後ろ手に縛られた女の子

54：50の続き：2004/05/20(木) 21:42: 　ゆれは、まだまだ続いています。遠くで悲鳴が聞こえます。これは
テレビでニュースになるような、大きな災害になるに違いないと確信し
ました。校舎のどこかが大きく壊れたのか、ガラガラ、ドスーーンと
いう音が響きます。ゆれが収まりかけたのかなと思った、次の瞬間
恐ろしい光景が飛び込んできました。山手にある体育館の壁が、どんどん
教室のほうに迫ってきました。ものすごい土煙と、轟音。この後、私の
記憶が途絶えました。

　気がつくと、私はがれきの山と、見慣れた教室の床、体育館の壁にはさまれた
三角形の隙間で、机の足に羽交い絞めになっていました。相変わらず後ろ手は
縛られたままです。上を見ると青空が見えます。この手さえ、自由になれば
ここから簡単に脱出できるのに・・・・。パズルを解くかのように、私を羽交い絞めにして
いる机や、うまく足場になりそうな、折れて突き出した部材を見回しては、思いを
あれこれ巡らせていました。でも、その思考をさまた妨げるかのような知覚が
私を襲いました。ああ、こんなときに、おしっこを催すなんて・・・・・。

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