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異世界の残像

1莉都:2012/06/30(土) 07:37:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 この世は3つの世界で構成されていると言う。
 ―真世―(しんせい) ―異界―(いかい) ―死闇―(しあん)
 信じている者。信じていない者。の2人が居る。
 あなただったらどっちを信じる?

2莉都:2012/06/30(土) 07:49:38 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 どうも☆⌒(*^-゜)v莉都(りつ)と申します。
 この『異世界の残像』(いせかいのざんぞう)は戦い&恋愛の物語です。しかし主人公は女の子です…
 以後のことを注意して応援してくださると幸いです。
 〜注意〜
 その一 荒しは禁止
 その二 学生なので書き込みをしていただいてもお返事が遅くなるかもしれません
 その三 タメでok(・∀・)オッケー!(注意じゃないな…)

3莉都:2012/06/30(土) 08:28:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 午後11時54分。明桜中校高等学校の旧校舎に5人の生徒が集まった。
「12時ピッタリに旧校舎の大鏡を月に向けると異界に行ける…あぁ楽しみ〜!」
 木造建ての旧校舎を歩きながら刎島 葵(はねじま あおい)は独り言を呟く。
「行けるとしたら早く行っていたいですね…」
 谷間 準(たにま じゅん)も目を上に向けながら呟いている。

4莉都:2012/06/30(土) 08:39:03 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「へぇ〜。準が七不思議なんて信じるんだ」
 そんな準に桐田 怠(きりた たい)が追い打ちをかけるように言った。
「でもいいじゃないかな?人それぞれの好みもあるし」
 高本 宇宙(たかもと そら)(男♂)は準を守るように言う。
「っけ…でも俺も1回でいいから行ってみてぇな。異界…」
 怠も準と同じ考えらしい。

5莉都:2012/06/30(土) 08:53:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ねぇ無津姫(なつき)さんは行けると思う?」
 宇宙は振り返り無津姫 藤乃(なつき ふじの)に聞いた。
「別に私は興味ないし。て言うより早くしてよ。緊急事態って言うからバイトすっぽかして来てんだからさ〜」
 藤乃はそう言うと大きくため息を付いた。
「無津姫っちは本当面白いよな〜」

6莉都:2012/06/30(土) 09:05:40 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 怠は横目で藤乃を見る。怠のこの言葉は藤乃を挑発する言葉だ。
 藤乃はこんな名前なので、友達から何度もからかわれている。逆じゃないのかと今まで何度も言われて来た。
「一言多いんだよ桐田の馬鹿面」
 頭にイカリマークを浮かべ藤乃は言った。
「って、皆が喧嘩している間にハッケーン!!」
 いきなり葵が叫んだ。

7莉都:2012/06/30(土) 09:14:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ウッセーよ!アホ面ニワトリ!!」
 藤乃は葵に叫び返す。
「これが大鏡!確かにそんな感じ!早く12時になってくれー(≧∇≦)」
 葵は喜びの声を上げながら走っていく。
 葵が走っていった先には縦長の大きな鏡がホコリをかぶって倒れていた。

8莉都:2012/06/30(土) 09:26:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(・・・・・)
 藤乃は何か違和感を感じながら鏡を見た。
「12時まであと2分♪あぁ待ち遠しい〜(n‘∀‘)η」
 葵ははしゃぐ。
 旧校舎の壊れた窓から月明かりが漏れる。

9莉都:2012/06/30(土) 10:23:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『キィィィィィィ…』
 そして藤乃の耳にだけドアが開くような音が聞こえた。
 しかし、そのあとのことは藤乃の耳には入ってこなかった。いや微動だに出来なかった。
 目にも止まらなかった…

10莉都:2012/06/30(土) 10:35:27 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ッサ!!!」
 藤乃は背後に軽い何かが走って行くのを感じた。
「!!?」
 後ろを振り返りその正体を探す。
(っな!)
 藤乃の目には何かが入った。しかし、全てを見るよりも早く事は起きた。

11莉都:2012/06/30(土) 10:41:12 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「12時!!」
 葵は腕時計を見ながら叫んだ。
「ピカッ!!!」
 それと同時に大鏡は光り輝き藤乃を包み込んだ――

