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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです

1以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/16(水) 23:48:02 ID:cTbRlghg0
避難所の皆様、初めまして。このスレッドは元々vipに投下していたのですが、設定ミスや誤変換を修正するために
こちらで改正版を投下させていただくことに決めました。
各まとめ様には大変ご迷惑をお掛けする事になりましたがよろしくお願いします。

また今回の東日本大震災で被災された全ての方々に、心から御見舞い申し上げます。
今回、改訂ということでまとめ様に影響があるため、早めに投下させてもらいますが
2話までの投下が終わりましたら、次話の投下はしばらく自粛させていただきます。

----俺の財布から飛び立った番いの鶴が少しでも皆様のお役に立ちますように----

2以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:01:18 ID:spErNWocO

人間(にんげん)ヒト科サピエンス種サピエンス亜種――学術名:Homo sapiens


特筆すべき身体的特徴を持たず、純粋な自然界では淘汰されるべき存在。

体長は、性差によって僅かな差異があるが 凡そ160cm。

馬や豹のように強靭な脚を持つわけでもなく 全速力で駆けたところで時速30km程度。

敵を噛み砕く顎や、切り裂く爪、刺し貫く牙も持たない。

空を飛ぶことも出来ず、海に潜ることも出来ない。

そんな抹消たる存在が

そんな生態系の台座を担うべき存在が

如何にピラミッドの頂点に君臨する“彼ら”に抗うのか。

いや、その“彼ら”を淘汰し得る存在となるのかを―――皆はご存じだろうか。

3以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:02:06 ID:spErNWocO


如何に我らが鉄を打ち どれ程迄に鍛え上げようとも
彼等にとってそれを折ることは 絶望的な迄に容易い


―――伝説の鍛冶職人 竜人キバリオン―――

4以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:02:42 ID:spErNWocO

渓流。山に生い茂る木々を縫うように、非常に透明度の高い湧水が流れている。

比較的標高の高いこの場所では、まだ湧水となっているが、この水が下っていくにつれて集まりだし小川となり、川となり、海へと流れていく。

そんな山間部の、比較的なだらかな部分を最低限削り取った道とも言えぬ道に一台の車が走っていた。

その車を引いているのは、『ガーグァ』と呼ばれる鳥竜種である。

ガーグァは、この地方で独自の生態系を築いてきた

鳥竜種の中でも特に大人しいモンスターである。

そんな大人しい性格から、人間の生活にも大いに重宝され

秋には収穫物を運ぶ台車を引く動力として使われたり、クエストに向かうアイルー達の移動の足となったりと

特に人と関係を持つモンスターでもある。

5以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:03:39 ID:spErNWocO

時折ガーグァは逃げだそうと特徴的な冠羽を震わせるのだが、その度にドクオはガーグァを宥め

車は、ゆっくりと目的地である『ユクモ村』を目指していた。


ガーグァを器用に扱うその男。

覇気のない目、幸薄そうな人相。

('A`)「……今日の晩までには着きそうだな」

身体のラインにフィットするように作られたインナー。

厚手ながらも柔軟性を失わず、保温性には優れないが運動性に優れた物で作られている。

それはこの地方で取れない素材で作られており、それから分かるように彼は元々この地方の出身ではない。

6以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:04:45 ID:spErNWocO

('A`)「ドンドルマから、えらい遠くまで来ちまったな」

時折聞こえる獣の鳴き声も、聞き慣れないモノばかりである。

だからそれは事故である。

彼がこの地方に詳しく無かった事。

聞いた事のない鳴き声に、警戒心を抱かなかった事。

彼のいる今この場所こそがユクモ村ギルドが管理する『渓流エリア』である事を知らなかった事。

そういう不幸が重なった結果が

この地方での“彼ら”との初めての出会いとなったのだ。


('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです

7以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/17(木) 00:05:42 ID:spErNWocO

何かがおかしい、ドクオは車を引くガーグァの異変を的確に感じ取っていた。

小刻みに揺らされるガーグァの特徴的な冠羽。

今までコイツが怯えているのは、ドクオに対してだった。

しかし、この怯え方は何かが違う。

自分ではない何かに怯えている。

“何か”が自分達に迫っている。 ドクオはそう確信した。

それでも彼は慌てない。

(-A-)「………」

一度目を瞑り、心を落ち着け周囲の気配を探る。

ザワザワ、と草村から異質な音が聞こえるのに気付く。

('A`)「……なにかがいるな」

段々と近づいてくるその気配に、ドクオは警戒のレベルを一つ上げる。

周囲に人の気配は無く、十中八九これは人以外の物だ。




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