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Breather
108
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/11/10(土) 15:21:28 HOST:EM117-55-68-133.emobile.ad.jp
残り数センチ
君とわたしの、残り数センチの距離。
近いような遠いような曖昧の距離に、縮まることのない関係。
中学生のわたしは不器用だった。
こんな恋、もう終わらせてしまえ。
そう思って、好きという感情を捨てた。
×
「花乃ー」
「はーい」
「今からおもしろいもの見に行かない?」
「んー、行く」
白雪花乃(しらゆき はの)。
それがわたしの名前。
花乃って漢字からよくはなのって読み間違えられたりするけど、無理もない。
はのなんて読めないもん。
それでもわたしはこの名前を気に入っていて、白雪っていう苗字も嫌ではない。
「音羽が興味持つことなんてあるんだー」
冗談半分に友達の音羽(おとは)に言うと、音羽はにやりと不敵に笑って言った。
「そりゃあ、友達の元好きな人だし?」
「へ?」
間抜けな声がもれた。
その瞬間目の前に広がったのは、男子たちが体育館でバスケをしてる姿。
周りは女子で埋め尽くされていて、なんかもう黄色い歓声の嵐だ。
「……わたしこんなの興味ないんだけど。ていうか騒がしい女子とか嫌い、気持ち悪いっ」
「まあまあ、全国の可愛い女子を敵に回すような発言はやめて男子をじっくり見なされ」
「えー」
嫌そうな表情をしながらも、音羽の言うとおりに試合中の男子に目を向けた。
うわ、こいつ学校で一番イケメンって言われてるやつじゃん。
試合中の人の中で一人だけ有名で知っている人を見つけじっと見る。
なんか、よくよく見るとどっかで会ったことあるような……
ってあれ。
「悠斗……?」
「そ、やっと気づいたー?」
中学校のことを思い出した。
すっごく仲が良くて、大好きだった悠斗。
でも、残り数センチだけ距離があって、告白することもないまま悠斗は転校してしまった。
「どうしてここに……」
悠斗はわたしにじっくり見られていることに気づいたのか、ふわりと笑って手を振った。
「え、あ……」
何か返すこともできず、ただ戸惑うわたし。
そんな中、女子たちはまた黄色い歓声を飛ばした。
「きゃあああ!」
「今絶対あたしに手振ったよ!」
「いやあたしでしょ」
「悠斗最高ー!」
盛り上がる体育館。
突然現れた悠斗。
そして、思い出したくなかった中学の出来事。
そこで、わたしの意識は消えた。
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