしも新しい恋を願ったら、
前の願いは上書きされて、消えちゃうっぽ」
゙ζ(゚、゚*ζ 「願いが、消える?」
(*‘ω‘ *) 「ぽ。 フタマタかけちゃダメってことぽ」
Σζ(゚д゚*;ζ 「そ、そんなことっ! わたしっ」
私の願いは──きっと、ずっとひとりだけ。
モララー先輩。
好きです。
ζ(゚−゚*;ζ 「……」
ぽぽちゃんのチカラを借りれば、
私の気持ち、届くのかな──?
※ ※ ※
.
-
次の日の、教室。
ζ(-。-*ζ 「はぁ……」
ζ(゚、゚*ζ (夢じゃなかったんだよね?
毛糸でできたぽぽちゃんが、動いて、しかもしゃべったこと。
うっかりウチに置いてきちゃったけど)
(*‘ω‘ *) 『 恋心を芽生えさせるのは簡単っぽ。
相手の目を見ながら、ぽぽの体をぎゅっと握って、
好きになれ好きになれ、と唱えることっぽ 』
ζ(゚−゚*ζ (恋を叶える、かあ。
そんなコト、本当にできるのかなぁ?)
( ・∀・)
ζ(/- /*ζ (モララー先輩……先輩は、私の名前すら知らないんだよ?)
.
-
ζ(゚、゚*ζ (んー……)
ζ(-、-*ζ (第一、目を合わせるっていうトコロが、既にハードル高いよ……)
ブブブブブ……
゙ζ(゚ロ゚*ζ 「!?」
ζ(゚、゚*;ζ (あ、携帯。 メールかぁ。
なになに……?)
ζ(゚o ゚*ζ (『 話がある。 放課後、校舎裏で待ってるから、一人で来て 』)
ζ(゚ロ゚*;ζ (え、こ、これって)
※ ※ ※
.
-
放課後。
('、`*川 「……きたか」
ζ(゚ー゚*ζ 「ペニちゃん! あの、話って?」
d('、`*;川 「しっ!
ツン達には会わなかった?」
゙ζ(゚、゚*ζ 「う、うん」
('、`*川 「尾行されてない? 周りもよーく注意してみて」
ζ(゚ー゚*;ζ 「えーと……いないよ、たぶん」
('、`*川 「足元とか大丈夫? 壁は本物? 枝の後ろは?」
ζ(゚ー゚*;ζ 「忍者じゃあるまいし……」
('、`*川 「一匹見かけたら30匹だからね」
Σζ(゚д゚*;ζ (虫かっ)
.
-
(-、-*川 「……コホン。 失礼取り乱した」
ζ(゚ー゚*ζ 「よっぽど他の人に聞かれたくないんだね」
('、`*川 「うん。 今から相談すること、まだ誰にも言ってないから」
ζ(゚、゚*ζ (相談……?)
('。`*;川 「デレだけなの。 このことを打ち明けられるのは……。
誰にも言わないで? お願い」
ζ(゚−゚*ζ 「わ、わかったよ。 約束する」
('、`*川 「……」
ζ(゚、゚*ζ 「……」
.
-
('。`*川 「私、さ」
Σζ(゚、゚*;ζ 「う、うん」 ゴクリ
('、`*川 「明後日──」
(-、-*川 「この場所で、モララー先輩に告白しようと思ってる」
ζ( ロ *ζ
ζ(゚д゚iliζ 「────えっ────」
.
-
('、`*;川 「デレだけって言った意味、わかるよね?
もしもこのこと、ツン達に聞かれたら……」
ζ(゚−゚iliζ 「……」
(゚、゚*川 「……デレ?」
Σζ(゚ロ゚*ζ 「あ、う、うん。 抜け駆けって言われるもんね?」
('、`*川 「そうなんだ。
モララー先輩はみんなのアイドルだし、あいつらには相談できない」
ζ(゚−゚*;ζ 「……」
('、`*川 「デレ。
一緒にサッカー部をインタビューした時のこと、覚えてる?」
ζ(゚、゚*;ζ 「え? あ、うん……」
.
