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Breather
36
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/10/03(水) 18:33:57 HOST:EM117-55-68-162.emobile.ad.jp
憂鬱magic
海人には悪いけど。
あたしはやっぱり、自分の名前は教えられない。
教室の人混みに潜り込むと、朱音が駆けつけてくれた。
「朱音、あたしやっぱり名前がやだ」
「どうして?」
「憂鬱の憂だし、良い意味なんてないよ」
「だからって人生から逃げるの?」
そういえばあたし、朱音に「怖いものなんてない」って言ったまま行方不明になっちゃったから心配かけちゃったのかも。
めずらしくあたしに厳しくそう言う朱音に、なんとなく俯いてしまった。
「逃げるってわけじゃないけど……逃げたくなる」
「もう逃げてるじゃん、向き合ってないよね」
「……朱音にはわからないよ、あたしの気持ちなんて」
わかってほしくない。
あたしが本当は弱いってことも、逃げてばかりいるってことも。
「ねえ憂、ちゃんと向き合って? 憂を好きでいてくれてる人もいるんだから」
涙があふれてきた。
そうだ、海人も朱音も。
あたしを心配してくれている人だっている。
あたしは、朱音にありがとうと微笑み海人の元へ向かった。
×
屋上に戻るともうそこには海人の姿はなくて。
精一杯息を吸って、大きな声で叫んだ。
「海人!!!」
桜の花弁が舞う。
屋上のドアがガチャリと音を立てて開いた。
息を切らした海人の姿を見つめて、あたしは謝る。
「さっきはごめんね。あと、あたしの名前……」
これを言えば、あたしは変われるんだ。
そう思い、微笑んで言った。
「憂っていうんだ」
すると突然海人に頭を撫でられてしまった。
どうしてた、謎だ。
「朱音から聞いたけど、憂鬱の憂って名前で悩んでたんだって?」
「うん……」
朱音が背中を押してくれたのも、海人のことがあったからなのかな。
あたしはもう一度心の中で朱音にありがとうとつぶやいて、海人の話を聞いた。
「憂って、思いやりって意味もあるんだって」
「え?」
そんなの初耳だ。
ていうか、調べたことさえなかったけどさ。
「相手を思いやれる人になりますようにって願いが込められてるんだな」
そういってあたしの頭を撫でる海人に、不覚にも恋に落ちてしまったようだ。
「ありがとう、海人」
「好き」はまだ伝えられないけど。
「ありがとう」の感謝の気持ちを精一杯伝えるよ。
fin.
落ちが微妙……(・ω・`)
案外死ネタ書きやすいかもっていう。
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