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パープルストリーム・ファンタジア 幸運の紫水晶と56人の聖闘士

61ピーチ:2012/07/15(日) 14:28:56 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

わー!?ソフィア様が狙われてるー!?

…でもまぁ、シュオン様が助けてくれるよね?そんな簡単に渡すわけないよね?

あのシュオン様だもん!←どんな根拠だw

62彗斗:2012/07/15(日) 14:53:59 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第16色 激突! メテオVS絶!!
「……煌びやかな屋敷だな……俺達にはこう言った所は似合わない。さっさと任務を片付けるぞ」
「「「「「「了解」」」」」」
 リーダー格の人物が作戦の実行を命じた……その数分後…兵士たちが駆け付けたのは言うまでも無い。
「シュオン様! この屋敷に七人の侵入者です!」
 突如部屋の扉を開けたのはその屋敷に住まう兵士だった。シュオンはさほど気にせずこう兵士に伝えた。
「…捉えたらいいだけの話じゃないの?」
「はぁ…そう言われましても兵士たちの力では…到底……『魔法』を相手にしては…」
 兵士が言葉を濁す…何があったのか? メテオはその時誰にも気づかれる事無くこっそりと部屋を抜け出していた……がシェーラが居なくなっている事に気が付く。
「……あれ!? メテオさんが…居ない?! さっきまで此処に居たのに!」
「んなっ! アイツまさか……一人で…?!」
「……その可能性が大きい、ソフィアとシェーラはここに残ってて。さあ行こう! ヒース!」
「あぁ!」
 シュオンとヒースは庭に向って歩を進めた。

63彗斗:2012/07/15(日) 14:57:00 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
まあ、その点についてはちゃんとした配慮をしていますのでご安心を……まぁ…シュオン様の事だから…ね?

64ピーチ:2012/07/15(日) 15:29:44 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

うん、そーだネ。シュオン様だから大丈夫だよね!

任せた!シュオン様!←人任せw

65彗斗:2012/07/15(日) 15:49:13 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第17色 希望と紫水晶
「……大丈夫なのかしら…シュオンとヒース……」
「大丈夫ですよきっと! ヒースとシュオン様の事ですし!」
 気丈に振る舞うシェーラ、だが心配は消えない、ヒースとシュオンがまたこの場所に戻って来るまで……とその部屋の上、天井裏でコソコソと話している人物が二人、その人物達の特徴と言えば片方は青年で「大地色の髪」そしてもう片方は少女で「鮮烈な赤」の髪を持った人物だった……その二人の会話を少し聞いてみよう。
『ねぇ? ジル? さっきから何か『魔法』がどうのこうの…って言って無かった?』
『しーっ! 声が大きいぞ…それにしても何で俺様がこうもコソコソしなくちゃいけねェんだ?』
 ジルと呼ばれるその男は先程から不平不満ばかりを口にしている様だ……大地色の髪も何となく不満そうに揺れている……。と咄嗟に隣の少女は懐にあったナイフを青年に突き付けてこう言った。
『ジル君何か文句でも?』
『ユーリエ様……何でもございません…』
 ユーリエと呼ばれるその少女はそっとナイフを懐にしまうとこう言った。
『それじゃ…私達も行くわよっ!』
『あいよっと……』
 影に紛れてジルとユーリエは闇の中に消えていった……
「? さっきからコツコツと音がしますけど…? 何ですかね?」
「恐らくネズミか何かでしょう…気にしないでおきましょう。」
「「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」」」」」」
 突然人の声が聞こえ始めた。ギョッとして辺りを見回すシェーラ、すると目の前に大きな穴が出て来たのだ中は綺麗なエメラルド・グリーンになっていた。すると中から人が七人出て来た。
――ドシャッ!!
 何かが放り投げられた音を立ててその場に積み重なる人達……ソフィアとシェーラはただ茫然とその光景を見る事しか出来なかった……とフッと我に返り積み重なって倒れている人を一人一人起こしていく。
「え……あのちょ…大丈夫ですか?」
「まぁ……この程度なら大丈夫よ。ありがとう。」
「えと……大丈夫ですよね…?」
「うん…何とか……ね。」
 倒れている人を一人一人起こしていって最後に残った二人は目を回して倒れていた。少女と少年だ
「あの…もしもし…大丈夫ですか……? もしも〜し…」
「……ん? ここは?」
 シェーラが呼びかけて初めて少年の方は気が付いたみたいだ。ムクッと起き上がって辺りを見回す、この七人の服装は…ソフィアもシェーラも見た事が無かった。とチラッと隣の少女に目を向ける…と同時に顔から血の気が引いていく様が見て取れた。蒼い顔と紅い髪がとても対照的だ。
「はっ! ちょ…おいっ! ノゾミ!? しっかりしろ!」
 紅い髪の少年がノゾミと呼ばれる少女を揺すっている……ソフィアとシェーラはあまりの一瞬の出来事でその場に立ち尽くしていた………。

66彗斗:2012/07/15(日) 19:32:44 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第18色 亡くなりし者
――タッタッタッタッ……
 廊下に響く規則的に刻む足音、その走る音はだんだん早くなっている。その足音の主、メテオは焦っていた。
「不味い……このような事態になるとは…予測して無かった…」
――グシャグシャッ!!
 そう呟いた時爆音が響いた、この音からして物を叩き潰した音だろうか。その様にメテオは聞き取った。
(そろそろ…戦場か…)
 庭へと続く扉が見えた。メテオはこの扉の前でゆっくりと深呼吸して……呪文を唱えた。
「蒼きは流星、黒きは闇、今ここに映し出せ、銀河の分身を……」
 その呪文を唱えた瞬間…何と! メテオが二人に増えたのだ! 片方はそのままの蒼だがもう片方は「黒い」メテオだ。両方のメテオは声を揃えてこう言った。
「「戦場ごと何もかも消し飛ばしてやる!」」
 そう言った後メテオは扉を開けた……
「な……何だ……? こりゃ…」
 酷い有様だった、あちこちに亡骸が転がり原形を留めていない物まである。顔面を抉り取られた者、首が無い者、八つ裂きにされた者……様々な死に様だった。……と亡骸の海の中央に一つ丸く円が出来ていた。
「これはひどい……有様だ…何とかしないと……っ?!」
 いきなりメテオはバックステップを踏み始めた。その理由は…自分の五倍はある怪獣が襲ってきたからだ。その正体は……
「……きょ…恐竜……?」
 黒いティラノサウルスだったのだ。この恐竜は何か意志がある様に動いている。どうやら本物ではない。といきなりこっちを向いたかと思うと溶けだしたではないか。
「……一体何なんだ? コイツは……」
 ただ単に血に飢えている者では無い。あえて言うのなら…狂気に飢えていると言った方が正しい。ティラノサウルスの体から人が出て来た。
「…メテオ。貴様の相手は…この俺だ!!」
「……なっ! お前は…『絶』!!」
 そこに立っていたのは…ノゾミが倒した筈の敵、「絶」だったのだ!!

67彗斗:2012/07/15(日) 21:50:47 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第19色 衝突する理想と真実
「……だが、お前は…あの時…確かに……っ」
 力が入り過ぎて言葉が途中で途切れた。するとその続きを絶が続けた。
「そう……俺は…いや、俺達は確かに七聖徒とノゾミ達に負けて…死んだ」
 その言葉には悲しみの念が混じっていた。その口調はどこか悲しくも聞こえる……が次の言葉を絶は力を込めて語った。
「…そう…俺達は復活した!! ノゾミ達に復讐する為に!! 新たな力も手に入れてな!!」
「……新たな…力……だと?」
 メテオは思わず聞き返した。絶達は単体でも集団でも強い。その話はクロスからも聞いていた。だが新しい力とは………
「そう! 『統率者(マスター)』は俺達に命と新しい力を吹き込んでくれた!! それだからこそ服従しなければいけない! その服従によってどんな事が起ころうとも!」
「お前は…忘れたのか……?」
 メテオは怒りに震える。そして……
――バキイイィィッ!!
 流星の力と暗黒の力を纏った二つの腕で絶を殴った、絶は数十メートル飛んだ後壁に激突、壁ごと粉々に吹き飛んだ。
「……お前は死ぬ前にこう言った筈だ!! 『人を傷付けるのにはもう疲れた…』と!!」
 メテオの周りには蒼と黒の殺気が満ちている。そして……また、分裂した。
「「絶対に…今のお前は許さない…!! 覚悟しろ……!! 絶!!」」

68彗斗:2012/07/15(日) 22:32:47 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第20色 動き出す『希望』
 一方ソフィアとシェーラは…ノゾミ達の様子を見ていた。シェーラはメイドなので人の面倒ぐらいは見る事が出来る。……傍に居たハヤテはソフィアと話をしていたが……
「…こう言う訳で今、現在に至っている…と、分って貰えたかな?」
 と6人の代表であるハヤテがソフィアに話していた。シェーラもその話を小耳に挟んでいたが理解できていない様だった。
「…成る程、解りました…ハヤテ…さんでしたね?」
 どうやらソフィアには了解が得られたようだ。ホッと一息つくハヤテ、だが……シェーラがフッと言葉を漏らす。
「…ノゾミさん…中々目を覚まさないですね…」
「う〜ん……そうだねぇ…これはひょっとするとひょっとするかも…ね」
 と白髪に銀の衣装を着た少年がノゾミの近くに歩み寄った。すると……顔の雰囲気を見てこう言った。
「はは〜ん…やっぱりか…時空バランスが乱れてる」
「お…おい…カイ、一体何の話だよ…」
 ハヤテが呼んだ「カイ」と言う名はこの少年の名の様だハヤテもノゾミもカイも全員年齢はソフィアと同じぐらいに見えるが…
「だ・か・ら 一種の時空酔いだよ時空間の歪んだ力に耐え切れなくなった魔力が暴発を起こす現象さ、この症状はもうすぐ直る筈だけどね…」
 とハヤテにさらっと説明をしてからソフィアの方に向って一礼した後……
「申し遅れたね。僕は白井 魏。皆には「カイ」って呼ばれてるからそう呼んで欲しいな。それと僕は学者で色んな事を研究している。でもあまりこのメンバーとは一緒に居る事自体は少ないけどヨロシク」
 学者と聞いてまずソフィアとシェーラが思い浮かべたのは……シュオンだった。その顔を思い浮かべてププッと笑ってしまうシェーラ、それを見たカイは
「ん? どうかしたのかい? 急に笑い出して……」
「いや…その私達の知り合い…って言うと変になるけど…学者みたいな人が居るんです何でも「爆弾」、「毒物」、等色んなものを扱ってる物で……」
 その話をした途端、カイの目が一気に輝いた。この目から察する事は……一つしかない。
「本当!? その人を是非僕に紹介して欲しいなぁ……今その人はどこに居るんだい?」
「い…いえ……今はちょっと取り込み中で……」
 とシェーラが隠そうとした瞬間……
――ドカァァァン!!
 轟音が鳴り響いたのだたまらず耳を塞ぐ一同、その轟音が鳴り終わった後、ハヤテが立ち上がった。
「今の…ひょっとして…っ! 行くぞ! 皆!」
 いきなり他の六人を連れて走り去ってしまった……。

69彗斗:2012/07/16(月) 08:39:22 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第21色 対になる6人
――バタバタバタバタ………
 とても広い廊下に6人の足音が響く。ハヤテは今、本当に焦っていた。何故なら……
「……皆、知ってるか? この戦いには……「アイツ等」が関わってるのを……」
 …と走りながらハヤテは他の5人に尋ねる。だがそんな事は誰も聞いていなかった。すると蒼い髪の少女が真っ先に口を開いた。
「そんな事知っているとでも思った? 私達は何もクロスから聞いてないわよ?」
 その返答を聞いたハヤテは…ま、それもそうか、と言う様な表情を作ってこう言った。
「確かに御尤も(ごもっとも)な答えだ。それじゃあ…まぁ関わっている「アイツ等」の事だが実は……」
 ハヤテの声が沈む、よっぽど言いたく無い事なのだろうか……数拍間をおいてからハヤテは口を開いた。その時5人はハヤテの口からは信じられない事実を聞く事になる。
「…この戦いには…「絶」達が絡んでいる可能性も捨てきれないって言う事なんだ…」
「んなっ……! どう言う事だよ!」
 走っていたハヤテ以外の5人は愕然としてしまった。かつて自分達と互角、或いは互角以上の実力者達、あの時、死んだ筈のメンバーが何故……?
「本当に不思議な事もあるもんだ……まさか異世界に来てまで絶達と戦う羽目になるとは…ね…」
 そうして走っているうち、前方に二つの人影が見えて来た。その人影は…シュオンとヒースだ。
「あっ! あそこに人が居るよ! 道を聞いた方が良いんじゃない?」
「その意見には賛成だ!! ……あの〜! ちょっとすみませ〜ん!」
 ハヤテはシュオンとヒースに呼びかけた。するとシュオンとヒースは走りながらこちらを見て…
「生憎の所申し訳ないが…今は相手が出来ない! それじゃ…」
 シュオンとヒースはその後走る速度を上げて門の方に走り去った……その後を追ってハヤテ達も門を潜る(くぐる)。
「…って何だよ…これ…」
「これは一体何の冗談かな……」
 その光景を見たシュオンとヒースは自分の目を疑った。何しろ昨日まで生きていた人間が酷い形で死んでいるのだから……遅れて到着したハヤテ達もこの光景は信じられない物だった。
「え…何なのこれ…」
「見て解る通り人が何か巨大な何かに引き裂かれた…後だろう」
 ……ここはメテオの居る場所とは違う場所…此処でも兵士が大量に死んでいた。兵士を大量に殺せる様な人物となるとあの6人しかいない。
「……何か来る…気を付けろ…」
 そう言った瞬間前方に居たシュオンとヒースの眼前に鋼鉄の拳が唸りを上げて飛んできた……!!

70彗斗:2012/07/16(月) 21:25:13 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第22色 剣豪の背中
「……ちっ! …おい! そこの金髪と黒髪!! 首引っ込めな! じゃないと首が飛びぞ!!」
 ……と不意に聞こえる不良の様な声、この声は……間違い無い、アイツだ。
――ブォォォォォン!!!
 シュオンとヒースが首を引っ込めた瞬間頭上を緑色の物体が高速で通り抜けた。そして……
「グガ? ギョァァアァァア!!」
 シュオン達の後ろで何かのも誰苦しむ声が聞こえた。ハッとして振り返るシュオンとヒース、そこに倒れていたのは……――――鋼鉄の鍵爪と腕があるトカゲの様な生物だった……。
「な……っ!! 何だよコイツッ!!」
 愕然とするシュオンとヒース、しかしハヤテはその後こう言った。
「…デルトさん!! 此処に居ますよね? 出て来て下さい!!」
 そう叫んだ瞬間その辺りに先程までたちこめていたのと同じ霧が出て来て一瞬で消えてしまった……が
「…ふっ…まぁそこに居た奴らが危なかったから姿を現しちまったが他の奴らは……何処に居るんだ?」
 と不意に口調の悪い声が聞こえた。とその声が聞こえた方向に目をやると…髪も瞳も金色の18ぐらいの青年が立っていた。だが目付きがどうしても悪く不良に見えるのだが……。
「デルトさん! どうして居無かったんですか! 心配しましたよ!」
 ハヤテは強い口調で言ったのだがデルトは然程気にして無い様子でこう言った。
「いや……実はな…皆離れ離れになってよ…残ったのは俺一人なんだ。」
「えっ……他の皆は…ナルキさんやスピッツさん達は…!?」
 ハヤテはデルトは知らないと知っていながら尋ねた…とその時シュオンとヒースが此方にやって来た。
「…何だかお取り込み中の様だけどちょっと良いかな?」
 シュオンは少し遠慮しがちに尋ねた、するとナギサがその言葉に応じる。
「えぇ…どうかしたの?」
「いや…実は…ね。メテオって人が侵入者の集団の中に一人で……行っちゃったんだよ…」
「……えっ…」
 ナギサはここで知り合いの名前を聞かされるとは思わなかった。一体何をしにメテオはここに来たのか……疑問は残るもののナギサは疑問を呑みこんでこう返答した。
「私達はそのメテオって言う人の知り合いなんだけど……詳しく聞かせてくれない?」
 その返答に反応するようにヒースがその話を聞かせた…何故こうなったのか、等の経緯を全て話すと……
「成る程……分ったわ、ありがとう。皆! この屋敷の中に「アイツ等」がいるみたい!! 私について来て!」
 ナギサは他のメンバーを先導して走り出した、その様子を見てヒースは
「あ…おい! この屋敷の兵士でさえも勝てなかった相手だそ! 大丈夫なのか?」
 …とヒースの声を聞いたナギサは一旦立ち止まってヒース達の方に向き直ってからこう言った。振り向いた時に蒼い髪と瞳が一段と煌めいて見えた。
「言ったでしょう? 私達はメテオの知り合いだって…」
 と言い残し走り去ってしまった……ヒースは…その後を追い駆けた。シュオンが止めるのも聞かずに……ただひたすらに。