-
oh...
-
うわぁ……
-
覚えているに決まってる。
放送部の仕事で、ペニちゃんと一緒にキャプテン達と話をしたときのこと。
( ´∀`) ( ・∀・) ('ヮ`*川 ζ(///*ζ
噂のサッカー部エースであるカレと、初めて面と向かっておしゃべりして、
…… 一目ぼれした、あの日。
('、`*川 「それまでもキャプテンを通じて話す機会はあったの。
けど、あの日の出来事が縁っていうかさ……。
あれから私、個人的にモララー先輩と何度か会って……」
(-、-*川 「ある程度話せるくらいの間柄になったの」
ζ(゚д゚*ζ 「……」
ζ(゚д゚*ζ 「そう……だったんだ」
.
-
('、`*川 「カレと会って、たくさん話をして、よーくわかったことがある。
モララー先輩はね……」
゙ζ(゚−゚*;ζ 「う、うん」 ゴクリ
(/、/*;川 「そ、その、さ」
(-、-*川 「カッコいいのはもちろんだけど、それだけじゃなくって。
本当に優しくて。
すっ……ごくいい人だったんだ」
ζ(゚−゚*;ζ (……)
全然気づかなかった。
ペニちゃんは、私の知らないモララー先輩を、知っている。
('、`*川 「昨日応援に行ったとき、先輩、チラッとこっちを見たでしょ?」
(((・∀・ )゙ 『 ── 』
ζ(゚、゚*;ζ 「あ、うん」
('、`*川 「カレも私も、周りに人がいた手前、話すことはできなかったけど……。
あの視線、たぶん私に向けてのものだったんだと思う」
ζ( − i|iζ 「───!」
.
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すごく、きついです
-
('。`*川 「ふう……でもまあ、上手くいくなんて思ってないの」
ζ(゚−゚i|iζ 「……え?」
(-、-*川 「ようやく決心がついたんだ。 でも、それだけ。
ダメ元ってのはわかってる。 玉砕覚悟ってやつ?」
('、`*川 「先輩、今はカノジョいないらしいけど──。
魅力的な人は周りにわんさかいる」
ζ( − *ζ 「ペニちゃん……」
('、`*川 「……うん」
(-、-*川 「相談っていうか。 誰かに聞いて欲しかったんだ」
明後日、ここでペニちゃんは告白する。
── モララー先輩に。
ζ( ロ iliζ 「あ、あの!」
('、`*川 「え?」
.
-
ζ( 、 iliζ「…………」
ζ( 。 iliζ 「……頑張って。 その……告白」
゙(゚、`*川
(-、-*川
('ー`*川 「ありがと」
ζ(^ー^i|iζ
※ ※ ※
.
-
ショックだった。
ペニちゃんがモララー先輩のことを本気で好きだったなんて。
きゃあきゃあ騒ぐだけの、周りのコたちと違って。
先輩と実際にお話して。
私の知らないところで、親密な関係を築き上げていたなんて。
私の知らないモララー先輩を、
たくさん知っていたなんて。
.
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女の子こわい支援
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ペニちゃんの言うとおり、カレの周りには、たくさんの女の子がいる。
キレイな娘もいっぱいいる。
でも。
でも、もしも先輩が。
── ペニちゃんのことを好きだったとしたら。
.
-
ζ(;−;*ζ 「……」
(*‘ω‘ *) 「どうしったぽ? ご主人、元気を出すっぽ」
勝てない。
かないっこないよ。
私。
ζ(;д;*ζ 「わ、たし、私……」
── 奇跡でも、起きない限り。
.
