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界螺旋聖・遠方見聞録
14
:
彗斗
:2012/12/13(木) 00:38:14 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
九乃呪印 四つの世界
二人は現状分析が出来ていない為か、あまり行動できていない。
とその時、メテオが見えにくい場所に変な気配を感じ、その方向を見やると……その先に、砂埃を被った人が倒れていたのだ!
メテオはその砂埃を被った人物に近づき、そっと抱き起こす。どうやら青磁色の髪の人物は、顔立ちや服装からして女性だと分った。ただ……その服装は何処でも見た事は無い様なデザインや柄が付いていた、どちらかと言うと和風に近い印象が残る物である。
世界を所狭しと飛びまくっているメテオも目にした事は無い物だった。これに近い物や酷似した物は幾らでも目にしているがこの柄は明らかに他のその他大勢の物とは違っている物だった。
だが実際の所、彼の兄が持っていた書物で一度だけこの様な柄を目にした事があった事をフッと突発的に思いだした。
(そう言えば……兄貴が持ってる書物にもこんな柄の服を身に付けている女の人の描写があった様な……)
そう思い、メテオが考え事をしている最中に彼女がゆっくりと目を開けた。その双眸はジッと見つめると目の覚める様な鮮やかな鶯色の双眸だった。そして考え込んでいたメテオに少し遠慮がちに話しかけた。
「あ…えっと……すみません」
「ん? あぁ、目が覚めたみたいだな。ところで……名前は?」
メテオは一応、記憶喪失の場合も考えて名前を聞いてみた。すると思ったよりもすんなりと彼女は名前を答える事が出来た。
「私ですか? 私は「鷸谷 穹(しぎや そら)」って言います。えっと……貴方は……?」
答えるのに時間がかかるだろうと考えていたメテオは、思ったよりも早く返答して来たのに気が付かず、少し考え事をしていた。だがすぐに彼女の疑問に気が付き、慌てて自己紹介を始める。
「ん? あぁ、そう言えば俺の自己紹介が未だだったかな。俺の名は「メテオ」。自由気ままにあっちこっちの世界を放浪としてる者さ」
その放浪と言う単語に敏感に反応したのか彼女は胸元で手を組んで鶯色の瞳をキラキラとさせ、メテオにまた問いかけて来た。
「えっ!? 色んな世界を……! それをぜひ聞かせて欲しいんですが……って言いたいところですが、今はそうもいきませんよね。それに書き留めておく道具も持ってないし……」
そう言いながら彼女は小さく舌を出してメテオに向ってウインクした。一瞬だけメテオは何か胸につっかえる様な感覚が覚えたが何かは分らずに、何も言う事は無かった。代わりに別の質問を問いかけてみた。
「まぁそう言う事になるな。ところで……お前はこの大きな岩が何か知ってるか?」
「あぁ、それですか? 私の住んでいる仏界(ぶつかい)の土台ですよ」
――ズッ!!
一瞬メテオは前につんのめってこけそうになったがそこを堪えてまた新たな疑問を問いかけた。
「え〜っと仏界ってのは一体何なんだ?」
「あ〜…そう言えばメテオさんはこの世界に来た事無いんでしたっけ? 簡単に言えば……」
おもむろに穹は地面にそこ等にあった折れた木の棒で絵を描き始めた。それによると……
この世界、界螺旋聖世界(通称 螺旋界)は仏界・人界・罪界・死界と言った大きく分けて四つの構造によって成り立っている。
先程の話にも出た、仏界(ぶつかい)は主に神仏などが住まう所だとされていて、逆に罪界(ざいかい)は人魂や冥人(死んだ人)が集う場所とされている。一方で、此方は名前の通りなのだが、人界(じんかい)は生きている人間等々が暮らす世界だと言うのだそうだ。
だが例外的に扱われるのは死界(しかい)と呼ばれる世界である。この死界と呼ばれる場所は基本的に荒れ果てており数多の世界との交流を撥ね退けて来た世界なのである。どうして撥ね退ける事が出来たのか……それはこの世界に暮らしている者たちによる者の為である。その事についても穹は詳しく教えてくれた。
「この世界の人間はこの死界の人間、即ち「死神」が此方の世界に訪れている姿を見た瞬間、その者の魂を刈り取り、死神の世界に帰ってしまうと言う事なんです……」
「死神か……何か心当たりがある様な無い様な……ついでにその世界の名前も聞いた事がある様な無い様な……」
メテオの脳裏にチラッと横切ったのは、とある鋭い爪が複数本生えた黒い翼を持つ人影が三人……そいつ等の世界とは別だろうと頭からその考えを振り落として彼女の説明に耳を傾ける。
「後、この世界にはそれぞれの世界に通じる穴が三つあるとの話です。私は見た事はありませんが……っとそう言えば一番聞きたい事を忘れていました。何でメテオさんはこの神社に姿を現したんですか?」
そう言いながら思いだした様に穹はポンと手を打ち、それに答える形で、メテオはそっと彼女に耳打ちをする。
「あ……そう言えば穹にはまだ話して無かったな」
メテオはそう言った後、彼女等と出逢った経緯をおもむろに話し始めた……
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