71彗斗:2012/07/20(金) 16:57:03 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第23色 波を宥めし二人の剣士
――ギイイィィィィ……
 鈍い音を立ててエインズワーズの屋敷の大きな扉が開かれる。その開かれる光景はまさに圧巻の一言に尽きる。ノゾミ達の世界ではこんなに大きい扉は必要ないからだ。
「…しっかし本当に俺だけだったかぁ? 他にも誰かいた筈なんだけどなぁ…あ〜ダメだ、記憶が幾つか飛んじまって思い出せねぇ……」
「ちょっと…本当に大丈夫ですか? 記憶が飛んでるって…」
 扉を開けながら進むハヤテ達、デルトはここに来た時誰かと一緒だったと言っているが…
「あ〜そう言やなんか…一緒だった奴は隠れる事が得意だったよ〜な…」
 因みにデルトが何故ここに来たのか簡単に説明しておこう。ノゾミ達はクロス達とナルキ達の合計21人でマルグリットに空間移動(スペース・トリップ)を開始した。がその直後、何者かに襲撃を喰らってしまう。その時ノゾミ達はスペース・トリップの影響で気絶、身動きも取れない状態だった。クロスやナルキ達も対抗したがアッサリと撃沈、その際襲撃して来たグループはノゾミ達を捉えようと近づくがトリップが完了し難を逃れた。この時たまたま近くで気絶していたデルトもトリップしてノゾミ達と同じ場所に飛ばされていたのだ。
「ねぇ…ひょっとしてそれ…ラグじゃない?!」
 ナギサはデルトに聞いてみた。しかしデルトはそんなこと覚えている訳も無く首を横に振った。
「悪ぃがその事も記憶にねぇ、だがその可能性はあるな…」
「確かに当たりだよ! ナギサ姉ちゃん!」
 突然無邪気な声が聞こえた、その声は酷く癒される感覚を覚える程無邪気な声だった。と、ナギサは心配して辺りを見回す。
「何処!? 何処に居るの!? 早く出て来なさい!」
 突然心配し始めたナギサ、だが何処を探してもこの庭園に根付く草木と煌びやかな屋敷しか見えない。…と不意にナギサの後ろで大きな声がした。
「何処捜してんの? ここだよ! ナギサ姉ちゃん!!」
「「「「うわっ!!」」」」
 ナギサは勿論の事、デルトやハヤテ、ダンもビックリさせる声量で怒鳴ったのだ。ナギサはラグの声にビックリしたがスッと歩み寄り膝くらいの身長しかないラグを抱えて胸の辺りでギュッと抱き締めた。
「え…? ちょっとナギサ姉ちゃん…? やめてよ! どうしたのいきなり?」
 ナギサはラグとリーズに自分の弟と妹の様に接してきた。だからこそ近くに居ないと心配なのだ。その事はハヤテもダンもデルトもちゃんと知っていた。だがその事を幼いラグとリーズは知らないのだ。
「本当に心配かけて…何処行ってたの…? 私も探したのよ…」
 実はナギサは庭園を巡っていた時、ノゾミ達に悟られない様にしながら密かにラグとリーズの姿を探していたのだ。だがナギサが隠し事をするのは苦手だと知っているハヤテやダンはそれを見抜いていた。だがその事はあえて口にしなかったのだ。
「…ゴメンね…ナギサ姉ちゃん…」
 ラグは素直に謝った。無邪気だからこそこのように出来るのかもしれない。……が、その時!!
――シュルルルル!!
 何かがナギサに接近していたのだ! ハヤテ達はその物体に対する反応が遅れた。……が、今となってはもう遅いのだ。
「! ナギサ! 危な……!」
――ザシュウゥゥッ!!
 ハヤテがナギサに向かって叫んだ瞬間、刀で物を斬り付ける音がしたのだ、その間たったの5秒も掛からなかった。
「…あ…あなたは…」
 ナギサはラグを抱き抱えたまま、白銀の剣を携えた漆黒の髪を持つ青年の名を言おうとしたがその言葉を遮る様に少年がこう怒鳴った。
「今はんな事はどうでもいい!! 俺の名はヒース=ユーゼル!! こんな事を平気でしでかす奴の顔が観てみたいな…さっさと出て来やがれ!!」
「その酷い事って言うのは言い変えたら非道って事なのよ? ねぇ? ヒース君」
 突如現れたヒースの前にもう一つの人影、だがその人影は一つ、また一つと不気味に増えていく……そして最終的には6人にまで増えたのだ。
「……まさか…本当に出てくるとは思いもしなかったな…」
 ハヤテは苦虫を噛み潰した様な苦々しい表情を作った。何故なら…そこに居たのは…かつて絶の配下になっていた「隼」「波」「鷏」「迅」と…後二人見慣れない人物が付いていたのだ…
「久しぶりね…ハヤテ。貴方を倒す為に私達は地獄から舞い戻って来た! さぁ今度こそ決着の時よ!!」
 …戦いの火ぶたが今まさに切って落とされようとしていた……

72彗斗:2012/07/22(日) 10:07:54 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第24話 目覚め
 ここはソフィアとシェーラが居る部屋、ここに一人後れを取っている戦士が居る。その人物は……ノゾミだ。
「…本当に起きないですねぇ……もう死んでたりして…」
 長い時間目を覚まさない為心配してかシェーラが胸に耳を当てる。だが死んでいる訳はないのだが……心臓はちゃんと動いていた。
「…流石にそれは無いですよシェーラ。息してるんですし……」
 死んでいる人間なら息はしない。その事をシェーラは知っているのだろうか……とその時諦めて戻って来たシュオンが部屋に入って来た。
「………………」
 だが何故かシュオンは部屋に入って来てからもずっと無言のままソフィア達を見ていた。ソフィア達を見つめるサファイヤの双眸には何かしらの迷いの色が混じっている。一体何があったのか…ソフィアはシュオンに尋ねてみた。
「……シュオン? どうかした……」
「…ヒースが…敵陣に乗り込んだ。ナギサとか言う人たちと一緒に…」
「「…えっ!?」」
 シェーラは勿論ソフィアも驚いた。あの時シュオンと一緒に戦場に赴いたが会えって来たのはシュオンだけ。それなら…まさか…嫌な予感がシェーラの頭の中を過る。
「…ま…まさか……ヒースは…っ!」
「それは分らない。だから今連れ戻そうかどうかと考えているんだ。これは僕の責任でもある。僕がヒースを止められなかった…」
 話の途中でサファイヤの双眸に悲しみの色が混ざった。いつもは毒薬持ってみたり爆弾の実験台に使ってみたりはしているが「大切な友人」に変わりはないのだ。その事はシュオンが一番よく理解している筈だ。とソフィアは自分に言い聞かせるように思った。シェーラも同じように思ってるのだろう。連れ戻して欲しいとは一言も言わない。…判断はシュオンに任せるしかないのだ。
「…っ? ううっ…」
 とその時ノゾミが目を覚ました。それに気付いたシェーラは気でも紛らわす様に努めて明るく振る舞った。
「…あ、やっと起きましたよ〜! あなたがノゾミさんですね? 話は全部ここに居たハヤテさん達から聞きました。でも…今この屋敷がピンチなんです! 助けて下さいお願いです!!」
 シェーラはノゾミに懇願する様に頼んだ。それはヒースを助けて欲しいとでも言う様に……ノゾミは気前良くこう言った。
「何かよく分らないけど…まぁいいわ、ハヤテ達がこの屋敷に居るのよね? それなら私も協力させてもらうわ」
 ノゾミは少し伸ばした茶色の髪を靡かせてそう答えた。……と急にそわそわし始めたのだ。何かあったのだろうか…
「…え〜と…どうされました?」
 シェーラが敬語を使ってノゾミに話しかける。ノゾミは何かを一生懸命探している様に見える。ノゾミは探す仕草をしながらシェーラの呼び掛けに応じた。
「…いや…ちょっと探し物を…え〜と…シェーラ…ちゃんだったわよね? 金色と銀色と銅色の三体の妖精をこの辺りの何処かで見なかった? 私の大切な仲間なんだけど…」
 妖精…それはソフィア達の世界ではお伽話に出てくる存在だった。勿論の事シェーラもその存在はお伽話の中だけだと思っていた…がノゾミの口から出た言葉はお伽話に出てくる様な妖精を知らないかとの問いかけだった。
「いや…それらしきものは見てないですけど……それ本当に居ます?」
「確かに居るのには居るんだけど…今行方不明で…ね」
「は…はぁ…」
 まだ半分しか信じられないシェーラだった……

73彗斗:2012/07/22(日) 18:38:55 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
第25話 歪んだ世界の英雄達 (其の壱)
 …此処はノゾミやソフィア達が居る世界では無い。どこか別の次元、言い換えれば「異世界」とでも言った所か。ここにとある組織が展開されている。その名は「X・GIA(エックス・ギア)」。この部隊の目的は……「星人狩り」である。……また今日も船内のオペレータ室を介して同じ船内に居る隊員達にアナウンスの出動命令が下る。
「星人出現!! 星人出現!! 星人の種類は…A星人!! 隊員は直ちに出動せよ!!」
 それまで仮眠をとっていた隊員たちはそれを聞くや否やガバッ! と跳ね起きて装備の装着に手を付ける。……何処ぞの屋敷の兵隊とは比べ物にならない位の組織力である…。
「…ふあぁぁぁぁ〜…ったく…んだよ折角人様が気持ちよく寝てるってのに…」
 …と不機嫌そうにバサッと布団を剥ぎ装備を置いてあるロッカーに気だるげに近づく一人の明るめ蒼(コバルト・ブルー)の髪を持った少年、…とその少年の隣りで装備の装着をしていた紺色の髪の少女が寝ぼけている少年に注意をする。
「こ〜ら、そんな風にいい加減な態度をとってたら今日のご飯全部抜きだからね」
「お〜こわ、流石に「冥越の戦闘者」と謳われてる俺も「轟冥の乱華」にはかなわねぇな〜っと」
 然程怖がる風も無く手っ取り早く自分の装備の装着を終えた少年は逃げる様にその場を離れた。恐らくテレポート室にでも行ったのだろう。少年が部屋から消えるのを見届けた後、少女も装備の装着に手を付け始めた。この少女の装備は…黒に白のラインの入った風格のゴツイ鎧と自分の身長程はある刀身の細い剣である。
「これでよしっと…? あれ? こんな物私置いてたかしら?」
 …と鎧に埋もれて見えていなかった物を取り出す。その物とは…どうやら何かの爪だ。勿論の事人間の爪では無い。
「…あ! これよく見たらコウの武器の一部じゃない! あのバカ…仕方無いわね…届けてやるとしますか」
 と装着した鎧の位置を確認してから少女も部屋を出た…
「…はぁ〜何でなの? いつもアンタ達は…」
 …と部屋を出た瞬間少女は呆れかえっていた。そこには…五人の鎧を装着した男女が待っていたのだ…。
「まぁ…良いじゃない。いつもの事だし…ね?」
 と松葉色の髪を持った少女が紺色の髪の少女の前に歩み寄って肩に手をやった。だが紺色の髪の少女は呆れてものも言えない状態だ。
「……あのね…ミサキ、私はあまり大勢は好きじゃないの。わかってくれるわよね?」
「…それなら何でコウとは頻繁に出動しているのはどうしてなのかなぁ? ねぇアスカ?」
「うっ…」
 すかさず入ったミサキの言葉に返答が出来ないアスカ。強ち(あながち)間違いではないと言う事なのだろうか……。とまたすかさず瑠璃色の髪の少年からの追い打ちが掛かった。
「ひょっとして…!? アイツが気付いていないだけで…本当は…」
――バキィィィッ!!
 アスカはその言葉を遮る様に瑠璃色の髪を持つ少年を殴り飛ばした。その直後後ろにあった壁に激突して少年は壁に凭れてぐったりとしている……
「…ホントにマサキ…いい加減にしなさ〜い!!」
 そのぐったりとした少年…マサキに向ってアスカは怒鳴った。それも廊下一杯に響く大きな声で…思わず耳を塞ぐ四人、彼女の声は女性の中でも良く通る為、怒鳴ると更に良く通る。そのせいで皆、耳を塞いだのだ。
「…後一つ言っとくけど俺は連れて来られただけだからな…」
「私も右に同じよ…マサキと一緒にはしないで頂戴ね…?」
 その二人は特に落ち着き払っていた。あれだけの声量を耳元で聞いても動じないとは…流石である。
「…リン、セイガ。その点についてはちゃんと分っているつもりよ。だから安心して。」
 …と内心怯えている二人に返答した。…と不意にこの光景をずっと見ていた人物が言葉をフッと口にした。
「こんな事が前にもあったっけ? 確か…」
「メテオと会う前…で合ってるしょ? リオン」
 …とアスカはリオンの言葉の続きを言った。…そうあれは忘れもしない星が降る夜ロマンチックな夜に出動命令が下った時だった……

74彗斗:2012/07/31(火) 20:47:53 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
第26話 歪んだ世界の英雄達(其の弐)
 …さて、ここはマルグリットの町の辺り、ここに普通なら居る筈の無い銀髪の三人組の内の二人が人目を気にしてチョコチョコと先頭のリーダー格のフードを目の辺りまで被った人物の後ろをついて回っている……と後ろに居た同じ様にフードを被っている少年が前の少年にボソッ…と声をかける。
「ねぇ…リョウ兄ぃ。明らかにさっきから何故か沢山の人達がこっち見てない?」
「煩せぇなぁ…気のせいだろそんなの」
 先頭を行くリョウと呼ばれた少年は人目を気にせずある所を目指している。そこは……シュオン達が住む屋敷、エインズワーズ邸だ。一体貴族でもなさそうなこの三人は何をしに行くのか……目的は一つに決まっている。
「……ぜってーにメテオの奪還が紫水晶(アメシスト)よりも先だ。人目を気にしてたら暗殺追尾チーム『追跡者(チェイサー)』の名が廃っちまうだろうが」
「だーかーら!! 暗殺者ってのは真昼間から堂々と活動しないの〜!!」
 少女も我慢の限界とでも言う様に叫び始めた。この時点でかなり目立っている様にも見えるが……その点については本人たちは気が付いていない様だ。またリョウがまた怒号を上げる。
「リョウカはちょっと黙ってろ!! それにリョウキもリョウカもギャーギャー煩せぇんだよ!! ……ちょっと消えるぞ、こっち来い」
 そう言った瞬間リョウ、リョウキ、リョウカの三人はその場から消え失せてしまった…それに驚いたのは勿論町の住民だが……その事についてはリョウの計算違いだと割り切る事としよう……

75彗斗:2012/07/31(火) 21:05:35 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
何故か急にコメントが…無くなった…(泣)
寂し過ぎて本当に死んでしまいそう……(嘘です) 
でも本当にコメントが欲しい…

76月波煌夜:2012/08/01(水) 14:32:44 HOST:proxy10077.docomo.ne.jp
>>彗斗さん


ご無沙汰してます!

やー、盛りだくさんですね\(^o^)/
月波はキャラの皆さんの名前、覚えきれるか心配です←


気がついたので一つだけ。
第24話のソフィアの台詞は、「流石にそれはないわよシェーラ。息してるんだし……」かなと思います。
使用人じゃない初対面の相手には敬語で良いと思いますけどね(・∀・)


《紫水晶》も関わってくるようで楽しみです!


月波の『愛の花束』も、新キャラ(?)が二名ほど新しく登場しましたので、お時間宜しければ、チラッとでもご覧戴けると嬉しいです(≧∀≦)

77彗斗:2012/08/01(水) 14:47:11 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
月波さん>> 
盛り沢山なのが私の取り柄なので(キリッ)
そこを取ったら私は何になってしまうのでしょうか?(恐らくろくな小説も書けない位のゴミ以下になっちゃいます…)
新キャラについてもちゃんと見ておきます!

