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ξ゚⊿゚)ξ壁殴り代行始めました
1
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:39:12 ID:tddAlDRM0
シベリアより引越し
一話、二話投下。
避難所使わせてくれてありがとうNE!
★壁殴り代行始めました★
ムカついたけど壁を殴る筋肉が無い、壁を殴りたいけど殴る壁が無い、そんなときに!
壁殴りで鍛えたスタッフたちが一生懸命あなたの代わりに壁を殴ってくれます!
モチロン壁を用意する必要もありません!スタッフがあなたの家の近くの家の壁を無差別に殴りまくります!
1時間\1200〜 24時間営業 年中無休!
_
/ jjjj _
/ タ {!!! _ ヽ、
,/ ノ ~ `、 \ 壁殴り代行では同時にスタッフも募集しています
`、 `ヽ. ∧_∧ , ‐'` ノ 筋肉に自身のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
\ `ヽ(´・ω・`)" .ノ/ 壁を殴るだけの簡単なお仕事です!
`、ヽ. ``Y" r '
i. 、 ¥ ノ
`、.` -‐´;`ー イ
2
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:39:52 ID:tddAlDRM0
働かなくても腹は減る。
蓋し、名言である。
流されるように小中高と進学し、地方の、吹けば飛ぶような女子大に入学して早四年。
何の芸も身に付けぬまま、突然告げられたモラトリアムの宴の終わりに、私は、なす術をもたなかった。
ξ゚⊿゚)ξ……ない内定マジ洒落にならん。
気が付けば、心中ひそかに精子脳だのスイーツ笑だのとあざ笑っていた同級たちは要領よく早々と身の振り方を決め、
取り残された小娘が一人、明日の飯にも窮する情けない有様で思い悩むばかりであった。
なんのことはない。ベルトコンベアーに乗せられて、ただ流れていく風景を眺めていたら、たどり着いた先が現実だっただけだ。
ξ゚⊿゚)ξ……しゃーない。しばらくは、バイトでしのごう。
私にだって、言い分はある。元々、それほど就職活動に熱心になれなかったということもそのひとつだ。
何のとりえもない私に勤まる仕事など、せいぜいたかが知れている。
脂ぎった親父たちに愛想を振りまき、日がな一日コピーをとったりお茶を入れたり尻をもみしだかれる日々をこの先延々送るくらいなら、
手首かっきって死んだほうがましと思う性分なのだ。
あるいは、手ごろな男に寄生して、餌を待つ雛鳥よろしくぬくい巣箱の中で、ピーチクパーチク囀っていればことはすむかもしれない。
やんぬるかな、そう開き直って他人に寄りかかれるほど、私は強くもない。
まあ言ってしまえば、自分の無能を棚上げし、ちょこざいな繰言に遊んでいるだけなのだが、それを理解はすれど納得には至らないのが結局私なのだ。
突きつけられた現実を、素直に頭をたれて押し頂けるほど人生のなんたるかを心得ていたら、そもそもこんな有様にはならないのだろう。
というか、それがこの22年間に蓄積されたすべてでもある。
だから私は今、一生懸命アルバイトを探している。
すでに試合時間を使い切った自覚はあるが、逆さに振ればそれでも多少の無理はきくというものだ。きけ。
ロスタイムって何だろう。ロサンゼルス時間とかそんな感じだろうか。生まれたときからロスタイム。
3
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:40:34 ID:tddAlDRM0
ξ゚⊿゚)ξ……時給750円……ぷおーwwwwwwwww
何もできないくせに、プライドだけは人一倍なのだ。分かっている。分かっては、いる。
ξ゚⊿゚)ξ……壁殴り、代行……?
あくび混じりに捲っていた求人誌の一頁、その片隅に、私はそれを見つけた。
シンプルなデザインのロゴに、簡潔な文章。筋肉質な男のイラストが、花を添える。
思い返せばそれが、全ての始まりだった。
ξ゚⊿゚)ξ…………時給1000円、か。とりあえず、電話だけしてみようかな。
目印に、小さく折った頁の片隅。それが私にとって、吉事だったのか凶事だったのか。
今をもってしても、謎のままである。
4
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:40:59 ID:tddAlDRM0
案件1:欝田ドクオ様
5
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:41:20 ID:tddAlDRM0
ξ゚⊿゚)ξ……帰ろうかな。
薄汚れた雑居ビルの二階、磨りガラスの年季の入ったドアの前に立って、私は迷っていた。
うずたかく詰まれた古新聞の束に、ガムテープで補修されたさびた傘たて。
ほこりをかぶった出前の器は、もう長い間そこに鎮座していることが、一目で見て取れる。
テレビドラマで見た三流やくざの事務所が、ちょうどこんな具合だったと思う。
ξ゚⊿゚)ξ……。
ことここにいたって、それでもまだ私を踏みとどまらせていたのは、逼迫した生活費と、
事務所に来るまでの交通費の170円だ。往復なので帰るのにもう170円かかる。実に腹立たしい。
ξ゚⊿゚)ξ……ええい!ままよ!
貧すれば鈍するの言葉の通り、花も恥らう22歳のためらいを、その金銭問題が吹き飛ばした。
横断歩道で言えば、これぐらいはまだ黄色信号だ。渡っていけぬことはない。
途中で赤信号に変わったら、引き返せばいいだけのことだ。
仕方あるまい。働かなければ飯が食えぬ。飯が食えねば人は死ぬ。真理だ。
だが現実は常に予想の斜め上を行く。
鬼が出るか蛇が出るか、意を決して押し開いたドアの向こうに
(´・ω・`)あらぁん? いらっしゃいん。お仕事のご依頼かしらん?
