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617名無しの塾生:2017/05/29(月) 23:42:59
●「MP3は死んだ」のか? 特許権消滅が意味するもの

 今までMP3のコーデックを使用するためには、Fraunhofer IISとのライセンス契約とライセンス料の支払いが求められてきた。法外なライセンス料が必要というわけではなかったが、特にオープンソースソフトウェアの開発者においてはやっかいな問題であった。

 特許権はアイデアを保護する制度なので、仮にソースコードを独自に開発したとしても特許権の侵害は回避できない。また特許権は、ライセンス契約なしに実施すれば差止め請求も認められる強力な権利である。

 MP3の特許権を回避したとされるLAMEなどのエンコーダーも存在したが、権利問題が本当にクリアされていたかについては疑義もあった(ゆえに、教育目的であるとしてソースコードで配布するという「裏技」が使われたのだが、実際に裁判になればどうなっていたかは分からない)。

 しかし、いずれにせよ今やこれらの問題は解消され、MP3は真にオープンなテクノロジーとしての地位を確保したことになる。これは開発者(特に、オープンソースソフトウェアの開発者)にとっても一般ユーザーにとっても朗報と言えよう。Fraunhofer IISによるライセンスプログラム終了発表に対して「MP3は死んだ」といった一部ネット民の発言が聞かれたが、事実はまったく逆である。

 なお、特許の話とは別に、純粋に技術的観点から見ると、MP3は今日における最良のコーデック技術というわけではない。特に低ビットレートにおいてはAACなどの新しいコーデック技術の方が高音質を提供できる。さらに、AACは、MP3よりも著作権管理が容易であることから、デジタルオーディオプレイヤー(DAP)分野では一定の普及をしている。

 しかし、AACは依然として特許権で保護されており、現時点ではコーデックの開発者にはライセンスが必要である。AACの開発時期が1997年前後であることを考えるとそろそろ特許権が消滅し始めておかしくない時期だが、ライセンス会社であるVia Technologyは十分な公開情報を提供していないようである。この点は、やはりオープンソースソフトウェアの開発者にとっては考慮点である。

 一方、Ogg Vorbisや(ロスレスではあるが)FLACのように特許権の回避を当初から念頭に置いてオープンソースソフトウェアとして開発され、少なくとも現在のところは特許権の制約を受けないコーデックも存在するが、これらはMP3やAACほど普及しているわけではない。

 そう考えてみると、(高ビットレートであれば)十分な音声品質を提供し、特許権の制約を受けず、再生環境が広く普及しており(MP3をサポートしないDAPはほとんどないと言ってよいだろう)、既存コンテンツの多大な蓄積があるMP3フォーマットが、音声コーデックの主流の位置から去ることは当面は考えにくい。

 例えば、Fedora LinuxがディストリビューションでMP3を正式サポートするなどの動きもある。特にオープンソースソフトウェアの環境では、MP3は今まで以上にその地位を強めていくだろう。


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