-
※ ※ ※
('A`) 「おーい、モララー」
( ・∀・) 「ん?」
('A`) 「なんか……お前にお客さんだぞ。 女の子」
( ・∀・)゙ 「mjd?」
('A`) 「お前……いったい何人の女をたらしこめば気が済む……?」
(; ・∀・)ノシ 「へ? いっ、いやいや」
.
-
('A`) 「アレか……? 女を吸い込むブラックホールか……?
この……バミューダ野郎……!」
(; ・∀・) 「べ、別にそんなんじゃないって!
で? 相手はどこ? 誰?」
('A`) 「……誰かは知らん。
教室の入口。 一年生」
((( ・∀・) 「りょーかい! すぐ行く!」
('A`) 「リア充乙」
('A`)
('A`) 「氏のう……」
※ ※ ※
.
-
( ・∀・)゙ 「えーと、あっ」
放課後。
明くる日の放課後。
( ・∀・)ゞ 「ひょっとして、僕を呼び出したのって──」
( ・∀・) 「今から? 校舎裏の?
……わかった。 行こう」
明後日ではない、放課後。
((((・∀・ ;)彡 「倉庫の裏か。 ここ全然人来ないから、ちょっと怖いよね」
( ・∀・) 「それで、話って?」
つまり──告白する日の、前日。
.
-
ドクオ頑張れ超頑張れ
-
ζ(゚ロ゚*;ζ 「は、は、はいっ、その……」
私はとうとう、行動に移してしまった。
── モララー先輩を、校舎裏の倉庫の影へ、呼び出したんだ。
ζ( 、 *ζ (これは裏切りじゃないの、裏切りじゃない、裏切りじゃ──)
何度も自分に言い聞かせる。
( ・∀・) 「確か君は、ペニちゃんの友達の、デレちゃんだよね」
Σζ(/ロ/*;ζ 「ほへ!? は、はいぃぃっ!」
先輩は、私の名前を知ってた!
なんというサプライズ。
おもわず、手に抱えた 【 それ 】 を取り落としそうになる。
.
-
ζ(゚△゚*;ζ 「あの、あの、そうです。 私、放送部の」
心臓はバクバク。
手汗だらだら。
( ・∀・) 「もちろん覚えてるよ。 サッカー部のインタビューで……」
Σζ(/◇/*ζ 「はわ!? そ、そそそそうれす!」
ダメ元なんだ。
友達として、ペニちゃんと後悔のない付き合いを続けていくためには。
( ・∀・) 「あの時は楽しかったよ!
──それで、話って?」
彼女にも、私の本当の気持ちを知ってもらわなきゃ。
真実を知ってもらわなきゃ。
だから、私は。
ここでこうして、当たって砕けておかなきゃいけないんだ。
.
-
血は出ないけど、ここんとこがすごく痛いんだ……
-
ζ(゚ロ゚*;ζ 「ひゃい! あの、しょれは……」
……と、まあ。
色んな言い訳しているけど、けっきょく私は。
ζ( □ *;ζ 「だ、大事なお話が……あって……」
ともすれば。
親友であるペニちゃんを、出し抜こうとしている。
( ・∀・) 「うん。 それで、話とは?」
ζ( д *;ζ 「ひ……あ、の……あぅぅう」
(*‘ω‘ *) 『 恋心を芽生えさせるのは簡単っぽ。
相手の目を見ながら、ぽぽの体をぎゅっと握って 』
ζ( Ο *;ζ 「あのっ!」
( ・∀・)゙ 「うん?」
.
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>>288
ちゃんと洗わないから・・・
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大きく息を吸い込んだ。
──これで、玉砕。
ずっと抱えてきた想いは、ここで終わり。
結果を隠すつもりはない。
明日には笑ってペニちゃんに話すんだ。
いや……ちょっとだけ、泣いちゃうかも。
けれど。
きっと、そうすることで。
本当の親友になれるんだ。
今よりずっと、仲良しになれるんだ。
ζ(゚□゚*;ζ 「ず、ずず、ずっ……」
……でも。
玉砕するかもしれないけど。
恋は終わっちゃうかも知れないけれど。
できることなら──私。
(*‘ω‘ *) 『 好きになれ好きになれ、と唱えることっぽ 』
……叶うのなら?