78彗斗:2012/08/01(水) 19:52:42 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
第27色 歪んだ世界の英雄達(其の参)
――ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…………
 独特のうねりがあるサイレンの音が市街地に木霊する。この時の住人の顔は皆、恐怖におののいている。あの大怪獣(バシリコック)がやって来るのだから…とその時、颯爽と現れたのは四人の勝負師。人は彼らを「守護者達(オーディアーズ)」と呼んだ。だがちゃんとした名があると言うのがこの四人の言い分。当然一般の人達は殆ど聴き受けてくれはしないのだが……彼らは元は小さな警備組織だった。が怪獣の出現とともに組織が肥大化して行きしまいには市民警備隊として動く様になった。その組織の名は「アルデュレフ」。この地メルディナ地方の名から由来していると言われている。だがここに駆け付けたのはその組織から「独立した」組織だった。メンバーは合わせて計四人、非常に少ない少数派の精鋭チームである。そして組織の名は一番先頭に立っている少年が名付けたのだが人はいざと言う時に助けてくれる彼等を別の名で呼んでいたのだ。本当の名は「BRIGHT・COURAGE」で読める様に直訳すると…「煌めく勇気」と言う意味だ。たまに「アルデュレフ」と一緒にされてしまう新星組織なのだが……そこがリーダーである「鋲武 皋」の悩みの種でもあった……
「…あっ! みんなぁ! あの人たちが来てくれたぞ〜!」
 と言う声を引き金に市街地に住んでいる人達が此方に一斉に振り向く。そして…信頼していると言う証なのだろうかどっと歓声が沸き起こる。
――ワアアアァァァァァァァッ!!
「正直煩いですねこれ…どうにかして下さいよサツキ先輩」
 メンバーは男女二人ずつで組織されている内のサツキとは別の少年が話しかけてきた。正直に彼らの立場から言うとこれは煩いだけなのだ。
「まぁそう言うな。この事が聞こえでもすれば俺たちの評判はガタ落ちだぞ? 仕事が入らなくなるし…それでもいいのか?」
「はい…十分わかりました。もうこの様な事は一切口にしません……」
「そう。それならいいのよ」
 不意に二人のやり取りに割って入って来たのはスラッとしたモデルの様な容姿の少女だった。それと妙にその少女が輝いて見えるのは白銀の髪があったからだった。この少女はこのチームの中でサツキと一,二を争う人気者で主に男性のファンが多いらしい。それだからかつて独立する前は「アルデュレフ」の内部ではファンクラブもあったとの話……見た目に目を奪われがちだが戦闘能力もサツキに引けを取らない。その少女の名は「銀狼 嵐(ぎんろう らん)」と言った。
「それに今はこの状況だしね。今から大事な「ショー」が始まるのよ? ユウ君わかってる?」
 …それとこの少女はやたら他人を子供扱いする。そこだけが彼女の問題点だ。しかしサツキに対しては同年齢だしお互いを認め合っているライバルでもある為子供扱いすらしない(その代わりサツキには容赦無く心を貫通するぐらいのキツ〜イ暴言を吐いたりする事も……)。その格差の違いにこの少年は苛立っていた。このサツキよりも少し年下の少年の名は「鎧伏 雄(よろぶせ ゆう)」自称サツキの舎弟だ。だがその割に相手にされる事も無くただただ空気みたいな感じであしらわれている。(これは本人の被害妄想であるがやたら冷たいのは現実でもある)とその時隣に居た朱色の髪をツインテールに束ねている少女がユウを励ます為にこう言った。
「大丈夫だって! この位で凹むなんてユウらしく無いよ?」
 このやたら明るい少女の名は「鎗間 澪(そうま みお)」年齢はユウと同じ位で性格も経歴も全然ユウとは違う。ミオはかつて「アルデュレフ」のイメージキャラクターのモデルとして起用される程容姿が愛くるしい。そしてランの事実上の弟子でもあるのだ。至る所でユウとは違う、ユウは他のメンバーに比べて良い所は……目立つような物も無い。だがサツキの戦術を採り入れた結果彼独特の戦法が生まれたのだ。その戦法は他の誰にも引けを取る事はない。彼には「努力」しか取り柄が無いのだから……と不意にサツキが口を開いた。
「…どうやら相手から出向いてくれる様だぞ」
「…あら? いつもならそんな事も無いのに…まぁいいわ、ミオ、あなたは今回の獲物に手を出さないでね」
 途端に険しい目付きになるサツキ。と丁度その時町をぐるりと囲んでいる壁が一斉に破壊された。一体どれだけの数の怪獣がいるのか見当もつかない……数を見ても数えきれた物では無い。
「それなら競争だ。この怪物共を幾ら片付けられるかって言うのをやってみるか?」
「いいわね〜それ。サツキにしては上出来よ」
 両者は静かに火花を散らしながら怪獣の群れの中に走って行ってしまった……その様子を見ていたのはサツキとランに手を出すなと言われ町民の警備を任された居残り組のユウとミオの二人だ。正直な話ユウはサツキの行動にはホトホト呆れて果てていた。

79あんみつ ◆TJ9qoWuqvA:2012/08/03(金) 11:51:42 HOST:p141213.doubleroute.jp
こんにちは
私もいれて下さい。
ルーナのファンタジー小説と楽しい仲間たち
っていうブログ来てね

80彗斗:2012/08/04(土) 17:24:38 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
第28色 消滅 〜消えた英雄〜
「ったくアスカの奴自棄に遅いな…まぁいっか」
 コウにしては珍しく大人しくアスカが来るのを待っていた…がテレポート室の中に一つだけおかしいテレポート装置があった。何せその行き先は…「王国 マルグリット」と書かれているのだから……その事についてコウは気が付いていない。とそこに皆を連れたアスカがやって来た。
「…あ、コウにしちゃ珍しいわね大人しく待ってたなんて…」
「ふんっ! 失礼な俺だってちゃんとまともに待つぐらい出来るんだよ」
 と意味の無い言いあいをしながらテレポート装置に近づき…装置を起動させる。そしてその中に居た7人はテレポートで何処か遠くに飛ばされてしまった……その行き先は…あの問題のテレポート装置だ行き先は…マルグリット。即ち…ソフィアやノゾミ達が居る世界へと飛ばされてしまった……
〜〜〜〜〜〜
「…他愛も無いぐらいに弱いな。もっと強いのはいないのか……?」
「大体この位かしら…ま、私はサツキには勝ってると思うけどね」
 サツキとランは倒した怪獣の数をカウントしている最中だった…いきなり怪獣がカプセルを吐きだしたのだ。吐きだしたと同時にそのカプセルは中が黒い空洞をつくってサツキ達を呑みこもうとする…これにはサツキもランも堪った物では無い。
「?! な…なにこれ?! ち…ちょっとサツキ! 助けてよ!」
「そうしたいのは山々だが……俺も取り込み中だ」
 二人は大砲に備え付けられた刃を地に突き立て吸い込まれまいと必死に抵抗している…が体力はその根気と吊り合っていないかった。ランが足を取られたのだ
「…え……」
――ガシッ!!
 目の前が真っ暗になった様に見えた頭が真っ白になりかけていたその時ランの手を掴んでくれた者が居た。その名は…サツキ。その大きな手でしっかりとランの手を取っていた。
「サ…サツキ…!!」
「昔どっかの誰かが大きな面して言っていたろ? 困った時はお互いさまだ…ってな」
 と格好の良い言葉を吐いた時だ地に突き刺さっていた筈の刃がスポッと抜けてしまったのだ。
「「…あっ」」
 この時ばかりは二人も呆気ない声しか出なかった……そして二人はそのまま呆気なく黒の中に呑まれてしまった……(勿論市民の警備をしていたユウとミオも同じく黒の空洞に呑みこまれてしまったそうな)


追記
実はこの中にリョウ達は入っていません。だってもうマルグリット一番乗りですからね。それと後一組足りないんですがそれは後ほど…そいつ等は旅の途中ですので…

81彗斗:2012/08/04(土) 20:19:46 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
第29話 参戦! ソウル・ディアス! 〜新たな境界線と限界点〜
 その時から戦闘はすでに始まっていた。まずハヤテは隼とナギサはヒースとタッグを組んで波をそしてダンは鷏をレンは「慄(りつ)」と呼ばれていたヒューマノイドとカイもカノンとタックで「雹(ひょう)」と「紘(つな)」と呼ばれていたヒューマノイドと戦っていた。生きるか死ぬか…またこのような戦闘が始まってしまうとは…つくづくハヤテもその他の皆もそう感じていた。
――ダダダダダ!!
 鋭く且つよく響く銃声が隼を襲う。だが隼は持ち前の光速魔法とその身体能力でハヤテの放った弾を軽々と避けている。この事からしてよほどの幸運が無い限り勝てる見込みは薄いと判断。だがノゾミが来る事が出来ればたちまちにして神々を呼び寄せ「魔術変形(マジック・チェンジ)」が出来る。その事を計算に入れて時間を稼いでいるのだ。神との合体、それが「魔術変形」の意味だ簡単に言えばノゾミやハヤテその他の七人ならどの神とでも自由に合体分裂が出来る。ただしリスクがある為合体は持って十分が限度だ。
「今、魔術を消耗している状態のラグを使うのも得策じゃない。一刻も早く何とかしてノゾミと合流しないと……」
 ハヤテ達にも限界があるその限界が来る前にノゾミは到着しなくてはいけない。だがその前に誰か異世界の英雄が到着した様だ。
――ギュゥゥゥン……
「な…なんだ? 新手か?」
 その場で戦っていた全員が手を止めてその突如として現れた光を見る。そしてその中から現れたのは……強固な鎧に身を包んでいる七人の戦士だった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
――ドガッ! バキィィッ!!
 この戦場は荒々しく強者の風格がヒシヒシと伝わって来る。その場に居たのは…絶と二つに分かれたメテオだ絶は無傷で悠々とした態度でメテオを見下している。一方メテオは来ていた紳士服はボロボロで見るも痛々しい姿になっている。その様子を嘲笑うように絶はメテオに話しかける。
「ふっ…この程度とは口ほどにも無い十分過ぎるほど堕ちぶれたよお前は……俺は未だ半分程度しか力を使っていない。所がお前はどうだ? 息も上がっているしとんとん拍子で技の切れも落ちている。こりゃ俺の勝ちだな」
「……お…俺は未だ負けたとは言って無い。それにまだ…負けたなんて誰にどんな顔して言えばいいんだ…」
 その時メテオの脳裏に浮かんだのは幼い時からいつも傍らに居たリアスの顔が浮かぶ。そしてメテオは決意を新たにこう絶に言った。
「俺は未だ負けを認めてもいない! それに俺は戦う意思が無くなったとも言っていない。だから俺は戦い続ける。大切な物を護る為に…!」
――ギュウゥウウン………
 メテオのその思いに答える様に時空洞の穴が開いた。ここからなにが出てくるのか…その時メテオはこの出来事を仕向けた人物に向って小さく礼を言った。
「…ありがとう、兄貴」
 その中から出て来たのは……大きな大砲を懐刀を持った二人の男子と二人の女子だった……

82彗斗:2012/08/06(月) 19:31:58 HOST:opt-115-30-135-17.client.pikara.ne.jp
第30話 協力乱戦! タッグマッチ!
「な…何だお前ら!!」
 ハヤテが見たのは強固な鎧に身を包んだ7人の男女だった…
 だがその人物達は辺りをキョロキョロ見回してキョトンとしている……。その人物達は敵が目の前に居るのも構わず何かゴチャゴチャと言っていた。全く…この七人組はどれだけ鈍い神経を持ち合わせているのだろうか……
「…あの…スミマセン。ちょっと宜しいですか?」
「え…? えっと…あなたは……?」
 呼びかけに応じたのは紺色の髪をポニーテールにしているノゾミと同い年ぐらいの少女だった。他のメンバーは言い争いらしき物に注意が行っていてハヤテに気が付いていない。そこでハヤテは嘆息混じりにポニーテールの少女に訳を手短に話した。すると意外にもすんなりと受け入れてくれたのだ
「…成る程。私達は貴方の仲間の方達と同様に何らかの理由で異世界に飛ばされこうしてここに居ると…そう言う事ですか?」
「あぁ…概ねそんな感じと理解してくれても構わない。それにこっちには不利なんだよ…色々とな」
「えっ…? それってどう言うk…」

――ドッカーン!!

 少女がハヤテに聞き返そうとした時爆発がその場に居た8人を吹き飛ばした。堪らず尻もちをつく七人組だがハヤテだけは尻もちすらついていなかった。
 その後ハヤテは少女達の方向を向かずに簡単に告げた。
「今はそれ所じゃない。俺達の仲間を助けてくれ! 俺はそこに居るお嬢さんと組んでみるからお譲さん以外の人は早く俺の仲間の所に!!」
 魔導銃を打ち鳴らすハヤテを見て困惑を隠せない七人。だがすぐに意味を理解して甲冑達がそれぞれの場所に散って行く……そして先程の少女だけがハヤテの所に残った。
 そこで少女はハヤテに簡単に名前を言った。
「私は『お譲さん』じゃないです! 容堂 飛鳥ですっ!!」
「そうか! それじゃあアスカ! 今から一暴れお願いできるか?」
 その言葉を聞いた後返事を言わずに待たずに二人は隼の懐に駆け寄った……

83彗斗:2012/08/09(木) 13:58:32 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第31色 大接戦! フラッド・デスマッチ!
 ここでは、今まさに静かな決闘が始まろうとしていた。
 その決闘を行っている者は、ナギサ(ラグフォーム)とヒース、そして向って反対側に波がいる。このメンバー全員に言える事は、剣術に長けており、接近戦を得意とする。が、今回は違った。
「…そう、それなら水中決戦(フラッド・デスマッチ)のルールに従ってやりましょうか…」
 と、波が片手に持っている物を地面に落した。見た所、ただの水の塊だがこれは違う。この水は、決闘場を囲む壁(ウォール)の役目を果させるためだけに波が設置したものだ。ヒースは少々意表を突かれた様な顔をして、
「…まさか、あんな卑劣な事をする奴にも騎士道精神があったとはな…これは正直驚いた」
 と、一人ボソッと呟いた。…だが、波にははっきりと聞こえている。波はすぐにムキになってヒースに噛み付きそうな勢いで
「ちょっと! そこのアンタ! 誰があんな卑劣よ! 人聞きが悪いしついでに口も悪い! ちょっとはその口直したらどうなの!」
 ナギサは一人心の中で、その前にアンタは人間じゃないでしょ…と突っ込んでいた…。が、そんな事は知らないヒースはその言葉にカチンと来たのか、ますます口調を荒くして波に言い返す。
「あ!? それなら何回でも言ってやるよ! お前はロクでもない騎士だ! 騎士道の風上にも置けねぇ奴だってな!」
 どんどんと、拍車がかかってヒートアップしていく言い争い。それを見かねたナギサは未だに言い争っている二人に向って大声で
「アンタ達いい加減にしなさ〜〜〜い!! もうあったま来た!! 覚悟しなさい!」
 そう言いながらナギサは、青い大きな剣を抜いた。勿論その事で頭に血が上ったのか、ヒースも波も既に剣を抜いて手に持っている。その直後

――ギィイン!!
 
 金属がぶつかる時に出る特有の音が決闘場の中に響く。ナギサは、その様子を茫然とした目で眺めていた…と、不意に持っていた剣が話しかけて来た。
「…ほぉう、なかなかの腕だなあの男。魔導剣士と互角に渡り合うとは…しかも、お前をかつて苦しめた波と互角に…」
「あのね、それ私の腕が落ちたみたいな言い方やめてくれる? なんか私が、ヘタクソみたいじゃん」
 …何故かナギサをそっちのけにしてヒースは、一生懸命波の剣筋を分析していた…だがこの戦法は…独自の我流剣法。とてもではないがヒースには分らないとナギサはふんでいた。…が
――ギィイン! ガァァン!
 …少しずつ、少しずつだが波を押している。今さっき、明らかに彼の中の何かが変わった様に見えた。…が、その何かがナギサには分らない。戦術? いや違う。剣速? いや、それでも無い…と、手当たり次第に剣に関する重要なポイントを挙げては消していった…で、その結果残ったのは…
「…感情と覚悟…か。一体、何がそこまで彼を突き動かすのか…俺には理解が出来ないな」
 ナギサは私はもう少しでわかる…けど…そう思っているがハッキリとした答えは出て来ない。ナギサは考えた、波と戦っているヒースを見ながら。と、その時ナギサは直感した。
(そうか! 彼の強さは…護る者が居るからこそ発揮されてる! つまり…覚悟もそれと同じかそれ以上って事になるわね…こりゃ、私が負けね)
 その時、ギィン! と鋭い音がして波の手から剣が弾かれた所だった……

84フンボルトペンギン:2012/08/09(木) 17:10:45 HOST:softbank221065195187.bbtec.net
感想ですけど、
はっきり言って才能無いですねwww
まず内容痛すぎでしょうwwwwwww
ってか名前から痛いわw
何?『パープルストリーム・ファンタジア』ってwwwwwwwwww
『紫色の流れのファンタジー』ってwwwww
ちょwwおまwwwww
痛いったらありゃしねぇww
ホント痛すぎてこっちが恥ずかしくなるわwwwwwwwwwww

ってかさ、なんでわざわざ書こうと思ったの?
自分で読み返して死にたくなったりしないの?wwwwww
あ、自分で面白いと思ってる痛い子だからこんなとこに投稿してるのかwwwwwwwwww
ごめんよ察してあげられなくてw
残念な子に何言っても無駄だったね。
ホント可哀そうにw

85月波煌夜:2012/08/09(木) 17:31:40 HOST:proxy10030.docomo.ne.jp
こんにちはですー(o^_^o)


おお、ヒースが戦っている!
「護る者がいるから」こそ強くなれるって、さ、さすが彗斗さん…!
こいつの本質をとても良く分かっていらっしゃる…!