12莉都:2012/06/30(土) 10:49:09 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―――「って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 藤乃は心の底から叫んだ。気が付くと自分は何処かへと落ちって行っていたからだ。
「ナニコレ、ナニコレ、ナニコレ〜〜〜!!!」
 周りがどんどん青い空へと変わっていき、さらには白い雲さへもが出てきた。
「冗談でしょ、ちょっと!!」
 目に涙をたまらせ嘆く。しかし、下に落ちることは全く止まらない。

13莉都:2012/06/30(土) 11:08:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメーーーーー!!」
 藤乃は泣きながら叫ぶ。誰でもいい、兎に角助けてくれ。と思いながら…。しかしこんな空中で助けてくれも者など居る訳がいない。居たとしたら、それは救世主ではなくスーパーヒーローだ。
「って、ほんと待ってって!私まだ高1の15歳だよ、恋愛とか興味ないけど1回はしてみたいなぁって思ってる女の子ですよ!なのに、意味も分からず空中から転落死なんてくだらないセッティングは無しだよ!!」
 自分自身何を言っているのか理解できなかったが、とにかく思ったことを口にしてみた。

14莉都:2012/06/30(土) 11:17:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…ビービー喚くな…」
 藤乃にスーパーヒーローが舞い降りた。
「え?」
 藤乃は舞い降りたスーパーヒーロー、ではない自分を救ってくれた者を見る。
「よっと…」

15莉都:2012/06/30(土) 11:32:46 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 藤乃を救ってくれた者は、藤乃をお姫様抱っこした。
「って、うおぅ!」
 お姫様抱っこなど記憶の底にうもっているほど昔にしかしてもらっていない。
「お前真世の奴か?」
 藤乃は顔を赤くしながら助けてくれた者を見る。
 男だった。赤毛混じった綺麗な短髪。顔立ちの良い顔に一つの擦り傷がある、美男と言わんばかりの男だった。

16莉都:2012/06/30(土) 11:40:59 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ツーか、お前怪我ねぇか」
 男は微笑みながら藤乃に聞いた。
「…その前に、なんで空中に浮いてるわけ…?」
 藤乃は今思ったことを聞いてみた。
 たしかに空中に浮いているからだ。地面から100mは絶対離れているのに男は浮いている。

17莉都:2012/06/30(土) 12:29:29 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「いや別に、特に理由無し」
 男はなんのコトやらというような顔をしながら答えた。
「つかもう降りっぞ。ちゃんと捕まってろ…」
 男はさっきより強い力で藤乃を抱くと足に力を込め、「ッザ」という音で一気に地上まで向かった。

18莉都:2012/06/30(土) 12:57:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――「おしっと…おい大丈夫か‥って大丈夫じゃねぇな」
 男は自分の手の中で青白い顔をしている藤乃を見ながら言った。
「あぁ〜…死ぬ…」
 藤乃は嘆きの言葉を発した。
「ハハ…悪かったな」
 男はそう言うと藤乃を地面に降ろす。

19莉都:2012/06/30(土) 13:30:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「っで、お前なんて名前なんだ」
 男は青白い顔をしている藤乃に聞いた。
「…無津姫 藤乃…言っとくけど名前逆じゃないから」
 藤乃は癖になった注意事項を付け加えて答えた。
「行っとくがここは外国じゃねぇぜ?」
 男はやはり藤乃の思ったことを聞いた。

20莉都:2012/06/30(土) 17:20:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「これが本名だっ!無理の無いに、津波の津、姫の姫(き)で無津姫だ!正真正銘名字だ!!」
 今まで皆に説明してきたことをここでも言った。
「そうかよ、まぁ変わった名前なのはお互い様って奴か…」
 男は少し顔を下に向ける。
「沙田 清明(さだ せいめい)皆からは「お前は人間の命か…!」なんて言われてるよ」
 清明は顔を藤乃に向け、二っと笑いながら言った。

21莉都:2012/06/30(土) 17:36:35 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(清明…)
 いい名前じゃないか…そう言おうとした藤乃だったがそれよりも早く違う言葉が口から出た。
「ここは一体どこなんだ?見た限り日本じゃないだろ。外国でもないならここは一体…」
 周りを見ながら藤乃は聞いた。
 周りを見ると多く家があるがどれもこれも外国のようなレンガで出来ている物ばかりだ。