.
-
ζ(///*ζ 「ずっと前から、も、ももモララー先輩のことが……
すっ、好きでした!」
( ・∀・)
ζ(/ロ/*ζ 「わ、わ、わわわわわわ……私なんかじゃ……ダメでしょうけど……」
( ∀ )
ζ(>ロ<*;ζ 「わ、私っっっ!」
顔を上げる。
視線が重なる。
ぽぽちゃん人形を、汗まみれの両手でぎゅっと握り締める。
好きになれ、好きになれ、好きになれ!
.
-
(; ・∀・) ζ(゚□゚*;ζ
モララー先輩。
どうか、私を。
私を、私のことを、好きになってください。
『 お願いします。 私と付き合ってください! 』
その時。
私の全身を、電撃が駆け抜けた。
.
-
( ∀ )
( ∀ ) 「い……い……」
ζ( ロ *ζ
───── え っ 。
(* ・∀・) 「い───やッっっっっっっっっほおおおおおおぉぉぉぉぉおお!!」
ζ( □ *ζ
───── 信じられなかった。
(* ・∀・) 「つッ! 付き合うッ! 絶対に付き合うともおおおおおおおッ!!」
───── な ん だ 、 こ れ 。
.
-
モララーwwww
-
ζ(゚□゚*;ζ 「…………」
ζ(゚□゚i|iζ 「──な、な……?」
なぜなら。
私。
(* ・∀・) 「デレちゃん! よく言ってくれたね!
僕はずっと前から君を好きで好きでしょうがなかったんだ!」
ζ( △ i|lζ 「───??????????????」
【 好きでもなんでもない人に 】
【 告白してしまってたから 】 。
.
-
(* ・∀・) 「僕はいつも君を見ていた。
他のヤツに悟られないように、いつもいつも。
気づけば君を目で追っていたんだ」
ζ(゚д゚*ζ (う、嘘っ。 私……あれえ?)
ζ(゚−゚*;ζ (どうして? 私、なんでモララー先輩のことを好きになっちゃったんだろう?)
その時。
私の脳裏に、ペニちゃんの言葉が蘇った。
('、`*川 『 ──あれ。 以前はあんた、別にー……って感じだったじゃない 』
ζ(゚д゚*;ζ (そうなんだ。
以前からモララー先輩の話は聞いてたし、
学校で見かけたことも何度かあった)
.
-
(* ・∀・) 「どんな方法を使っても、手に入れたいと思っていた」
ζ(゚−゚*ζ (けど私、サッカー部にインタビューするまでは、好きでもなんでもなかったの。
あの日以来なの。
先輩が好きで、いても立ってもいられないようになったのは)
('、`*川 『 ──どんな心境の変化? 』
ζ(゚、゚*;ζ (わからない。
今ここでそれを思い出したのも、冷静に考えられるようになったのも。
まるで───夢から覚めたみたい)
(* ・∀・) 「そうなんだよ、放送部のペニちゃんに近づいたのだってね──」
体から力が抜けていく。
ぽとり。
私の手から、何かが転げ落ちた。
Σ( ・∀・) 「────!?」
(; ・∀・) 「信じられない! あ、あの薄汚い、【 あれ 】 !」
ζ(゚o ゚*;ζ 「!?」
.
-
モララー先輩の視線の先を追う。
そこには、私が取り落とした──ぽぽちゃん。
(; ・∀・) 「 【 あいつのおかげだったのか 】 !」
恋を叶える、毛糸のアイテム。
(*‘ω‘ *) 『 新しい恋を願ったら、前の願いは上書きされて消えちゃうっぽ 』
私が拾ったおにんぎょう。
Σζ(゚ロ゚i|iζ (───まさか!)