あと、一応例の二人について。


ルイーズ
本名ルイーズ=リィ=ユリア=ローエンシュタイン。
王国の第三王女。
13歳だが身長が低く、見た目は未だに10歳ほど。
くるくるとカールした赤味が混じる金髪に深い碧の瞳を持つ、天使そっくりの愛らしい姫君。
でも中身は極度の甘党、ワガママ、破天荒。
暴漢一人くらいなら平気でぶちのめします。
学業や作法の類はことごとく絶望的。
一人称は平仮名で「わたし」。
「〜じゃ」などのいわゆる爺言葉を使う。話させるときには、結構難しいので申し訳ないですけど番外編をサラッと見直すことを推奨。
相手を「そなた」「おぬし」と呼ぶことがある。どっちでも良いけど「そなた」の方が比較的使いますかね。




クロード=ヴィスエル
後ろで一つに括った黒髪に冷たい緑の瞳、白い肌を持つ長身の美青年。
24歳で、レオンより3つ年上。
シェーラの元彼(一応)。
マルグリット一の凄腕の剣士であり、その実力はヒースをも凌ぐ(話には出てきてないけど)。
その人間離れした強さと美しさから《悪魔》、また時折《戦神》と称される。イルファーレの、とか黒き、とかの形容詞はお好みで。
誤解されがちだが、感情がないわけではなく無愛想で超がつく不器用なだけ。
ルイーズの騎士兼世話係兼教育係兼お目付役。
主に逆らう者があらば無表情のまま即座に斬り捨てます。
一人称は「私」、基本堅い感じの敬語。
ルイーズのことは「姫様」と呼ぶ。




脇役の中の脇役のクラウス&ティルダ兄妹は紹介しなくても良いですよね?


何かあったらどんどん聞いてください、それでは長文失礼しました\(^o^)/

86彗斗:2012/08/09(木) 19:59:05 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
月波さん>>
あ〜えっとクラウスとティルダ兄弟についても補足お願いします。クラウスやティルダ兄弟もちょっとぐらいは扱ってもいいかなって思いましたので…←何と気ままな……
あ、後一応聞いておきますけどこの二人もイルファーレの一員ですか…ね?(脇役だからちょっと分らなかった(汗))
間違っていたら訂正お願いしますm(_ _)m

87月波煌夜:2012/08/09(木) 22:14:53 HOST:proxy10078.docomo.ne.jp
いや、無理はしなくて大丈夫ですよ?



兄:クラウス

番外編『我儘王女〜』で初登場。
亜麻色の髪に淡褐色(ヘーゼル)の瞳。
《イルファーレ》は国きっての美形揃いなので多分顔は良いはず。
国内最強の騎士団《イルファーレ》の首席騎士であり、現騎士団長を務める。
クロードに次ぐ実力を持つ。
何かと誤解されやすいクロードの数少ない理解者で、唯一の親友でもある。
さばさばした明るい性格で、生真面目すぎるクロードをフォローする。
一人称「俺」。
こいつの紹介は、番外編の>>200に大体載ってます。




妹:ティルダ

番外編『黒の騎士〜』>>151で初登場。
エインズワーズ家に仕えるメイド。
シュオンの担当が多い。
兄と同じく亜麻色の髪と淡褐色(ヘーゼル)の瞳を持つ。
メイドのリーダー格なのもクラウスと似てるかも。
姉御肌で、器用なのにどこか抜けているシェーラの面倒を良く見ている。
一人称「アタシ」。





あと一人だけ隠れキャラがいるんですけど、それはまた後々ということで。




……この二人よりも、カークランド伯爵オスヴァルトとか、父上母上の方が書きやすい気はしますけどねw

88彗斗:2012/08/10(金) 12:34:22 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
あ…言われてみればそうかもしれない(汗)
今この小説はギュウギュウに詰まってる状態だからなぁ…追い打ちはちょっと避けたいし…
…でも無理するぐらいが丁度良いのかもしれません。修行にもなりますし…

89彗斗:2012/08/10(金) 12:34:22 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
あ…言われてみればそうかもしれない(汗)
今この小説はギュウギュウに詰まってる状態だからなぁ…追い打ちはちょっと避けたいし…
…でも無理するぐらいが丁度良いのかもしれません。修行にもなりますし…

90彗斗:2012/08/10(金) 12:35:23 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
あ…失敗した(汗)
二回も書いてしまったけど片方スル―でお願いします。

91月波煌夜:2012/08/10(金) 13:04:50 HOST:proxy10036.docomo.ne.jp
>>彗斗さん

見てるこっちは楽しいだけですけどねw
無理はしない程度に頑張って下さい(*^_^*)
更新楽しみにしてます!


ルイーズ&クロードの番外編もラストスパートに入りましたので、宜しかったらまた覗いてやって下さい☆

92彗斗:2012/08/10(金) 13:46:30 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
月波さん>>
分りました。無理はしない程度に頑張ります。(とか言いながら無理しそうになる私って…)
ルイーズとクロードの番外編ちゃんと見ておきます☆

93彗斗:2012/08/10(金) 15:25:42 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第32色 眠れる黒き豹と蒼き刀身の怪鳥と火を噴く海蒼の大砲
 「ちっ…ここまでか…アンタも相当ヤルわね」
 波は、諦めた様にヒースに言った。…が、ヒースは剣を波の首筋に当ててから険しい表情で波に言った。
「…まだだ。まだ隠し玉があるんだろ? こう言う場合の為の…切り札がよ!」
 ヒースは、未だこの状況下で笑っている波を見て直感を感じた。コイツにはまだ…まだ何かある! コイツはあそこに居る奴と同じ魔法使い、それなら何かがある筈だ。…と。
「……フフフッ。やっぱりバレちゃってたか。なら…仕方ないわねっ!!」
 その瞬間、倒れていた波が…消えた。いや正確にはヒースの肉眼で捉えられない程のスピードで突発的に移動してヒースの剣先を避けたのだ。その彼女の姿は一気に水のグラウンドの隅に移動していた。彼女の周りに蒼緑の風が舞っている…その時波はヒースにこう言った。
「私に剣は必要ない! 私は…ただ一人の自分で在ればいい!! ただそれだけよっ!!」
――ソーサー・リバース セコンドグラス!!
 何処からか無機質な音が聞こえた瞬間、波は蒼い甲冑を纏った騎士(ナイト)に変身した。その光景を見たナギサは、目を丸くする。この能力は、前の波には無かった。ましてや、「ソーサー・リバース」なんて魔法も聞いた事が無い。一方でヒースは…怒っていた。この上ないぐらいに…。元々剣士に剣は不可欠、それなのに剣士である筈の波は真っ向から剣の存在を否定した、不必要だと言った。その言葉がヒースの今まで静かに眠っていた怒りを呼び覚ました……!!
「…何が…何が剣は必要無いだ! 何が一人の人間だ!! お前は剣士である前に人間でも何でもねぇんだよ!! …お前は…ただの化け物だ!」
 怒りの鴉色に染まった双眸の内に燻ぶるのは覚悟、ただそれだけだ。その時…ヒースは…怒りの果てに黒き豹へと変貌する……
「…何が…一人の人間だぁ? フフッ、言わせておけば何言っているの? 一人の人間でなければ私は…何も出来ない!!」
 波は感情に任せて自分の手に魔力で描いた巨大な斧を形成した。そして…一気に振り下ろす。
「何が化け物よ!! アンタは何も知らないくせに!! 私がどんなに苦しんだか何て知らないくせに!!!」
――ズガァァァァァァァン!!!
 大地をも引き裂く衝撃波、そして斧自体の重さもあり斧を打ち付けた所は見事に……砕け散っていなかった。台地には一つのヒビすらも入っていない。
「…やっぱり、あなたなのね…ナギサ!!」
 …ヒースの前に立っていたのは…刀の様な鱗を全身に携えた蒼い怪鳥。そしてその怪鳥の上に騎士が馬に乗る様に跨っていたのは……
「…ナギサ…って言うのか。お前。」
 ナギサだった。そしてその怪鳥は大きな斧を易々と体で受け止めている。怪鳥に傷は一つも無い。
「残念だったわね。生憎この「レイン・ウオーカー」の前にはそんな程度の攻撃は聞かないわよ」
 波にそう言い捨てた後、レイン・ウオーカーから降りて来てナギサはヒースに手を差し伸べる。蒼い髪が何処となく優しく揺れていた。
「そう言えば私はヒースに名乗って無かったかしらね? 私は「鳴滝 渚」。さ、こんな事してる前にちゃっちゃと片付けましょう」
「…あぁ。それもそうだな!」
 ヒースはそう言った後、ナギサの手を取って起き上がった。
 …と同時に水のバリケードが破壊される。波は驚いた様子で周りを見ると…そこには一人、海の蒼に似た色の甲冑を纏った人物がいた。その片手にはとてもナギサが持つ事は出来ない様な大きな大砲が握られていた。
「あ〜やっと壊れたぁ…もう壊すの大変だったんだから!! …あ、あなたね? ナギサって人は?」
「え? わ…私ですけど…何か?」
 ナギサの本人確認が出来た瞬間、歩み寄って来てナギサの前に立った。そして…
「私はハヤテって言う人の指示を受けてここに来たの。私の名は「坂屋 水崎」。そんで…あれが討伐ターゲットなのね?」
 と言いながら自分の肩ぐらいまである大砲を構え直すミサキ。どうやら戦いはまだまだデッド・ヒートしそうだ……

94ピーチ:2012/08/10(金) 20:34:09 HOST:nptka405.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

久々に一気読みしたよ~!!

文章力高すぎっ!!

慧斗さん組とつっきー組の個性が分かりやすい!!

更新待ってるね~♪

95彗斗:2012/08/10(金) 21:23:49 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
あ〜!! やっと来てくれましたね! ずっと待ってたんですよ? 評価ありがとうございます(泣)
褒めて頂けるだけで光栄です!!

所で…中々来なかった理由は…ひょっとしてPCが壊れてたんですか?(本来こんなこと聞くものではないと思いますが……)

96ピーチ:2012/08/11(土) 11:37:27 HOST:nptka305.pcsitebrowser.ne.jp
慧眼斗さん〉〉

あははww PC壊れてないよ~ww

旅行先にPC無いからお母さんの携帯から書き込んでるww

お待たせ致しましたww

更新待ってるね~ww

97彗斗:2012/08/11(土) 12:42:30 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
あ、旅行中だったんだ。
じゃあPC壊れて無かったんだねww
それじゃあここから先もヨロシクお願いしますm(_ _)m

98ピーチ:2012/08/11(土) 14:16:32 HOST:nptka101.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

うん、旅行中ww

こちらこそよろしくですじゃ~ww←意味分からんww

99彗斗:2012/08/11(土) 16:07:25 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第33色 機械を破壊する禍々しき者達
 場所を変えてここは庭園の中の一角、主に木々が群生している所だ。そして…ここでも生と死を分ける戦いが既に始まっていた…
 その次の瞬間、男の二体の駆動人形がそこに居た人物に向ってありったけの砲撃を放った。…しかしそこに居る人物も駆動人形を所持していた。懐からカプセルを取り出して…天に掲げた。
「…仕方が無い。あの時のつかなった決着を今ここでつけようぜ! 行くぞ!! 起動! ダイス!!」
 その言葉を叫んだ瞬間、人に似た影が現れた。そして…その駆動人形は喋ったのだ。しかし、機械故に無機質且つ感情の無い声が聞こえてくる。
「イエス、マスター。バルスト・ウオール!」
 …でも、出て来ていきなりイエスなんて言われても…とその持ち主は内心困っていた。そんな事は気にも留めないダイスはその持ち主に無機質な敬語で話しかける。
「マスター・ダン。どうかされましたか? 何か問題でも…?」
「…いいや、何でも無いよ。それとダイス…この人形…何処かで見た事無いかな?」
 ダンはダイスの問い掛けにウソをついた後、相手が使っている二つの人形「ソルト・バーナ」について尋ねた。だが、その相手は考える時間すらくれもしない様だが…その男はいきなり懐に飛び込んで来た後ダイスを思いっきり蹴飛ばしたのだ。その姿を見てダンは、苦虫を噛み潰したような表情をつくった後その男を罵った。
「迅、お前はとんでもない駆動人形師だよ。大切な人形を平気で蹴飛ばすに至ってはな」
 迅と呼ばれたその男は…見た目からしてもとても人間とはかけ離れた容姿だった。この世にいる者では無い様な程に整った顔、そして無表情で変化の無い顔。正に悪魔と呼ぶに相応しい顔をしていた。その顔には何故か憎悪の念が詰まっている。
「これ位しないと正直な話やっていけなくてね。幾ら罵られても構わないさ俺はな…」
(おやおや、それは感心しないですねぇ)
 …不意に木々に木霊する一人の声。その声は正直な所掴み所の無い声だった。
――ガサササッ!
 木の上から落ちて来たのは武装も武器も持っていない少年だ。だがこの少年は他の人物と決定的な違いがあった…。それは片方の眼帯が物語っていた。そしてそれがかえって何か不思議な雰囲気を醸し出していた。
 そして、仕草と言えばこの少年は何かを掴んでいる様にポケットの中に両手を入れている。と不意にその姿勢のまま、ダンとダイスの方に向き静かに抑揚の無い声でこう言った。
「あなたですね。ダンと言う人は? しかし、あなたを探し出すまでに随分と時間を喰ってしまった。何しろこの屋敷は広くてね。…ま、無駄話はこれ位にしておこうか。そろそろ君の相手もしたいしね」
 ダンから視線を逸らした後、輝きの一つも無い黒味を帯びた紺色の半分だけ見開かれた瞳が迅を捉える。その眼元には薄っすらとくまの様な物も出来ていた。正直に言って長い事見詰られる顔では無い。その時ジッと見ていた迅からまた視線を外してから…
「あ…そう言えばまだ名前を言ってませんでした。僕の名は「城礒 靖牙」。まぁ単なるちょっと変わった物を調べている科学者です」
 それを聞いた途端ダンは頭の中にカイの姿が思い浮かんだ。が、そのイメージを頭の中から消した後セイガに聞いてみた。
「…で武器や装備などは…」
「無いです。ハッキリと言いますがね」
 ダンは絶望的な気分になった…何しろ助けに来た人物が何も持っていないとなると…誰しも絶望するだろう。…が迅はその様子を見て二つの人形に指示を出した。
「排除せよ。ディパライト・ランチャー装備」
 その時、ダンは気がついたがもう遅い。セイガを連れて逃げようとした…がセイガは動かない。そして、こんな事を言い出した。
「大丈夫です。今まさに放とうとしているあの技もどんな技でもあの人形は出す事が出来ない筈です。だって…中身が無いんですから」
 そう言い終わった瞬間、二つの人形が爆発を起こした。何が何だか分っていない二人。するとセイガはポケットからシャーレを取りだした。…が、中には見た所何も入っていない。
「…何も無い様に見えますがこれは細菌です。これは機械の内部破壊及び爆発を引き起こす大変危険な菌その名は「KILL−02」です。……あ、大丈夫です。ダンさんの方向にはばら撒いてませんから」
 簡単に言い換えれば破壊細菌。これは正直言うとダンには信じられなかった。いつの間にこんな細工を…その様にダンが考えていた時、セイガがアッサリと口を割った。
「何故、僕が高い所から降りて来たか…それを考えれば妥当です。その時に撒いたんですよ。破壊細菌兵器を…」
 一体何がどうなっているんだ…考えれば考える程混乱して来たダンだが、その様な事は一切迅には関係ない様だ。その時の迅の顔は…まるで面白い物を見つけた時に出てくる笑みにダンは見えた……

100彗斗:2012/08/11(土) 17:03:56 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
☆祝! 100レス突破記念&前代未聞のちょっと変な企画☆
…ハイ、何か中途半端な所で切ってますが100レス突破記念です。この駄作者から見て下さっている方に感謝の意をささげたいと思います。
…所で私の方から気まぐれな提案が…
ちょっとした出来心から友人が「何なら出演してみたいって作者の人達も出してみたら? そんな数で小説が成り立つならそのぐらいできるっしょ」と挑発気味に言われたので悔しくなってこの企画を打ち出しました。

え〜と内容を整理するとこんな感じです↓
内容
「パープルストリーム・ファンタジア」に出てみた〜い! って作者様を100レス記念に募集します。(別に役者が足りないって訳では無いからねっ!!)