22莉都:2012/06/30(土) 17:42:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「あぁここか、ここは…」
 清明は横目で周りの家を見ながら続ける。
「異界だ…」
 当たり前…またそう言わんばかりの顔をしながら清明は答えた。
「………」
 藤乃は言葉を無くす。

23莉都:2012/06/30(土) 17:51:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…えぇぇぇーーーー!!!」
 今度は思いっきり叫び上げた。
「異界!?っは!えっ!ちょ!はい?!」
 藤乃は思ったことすべてを口にした。意味も分からず…
「そこまで興奮すんな。お前は井戸の中から出て外を見たカエルか」
「例えが変だよ」

24莉都:2012/06/30(土) 18:03:35 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 周りから見れば漫才コンビの馬鹿トリオに見えるが二人はいたって真面目だった。
「つか、お前真世の人間なら、どうやってここまで来たんだ?術を使わねぇと来れねぇだろ?」
 次はあまりしなさそうな困った顔をして聞いた。
「あぁ、私は…あれ、どうやって来たんだっけ?」
 藤乃は首をかしげた。

25莉都:2012/06/30(土) 18:37:19 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「なんだそりゃ…」
 清明は小さく呟いた。すると
『緊急報告、緊急報告!南ブロックBエリアにて悪霊が出現!近くにいる葬員(そういん)達は至急向かってください!!』
 突然放送が流れた。
「南ブロック、Bエリアってここじゃねぇか!」
 清明は明るく澄んだ空を見ながら叫んだ。

26莉都:2012/06/30(土) 18:49:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おい、無都姫!!お前はこっから逃げろ!このまま、まっすぐ行けば大きな塀に囲まれた黒い建物があるそこに行けばかくまってもらえるはずだ!」
 清明は藤乃に言ったが、藤乃はどうしていいのか分からず顔をキョロキョロとさせるだけだった。
「逃げろっつってんだよ!死にてぇのか!!?」
 藤乃は清明の剣幕に押され冷や汗をかきながらまっすぐ振り返り清明の言った道を走っていった。

27莉都:2012/06/30(土) 19:17:03 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――「っは、っは、かは…」
 先ほどの所からどれぐらい走ったか。汗をビッショリとかきながら藤乃は一人走っていた。時折家から出てくる住民達が目に入ったがそんなのお構いなしで藤乃は走っている。
(悪霊(あくりょう)異界、真世…よく分かんねぇ言葉が並んでるが、兎に角今は逃げた方が最優先ってことだけは理解出きた…)
 一つの家の壁に手を付き荒れた息をもとに戻す。
「は、かは…」
 俯き、足のところに転がった石を見る。

28莉都:2012/06/30(土) 19:26:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…クソ‥!」
 藤野は思い切り拳に変えた手を壁に向けてふるった。

29莉都:2012/06/30(土) 19:35:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――「ここか、かくまってもらえるって所?」
 藤乃は清明に言われたとおり大きな塀に囲まれた黒い建物の前に着いた。
「………」
 気が乗らなかった藤乃だったが、一応出入口を探してみた。
(それらしき物がどこにもないんだけど…どうすりゃイイんだよ〜)
 藤野は肩を落とし、塀を手で伝いながら探し続ける。

30莉都:2012/06/30(土) 20:20:27 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「つか、なんか肩が重いんだけど…疲れたからかな…」
 藤乃は壁に背中を付けひとつ大きなため息をつく。
(肩重いし、気持ち悪ぃ。つかさっきからものすごく頭痛すんのはなんでだ…?)
 藤乃は肩を手で掴み、少しもんだ。だが、藤乃は数に手を離した。手におかしな感触が走ったからだ。
「・・・・?」
 藤乃は咄嗟に手を見た。

31莉都:2012/06/30(土) 20:32:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「何だこれ…?」
 その手には赤黒い血のようなものがねっとりと付いていた。
「血……!」
 藤乃の頭が揺れ動く。
「っな!」
「お前、いい魂…」
 そして藤乃の耳にとてつもなく低い声が聞こえた。


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