上書きされた、一つ前の願い。
(; ・∀・) 「あの人形の言ってたことは、本当だったんだ!」
── 【 前の持ち主の 】 願い。
.
-
ζ(゚Ο゚i||iζ 「ひょっとして、ぽぽちゃん人形を捨てたのは────」
(;* ・∀・) 「叶った! 僕の願いが! ヒャッホウ!」
( ´∀`) ( ・∀・) ('、`*川 ζ(゚、゚*ζ
( ´∀`) ( ・∀・)゙ ('、`*川 ζ(゚д゚*ζ !?
( ´∀`) ( ・∀・) ('ヮ`*川 ζ(///*ζ
ζ( д i|lζ (インタビューの日、ぽぽちゃんに恋の成就を願ったのは!)
── モララー先輩。
.
-
ζ(゚□゚i|iζ 「…………」
私の想いは、
ずっと抱えてきた恋心は、作られたものだった。
他でもない、先輩の手によって。
(;* ・∀・) 「君の話し声、髪型、うなじ、肩、胸……腰尻脚まゆげ鎖骨肩甲骨!
そしてそのくりんとした瞳!
た、たまんない、たまんないよ!」 ハァハァ
ζ(゚、゚i|iζ 「───!」
モララー先輩の様子がおかしい。
しきりに視線が泳ぐ。 汗だくで、顔が真っ赤だ。
((ζ(゚д゚i|iζ 「…………」
三(;;・∀・)つ 「待って!」 ガシッ
Σζ(゚ロ゚*;ζ 「きゃっ!? は、離してください!」
(;;;・∀・)つ 「どうして? 今日から君は僕の彼女だよ!?」 ハァハァ
後ずさりしようとした私の手を、先輩が掴んだ。
.
-
(;* ・∀・) 「前からこんなに好きだったのに!
実際に目の前にすると、もっともっともっと好きで! もう僕おかしくなりそう!
好きな気持ちが膨れ上がって、心臓が爆発しそうだよ!」
ζ(>□<i|iζ 「やっ、やめて、離して!」
『 ぽぽのチカラは、その好感度を5段階くらい繰り上げてやることっぽ! 』
Σζ(゚д゚i|iζ (先輩が、元々私のことを好きだったのなら……)
(( (;;;・∀・) 「もう我慢できない! 全てが愛しい愛苦しいそそる!
たまんない! 欲しい! 欲しいんだ! 今すぐに君が!」
(( ζ(;−;*ζ 「いやっ! 私、あなたのことなんて好きでもなんでもない!」
先輩は息を荒げて迫ってくる。
(;;; ∀ ) 「美味しそう……!」 ジュルリ
Σζ( д i|iζ 「……ひっ」
『 嫌いは好きに、好きはもーっと好きに 』
.
-
(;;;゚∀・) 「へへっ、ひへへへえ!」
Σζ(;Ο;i|iζ (そ、そうだ、ぽぽちゃん!)
(*‘ω‘ *)
(;;;゚∀・) 「しゅごおおおおおおおい! やっ、柔らかいなあああああああ!!」
ζ(;ロ;*ζ 「たすけてぇ! ぽぽちゃん、おねがい!」
(*‘ω‘ *)
ζ(;□;*ζ 「どうして!? 何か言ってよ、ぽぽちゃ……」
(*‘ω‘ *)
.
-
モララーこわいwwww
-
(( (; ・∀。) 「ひ、ひゅへへへっっっっっ」
ζ(;△;i|iζ 「!!」
三三三(; ∀ ) 「ひへへへへへへへへへへ!!」 ガバッ
Σζ(;д:*ζ 「いッ───!?」
『 いやああああああああああああああああああ…… 』
(*‘ω‘ *)
− 終 −
.
-
はたしてどうなる……ゴクリ
-
おわりです!