〆切
もし出して欲しい人が居るなら〆切は8月20日までとさせて頂きます。

備考
・人数制限は特にありません。
・出して欲しい時はこの小説に出す「名前」「特徴」「口調」等々をご記入下さい。


正直な所自分でも変な企画だなぁ…などと思っていますが、やってみたいって人が居らっしゃれば喜んでお受けいたします。(興味本意でも構いません)
…でも、まぁ本当の所はこの企画は作者同士の友好を目的にもしてますけどね。
(こんな事やって来てくれる人っているのかな……? ちょっと不安だな…)

101彗斗:2012/08/12(日) 11:18:48 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第34色 神に仕えし無言の巨神兵達 
 場所をまた移して、ここは同じ庭園の中。丁度この二人が対峙している場所は、庭園の中央部に当たる所だ。だが綺麗に手入れされていた庭園の草木は悉く枯れ果てていた。おまけに、庭園に敷き詰められている土は至る所で融けてしまっている…
「本当に久しぶりね。もう何年前かしら……? お互い少しだけ老けて見えるわね」
「老けたって…その言い方以外に何か無いの? 例えばちょっとは綺麗になったね…とか…」
 橙色に染まっている長い髪が吹いて来た風で綺麗になびく。その容姿はまるでモデルの様な姿だそれを老けたなどと言うとは……とその反対側に立っている人物は静かにその少女に向ってこう呟いた。
「あのね…レン、誰だって歳は取るでしょ? なら老けたって言ったって間違って無いんじゃない? …あ、でもあたし達には年齢は関係ないけどね」
 そりゃそうよ、アンタ達は人間じゃないもん…と胸中で呟くレン。その呟きの後、レンはふっとある事に気がつく。…少しずつ、少しずつだが確かに枯れた草木が蘇ったり草木や土の融けた部分が徐々に再生していっているのだ。だがこの場に物体を再生できる力を持った人間はいない。…と言う事は…とレンは仮説を胸中で組み立てる
(…もしも、あれが見間違いじゃないとすると第三者が何処かでどちらかの援護を行っている…って事になるわ。…でも私の知り合いにはそんな人いないし…!!)
 その時、フッと頭の中に過ったのは…機皇神ギ―ク。そうだ、彼ならこんな事朝飯前だわ…と結論が出来た。…と言う事は従ってこちらの仲間だ。
「ギ―ク!? 何処に居るの? そんなまどろっこしい事しないで出て来なさい!!」
 レンは見えない相手に悪戯っ子を叱る様な口調で出てくるように言った。…と突然、地面が割れて銀色の装甲がちらりと見えた。そして大きな体に見覚えのある顔、銀に染まった双眸は間違い無い。あの時レンの命を救った、彼女の英雄(ヒーロー)だ。
「あ〜どっこいせ〜と…やっぱりばれてたか……結構いいアイデアだと思ったがなぁ……」
 その見るからに鈍臭そうな銀色のヒーローは面倒臭そうに土の中からはい出て来た……その様子を見てレンは少し呆れた様な表情をつくった後、ゴツイ見た目に反して意外にセンチメンタル寄りなギ―クに向って心に突き刺さる一言を言い放った。
「あのね…神様なんだからちょっとはマシな登場できないの!? 何か鈍臭いみたいになってるわよ?!」
――グサッ!!
「…あ〜あ〜そうですよ…俺はいつまでたっても……」
 大きい体のわりに小さいギ―クの心に今、一気に20本程の心の矢がグサッ! と音を立てて突き刺さった。…その所為でギ―クは落ち込んでいじけている……
「ちょっと! 何いじけてんのよ! サッサとこの日陰者の「暉」を倒すわよ!」
 …その様子は何故か年の離れた兄妹に見えてしまう…とその時ムキになって暉が言い返した。
「何よその日陰者って! アンタじゃないの!? その言葉に当てはまるのは?!」
――ガタッ…ガタガタッ…ギュリッ!
「……ん? ちょっと待って。何? この音…! はっ!! まさか!!」
 レンは後ろを振り向いたがもう遅い。ギ―クは何処かに消えていた…そして辺りを見回したが暉しかいない。…空か! レンはそう直感した後、上を見た。そして見てはいけない物を見たのだ。ギ―クが…特殊な四体の駆動人形を操っている所を…
「………今の言葉にカチンと来た。覚悟しときな、地獄はもうすぐそこに在るぜ!」
 出たっ!! 死皇神ギ―ク! レンはこの時のギ―クの話を七大神達から聞いていた。この時のギ―クは通称「死皇神 ギ―ク」。ギ―クを除く七大神達からはそう呼ばれている。…が肝心のギ―クは平和ボケしている為か滅多に見る事は出来ないとの事、だが一度怒ると周囲を破壊し尽くし後形も無く敵を消し去っていたとの事だ…当然の事ながらこうなってしまうとクロスも他の神にも止める術はない。……考えるだけで身の毛がよだつ話しだが……
 彼は昔、伝説の駆動人形師ギ―クと言う皆の憧れの存在だった。駆動人形の製造から操作まで何無くこなす万能の人形師だったと言われている。今、ギ―クが操っているのは過去に行われた幾多の製造過程の中で生み出された最強の人形。どれもおぞましい程の性能を誇る。…だがその存在自体があやふやだった為、殆どの人間は信じていなかったのが現状だ。
「…強い順に言い伝えられてるのは…鉄駆動 クサナギ、轟駆動 ベルグ、死駆動 アヌビス、双駆動 デュラフ…まさか本当に実在するとはね……」
 これは私の出る幕はなさそうね…と胸中で呟いてその場に腰を下ろすレン。その様子を見た時ギ―クは
――満足そうに銀色の双眸をギラギラと輝かせた。

102彗斗:2012/08/12(日) 15:27:41 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第35話 流星と絶望と悪魔と…
「…おい! サツキ、ラン、ユウ、ミオ! 俺だ、メテオだ!」
 …いくら待っても返事はない、恐らく気絶しているのだろう…とメテオは考えた。それなら今のメテオに出来る事は…一つしかない。その時メテオはもう一つの呪文を唱えた。
「無限を創りし千手の手よ。今ここに現出せよ…」
 メテオはその呪文で四つに増えた手でサツキ達が持っていた大砲を手にした。その様子は、正に歴戦の勇者と呼ぶに相応しい風貌だった。
「…お前にゃ分らねぇだろうよ。大切な物を護る気持ちも……人間の心もな!」
 メテオは強い口調で目の前に居る絶に一方的に問いかけた。すると絶は最も意外な言葉を発する。
「…あぁ、分らない。…だがな、お前の立場でもそれは言える事なのか? お前は神だ、人間じゃない。それに…聞く話によるとかつて仲間が信じられなくなって仲間をお前の降星魔術で皆殺しにしたそうじゃないか」
 その時メテオの脳裏に浮かんだのは…深い闇の中に溶ける様なぐらい暗い牢獄、鉄の棒を持った人間、両手にはめられた手錠。この映像は…メテオの暗い過去を物語っている。
 クロスの元を離れ一人で色んな世界を見て回るうちに神と言う立場上、こんな目に遭う事もしばしばあった。その度に何度人を信じない様になってしまったか数えればキリが無い。そしてその憎しみの感情が爆発した事が一回だけあった。それが絶の話していた時の事だ…一瞬で周りの命が無くなっていき、気が付くと一人になっていた。その時の恐怖は未だ体の中から抜けきっていない。それが兄 クロスから課せられた一つの罰だったのだ。
「…分ってる。その事は一生…いや、永遠に償わなくてはいけない「罪」の一つだ。…だがな、ちゃんと良い出会いもあったんだよ。こいつ等みたいに良い奴も沢山いた。だからこそこいつ等を命を代償にしてでも護らなくちゃいけねぇんだよ! それが…兄貴との誓いだから…」
 メテオの声に苛立ちか何かを感じたのだろうが表には出さずに絶は声音を変えず、メテオに感情のこもらない声で淡々とこう冷たく言い放った。
「…だろうな。だが…この戦いの果てに何が在ると言うのだ? お前はかつて人を殺した。その罪を分っていてこの『戦争』に参加して人を殺す…それでは意味が無い様に思えるが…」
(決してそんな事はない。また新しい未来を築けばいいだけの話しだ。)
 短く聞こえた声に耳を傾ける二人。そして、その聞こえた方向に目をやると…黒に染まった髪と白い肌。そして、手にしていた白手袋にはとある物が縫われていた。
――騎士団イルファーレの紋章(エンブレム)
 その人物は今もなお黒き悪魔、またはイルファーレの戦神と呼ばれ民衆は勿論、色んな人々に恐れられている王国きって最強の騎士、「クロード・ヴィスエル」。メテオは、この王国に来た時、千里眼を使いこの町の構造を把握していた時、偶然この顔の人物を見たのだ…一人の女性と一緒に歩いている所を…。そしてその時「クロード」と言う単語を聞いたのを記憶していた。
「…アンタは…確か『クロード』って言っていたな…何で「イルファーレの戦神」様が何でこんな所にいるんだ?」
 メテオがその様な質問をすると、うわさ通りの無表情と冷たい緑の瞳でメテオを見据えながらこう返答した。
「私は此方側で少し問題が発生しまして此方にやって来たのですが…成る程、貴方が民衆から噂に聞いたロード・シュオンの元にやって来た新しい従僕(フットマン)…噂通り何か違和感があると思っていました。どうやら…貴方はレオン陛下が申していた人の様ですね」
 …と言いながら差してあった剣を引き抜く。その時の滅多に感情を表に現さないクロードの瞳は…何処となく喜びの色が灯っている様にメテオは見えた。
 …一体、クロードはどうしたと言うのだろうか…
「貴方はそこに居る人達を護っているだけで宜しいです。この曲者の始末は私一人で十分です。」
 今ここに絶望対悪魔の戦いが始まろうとしている……

103ピーチ:2012/08/12(日) 16:52:28 HOST:nptka403.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

やっほーww 面白そうな計画だねー♪あたしのも入れて欲しいけど…

家帰ってPCから載せてていい?

104彗斗:2012/08/12(日) 18:34:12 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
うわぁぁぁぁぁぁ〜〜!! やったぁぁぁ!! 本当にこんなバカみたいな事やってくれる人が居たぁぁぁぁ!! (煩いですよね。すみません…)

勿論、喜んでやらせてもらいます☆
その時まで待ってますよ〜☆

105ピーチ:2012/08/12(日) 18:43:19 HOST:nptka406.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

りょーかーいw

もーちょい待っててー!

106彗斗:2012/08/12(日) 23:53:50 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第36色 金銀銅の妖精と二人の暗殺者
 …ここはエインズワーズの屋敷の屋根裏。ここに金銀銅に輝くバカ三人衆と約一名別の人物が気絶していた。
「…ん? ここは…ごへっ!? …妙に埃っぽい所に飛ばされちまったな…」
 異様に咳ごんでしまうぐらい埃っぽい。人が入らないからこんな所は掃除しないのだろうが…この銀に輝いている髪の持ち主の名は「ラギア」。そして、向って右が「ラルド」。そして、ラギアから向って左が「ガルザ」だ。
 …そして後一人…問題なのが…ガルザの片側に寝ている黒く煌めく髪をもった美形の女性、年齢は若干15辺りで大人とも子供のどちらにも付かない少女だった。彼女の名は「ソルディ」と言った。
「あ〜あコイツいつまでたっても目を覚まさないぜ? どうするんだ? ラルド」
 ガルザはこの三人衆の筆頭であるラルドに助けを求める。いつもこう言う事はバカなラギアやガルザにも出来た真似では無い。
 暫くの間考えたラルドが口を開く。
「……ま、取りあえずここから出てから考えよう。それに周りの様子も知りたいしノゾミ達とも合流しないとな」
「…確かに、今はそれしか術がなさそうだな」
 と言う事で、ソルディをガルザが背負いこの広い屋敷の屋根裏で出口捜しが始まった……とは言え三人共々、共通して言える事があった。その事に付いたラルドがフッと口を開く。
「――そう言えば…俺達は今の現在地を把握してるか?」
「「……あ」」
 そうこの三人、実は揃いに揃って全員方向音痴なのだ、何故かと言えばいつもノゾミに付いて回るだけで良かったのだから…と言う事は当然、従って自分で考えて移動しする事が無い…と言う訳だ。
「な〜〜っ!! どうするんだよ!? このまま俺達この屋根裏彷徨わなくちゃいけねぇのか!?」
「今の所…ラギアの言うとおりになってる…認めたくもない事実だが…」
「おいおい…今戦いが始まっていたらど〜するんだ? このままノゾミにフルボッコにされたいのか? お前たちは?」
「「いやそれだけは勘弁(して欲しい)」」
 見事なまでの漫才劇…流石はバカ三人衆…と言った所か。…とラギアがフッとある音をキャッチする、物が動く音だ。かなり小さいが確かにこの耳で聞き取れた。
「…午後6時の方向! 何かいるっ!!」
「だ〜か〜ら〜!! 俺たちゃ今、方向が全くわかんねぇって!!」
「…いやラギアはからかって言ってる様じゃ無いみたいだ。本当に何かいる」
 真面目に答えるラルドに口をつぐむガルザ。そしてラギアが指さした方向には…人が二人いた。
「…なんでこんな所に人間が居るんだ? 普通いないだろう」
 まさか…抹殺者(スレイヤー)の類か? と思ったりしたが流石に嫌な予感がして口をまたつぐんだ。
「…ねぇ…本当に大丈夫?」
 暫くして女の声がした。姿もハッキリと見て取れる、が相手はこちらに気が付いていない様だ。その時ラギアはフッと思いついた、
 そうだ、こいつ等に付いていきゃひょっとして出口に出れるのではないかと…
「…なぁ、今思いついたんだがアイツ等に付いていきゃ出られるんじゃねぇか?」
「「それだ! それしかない! ナイスだラギア!」」
 そしてその後金銀銅の人間達は屋根裏部屋を脱出すべく偶然見かけた二人を尾行し始めた……

107月波煌夜:2012/08/13(月) 16:17:14 HOST:proxyag067.docomo.ne.jp
>>彗斗さん

おお、早速クロードが登場ですね!
皆さんの力になれるかな?

某暗殺者二名の影もw

108彗斗:2012/08/13(月) 21:22:18 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
月波さん>>
ハイ! クロードなら恐らくこの程度ならフルボッコに出来るかと…でも実を言うと絶達にはある秘密が…でもまぁそれは後々と言う事で……。
もちろんあの二人にもラギア達を助けてもらいます。それに色々活躍できる場もありますし…

109ピーチ:2012/08/13(月) 21:52:01 HOST:nptka304.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん>>

おぉ!クロードお馴染みの無表情!←お馴染みか?

…バカ三人衆?

