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物語をつくるスレ 第三章- 1 :タマ:2008/10/29(水) 18:26:50
- 過度の下ネタはご遠慮下さい
▼登場人物
僕
タマ
ペケ(タマの弟)
- 2 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 18:35:37
- タマ「彼ってなによ!!私は女の子よ!!失礼しちゃうわ!!」
タマは前スレの1000に怒っていた。
- 3 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 19:35:05
- 山型輝夫(DT学部DT学科主任)「感動の最終回だったじゃないか!」
味藤マリー「フフフ、次の主役は私ね!!」
- 4 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 19:46:02
- その側を通行人が通り過ぎる。
中肉中背の眼鏡を掛けた30手前くらいの若い男。
(変なテンション・・・誰なんだこの人達・・・)
駅への信号が青になった事に気を取られ
疑念はすぐに脳裏から消え去った。
- 5 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 20:03:23
- タマはベスト電器を出て、二郎へと向かった。
- 6 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 20:25:53
- (さて今日は何店に行こうかしら)。
- 7 :名無しの塾生:2008/10/29(水) 21:28:51
- 前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1121004438/l50
- 8 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 01:34:55
- マリー「猫の虐殺が続く今、私がやらなきゃならないことがあるの」
マスオ「え〜ぇ?僕も、一緒に行かなきゃいけないのかい?!」
サザエ「何を言ってるのあなた。猫の一匹も助けられないんじゃ、婿養子は続けられないわよ。」
波兵「さーよう。」
- 9 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 04:59:45
- そんなやりとりを横目に、タマはいつもの通りドトールに向かった。
- 10 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 07:51:37
- タマの注文するものはいつも決まっている。
- 11 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 09:21:49
- タマ「カプチーノのS。ホットね。」
- 12 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 12:17:20
- その時タマのバナナは大きく反り返っていた。
- 13 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 12:50:27
- 東急ストアで買ったバナナだ。
タマは天気のいい日に中庭でおやつのバナナを食べるのが好きだった。
- 14 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 14:09:34
- タマはひようらの風景に溶け込んでいる。
- 15 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 17:35:20
- タマの行動を見守る僕はいつも疑問だ。
(何故タマはあそこまで日吉のドトールに拘るんだろう・・・)。
- 16 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 20:40:37
- これには弟のぺケが関係しているのだが、僕はその時まだ知らなかった。
- 17 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 21:44:28
- タマ近影
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1172234040/754
- 18 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 22:12:40
- タマ金まで読んだ
- 19 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 22:28:24
- マリー「私が猫たちを救うの。マスオはいらないはわ。」
波兵「さーよ。」
- 20 :名無しの塾生:2008/10/30(木) 22:40:32
- タマは四六時中食べたり飲んだりしているわけではない。
- 21 :名無しの塾生:2008/10/31(金) 00:55:02
- マリー「さあ、タマ、ねこまんまよ。」
玉「ジンギスカンも一緒じゃないといやだよ。」
- 22 :名無しの塾生:2008/10/31(金) 01:57:52
- タマのよくいく北海道のジンギスカン屋は、
シメに猫まんまをよくだしてくれるのだった。
- 23 :名無しの塾生:2008/10/31(金) 02:04:21
- タマ「猫だからってねこまんまが好きとはかぎらないんだよ。」
マリー「何をおっしゃるの?お茶碗、空にしちゃって。}
- 24 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 16:00:43
- タマはドトールを出ると、いつものように図書館に向かう。
- 25 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 16:03:25
- 突然図書館で商坊が出現した
- 26 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 16:09:47
- 商坊「俺だって上手くやりたいんだ・・・でも世の中の馬鹿共があまりに煩わしくて・・・」
