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Breather

123ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/11/22(木) 20:53:26 HOST:EM117-55-68-23.emobile.ad.jp




   あまのじゃくな恋




「…………」



 言われたそばからなにこの展開。
 帰り道ね、ちょーっとこわい女子様と出会って校舎裏っていうのかな、うんそこらへんに呼び出されてね。
 八人の女子に囲まれちゃってるっていう気まずーい状態なわけよ。


「あの、えと……なにか御用?」



 あたしの発言に呼び出した女子たちは黙り込んでしまった。
 あ、でも大人しいってわけじゃなく、ただ怒ってるみたいな沈黙ね。



「ちょっと、呼び出したなら何とか言えやこら」
「はあ? てめえ誰に口聞いてんだよ」
「いや君たち以外に誰がいるというんだよ」



 あれれれれ。
 低能?
 低能なのかなっ。


「こいつうっぜー」
「早くやっちゃおうよ」
「まあ待ってよ、校舎裏は危険じゃん?」
「いいよ、早く殴りてー」
「てかたっきー来ないよね」
「来たら逃げる」
「でもますますこいつ気に入られんじゃん」


 7人でいっせいにしゃべんなや(笑)
 そして、リーダーらしき人が前に一歩歩み出て、みんなに指示を出した。



「いいわ、何があってもあたしがあんたらを庇う。好きなだけやって」



 その一言を境に、8人の様子は豹変した様子であたしを睨んできた。
 まあ、あたし阿保だからまさか殴られるとかおもわ……思うよね。



「え、ちょっと待とうよ(笑) 君たち本気かね」
「黙れよ」
「ごめんね黙れなくて。ていうかそのね、人の質問に答えないのはどうかと思う」
「こいつうざいんだけど」
「……滝沢先生との仲がそんなに羨ましい?」



「っ、うぜえんだよ!」



 あたしの顔より少し右に、固く握られた拳がぶつかる。
 壁にパンチしたっぽいけど、次は絶対直であててくるよね。




「8対1とかこれ完全いじめじゃん(笑) なに? 弱いから大人数じゃなきゃあたし如きにも立ち向かえない?」
「はあ? あんたなんか一人で余裕だわ」
「じゃあ一人でどうぞ。そんな人数いらないじゃん?」
「……うっざ、そろそろいー?」



 手出された時点でアウトだよねってぐふうっ←
 手出されちった。



 頬にパンチ。
 相手が女子でよかった、そんな泣くほど痛くない。



「ちょっと待ってー、あんたたっきーにちくんなよ?」
「……殴っといてちくるなはないだろ。滝沢先生は多分何も言わなくても察するわ」



 そう思ったから。
 あたしは滝沢先生を信じた。




 ていうか、少しずつ近づいてきてる足音が滝沢先生だってことにも気づいてる。



「たきざわせんせーっっ!!!」



 精一杯の声で叫んだ。
 その瞬間、滝沢先生があらわれてあたしの身体をふわりと抱き上げる。
 これははずいぞ!



「遅いじゃんか」
「てか気づいてたのかよ」
「当たり前。滝沢先生の足音とかすぐわかるわ」
「いやなんでだし」
「数学の時間滝沢先生の足音が聞こえてくると憂鬱な気分になってくる」
「……俺の授業が憂鬱でよかったねほんと。じゃなきゃ君助かってなかったかもよ」
「うん、ありがと滝ちゃん」
「滝ちゃん……?」



 あ、やべ。
 女子の存在わすれてた。


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