110彗斗:2012/08/13(月) 22:36:20 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第37話 白銀の大地と黒の幻
 ここは丁度山間部に位置する所、ここでも、所構わず二組が戦闘を繰り広げていた。戦いはやろうと思えば何処でも出来る。これこそが、この四人の考え方だ。所々凍結している木々、そして凍りついた大地。これは明らかにある人物の仕業と見て取れる。
「…ちょっとやり過ぎたかな? …でもまぁ、ここは誰も使っていないから大丈夫かな」
 そう一言呟いた後、ボリボリと白銀の髪を掻いていたのは…やはりカイだ。面倒臭そうに辺りを見回した後、何もいない事に気がつく。それと同時に考えてはいけない最悪の結末を想像してしまった。
(…しまった! 2対2は1対1に持ち込むだけでは無くて1対2にも持ち込めるっ!! 攻撃に夢中になっていたから僕の目を掻い潜ってカノンの所に加勢しに行ったのか…くそっ!! やられたね…)
 そう苦々しく思いながらカイは、我がライバルを追い駆けるべくもと来た道を急いで引き返していった……
〜〜〜〜〜〜
「全く…カイは何してんだか…」
 カノンは、黒い髪をはためかせながら呆れ気味にボソッと言った。何しろ一人に付き一人だった筈がいつの間にか一人に二人体勢になっているのだ。明らかに集中攻撃だ。
「…あのねぇ…あんたらには戦いのポリシーみたいなの無い訳? 無いなら一つ位作ったら?」
 そう呆れ気味に且つ心の中でカイを恨みながら目の前に居る二人に問う。が、二人は声を揃えてこう言い返して来た。雹の白金の髪と紘の月色の髪が無感情に揺れている。
「「無い。それに作ろうとも思わない」」
「ハァ…あんた達は本当に性格が似てるわね。それもそっくりそのままに…ってか顔は似て無いけどね」
 こんな奴らに話しするだけ無駄だったかな…と密かに思うカノン、とそろそろ先手を取って雹が先に動き出したその両手には既に魔法構成が出来あがっていた。複雑な形状からしてかなり強力な魔法だ。
(この一撃で私を仕留めるつもりね。…でもそう上手く行かないわよ!)
 カノンは後ろに立ちそびえる巨木の幹を利用して跳ね返る様に軽く華麗にジャンプした。難無く避けはしたが雹が勢い余って巨木に打ち付けた魔法は粉々に巨木を打ち砕いてしまった。しかも木の茶色では無く銀色のままで…
 …この攻撃を難無く避けたとしても次に待ているのは…紘の「束縛魔法」だ。紘の束縛魔法は基本的に幻術で生み出した触手に捕まらなければいいのだが…その動作が何よりも難しい。それに相手も捕まらないと思っているのか、特徴としては数が物凄く多い。
「…ちっ! これだから貴方の技は嫌いなのよ!」
 愚痴をこぼしながら懸命に且つ確実に紘の追撃を避け続けている。
 …がやはり体力にも限界と言う物がある。それは例え魔導師であったとしてもだ。
「…くうっ! やはり私にはここまでしか…出来ないとでも言うの?!」
 徐々に迫る触手に絶望に酷似した感覚が追い打ちをかける。その無力感にカノンは…何もなす術が無いとでも言う様な目で恨めしそうに紘の操る触手を睨んだ。
――とその時!!
「まだだ!! 諦めちゃいけねぇよ!」
――灰色の光が目の前に迫っていた触手を切り刻んでしまった……

111彗斗:2012/08/13(月) 22:51:02 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
はい! 簡単な数式で表したら
小アホ(ラルド)+大アホ(ラギア)+ドアホ(ガルザ)=大バカ×3
…と言う事を言いやすく纏めるとバカ三人衆になると……こう言う事ですww
(後個人的には一番ラギアが描きやすい(笑))

112彗斗:2012/08/14(火) 10:24:52 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
…で今回は珍しく七聖徒の方も並行させていきたいと思います(何でかって? そりゃ色々本編では扱いが酷過ぎたと反省してるからさww)
―――――――――――――――――
第38色 神々の策略と動き出す聖徒
「…なぁ? セン、俺達何時までこんな事やってなくちゃいけねぇんだ?」
 その言葉は、裏を返せばもうこんなのはやりたくない! などと戯言を言っている様にも聞こえる。その言葉に反応したのは勿論の事、七聖徒リーダーのセンだ。
「あのね…クウ分ってよ…クロス達からこう言う事を言われたんだからしなくちゃけないこと位…」
「あのなセン、一ついいか? …今クロスが居ないから大声で言えるけど…来る日も来る日も武器の手入れと神殿内等の警備って明らかに留守任されるだけだろうがっ!!! 俺達は除け者になっているんだぞ!? 悔しくないのか?! ノゾミやナルキに先越されて俺たちは黙って見てろって要言われてる様なもんだぞ!」
 クウの言っている事を手短に話すと……つい最近、クロス達はノゾミ・ナルキ兄妹達を連れて何処かに行ったっきり今日で丁度一週間目だ。そして何故か本来いつも傍に居なくてはいけない筈の七聖徒を放置して何所かに行っているのだ。その事に関して恐らく、クウはご立腹なのだろう。……最もな話だが、叫んだ所で何も変わらない。
「ちょっとそこ煩い! ちょっとは静かに出来ないの!?」
「あ…楓様、スンマセン、煩かったですか?」
 クウが途端に弱腰になってペコペコしている人物は七聖徒の中でも癇癪を起こしやすい危険人物。通称「爆弾少女」の異名を取る「咲間 楓(さきま かえで)」。だが今回の留守についてはカエデは珍しく癇癪は起こさなかった。いつもならクロスにでもギ―クにでも誰にでも噛み付きそうな勢いで怒鳴ったりしているのに……その後、呆れた表情でカエデはクウに言い聞かせる。
「全く持ってセンの言う通りよ。ノゾミちゃん達だけ行ってるだけ良いじゃない。何故かって言うと…この命令は私達七聖徒を休ませる為にクロスがついた嘘なんだから」
「……え? 今何て? ってかそんな情報一体どこから…」
 カエデの情報網は一応ノゾミ達の住む世界にまで広がっている。これは他のメンバーにも共通する事だが、彼女は元々ノゾミ達が住んでいる「地界」の人間だった為地界に降りる事がたびたびあった。それに色々な所で芯の強さを見せたりする姉御肌でもあった為センを始め、他のメンバーにも信頼はされている。言わばチームの知恵袋と言った所だ。…癇癪を起こしやすいのは玉に傷だが。
「クロスを脅したら本当の事を言ってくれた。だから私は何もしないのよ」
 …とんでもない女だな…コイツ…などと絶対に思ってはいけない。七聖徒もお互いにテレパシーも使える為見えない所で読心戦が始まっている事もある。…もし仮にカエデにそんな事がバレでもしたらたちまちにして塵一つ残さない位に破壊されてしまうだろう……同じチームの一員であったとしてもだ。取りあえず無感情にいる事が先決なのだ。クウは口をついて出した嘘で何とかごまかそうとした。
「…ま、それならいいかな。休暇なんて無かったしな、…でもなんで休暇なんて素直に言わなかったんだろうな?」
「そりゃあれよ……あれ…言葉が出て来ない…やっぱり何かあるのかしら」
 クウもセンも言葉を失って暫しの沈黙が流れる。…とそこに残りのメンバーの四人が顔を出した。当然の事ながら、賑やかな声もだんだん近くなってくる。
「へぇ〜そんなのがあったんだ…でそれにはなんて書かれてあるの?」
「え〜っとね〜……ん? あ! センだ、丁度良かった、皆を探していたんだよ」
「あんた達が探す? 私達を? 一体何の為に…」
 カエデはその話しかけて来た少年から手紙を受け取るとその内容に目を通しそしてその後目を剥く事となる。手紙の内容はこう書かれていた。
「…この手紙を呼んでいる頃にはお前たちはきっと不平不満を口にしていると思う。そこでちょっと、路線変更だ。今すぐ、マルグリットに来い クロス」
「「「やっほ〜〜い!! やったぜぇ〜〜っ!!」」」
 クウを含む三名の男性陣は飛んだり跳ねたり大喜びだが女子陣は然程嬉しくもなさそうだったが。仕方ないと思い直してメンバー全員にセンが指令を下す。
「よ〜し! 各自準備が整い次第クロスの言う通りマルグリットに向うよ! クウ、カエデ、リュウ、サイ、マリ、レツジそれでいいね?」
「「「「「「おっけ〜〜!!」」」」」」
 その掛け声とともにセン達は即座に身支度を始めた…このマルグリットに全ての英雄が集うのも時間の問題の様だ。

113ピーチ:2012/08/14(火) 15:25:49 HOST:nptka404.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん>>

あ、アホ三人でバカ三人衆…

どーゆー解釈すればいーのじゃー!?

114彗斗:2012/08/14(火) 15:35:09 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
小アホと大アホとドアホが集まってしまうと大バカの単体になる……こう言う解釈でお願いしますww

115彗斗:2012/08/14(火) 16:20:35 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第39色 死闘! 戦神対凶竜!
「…一応筋は通っている様だ…だが詰めが甘いな」
 クロードは、絶の当たれば肉を引き裂く位に鋭く研ぎ澄まされた爪を見事に紙一重で避けている。当ったとなるとただ事では済まないが……
「…何故そこまでして攻撃をしない。幾らでも隙を作っていると言うのに…」
「ぬぅっ……!?」
 絶が言い終えた次の瞬間、クロードの後ろに鈍器で殴られた様な衝撃が走る。実は絶は攻撃を避けられた反動を駆使して回し蹴りをクロードの後頭部に喰らわせたのだ。魔法で言うよりも体術で勝負している様に見える。その戦闘スタイルにメテオは少し違和感を覚えた。ある物が足りないからだ。
(…だが、何故だ? 飛び道具を持たないクロードに魔法を使用せずに至近距離の体術で挑むとは…正直に言うとアイツらしくも無いな)
 本来、絶の戦闘スタイルは「相手の盲点を突く戦い」。つまりこの状況ならメテオにも魔法の流れ弾が当たってもおかしくない量の魔法弾をクロードに浴びせる筈だ。それなのに何故頑なに至近距離戦を貫くのか。
(こりゃ何か裏があるのか…それともアイツの気まぐれか…或いは…)
 至近距離の致命傷を当てる為に本気でクロードを殺そうとしているのか…とメテオは考えたが流石にそれはないと割り切った。…とその時、サツキ達が目を覚ました。
「……うん? ここは…って何でメテオが居るんだ!? おかしいだろ!?」
「おかしいもクソもあるか、今はちょっとした事情が重なって今すぐには事情は説明できない。久しぶりにあれ、行くぞ!」
 この前別れを告げた盟友が再びメテオの元に現れた。その時メテオは、これがいわゆる運命って奴か? と心の中で一人呟いたがそんな言葉は誰にも聞こえていない。サツキは一応コクリと頷いた後、こう言った。
「大体は把握できた。それならやろう! 皆、久々に行くぞ!」
「「「OK!!」」」
 メテオはサツキと顔を合わせて、ニヤリと笑い合った後クロードが戦っている方向に向き直った。その眼差しは士気の一色に染まっている。
「それじゃあ行くぞ! メテオ・ライド!! アトミック・ガンナー!」
 ラン達が目を覆うほどの光と途轍もない風がそこらじゅうに散らばった後、メテオは消えてサツキだけが静かに立っていた。その時ランから歓喜の声が上がる。
「あっ! できたぁ! アトミック・ガンナー!」
 銀河系の星達の色をそのまま映した様な髪は見る所で色が違っている。サツキはどうやら完全にメテオと融合出来た様だ。その時のサツキは、何だか生き生きしている様にも全員が見て取れた。そしてサツキは合図する。
「…今からターゲットを排除する! 行くぞ皆! ここからが本当のミッションだ!!」

116フンボルトペンギン:2012/08/14(火) 20:26:11 HOST:softbank221065195187.bbtec.net
久々に来てやったけどまだ書いてたんだwwwww
いい加減諦めろよw
はっきりと言って『お前に、才能はないです。』
反論があるならどうぞ。
まぁ君じゃ何も言い返せるわけないけどねwwwww
事実を認めようとしない哀れな厨二野郎にわなwwwww

117月波煌夜:2012/08/14(火) 23:06:51 HOST:proxy10017.docomo.ne.jp
>>彗斗さん

クロード大丈夫かー!?

…や、うちの子たちって魔法とかそういうのに免疫ないもんね…←


あーあと一つだけ。
クロードは「ぬうっ……!?」よりは「っ……!?」とか「くっ……!?」とかのが言いやすい?かなと。
いや、無表情で「ぬう」って言うクロードもそれはそれで面白いんですがw



戦闘モノの神、略して戦神の彗斗さんに御覧戴く程の自信も何も御座いませんが、ヒースとジルの話『剣士の氷刃』もちょこっと展開中ですよろしくです!

118ピーチ:2012/08/15(水) 19:41:16 HOST:nptka104.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん>>

クロードーーー!!

あたしもクロードとルイーズ姫出そうと思ってるけど…絶対上手く出せない((泣

119月波煌夜:2012/08/15(水) 20:59:14 HOST:proxyag065.docomo.ne.jp
>>ピーチ

本当!?
ルイーズとクロード出してくれるの!?
わーいわーいヾ(^▽^)ノ


彗斗さんもだけど、口調が分からないキャラとかいたら、他のキャラと絡ませるとかでもいいんで、こういうとこで適当に喋らせてくれれば喜んで添削しますので!

120ピーチ:2012/08/16(木) 08:14:24 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
つっきー>>

うん!ひょっとしたら馬鹿みたいに似てないけど…←てか百パーセント似てないw

慧斗さん>>

帰ってきたよ―――

キャラ載せとくねー

神代 天音(かみしろ あまね)…くるぶしに届く程の、闇に溶ける黒髪と同色の瞳。

深藍の着物に紅い鈴と同色の扇を常に所持している。

口調…基本的には「〜わよ」とか「〜ね」とかが多い(と思う)

…これくらいでいい?

121彗斗:2012/08/16(木) 21:08:53 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ちょいと妨害が入りまして…返事が遅れてしまいました(汗)

月波さん>>
確かに(笑)
その時のクロードを想像してちょっと吹いたww
それじゃもうちょっと後になるかもしれないですが『剣士の氷刃』も拝ませていただきますm(_ _)m

ピーチさん>>
おおっ! 天音ちゃんキターー!
いよいよですね! 誰が来てもいい様に一応ストーリー考えていました(←自分で思うけど、どんだけ用意してるんだww)

122彗斗:2012/08/17(金) 00:10:46 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
幕話 神々の破壊力について…
 ここは屋敷全体が戦場となっているエインズワーズ家とは思えない程長閑な場所、ソフィアの部屋である。
「…ところでデルトさんはクロスさん達の魔力切れの瞬間を見た事があるんですかぁ?」
 シェーラに、顔を覗きこまれる様にして見つめられているのはデルトだった。デルトは、戦場に出たりすると色々と不味い点がある為自主的に残り、ここでソフィア達の護衛をしている。そして、話しが弾んだのか何かしたのか、今度はデルトの身辺について聞きだしたシェーラ…。恐らくは…表にこそ出してないが、まだメテオを虎視眈眈と狙っているものと考えられる……弱みの一つでも握りたいのだろうか…。
「実を言うと…その瞬間は俺たちも見た事が無いんだ。それにクロス達はあまり表立って動かないしな。でもまぁ動くとしてもギ―クぐらいだろうな」
「え!? そうなんですかぁ!? まさか…底が無かったりして…」
 シェーラは大きな声は出していないがソフィアはショックが大き過ぎて声が出ていない…つい先程、デルトから魔力に関する説明を受けた所だったからだ。だがデルトはそのシェーラの考えをそれは無いと否定した。
「これも単なる伝承だが…かつて俺たちの地方では神々同士の戦いがあったと聞いている。……語るも聞くも恐ろしい話だが、その時ばかりは流石のクロス達も力尽きかけたと本人たちが言っているんだ。だから…恐らく底は在るんだろう。ただ、その底までの間の長さだ。そこが他の人間とは桁違いに違っているんだろうな」
 これには流石のシェーラも絶句した。ソフィアに至っては、話しが大き過ぎたのかボーっとしている様にしか見えないが…。と、ソフィアが何か思いついた様にフッとデルトに尋ねた。
「…あっ、それならクロスさんは一体幾つの次元を同時に創ったり空間を消滅させたりできるのですか?」
 その問いにはデルトもとことん困り果てた、魔力の底が見えない相手の備蓄する魔力にそれぞれの得意魔術を充てて威力換算をしたらどのようになるか…デルトは正直なところ、考え付かなかった。
「…そうだなぁ…例えばクロスなら次元を約100個位を同時に創ったり消したりできるんじゃないか? まぁ…あくまで創造だがな」
「…一体どうなってしまうんでしょうか…そんな人たちがこの世界に7人も居るんですよね? 世界が終わっちゃうかも……」
 だがデルトはその言葉を聞くや否や、腹を抱えて笑い始めた。そしてその後、それは無いはずさとシェーラに言い聞かせた。だが…鋭く痛く感じるまでの眼光は決して笑ってはいなかったが…
「だが、クロスの兄貴は明らかに洒落にもならない位の神だ。「滅壊神 ロイダー」。アイツは恐らくこの計算が合ってりゃ、別次元を一気に約1000個消せるという計算になる。しかも、消す事だけが限定だ」
「ま…まさか、そのロイダーとかって言う人がこの事件に…」
「はははは…そりゃねーよ! アイツはとっくの昔に俺たちが殺しちまったのさ。だから絶対にここに居る事はありえねーよ」
 その時デルトの顔には明らかに懸念の色が広がっていた。そしてその表情を見たシェーラは察した。
――ひょっとしたら本当に絡んでるのかもしれないと………

123ピーチ:2012/08/17(金) 09:01:43 HOST:nptka401.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

天音来た―――!!

うん、あたしのキャラだから残念だよ。凄く

124彗斗:2012/08/17(金) 10:40:32 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
きっと大丈夫ですよ。
天音ちゃんは小説を見ていても良い娘そうですし、こっちの奴等とは違った魅力がありますからね(こっちのキャラは作者の私にさえとても手に負える問題人間達では無いですww)

…でもまぁ天音ちゃんに黒い所が無かったらの話ですけどね(笑)

125ピーチ:2012/08/17(金) 10:45:32 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

いやいやいやいや!きっと慧斗さんが死亡寸前になっちゃうよっ!←なら出すなw

違う魅力…天音が良い娘…!?ダメだ、理解に苦しむ!!