タマ「そっか・・・」
人が人になるまでには沢山の時間と機会が必要なのである。
- 27 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 18:11:01
- タマが図書館で座る席はいつも決まっている。
- 28 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 20:06:38
- 今日は別の席に座ろうかと考えた。
- 29 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 21:41:11
- タマは三階のソファーに座った。
タマ「やっぱり椅子よりソファーのほうが落ち着くわね。」
タマは読書しながら眠ってしまった。
- 30 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 22:40:59
- すると夢の中に商坊が現れ、居眠りの為に使う本代は月々数万円だと語り始めた。
- 31 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 22:54:40
- タマはハッと目を覚ました。
「そうだ、ミロを飲もう」
- 32 :名無しの塾生:2008/11/01(土) 22:57:21
- タマホームへの名義貸しによる収入のおかげで、タマは大好きなミロをいくらでも買える。
「そろそろ寒くなってきたから、まとめ買いしておこう。あ、みのさんにもお歳暮として贈っとかないとね」
- 33 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 02:33:15
- タマの枕元でアイロンをかけるマリーは「あらあらリティーパワーを飲み干したいのね」と
呆れたように、それでいて、まるで自分の子供に語りかけるように、呟いた。
- 34 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 07:35:37
- タマは季節の食事を楽しむことが多い。
- 35 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 09:10:27
- タマ「秋はサンマですよ」
- 36 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 09:52:22
- タマは疑問に思っていた。なぜサンマは秋刀魚と書くのか。
他の魚類のように漢字1文字の表記がないのはなぜなのか。
- 37 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 12:45:06
- タマ「なければ、作ればいい。魚偏にタマでサンマ」
- 38 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 14:45:03
- この文字をサンマにするよう、申請しよう。
「どこに行けばいいんだね?」
タマは突然、僕に質問してきた。
- 39 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 15:01:08
- 遠い記憶、遥かな彼方。
焼付く砂の海を渡るタマ。
(我は何を為すべきなりや・・・魂の救済はありやなしや・・・)
朦朧とする意識の中何かへ問い続ける自我。
脳裏にはまだ見ぬ産業革命以後の文明像が去来する。
ハッと目を覚ますといつもの部屋で窓の外は茜色に包まれていた。
遥か昔に何かを忘れて来た様な寂しい気持ちだけが、
タマの胸を支配していた。
- 40 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 15:14:15
- タマは一瞬フラッシュバックした何かの記憶に混乱したが、
とりあえず僕の言葉を待つ事にした。
僕「うーん、文科省に聞いてみたらどうだい?」
- 41 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 16:29:31
- タマ「うん、でも今の僕が電話しても猫じゃ相手にされないだろうね。
教育行政に影響力のある人にお願いして、文科省に働きかけてもらわないと。
どういう人がいるかな? その人にお願いしてみる。その人が遠くにいるんだとしても、
そこまで出向いてお願いしに行きたいにゃー」
僕「そうだなあ、えーと・・・」
- 42 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 17:26:46
- タマは雌である。
故に一人称を僕と言わない。
タマは切れ者である。
故に無駄な言葉で会話を弛ませる事はしない。
僕「君は誰だい?」
- 43 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 18:07:19
- タマ「何言ってるんだい。ぷよぷよのアルルが女の子なのに自分のこと僕って言ってたじゃないか。そのマネさ」
ぷよぷよとは、僕が一時期はまったゲームだった。タマは記憶力がいい。そして、ブームは遅れてやってくるようだ。
タマ「早く、だれに頼んだらいいか教えてよ」
僕「そうだなあ、えーと・・・」
- 44 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 18:40:27
- (今日のタマは何だかオタクっぽいぞ)
僕は気持ち悪くなったのでタマを撒いて公園へ出掛けた。
- 45 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 18:59:48
- タマはこの日から姿を消した。
奇妙なことが起こり出した。ひよねこに異変が発生したのである。
- 46 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 20:01:35
- タマはひよねこの精神的支柱である。
- 47 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 20:50:28
- 何とひよねこに占める三毛猫の割合が、
前年同期比20%強も上昇したのである!
