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Breather
88
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/10/29(月) 11:30:39 HOST:EM117-55-68-29.emobile.ad.jp
初恋の行方〜after!〜
笑未と付き合えないと女子の前で断言したはしたけど、一応放課後は笑未のことを待った。
興味のない相手となってしまった今は笑未が何組かもわからず、ただ教室で一人残されるだけで苛立ちを感じた。
笑未に対する気持ちじゃないと言ったら嘘かもしれないけど、大体はきっと自分への苛立ち。
はあと深いため息をついたところで、廊下から物音が聞こえた。
「叶くん……?」
少し大人っぽくなった彼女の姿。
俺が、不器用だった俺が必死に愛した人。
それでも叶わなかった恋を思い出し、胸が熱くなった。
「笑未……」
ついに再会してしまったんだ。
大人っぽくなったとはいえ、まだ告白したときの面影が残る彼女はやっぱり俺好みで可愛い。
「ごめんね」
笑未は教室に入って俺の元に寄るなり泣き始めてしまった。
振られたときと同じ言葉なのに、なんだかあのとき以上に胸が苦しくなる。
「ごめ、ごめんなさっ……」
「笑未、泣くなよ」
なんで笑未がこんなに泣いているのかわからない。
けど、俺はどうしたらいいかわからず笑未を抱きしめて落ち着かせようとした。
「わたしっ……ずっと後悔してた」
泣きながら必死にしゃべる笑未は、笑未に必死に恋していたあのころの俺のようで放っておけない。
「なんで振っちゃったんだろうって……大好きだったのに」
「え……?」
「大好きだった」?
笑未は俺のこと、たしかに微笑みながら振ったはずで。
「とも、だちの……好きな人が、叶くんで」
涙を拭いた笑未はまだ声が震えていて、でもそのまましゃべりつづけた。
「告白されたとき、うれしかった、けど……友達を裏切るみたいで、辛かった、の」
笑未は俺を振りたくて振ったんじゃない。
そうわかって、胸の苦しさが減って少し楽になった。
「友達に告白されたことと、わたしも叶くんが好きってこと、言ったら」
笑未はそのときのことを思い出してなのか、まだ涙をながして言った。
「何で振っちゃったのって、何でわたしに相談しなかったのって……」
笑未はきっとそのとき、ものすごく辛かったんだろう。
ただでさえ友達と好きな人が同じって言い出せずにいたのに、俺が告白したせいでもっと悩ませてしまったんだろう。
あのとき、告白のとき見せた笑顔は偽物だったんだ。
そんなの俺は気づいてた。
無理に笑ってること、わかってた。
告白する前から、最近笑未が元気ないってわかってたのに。
なんで話を聞いてあげなかったんだろう。
「わたし、友達のこと悪く思ってた……好きな人同じって言ったら、避けられちゃうかと思ってっ、こわくてっ」
初めて俺に弱みを見せた笑未がとっても愛おしく思えた。
「付き合えるなんて思ってないけど、わたしは今でも叶くんが好きだよ」
笑未は笑って言った。
あのときの、偽物の笑顔なんかじゃない。
心の底から微笑んで、俺がずっと求めていた言葉を言ってくれた。
なんで俺は変わろうとしているんだろう。
そう思うことがたくさんあった。
意味もなく、ただ変わってモテようとしているのかと思うと自分が馬鹿らしく思えた。
でも違う。
きっと俺は、心のどこかで笑未に振り向いてほしかったんだ。
振り向いてもらえなくたって。
もう諦めたから。
振られたことに感謝してる。
笑未とは付き合わない。
こんな言葉。
全部嘘だったんじゃないか。
強がってた俺が馬鹿らしく思える。
「笑未、好きだ」
俺はそんなに強くない。
未練だらけでしつこい男だし、強がってばっかの馬鹿だ。
でも、それでも。
笑未への気持ちならだれにも負けない。
今度は俺の手で笑未を笑わせて、守るんだ。
そう心に決めて、ぎゅっと笑未を抱きしめた。
fin.
ひとまずおしまい。
番外編的なのでその後を書くかも!
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