天音嬢は黒々としてるよ!ひょっとしたらシュオン様を軽く凌駕するw

無意識にいいこと言ったと思ったら無意識に止めさしてるからね、あれはw(色んな人にw)

126彗斗:2012/08/17(金) 11:17:54 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
きっと天音ちゃんだから大丈夫ですよ〜多分……←それを聞いてちょっと心配になってる

確かに……言われてみればヒースを黒髪なんて本人の声を無視して呼んでみたり、ひょっと黒い事言ってみたりしてるもんね〜〜

あ、それと天音ちゃんはもうちょっとで出すからそれまで待っててね〜

127ピーチ:2012/08/17(金) 11:42:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

うんっ!自信もって宣言できるよ!天音は真っ黒女子ですって!!←え…

ついでにシュオン様のことは金髪君だし、ジルのことは剣馬鹿だし、クロードのことは仮面だし、とにかくバカみたいあだ名つけまくってるw

女子の方は…ユーリエちゃんのことは紅髪ちゃんだし、ルイーズ王女はそのまま我侭王女だし←二人とも最初だけw

…うん、被害に遭ってないのはソフィア様とシェーラちゃんだけだネ。

128彗斗:2012/08/17(金) 19:23:02 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
それを聞いてでてきたけつろんが一つ……
天音ちゃんはある意味、一種の危険因子でした(笑)

ノゾミ達も…やっぱり付けてみたいなぁ…なんて思っちゃてるww

129ピーチ:2012/08/17(金) 23:31:29 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

あはは〜

確かに、危険要素たっぷりの種を植えてるのかも、頭にw←え…

ノゾミちゃん達も、慧斗さんが何か考えてみていーよ!

絶対あたしよりもネーミングセンスいいから!

130彗斗:2012/08/17(金) 23:55:39 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
でも…特に注意しないといけない奴が一人いるからねぇ…言われた人物の受け止め方にもよるんだろうけど…ちょっと心配だなぁ……ガラスのハートを持ってるギ―クだけはちょっとなぁ…一瞬でバキッと音立てて砕けちゃいそうだからなぁ(・_・;)

131ピーチ:2012/08/18(土) 00:23:27 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

が、ガラスのハート…

うn、でもあの天音にかかればカンケーないと思う←多分。

相手のことを知らないと、てきとーにあだ名つけちゃうのが天音流w

多分そのバキッて音も聞こえると思うよ!それでいてさらに追い討ちをかけるようなことをするというw

うん、我がキャラながら酷いねw

132彗斗:2012/08/18(土) 03:20:19 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
天音ちゃんはやっぱり言うのかぁ……
この話の中では天音ちゃんが居る限りギ―クは確実に鬱になっちゃうなww

何故鬱になるのかって? 理由は至って簡単、天音流に考えるとギ―クは完璧なまでに条件と一致(人間どころか神様だから)、そしてメンタル面の弱さと来ているからさww
いやぁ…偶然って恐ろしいねw

133ピーチ:2012/08/18(土) 07:13:32 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

…鬱になっちゃうか。仕方ない←え。

多分…天音の場合、人間とか神様とかカンケーない気がする…

知らない神様には、「〜ですか、〜様?」とかなりそうw

よーするに敬語使いながらもグサリと止め刺す的な?

134彗斗:2012/08/18(土) 09:26:59 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
あ、それ一番酷いフラグになっちゃうw
…まぁ天音流がギ―クがどう足掻こうと確実に鬱にされちゃうなww

135ピーチ:2012/08/18(土) 14:58:28 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

うん、多分天音流に対抗できるのは、天音を知り尽くしてる人だと思うよ!

それか同じくらいに毒舌的な人w

136彗斗:2012/08/19(日) 08:44:46 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
…うーんと…それならちょっとだけ心当たりが…あるった様な無かった様な…

それとなんだかんだ言ってここの所、思いつか無いから小説書いてない(汗)

137ピーチ:2012/08/19(日) 09:59:09 HOST:nptka306.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

まじ!?あたしのキャラ言っただけなんだけどなー

もし居たら、毒舌勝負させてみたら?

138彗斗:2012/08/19(日) 11:52:06 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第40色 大地色と紅色と金銀銅
「…なぁ、ガルザ。もし仮にだぞ、あの二人が本当に抹殺者(スレイヤー)に似た様な物だったらどうするんだよ?」
 三人は、屋根裏部屋で偶然見つけた二人を追ってこの埃臭い場所から逃れようとしていた。…とラギアからの質問にガルザは当然と言った様な表情を作ってこう言った。
「勿論、抹殺なりなんなり……」
「ちょっと待て〜〜!? 何をどう考えたらその結論になる!? 今ここで騒ぎを起こしたら確実に不味い事ぐらい分るだろう?!」
 抹殺と言う単語を耳にするなりラギアは即座にガルザへと突っ込みを入れる。…漫才にも見えるがラギアの言っている事は強ち間違いではない。
 …だがドアホのガルザは二人が考え付かない様なとんでもない事を考えていたのだ。
「何を如何したらって決まってるだろ! ノゾミと合流する為だって…」
「いやいやいやいや……その行動を実行に移したら後で絶対にアテナ嬢と合流してしまうぞ!?」
 因みにアテナ嬢とは…冥国、つまり現世の反対側全てを支配している神「空虚神 アテナ」である。立場的にはクロスと対等な立場にあるそうだが…幼馴染と言う関係なのか、明らかにクロスの方が下である。何故そこまでしてラギアとガルザはアテナを恐れるのか。いやアテナを恐れているのでは無い様だ。
「いや、確かにアテナ嬢は俺たちにも優しいよ! でもな、冥国に行く前にノゾミがどんな事して来るか分ったモンじゃねーぞ!? 覚悟出来てんのか!?」
「……やっぱりこの案は無かった事にしてくれ」
 スパッとこの案を自ら捨てたガルザ、主であるノゾミの権力がいかに絶対的かが良く分る……。
 もしも仮に実行でもしていたら……間違いなくガルザはアテナ行きだっただろう…場合よってはラルドとラギアにまでも危害が及ぶかも知れないのだからラギアが止めるのも無理は無い。
「…おい! 早く追うぞ! アイツ等が外に出ている!」
「「マジか!?」」
 急いで出口から飛び出す三人、…がそこに待っていたのは後を付けていたあの男女の二人だ。
「…どうやらしてやられたって事だな」
 …何と、ラルド達が出て来た場所にはあの時死んでいた筈の大地色の青年率いるエインズワーズの兵士たちがぐるりとラルド達を取り囲んでいたのだ! 屋敷もそのままどこも壊れていない状態で……
「…ひょっとしてと思って伏線を張っておいて正解だったわね。ジル」
「…腑には落ちねぇがアイツの言う事は間違いじゃ無かったって言う事かユーリエ?」
 いくら此方が龍だからと言っても至近距離で槍先をこちらに向けられているのではどうしようもない。…とこの時、妙に第六感がさえているガルザは即座に悟っていた。
「…よく手の込んだ幻術だ。やっぱりここにノゾミ達も飛ばされて来てるな。」
「あら? 貴方達はノゾミって言う人と一緒にこの屋敷に来たカノンって言う人を知ってるの?」
 ラルドは一瞬罠かと疑ったが、それは無いのかもな…と割り切った。何故なら槍を収めた兵士やジルと呼ばれる青年がしつこくラギアに色んな事を聞いていたのだ。魔術師と言う肩書きもありラギアもガルザも色々と質問攻めにあっていた。
「少なくともこの人物達は白になるのかもな…」
 ラルドは人知れずにそう呟いた…とその時、兵士の誰かが主の行方をポツリと呟いた。
「…そう言えば、ノゾミさんは作戦の為にあの山の中にソフィア様達と行ってしまいましたよ」
「何! それは本当か!?」
 そう答えるや否やラルド達は山の中に向って物凄いスピードで飛び去ってしまった……その光景を見たジルが隣にいた少し年下ぐらいのユーリエと呼ばれる少女に耳打ちをする。
「なぁユーリエ、俺たちもアイツ等の後追って見ねぇか? なんか面白そうだぜ?」
「…ねぇ? ジル、私達暗殺業辞めたんじゃ……なかった?」
 その言葉を口に出しても聞く耳を持たないジル、どうやら彼等にあった事でまた違った方向に興味が走りだしたようだ。
「んな事知るかよ! そら! ちゃっちゃと行くぞ! あいつ等だけに良い顔はさせられないしな!!」
 その言葉を聞いた時、仕方ないなぁ…とでも言いたそうな表情でユーリエはボソッと呟いた。
「…底まで言うなら仕方ないわね。それじゃ私達もあの人たちを追って行くとしますか」
「おっしゃ! そうこなくっちゃ!」
 元暗殺者の二人もラルド達を追って山の中に入って行った……

139彗斗:2012/08/19(日) 11:56:38 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
おっ、それいい考え!
でも毒舌とは言ってもそんなに目立つ奴がいないんじゃ〜ね〜。

いたら視野には入れとくよ☆



皆さんへ
ちょっとしたスランプが原因で書くのを控えておりました。久しぶりに書いた小説はどうでしたかね?(←自分では真面目に一番酷い出来だと思ってます)

140ピーチ:2012/08/19(日) 13:27:19 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

あは、天音の奴はキレるととんでもないことやり出すからね←

主な被害者が柊一と昇w←昇なんか「半殺しにしてやる」とまで言われてるからねw

…そこまで酷い人、居る?

141彗斗:2012/08/19(日) 23:10:38 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
あ〜! 居る居る! その程度のレベルならゴロゴロと……ww
一番酷いキャラは……やっぱりノゾミかな?(何故ノゾミなのか…その理由はこの話にチョコチョコ出てるしこれから出すから要チェック☆)

因みに何かと裏表が激しい連中ばかりが上位に食い込んでたりするww(例えばギ―クとかネクロとかカイとか…その辺り)
そう言う点に注目してみても面白いかも……?

142彗斗:2012/08/20(月) 00:23:23 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第41色 偽者の体 〜ギミック・ボディ〜
「…聖灰剣 ヘル・グランド!? …まさかノゾミの兄さんに助けられるとはね……」
 カノンと紘達の間に割って入ったのは…灰色の大剣を携えたノゾミの兄、橘 成希だった。刺す様に痛い灰色の視線は見られた者を怯えさせる様な威厳がある。
「まさかお前がここに居るとはな。正直な話、意外だった」
 ナルキは、然程気に留める様子も無く二人を灰色の双眸でじっと見据えている……その姿は何処か起こっている様にも見えなくもない。
「…お前等…一体何をして生き返った! その様子だと誰かが後ろで糸を引いて操ってるな? この質問に答えなくば…首皮一枚で繋ぎとめたままじっくりと死に至らしめる事も出来るんだぞ!」
 出た…ブラック・ナルキ…相変わらずノゾミに引けを取らない黒々さね…とカノンは心の中で呆れ気味に呟くも表情にも出していない。それに明らかに脅しにしか聞こえないのは少なくともカノンだけではないだろう…
 だが紘は、恐れる素振りも見せずにこうなる気に向って言い放った。
「私達はあの方に恩と言う物がある、それを行動で返しているだけだ」
「それは違ぇだろうが! お前達にとっては恩返しかも知れねぇ。だがな、俺たちから見りゃあお前達が取ってる行動は破壊にしか映らねぇんだよ! 恩ってのは心だけでも十分伝わるんだよモンなんだよ!」
 お…? たまには良い事言うじゃん…とまたしても心の中での話だが少し関心するカノン。…ナルキがいつもよりは少しだけ頼もしく見えた…様な気がしただけだった。…所詮ナルキはナルキなのだから…
(……今思い返せばその言葉、確か誰か言って無かったかしら……? まぁ…気のせいか)
 そう胸中でナルキに反論している最中、ナルキは一瞬でかたを付けて仕舞う様だ。極龍の構えに入っている。
「流刃 ジア・ギトナ!」
 刹那…よりも早い神速の剣が二人を体を捉え、引き裂きながら空へと弾き飛ばす。二人の体は真っ二つに引き裂かれ、機械の破片が飛び出して……いなかった。
 真っ二つにはされたものの機械の破片らしき物は飛散していない。彼等は元々機械の筈だ。
「……まるっきり喋らなくなったわね。この二人」
 空から落ちて来た残骸を突きながらそう呟いたカノン。…だがナルキだけはどうも腑に落ちていない様だった。しきりに何か考えている…
「……はっ! まさか…偽物!?」
 そう言いながら振り返り胴体の切断部分をよく見てみると……濁りに濁った真っ黒な液体が流れていた。瞬きすらしない瞳からも黒々とした液体が流れている……
「多分…この様子からして…ギミック・スワルブ…だな? しかし手が込んでる、本物そっくりだ」
「……一体さっきからなにを言ってるの?」
 カノンは事情を呑みこめていない様なので一から話す。成る程…とカノンはすんなりと事情を分ってくれたみたいだ。カノンは分りやすい様に短く纏めて口にした。
「…つまり、何者かが冥国にいる絶達の情報を入手。そしてその後、盗んだそのデータを元にこの偽者たちを創り上げ、ここに送り込んできた……そう言う事よね?」
「あぁ、そう思ってくれて構わない。だが、そうとなると他にも居るのか……」
「私が自ら出向いても…」
 カノンは名乗り出たがナルキに制止される。その後ナルキはもっともな事を口にしてカノンを説得した。
「…お前が出向いて倒れたりしたら、この作戦は全部駄目になる。お前がこの作戦の要なんだよカノン」
 この作戦は屋敷、兵士、施設などを限りなく近い本物に似せて森の中に「幻術の屋敷」を事前に作ってあった。……だが重要な人達は際限が出来ない為実際に来てもらっているのだ。これはカノンが倒れたとしたら通信に障害が出てくる。だからナルキは制止してまでカノンを止めたのだ。
「…それに俺には一人だけここに来る援軍が居るからな」
 そう呟いた途端茂みから現れたのは白銀の色の髪をしている少年がナルキの前飛び出して来た……

143ピーチ:2012/08/20(月) 09:13:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

え、ノゾミちゃん一番酷い感じですかw

……確かに、前々からチョコチョコ酷い台詞を聞いてるような…

裏表かー。鈴扇霊キャラは一番が天音かな、やっぱり。二番がまだ登場していませんキャラで、三番も同様w

……うん、酷いネ。これは

144彗斗:2012/08/20(月) 14:53:23 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
うん、他のキャラはあまり聞いたりしないと思うからノゾミだけ裏表が激しい&どす黒い事を強調してるって形ww
他にもちょろっと出て来てる「アテナ」とかもクロスに限定しての接し方はとんでもなく悪いよw(他の皆には優しいけど)
一時期アテナは、ノゾミなんかはまだ序の口と感じる位の黒さだったし…でも今は優しいよ?(クロスが絡んだ訳あり)
全般的な話しだけどメンバーの中でもだいぶん綺麗な人が黒い事が多いんだww

145彗斗:2012/08/20(月) 15:50:47 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第42話 舞い踊りし紅と漆黒の来訪者  〜鈴の音・扇の舞い〜
「…おい、何か轟音が聞こえないか?」
 先程から聞こえてくる轟音、その確認を取る為にリョウは後ろに居る二人に問いかけた。二人もやはり聞こえている様だ。
「確かに…聞こえるよ」
「……確かに聞こえるわ。あっちに方向から」
 リョウカは聞こえてくる方向を指差し、その音のする方向へと行ってみると……その場所には一人の少女が倒れていた。
 深藍の着物、そして紅色の扇と鈴……髪に至っては髪の黒と周りが暗さが重なって分らないが見た事も無い様な長さに達している。…それと見た事も無い程、綺麗な人だ。
「…一応気を付けな、外見がこう言う奴に限って俺たちを中々離さない様な奴かも知れねぇぞ」
 リョウとリョウキは特に同い年ぐらいの女の子にとんでもなく弱い、それと年下の女子から上目使いで見られるのもあまり良い事では無いらしい…年上はどうやら大丈夫のようだが…
 その話をして終わったと同時にリョウカの肩にポンと手を置いた後
「…リョウカ、後は頼んだ」
 短くこう告げた…リョウカは反発しても絶対にしない事を分っていたので仕方なくそれに従って少女を抱き起こす。
「…だ…大丈夫ですか? あの…」
「…ん? ここは…?」
((あ、ヤベッ…起きちまった…))
 リョウとリョウキは同じ様に顔を引き攣らせたが少女の視界には入っていない様だ……
「…大丈夫ですか? ここで倒れていたんですよ?」
「……私が…倒れていた? …ひょっとして本当に私、呼ばれたの…」
「…呼ばれた…? 誰に…ですか?」
 リョウカは不思議そうに少女に尋ねた。すると…少女は何故か口をつぐんでしまったのだ。
「…いや、何でも無いから…気にしないでね」
 不自然だな…リョウは第一印象にそう感じた。この少女は明らかに何か隠している。リョウ達に言えない何かを……
 その時その場に流れる気不味い雰囲気を打ち消す様に少女はおもむろに話し始めた。
「…あ、そう言えばまだ私の自己紹介がまだだったわね。私の名前は「神代 天音」。これからちょっとの間だけどヨロシクね」
 …ま、顔はともかくとして…一応危険ではなさそうだな。 リョウは心の中でそう呟いた。そして天音を見てみると…漆黒の双眸でジッとリョウを見つめている。
「…な、何だよ…何かあるのか?」
「…何だろう…これ…黒い大きな塊が見える…悪魔とか幽霊とかとは違うみたいね…」
「…えっ…? 幽霊? 悪魔? ひょっとして天音さんは霊体が見えたりするのかい?」
 リョウ達には信じられなかった何せいつも相手をしているのはほぼ死んでいる人間ばかりだったから…恐怖には馴れているが、どうも幽霊や悪魔には3人揃って、良い思い出が全然ない。
「まぁ…趣味…じゃないわね…えっと仕事…って言うといいのかな? その所為で霊体が見える様になったのよ」
 まさか…な…と疑っては見るものの、天音は嘘をついている様な雰囲気ではなかった。
(ひょっとして…神の使い…か?)
 天音を見たリョウは一瞬そんな事を胸中で呟いたがそれは無いと即座に自分の考えを自分で否定した。

146彗斗:2012/08/20(月) 20:51:13 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
一応天音ちゃんを出しては見たものの……決定的に何かが違う…!?