- 48 :名無しの塾生:2008/11/02(日) 23:04:46
- それはひよねこの民族紛争に直結する問題だ。
旧ユーゴスラビアでカリスマだったチトー大統領が没した後、
ユーゴが民族紛争で分裂・解体したのはご存知の通りである。
ひよねこのカリスマ的存在であるタマの姿が消えると、どうなるかは自明であった。
- 49 :名無しの塾生:2008/11/03(月) 06:31:07
- しかし、僕はまだそのような事態が起こっていることを知らなかった。
弟のぺケは、最近タマを見かけないことが気になっていた。
- 50 :名無しの塾生:2008/11/03(月) 09:16:46
- ペケ「お姉ちゃん、どこに行っちゃったのかな。携帯も繋がらないし・・・」
- 51 :名無しの塾生:2008/11/04(火) 17:30:24
- タマはマムシ谷の磁場で油絵を描いていたのだ。
- 52 :名無しの塾生:2008/11/04(火) 18:58:42
- ぺケはタマの貯蔵していたミロに手を伸ばした。
- 53 :名無しの塾生:2008/11/04(火) 19:33:15
- ラベルには“汝努々飲下す事なかれ”と書いてあるのを見て、
ペケは一瞬思案顔をした。
- 54 :名無しの塾生:2008/11/04(火) 20:26:44
- タマのミロを飲むことは御法度である。
- 55 :名無しの塾生:2008/11/04(火) 21:59:46
- ぺケはそのことを知らず、また書いてある文字の意味も解らなかった。
タマを虜にするほどのミロ。その匂いにぺケは我を忘れようとしていた。
ちょうどそのとき、僕が通りかかった――
- 56 :名無しの塾生:2008/11/05(水) 06:55:47
- 僕「ほっほっほ!ほっほほほっほ!」
- 57 :名無しの塾生:2008/11/05(水) 19:46:30
- あわてたぺケはミロの瓶を落としてしまった。
ミロの瓶が、割れた。
- 58 :名無しの塾生:2008/11/05(水) 20:12:35
- タマが押っ取り刀で駆け付けたのは言うまでもない。
- 59 :名無しの塾生:2008/11/06(木) 19:34:39
- タマ「はぁぁ〜!おっとりおっとりぃ〜!」
- 60 :名無しの塾生:2008/11/08(土) 16:17:38
- タマはおどけてみせたが、その眼光は鋭かった。
- 61 :名無しの塾生:2008/11/08(土) 17:45:31
- ペケ(ダメだこの猫っ・・・言動が・・・異常っ・・・!)
- 62 :名無しの塾生:2008/11/08(土) 19:03:20
- タマは非常に高い能力を持っているがゆえに、
言動が異常になるきらいがあるのは仕方ないことである。
- 63 :名無しの塾生:2008/11/08(土) 19:41:43
- 行動とは裏腹に、僕はこの状況を冷静に観察していた。
(タマの尋常では無い様子、あのミロには何かあるね)。
- 64 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 12:04:25
- タマ「ミロは製造後1ヶ月寝かせておいたのが一番美味いんですよ。
そのミロは飲み頃だったのに・・・」
- 65 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 15:08:48
- ペケ「くっ、それがし己の不甲斐無さに情け無く感じ候。
かくなる上はこの腹掻っ捌きたくお目汚し頂戴つかまつる!」
ペケは訳の分からない武士風口上を述べると同時に、
台所の包丁を取り出した。
僕とタマは途端に慌てた。
- 66 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 15:21:44
- するとペケは、マグロの解体を始めた。
ペケ「お姉ちゃんはお魚大好きだから、お土産に一匹仕入れてきたんだよ」
- 67 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 16:51:21
- タマは切身を一口頬張ってみた。
- 68 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 17:44:10
- タマ「マグロでトロトロ」
- 69 :名無しの塾生:2008/11/09(日) 18:20:47
- 僕「ははは、このちっさい切身可愛いな」
タマ「しょれひゃわひゃひにょしはらはよ!」
- 70 :名無しの塾生:2008/11/10(月) 18:26:44
- 僕はいつまでもタマの舌で遊んだ。
- 71 :名無しの塾生:2008/11/10(月) 21:03:46
- タマ「たまらん!」
- 72 :名無しの塾生:2008/11/11(火) 21:11:43
- タマが洒落を言うときは上機嫌のときだ。
- 73 :名無しの塾生:2008/11/12(水) 02:41:49
- この状況は大麻汚染と言わざるをえない。
やはりミロにも大麻が微量ながら入っていたのだ。
- 74 :名無しの塾生:2008/11/12(水) 15:55:09
- ミロの中からはマタタビが検出されたのだった。
- 75 :名無しの塾生:2008/11/12(水) 16:19:25
- ペケ「どうりでお姉ちゃん、ミロばっかり飲んでるわけだ…。」
- 76 :名無しの塾生:2008/11/12(水) 23:11:41
- タマ「今日はごちそうさま」
- 77 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 03:57:41
- そのまま、タマはマタタビ依存症のような状態になった。
つまり、医師の診断は受けていない。
しかし、日中からマタタビ入りミロを飲み漁る姿は、
彼女の再起不能を、如実に物語って、いた。
さらばタマ…。
第三部 完
- 78 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 07:48:38
- 僕はタマを慶應大学病院に連れていった。
- 79 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 14:20:19
