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Breather
86
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/10/25(木) 19:16:14 HOST:EM117-55-68-183.emobile.ad.jp
初恋の行方〜after〜
「あ、おかえり叶」
告白してくれた彼女とはメアドを交換して、曖昧なまま教室に戻ってきてしまった。
にやにやと何か期待しているような蒼太の目線にう、と言葉を詰まらせた。
「告白だろ?」
こいつ、経験あるからきっとなんでもわかりきってるんだろうな。
「だったらなんだよ」
「いやあ、叶くんもモテモテになりましたねえ。親友としては嬉しくて嬉しくて」
「黙れ」
怒っているわけではないけど、あえて冷たい反応をしてみる。
するとそこに数人の女子がやってきた。
「ねえねえ、叶くんと蒼太くんって目立つよね」
「二人ともかっこいいし、女子に人気だよねー!」
「二人がいっしょにいるときとかすごい騒がれてるよね」
笑顔でありがとうと微笑む蒼太。
え、ちょっと待ってこういうときどんな反応すればいいんだ?
「蒼太はモテるけど、俺は違うっしょ」
蒼太が騒がれてるだけで、俺はただの引立て役みたいな。
なんか自分で言ってて虚しくなったけど、それは事実だし。
「え、もしかして叶くん無自覚?」
「何が?」
「叶くんモテモテなのに、気づいてないの?」
「俺じゃなくて蒼太じゃないの?」
真顔のやりとり。
いや、女子も超真顔だけど真顔になりたいのは俺のほうだっつう話だよ。
「叶くんって鈍感なんだねー」
「蒼太くんは自分がモテることわかりきってる感あるけど」
「鈍感イケメンも好き!」
え、なにそれなにそれ。
「あ、そういえば叶くんに用があってきたんだったー」
「どうしたの?」
ここからやっと本題かよ。
「叶くんの初恋の……笑未(えみ)ちゃん、だっけ? あの子からの伝言で、放課後教室で待っててだって」
「はあ?」
思わず飛び出す大きな声に、女子たちが微笑んだ。
「笑未ちゃんがね、叶くんと話したいって」
「いっしょに帰りたいとも言ってたなあ」
「もしかしてこのまま付き合っちゃうの?」
んなわけねえだろ。
「俺さ、笑未に振られたことに感謝してるから、これから付き合うつもりないんだよね」
本日二回目の断言をすると、たちまち女子たちは騒ぎ始めた。
「まじでー?」
「笑未けっこう本気っぽかったよ?」
なんで今更。
少し黒い感情が表に出そうになったからはっと目を覚まし、俺は微笑んだ。
「笑未を傷つけたくないけど、でも俺はやっぱり付き合えないから」
それが本音なんだ。
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