……マッチョなオカマがいた。
6
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:41:42 ID:tddAlDRM0
ξ゚⊿゚)ξ……こんにちは。
(´・ω・`)はぁい、こんにちはん。あなた、はじめてちゃんねん。今日はどういったご相談かしらん?
ξ゚⊿゚)ξあ、すいません。昨日お電話差し上げた、津出です。アルバイトの件で……。
(´・ω・`)あらぁん! じゃ、あなたが令ちゃんねん! 私、ここのオーナーのショボンていうの。よろしくねん。
ξ゚⊿゚)ξあ、はい。よろしくお願いします。
(´・ω・`)まぁオーナーっていっても、私一人で切り盛りしてるんだけどねん、うふふふ。
ξ゚⊿゚)ξああ、はぁ。
(´・ω・`)よく来てくれたわねん。さささ、座って頂戴、今お茶入れますからねん。
ξ゚⊿゚)ξ……。
正直、だまされた感が否めなかった。昨晩の電話のやり取りで、てっきり相手は女性だとばかり思っていたからだ。
ハスキーに響く話し声と、あまったるい口調から連想した妙齢の婦人像に、ガチムチのオカマが上書される。
帰ろう、と思った。
7
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:42:27 ID:tddAlDRM0
(´・ω・`)はいはい……これね、すごく良い紅茶なのん。奮発しちゃった。うふふふ。
ξ゚⊿゚)ξあ、どうも。
(´・ω・`)ベノアティよん、ベノアティ。うふふ。
ξ゚⊿゚)ξ……。
(´・ω・`)それでねん、お仕事の話なんだけどねん、
ξ゚⊿゚)ξあっ、すいません。そのことなんですけど……
(´・ω・`)もうばっちし! あなた、ばっちぐーよん! 採用!
ξ゚⊿゚)ξ……
見込まれてしまった。ばっちぐーってなんだ。このオカマ、何年ものだ。
せめて履歴書くらい見ろ。写真込みの単価で200円くらいかかってるんだぞ、多分。
8
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:42:52 ID:tddAlDRM0
ξ゚⊿゚)ξすいません。私、力仕事とか出来ないんですけど……。
(´・ω・`)あらぁん、かまわないわよん。そっちは私のお仕事だからん。
電話でもお話したけど、ツンちゃんには簡単な事務のお仕事、やってもらうのん。
すでにツンちゃん呼ばわりだ。馴れ馴れしいことこの上ない。
(´・ω・`)それで、今日から働いてもらっちゃってかまわないのん?
あ、そうそう。私のことは、所長って呼んでねん、所長。うふふ。
ξ゚⊿゚)ξ……。
(´・ω・`)じゃ、一息いれたし早速お仕事にとりかかろうかしらん。初仕事ねん、うふふ。つんちゃん初仕事、うふふふ。
ξ;゚⊿゚)ξあっ、えっ。
(´・ω・`)大丈夫よん、ばっちし教えたげるわん! 難しいことなんか、ないのよん。
駄目だ、このオカマ。私のコミュ能力のつたなさを差し引いても、人の話を聞かないタイプの人間だ。
初見で分かってしまった。なんというオカマ。間違いなくオカマ。
流されてはいけない。そこはかとなく、否、高確率で地雷の香りがする。
ξ゚⊿゚)ξ……ひ、日払いとか大丈夫ですか!?
渾身振り絞った私のなけなしの抵抗は、しかし
パチッ(´・ω-`)^☆ おっけー! おっけーよん!
あっけなく一蹴された。
9
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:43:12 ID:tddAlDRM0
ξ゚⊿゚)ξ……。
(´・ω・`)あぁなぁたぁにぃ〜♪ あぁいた〜く〜て〜♪ あぁえな〜く〜て〜♪
そんなこんなで私は今、正体不明のオカマの運転する日産マーチの助手席に揺られている。
備え付けのステレオから、大音量で、耳慣れたいわゆる懐メロが響いてくる。
それに負けない音量で、隣のオカマがいぶし銀な歌声を張り上げる。
無駄にうまいのがまた、むかつく。
(´・ω・`)……ふぅ。やっぱり聖子ちゃんは本物のアイドルよねん……。
ξ゚⊿゚)ξ……。
うら若き乙女が一人、ワンコーラス歌いきってやり遂げた顔のマッチョなオカマの横で半ば自暴気味に、
目的地もわからぬ行路に身を任せている。
あれ、黄色だと思ってたけれど、これってとっくに赤信号じゃね。気が付いたら2tトラックに跳ねられてるパターンじゃね、これ。
(´・ω・`)さ、ついたわよん!
まな板の上の鯉のような、もうどうにでもなれ的な心境で、車上に30分。
流れとぶ建物たちの屋根の上を高速で走りまわる忍者の、けなげな活躍を夢想しているうちに、どうやら到着したらしい。
颯爽と車を降りたオカマに無言で付き従い、顔を上げた先にあったのは、なんの変哲もない一棟のアパートだった。
(´・ω・`)さ、お仕事お仕事ん♪ いくわよん、ツンちゃん!
ξ゚⊿゚)ξ……はぁ。
働くって、大変だ。
10
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/02/10(木) 17:43:54 ID:NBt3CnAw0
パチッ(´・ω-`)^☆
うぜぇwwwwww
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