HERO弘～奇妙な物語～

59：加藤勝：2012/07/12(木) 01:56:06 HOST:ntfkok253193.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp: 「俺の勝ちだ。」

望一は、そう言った。
望一は、ふたなり少年である。
そして、男女平等主義の少年だ。
そして、とても父親を尊敬していた。
だが、母親のことは卑下していた。
彼の正義は、父を許し母を許さなかった。
学校では、同級生に、こう公言される。

「お前の母ちゃんみたいな頭の悪い女じゃないんだよ。世間の母ちゃんはよ。」
「お前の周りの女は醜くても、世間の女みんながそうじゃない。例えば、オマエの母ちゃんなんて…。」

聞きたくもない。知る価値もない。

愚見だ。他人の意見など、愚見である。

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