昔の少女漫画と見せかけて昔の少女ホラー漫画でした。
遅れてホントすみませんでした。 一足先に離脱します!
-
こえぇ!!モララー!!
連載期待 乙でした!!
-
ミギャアアアア怖い
モララー人間やめとるがなwwww
トップバッター乙でした!
-
じゃ、次行きます
よろしくお願いします
-
ガァン
固いボールが鉄に当たり、投げた俺の後ろまで飛んでいく
(;,,゚Д゚)「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……クソッ」
押し殺した悪態は、誰もいない体育館に小さく木霊した
-
Case 2:根個ギコ
-
コート内ギリギリを半周してシュート
フォームを変えてシュート
角度を変えてシュート
何度も何度もゴールに向けてシュートするも、全くネットを通らない
(,,゚Д゚)「クソッ……クソッ……クソッ、くそっ……!!畜生!!!!」
鬱憤が溜り、堪忍袋の緒が切れる
右手で力いっぱい投げられたボールは体育館の壁に当たり、だぁんと大きな音を響かせる
そのまま転がっていくボールを眺めながら、その場に腰を落とした
俺は焦っていた
高校三年
引退試合も受験も、間近に控えていた
部活では今までレギュラーを落としたことはなく、成績もそこそこ
このままなら推薦を取れるレベルだった
しかし、ここ最近調子がよろしくない
得意だった遠距離からのシュートも、今では見る影もない
推薦の為にレギュラーの座を死守しようとそちらに注力した結果
スランプに陥り、しかも成績まで落ちてしまった
何度投げても入らないし、何時間勉強しても頭に入らない
苛立ちだけが、募っていった
-
(*゚―゚)「ギコ、君」
呼ばれる
男バスマネージャーの羽生しぃだ
(,,゚Д゚)「……」
正直、放っておいてほしかった
こんな姿を見せるのは、男としてのプライドが許さないからだ
しかし相手はマネージャー 選手のコンディションの管理も、彼女の仕事だ
仕方がないので、適当にあしらって帰すことにした
(,,゚Д゚)「……しぃか。どうしたんだ?部活なんかとっくに終わったろうに」
(*゚―゚)「体育館から、明かりが見えたから……
ほ、ほんとはもっと前から気になってたんだけど……」
(,,゚Д゚)「あぁ、それ俺だわ。自主練だから気にしないで帰っていいんだぞ」
-
(*゚―゚)「ごめんなさい。部長から鍵預かってるんです」
……あの野郎
(,,゚Д゚)「ジョル公仕事しやがれよったく……俺が鍵預かるぞ?」
(*゚―゚)「いえ、そういう訳には……終わるまでお手伝いします」
(,,゚Д゚)「いやいいよ」
(*゚―゚)「マネージャーの、仕事ですから☆」
(,,゚Д゚)「……………」
しぃはそのまま、遅くまで自主練に付き合った
俺としては一人の方がやりやすかったのだが、仕方がない
練習を終える頃には外はすっかり暗くなってしまっていたので、仕方なくしぃを送っていくことにした
-
(*゚―゚)「ギコ君は、どこの大学志望だっけ?」
(,,゚Д゚)「……シベリア」
(*゚―゚)「シベリア文大?」
(,,゚Д゚)「教師目指してんだ」
(*゚―゚)「すごぉい!!」
(,,゚Д゚)「すごくねぇよ 推薦取れるかもわかんねーし、なれるかもわかんねーし」
(*゚―゚)「受験生の言葉じゃないなぁ」
(,,゚Д゚)「……うまくいかねーんだよ」
(*゚―゚)「?」
-
俯いてしまう
下を向いてしまうと、垂れ出すように弱音がたらたらと出てきてしまう
(,,゚Д゚)「部活……レギュラー落ちしそうだし、それ逃したら推薦ねーし……」
上を 向かなければ
(,,゚Д゚)「レギュラーに拘って練習ばっかしてたら、成績落としちまうし……」
弱音なんか 零してたら
(,,゚Д゚)「勉強時間増やしても、頭に入んねぇし…………」
(*゚―゚)「…………」
(,,;Д;)「俺……」
……不安が止まんなくなっちまうんだよ
-
ぼろぼろとこぼれ出してきてしまった『弱虫』
(,,つД;)「……すまね なにも見なかったことにしてくんねぇか」
袖で乱暴に目元を擦る
しぃは気を使ってか、視線を逸らしてくれていた
情けないと思いつつ、その優しさを甘受する
沈黙の中に 呼吸を整えようとする自分の息遣いと、二人分の足音だけが小さく響いている
(,,゚Д゚)「……」
(*゚―゚)「大丈夫?」
(,,゚Д゚)「おう もう大丈夫だ。ごめんな」
(*゚―゚)「ううん 私、何もしてないよ?