何が違うのか教えて欲しいです!! HELP ME!!

147ピーチ:2012/08/21(火) 17:53:39 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

help meにお答えw(ちょっと多いかもw)

天音の髪と瞳の色は一応「闇色」と評してますw

ついでに霊的なモノが見えるのは生まれつきーw

ついでのついでにカタカナはあんまり使わないよー

…何か文句ばっかでごめん…

148彗斗:2012/08/22(水) 15:28:03 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
なるほどなるほど……
天音ちゃんもそこまで細かいのか…もうちょっと気を配らねば…(汗)

それと、描いていて思ったんですが……天音ちゃんだけではちょっと作者としても都合が宜しく無いので他の主要メンバー…投入って事も考えてるのですが…

149彗斗:2012/08/22(水) 16:31:36 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第43話 闇の瞳と鈴扇
「…あの天音って奴…一応、霊能者(ブライサー)…か。しかも、あの様子からみると…生れつき持っていた能力の様だな」
 リョウは天音をジッと見ながら呟いた。だが…リョウキは正直、天音をあまり信じていない様だ…
「…兄さん? 確か記憶が正しければ……僕たちは色々と霊能者(ブライサー)に依頼を妨害されたり任務中に殺されかけたりしてる思い出があるんだけど……気のせい?」
 その事については疑うべき点だ、過去にリョウ達と敵対していた組織は色々な霊能者を投入されて殺されかけた事もあった。つまり天音は色々な点で密かに疑われているのだ。
「リョウ兄ィ、リョウキ兄ィ! どうやら天音ちゃん、ここに来る時の記憶が全部飛んでるって!」
「「何だって!? それは本当なのか!?」」
 このままでは任務に障害が出るのか記憶が戻るまでハッキリと分らない。かと言って女の子を一人で置いて行くのは気が引ける…
「…こりゃコイツの知り合いが必要になってくるな……」
 …そうは言ってみたものの天音の知り合いがこの異界に居るのかどうかも定かではない。
 ん? そうだ! アイツだ!! と、リョウは瞬時に閃いた。何かいいアイデアが浮かんだのだろうか?
「アキだ! アキに頼めば何とかしてくれるかもしれないぞ!」
「確かに、アキさんがここに来れば…何とかなりそうですね」
 リョウの考えに賛成しているリョウキ、だがリョウカは納得できていない様だ……あまりにもこの天音と言う人物の素振りが不自然なのだ…
(…! もしかして…霊能者が……『あれ』に…憑かれてる!?)
 その直感は…見事に的中した。いきなり走り出したかと思うとリョウ達二人に襲いかかったのだ!!
 その常人を遥かに凌ぐスピードにリョウ達は反応できなかった。何故か…? それは、リョウ達の肉眼に捉えられていないスピードだったのだから……そしてスピードを殺さずに体を反転させ…二人の顔面を横殴りに蹴り飛ばした。
「ぬおッ!!」
「うぐッ!!」
 助走を付けて放たれる蹴りを受けてまともに立っていられる筈は無い。そのまま二人は右と左に分れて吹き飛んだ…とその様子を見たリョウカがハッと勘付き、自分達の反応の遅さを呪った。
(そうか! これは…擬態技法! まさか嘘付き(ダウト)がこんな技を使ってくるとは……私達も迂闊だったわね…)
 ダウト…それは日本語で『嘘』と言う意味に当たる。その名の通りコイツは嘘付きで特に本人そっくりに擬態することも可能なのだ。…だが、擬態を完璧にするもある。それは……『本人の体に憑依する事』が必要なのだ。
「…ちっ! やってくれるじゃねぇか!! いくら女の体に憑依してるからって手加減はしねぇぞ!!」
「…確かに、この痛手を倍にして返してあげましょう…覚悟して下さい!!」
 リョウは鈍く黒々と光る大鎌を構え、リョウキは半透明の刀を構える。その様子を見てリョウカは…
「仕方ないわね…離脱させないと話しにならないわね!! もう絶対に許さないんだから!!」
 と背中に背負っていた二つの鎖鎌を片手に構え、残りの鎖を片手に構えた…
 亡霊との戦いが今始まる……!!

150ピーチ:2012/08/22(水) 17:12:33 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

あ、やっぱり?あたしもそー思って二人追加させたいと思ってたんだw

後で載せとくネw

…ってゆーか、天音だったら周り何もない場所に置き去りにしててもへーキだョw

…………あの天音が憑依された…悪霊の類には絶対の自信があるくらい耐性があるあの天音が…!

追加メンバー

天神 柊一(あまかみ しゅういち)…天音の幼馴染&絶対の信頼がある相棒(パートナー)。

口調は基本的に優しい感じの言い方(〜だよね、とか、〜じゃないかな、とか)

基本的に怒ることが少なく、小学校からのある意味幼馴染の昇と天音の宥め役。天然。(本人自覚なしw)

飛鳥井 昇(あすかい しょう)…柊一同様、天音が信頼してる相棒。

口調は普通の男っぽい感じの言い方(〜だろーが、とか、〜じゃねぇの、とか)

柊一と正反対で怒りっぽく、小学生の頃から完璧と評される程の天然である柊一にことごとくキレまくっていた。

……長いネ。うん、ごめん…

151彗斗:2012/08/22(水) 19:04:21 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
へ…平気ってそんなに肝が据わってたんだ…バケモノが周りにうようよしてるのに…
それに今回は特殊凶化されている悪霊の類ですので…天音ちゃんが取り憑かれるのもたまには良いかも…なんて考えた訳で

…それと、シュオンやヒース達の恋愛関連の話は勿論ですが…ノゾミ達の方、見てみたいですか?
もし見ても良いのなら二つ程注意点があります。
 ・其の一 ソフィア様達の様な常人では無い上、バカなのでそれなりにドタバタしてます! 騒がしいです!
 ・其の二 話しに出てくる黒発言(ブラック・ワード)にご注意ください!

152ピーチ:2012/08/22(水) 19:35:14 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

あはは、小さい頃から一人で居たせいで肝据わったのかもネw

多分バケモン見た瞬間に消してるネ。天音ならw

見たいみたいみたいです!!

だいじょーぶ!天音も肝心なことには気付かないから!←隠れ天然?

153彗斗:2012/08/22(水) 22:32:47 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第44色 冥国の使者と天界の使者 〜天の音と昇る神〜
 何も無い世界、時も空間も…何もかも…全てが失われた世界。ここに二人の少年が倒れていた。片方の少年はムクッと起き上がってからの第一声は…
「…いっつ〜…ここ何処なんだよ! 柊一!」
 荒々しい声を出した後、少年は隣に同じ様に倒れていた柊一と呼ばれる少年を揺り起こした。う〜ん…と唸った後スッと起き上がって…
「…あれ? ここは…何処なんだい? 昇?」
 同じ事を言う始末、昇と呼ばれる少年も流石にキレてしまった様だ……荒々しい口調でこう言い返した。
「だ〜か〜ら〜!! 俺がそれを聞いてるんだよっ!!」
(…そこ、騒がしいぞ。少し黙れ)
 柊一の答える暇も与えないうちに何処からか…有無をも言わせない迫力がある声が聞こえて来た…流石に怖気づいたのか如何したのか昇も黙りこくってしまった…が天然の柊一は口を開いた。
「…一体誰です? 僕たちをここに呼んで…こっちは探してる人がいるってのに……」
 探している人と言うのは勿論天音である。…だがその声の主は柊一や昇が思ってもいない意外な言葉を口にした。
(…その探している人を知っていると言えば…お前は…どうする?)
「なっ……?! お前知ってるのか!? 天音の行方を…!」
「昇、待って。鵜呑みにはしない方が良いよ。本当かどうか分らないから…!」
(この証拠を…見せてでも…疑うと言うのか?)
 柊一の言葉が言い終わるか終わらないか位のタイミングで一つの映像が二人の目の前に映った。
 その映像には…天音がしっかりと映っていたのだ!!
「…ここは…一体何処だ! 答えろ!」
(良いだろう。…ただし、条件がある)
「条件…?」
 柊一の言葉に呼応する様に別の声が聞こえて来た。今度の声は何とも気分が軽そうな男の声だ。どうやら後、他に影が差している所を見て話しかけて来た二人を除いて二人程いる様だ
(それはだなぁ…ようするにコイツをクロスって奴に持って行って欲しいんだよ。お前達はこの天音って奴に会える。そんで以て俺達はクロスって奴に書状が届くって訳なんだよ。どうだ? この交換に乗るか?)
「「……………」」
 二人は考えに考えた。もしここで罠に引っ掛かれば天音と合流は出来ない。しかし…影の人物達は…そして最初に話しかけて来た人物が最後に警告を言い添えた。
(……この行動には世界の存亡が懸かっている。勿論、拒否すれば…天音の命はおろかお前たちの世界の存在すら危ういぞ)
 自分の世界が懸かっているとなれば事情は呑み込めなくとも頷く他あるまい。柊一も昇も嫌々承諾した。すると早速立ち眩みが激しくなった…激しい頭痛が襲う中、昇は目の前の人物に尋ねた。
「…お前は…お前は一体誰なんだ……!!」
 するとその問いかけに答える様に頭の中に響く四つの声、そして視界が歪んでいく中で四つの声はこう答えた。
「私達は神話から除かれた神々。私の名は「皇帝神 カイザー」」
「そして俺はその中の一人、「半骨神 スカル」だ」
「同じく私は「空虚神 アテナ」よ」
「…最後にお前たちに名乗っておいてやろう、俺が「滅壊神 ロイダー」だ」
 そのロイダーが言い終わった瞬間、柊一と昇の視界が一瞬で黒に染りきってしまった…

154彗斗:2012/08/22(水) 22:39:04 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
見た瞬間消滅って…ならどうやってあの化け物は憑依したんだろうww(←と自分で思っちゃってるって言うw)
それじゃあ天音ちゃんも一応、天然疑惑アリだねw
 
それじゃあ頑張って面白い恋話を考えます!

155ピーチ:2012/08/23(木) 08:58:45 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

うん、多分「あの」天音のこったから見た瞬間消滅ww

多分天音の背後から気配消して行ったんじゃない?←あいつは後ろに弱いw

……多分、天音も天然?柊一までとは行かなくとも

あ、それと訂正いーでしょーかー!

柊一は基本的に「〜なんだい」とかは使わないよー

どっちかって言えば「…あれ、ここ何処?昇知ってる?」みたいな感じで逆質問しちゃう感じw

それから二人とも、初対面とか関係ナシに敬語なし。自分より目上だと分かった時のみ敬語。←多分今回はフツーにタメだと思う

いくら神とは言えども、柊一達の場合は信頼さえ出来れば敬語、出来なければタメだよ☆←昇に至っては喧嘩吹っかける可能性ありw

面白い恋話待ってます!

156ピーチ:2012/08/23(木) 10:03:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
慧斗さん>>

ごめん!忘れてた!

柊一も昇も一人称「俺」だョ

…あと、あの二人も天音の奴にこき使われまくってるから、多分怖気づくことはないと思う…

何かごめんね、文句だらけででして…

157彗斗:2012/08/24(金) 16:13:51 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
いやいやいや!! 口調は確かに分りましたけど人の命も懸かってる上に自分の世界まで消されかけてたんですよ!? 流石に喧嘩を吹っ掛ける様な人でもそれは流石に無いのでは!?
…と言いたい所ですが確かにこの二人なら…あり得そうww
色々と恨みとかを影で持ってそうだし(笑)

158彗斗:2012/08/24(金) 16:57:21 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
第45色 地の底に住まう怪物
 …ここは何処かも分らない地面の中…底は何時も暗く光など差し込む余地も無い。
 …だがコイツは生きている。日の光に頼らずに…赤黒い体をした木の怪物が…
「……………………………」
 この化け物は唯々、ある時を待っていた。解き放たれる時を…静かに、そして言葉も発さずに…待っている……滅亡の宴が始まる時を…
「……もう少しね。この怪獣が完成するまで…」
 ここに来たのは一人の女…では無い。「女」の姿を象った機械的な自立可動人形だ。
 顔は申し分無いぐらいに整っている上スタイルも文句の付け様が無い。だが腕と足は人間の物では無い。血の色に染まった鋼鉄の足、そして腕。足と手の指は自分の顔の何十倍もある血痕の付いた大きな鉄の鎌となっていた。
 その姿は簡単に言い表せば…
――人間の手足を恐竜の手足に付け替えた様なアンバランスな人形である。
「おやおや、これはこれはルミナス様ではありませんか。いかがなされたのですかな?」
 影からスッと現れたのは大体三十後半の年齢の男だ。ルミナス…と呼ばれるその人間の女にも似た奇妙な人形は踵を返して話しかけて来た男に向った後、こう言い放った。
「…夢幻博士、何の用ですか? 私はウォーミングアップの為にここまで試しに歩いて来ただけですが…何か?」
 その口調が不機嫌そうに聞こえたのか夢幻は…手を胸の部分で小さく振りながら
「おっと、機嫌を損ねてしまいましたかな? それなら申し訳ございません。いや、何分御耳に入れたい事がございまして……」
 そう言いながらルミナスにコソコソと耳打ちをした。…また何か良からぬ事を考えてでもいるのか…聞き終わった後ルミナスはニヤリと妖美な顔を少し歪ませてクスッと笑った。
「成る程、そうでしたか…それを私の耳に入れる為に…ご苦労様でした」
 そう一言言い終わったあと夢幻は軽く一礼してからその身を暗闇の中に消し去った。後に残ったルミナスは…笑いが止まらない様だ。
「フフッ、まさか聖闘士及び紫水晶の討伐命令が下るとは…統率者(マスター)も粋なはからいを致しますね。……さぁ、無駄話はこれ位にして狂乱の宴を始める準備と致しましょうか…この化け物に捧げる破滅の祝宴を…」
 チラリと横目で怪物を見た後、ルミナスは逆の方向に折れ曲がる足を動かしてその場を去って行った…そして、その場には…怪物と後一人、残っていたのだ。
「……ふ〜〜っ! 危ねぇ危ねぇ…あの綺麗とも怖いともにつかぬ姉ぇちゃんに捕まったら…俺、今頃どうなってたかなぁ…。ま、それはともかく脱出脱出〜っと…」
 その後その人物は手元にあったボタンを押しその場から消え失せた……

159ピーチ:2012/08/24(金) 17:18:31 HOST:nptka103.pcsitebrowser.ne.jp
慧斗さん〉〉

うん、昇なら余裕でやりかねないよw

人の命とか、昇には関係無いからねー

柊一だったらそれなりの対応するかもだけどw

基本的に性格は昇と天音が似てるw

160彗斗:2012/08/24(金) 17:24:09 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
ピーチさん>>
でも、流石にこっちの方は仲間の命付きの条件だったら頷かせる事ぐらいは…出来る(多分)

…何か…急に怖くなってきた…天音ちゃんとか昇君とか…ついでに柊一君も…ww


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