それより ……ギコ君」
しぃが足を止める
疑問に感じて振り返ると、しぃは何やら思いつめた顔をしていた
-
(,,゚Д゚)「……しぃ?」
(*゚ -゚)「……」
沈黙
沈んだしぃの面持ちは、暗くなった路地にそのまま融けてしまいそうなほどに重かった
やがて深呼吸すると、しぃはにこりと笑って見せた
(*^―^)「――― なんでもない!勉強も部活も、お互いに頑張ろうね!!私、ギコ君のこと応援してるから!!」
しぃはそれだけを捲し立てると、「私、家こっちだから」と言って手を振り、近くの路地に走って行ってしまった
(,,゚Д゚)「……?」
何だったのだろう
そもそも、送る話だったはずなのに……
ギコは首を傾げつつ、来た道を戻っていった
-
時計を見れば、0時を回っていた
(,,゚Д゚)「……やべ」
帰宅後、戸棚からカロリーメイトをひと箱取り出して部屋に入った
それだけで空腹を誤魔化しつつ勉強をし、気付けばこんな時間だ
大会の選抜も近い 明日も朝練で朝は早い
もう夕食をとって風呂に入り、すぐに就寝しなければならない時間だ
辞書や参考書 問題集を閉じ、居間で冷めているであろう夕食に思いを馳せた
最後にノートをぱしんと閉じ、部屋を後にした
視界の端に何か黒い影が映ったのは、きっと気のせいだ
疲れているのだろうか 早く寝よう
( ・∀・)
-
wktkwktk
-
夕食のシチューを味わって食べた
温かい濃厚なシチューが食道を通る度に、体中がじんわりと温まっていき、心地良かった
その後少し熱めの風呂にじっくり浸かり、軽くマッサージして筋肉をほぐした
身体から湯気が出るほど温まってから部屋に戻り、そのまま消灯してベッドに入る
ケータイを開くとジョルジュからメールが来ていたので、それへの返信に『仕事しろや部長』と付け加えて送信
アラームを確認して枕元に置き、そのまま重くなっていた瞼に全てを託した
***
かつん かつん
音がする
何か固いものが落ちる音
角のあるものが転がる音
あれは 何の音だろうか
-
視界は薄暗い
心地良い闇と静寂
ここは何処だろうか
誰もいないのだろうか
( ・∀・)「いらっしゃいませ☆」
(;,,゚Д゚)「うおっ!?」
目と鼻の先に突如現れた、黒いベストを羽織った青年
立てた襟に黒いリボン おどけた仕草でお辞儀をする彼は、ディーラーか何かに見えた
( ・∀・)「僕の名前はモララー しがない魔法使いです」
前言撤回 魔法使いだそうだ
(,,゚Д゚)「……えー…はじめまして ギコといいます」
( ・∀・)「初めまして
君が行き詰っているように見えたのでね、少々スパイスを加えに」
(,,゚Д゚)「はぁ……」
-
自称魔法使い()のモララーさんは、スパイス と言って、賽子を何処からともなく取り出した
手品師か
( ・∀・)「さて、今君は何処に座っているかな?」
座っている?
今まで自分の姿勢を把握していなかったが、どうやらどこかに座っているようだ
目で確認しても、薄暗くて判別出来ていないが
モララーさんがぱちんと指を鳴らすと、世界は反転した
(,,゚Д゚)「っ!?」
光が溢れ 色彩が踊り出す
黄色い光に、赤や黒 黄色や白が整然と並んでいる
此処は何処だ
-
モララーさんは、黒い台を挟んで向こう側に居る
もはやただのディーラーにしか見えない
( ・∀・)「この台は本来、クラップスというギャンブルに使われる台です」
(,,゚Д゚)「モロディーラーじゃないですか」
( ・∀・)「僕は魔法使いさ この台も、単なる雰囲気だしね」
(,,゚Д゚)「他意はない、と」
( ・∀・)「全くないわけじゃないよ。ちょっとした賭け事をしようじゃないか」
(,,゚Д゚)「ルールなんて知りません」
( ・∀・)「僕が考えた簡単なルールさ」
手の中にある二色の賽子を、ころころと回していた
-
どちらがいい?と差し出された賽子から、透き通った青の賽子を選んで手に取った
モララーさんは掌に残った赤い賽子を、台の上に転がした
出目は4
( ・∀・)「僕より多い数を出したら君の勝ち。君が勝てば、僕は願いを叶えよう
ただし、僕が叶えてあげられる範囲は、君が賭けてくれたものの価値によって変動する」
(,,゚Д゚)「持ち合わせならありませんよ」
( ・∀・)「そんなことはない。金なんかいらない 君の持っている モノ を賭ければいい
君のモノなら、なんでも賭けられる
例えば成績や、思想ですらね」
意味を、理解しかねた
(,,゚Д゚)「…?」
( ・∀・)「一度、試してごらん 何を何を賭けて、何を望むのかを言って」
-
(,,゚Д゚)「…………じゃあ、『理科の成績』を賭け物に『部活のレギュラー』」
( ・∀・)「そうそう ……で、だよ。理科は推薦の受験科目じゃないね。でも一般では必須だ 充分賭ける価値はある。
こうして天秤にかけた時に対等な条件であった時、賭け事は成立する。勿論、賭けるものの価値が高ければ高いほど、勝つ可能性も上がっていく
その辺はその賽子が判断してくれるよ」
現実ではあり得ないゲームの説明が、すらすらと流れていく
そして俺はモララーさんに促され、自分の賽子を振った
( ・∀・)「君の勝ちなら、願いを叶えて 君が賭けたものは君に帰っていく」
かつん
( ・∀・)「君が負けたら、僕は君の賭け物をもらっていく」
かつん かつん かららら……
( ・∀・)「このゲームは」
-
出目 5
( ・∀・)「君の勝ち」
( ・∀・)「週末の選抜試験、期待しているといいよ」
(,,゚Д゚)「え?」
( ・∀・)「さて、この賽子は君に貸してあげよう 好きな時に使うと良い
責任は取らないけどね」
(,,゚Д゚)「は?」
( ・∀・)「最後に一つ 君に近しい女の子、気をつかってあげたほうがいいよ
彼女は無理をしはじめたようだからね」
(,,゚Д゚)「近しい?」
( ・∀・)「じゃ、そゆことで☆」
彼は台を、ちゃぶ台のように俺に向けてひっくり返してきた
-
(;,,゚Д゚)「うおおおおっ!?」
がばりと上体を起こす
視界は見知った景色で埋め尽くされる
(,,゚Д゚)「…………夢?」
自室のベッドの上で、固いものを握り締めて冷汗をかいている
……固いもの?
(;,,゚Д゚)「どっちなんだよ」
掌には、あの赤と青の賽子が握られていた
机の上には、ご丁寧に説明書まで置いてあった
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