- タマ「うぉぉぉ〜!!ここが信濃町キャンパスかぁ〜。あ、これが北里記念館ね。学食はどこ?生協は?」
タマは初めて訪れる信濃町キャンパスにすっかり興奮していた。
- 80 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 18:23:15
- タマは慶應医学部というだけでモテモテという学生を捕まえて話しかけた。
- 81 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 21:06:49
- 医学部生のバナナは大きく反り返っていた。
- 82 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 21:10:03
- 昨日、近所のスーパーで実験用に買ってきたものだ。
バナナダイエットは本当に効くのか実験するという話である。
- 83 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 21:18:38
- タマ「バナナを1本おくれ」
- 84 :名無しの塾生:2008/11/13(木) 22:52:19
- 第4部 リハビリテーション(そして、雲隠れ)
- 85 :名無しの塾生:2008/11/14(金) 12:51:09
- 桐生「主治医の桐生です。マタタビで心臓が肥大していたらバチスタ手術もやむを得ないと思っていたのですが、その必要はなさそうです。とりあえず一週間ほど入院して、健康的な食生活に戻しましょう。これからはミロにマタタビを入れないように気をつけて下さいね。」
タマは栄養士さんによって考えられた献立で一週間を過ごした。
- 86 :名無しの塾生:2008/11/14(金) 20:02:57
- タマ「我思う・・・故に我在り・・・」
タマは朝から窓辺でブツブツ呟いているのだ。
僕「先生、タマが余計変になった気もするんですが」
- 87 :名無しの塾生:2008/11/14(金) 20:22:46
- 「マタタビが体から完全に抜けたら大丈夫ですよ」
- 88 :名無しの塾生:2008/11/15(土) 04:42:49
- マリー「しばらくは安静にしてた方がいいわ。」
- 89 :名無しの塾生:2008/11/15(土) 13:55:23
- タマは退院し、僕の下宿に戻った。
タマ「何か魚が食べたいな。」
- 90 :名無しの塾生:2008/11/15(土) 17:50:05
- タマ「お寿司とのり汁食べたい…。」
僕はひようらの元禄寿司にタマを連れて行った。
- 91 :名無しの塾生:2008/11/15(土) 23:55:31
- マリー「退院祝いよ、私がおごるわ。」
- 92 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 10:29:26
- タマはお寿司を食べて元気を取り戻したようだ。
「明日から、また勉強するよ。」
- 93 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 14:24:57
- ぺケもその様子を見て、ホッと胸をなでおろした。
- 94 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 16:18:16
- 翌日、僕とタマは図書館に行った。
帰りに小満津でサンマを食べた。
http://gourmet.livedoor.com/restaurant/18752/photos/detail/29078/
- 95 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 16:32:35
- ぺケもおいしそうにサンマを食べていた。ぺケはサンマが大好きである。
そういえば、サンマは何で秋刀魚なのか、漢字1字ではないのかという疑問がふたたびタマの脳裏によみがえってきた。
- 96 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 21:53:58
- その瞬間ペケは悟った。
地球は生物である、と!
そして暫く考察を続けると飽きて毛繕いを始めるのだった。
ペケの秋刀魚臭のする口元はぺろぺろぺろぺろと、
いつまでも体毛に付着するビタミンを舐め取った。
- 97 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 21:58:26
- 僕は微笑ましくそれを見つめると同時に、
金融危機下における資産管理に余念が無い。
株価下落を見越して信用取引による売り浴びせで、
僕のポートフォリオは前月比368%増の資産を孕んでいたのだ。
(さて、このお金をどうするか)。
- 98 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 22:04:57
- 僕の自由に出来るお金は、
趣味と実益を兼ねて尽く資産運用に回して来た。
所謂信託銀行の真似事を通して、
広く社会や経済システムを勉強する為の教材にして来たのである。
- 99 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 22:11:44
- タマにもいくらか恵んであげようと思ったが、タマはこれを固辞した。
「だってタマホームからの収入があるもん。みのさんも奢ってくれるし。」
- 100 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 22:25:09
- タマ「麻生総理は猫にも給付金をくれるんでしょうね?
くれなかったら、ひよねこ一致団結して、中田横浜市長に抗議に行こうかしら…。」
タマは、未曾有をみぞうゆうと読むアホな総理にイラついていた。
- 101 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 22:53:36
- 「猫に給付金はありません。ミロだけです。」
- 102 :名無しの塾生:2008/11/16(日) 22:55:22
- しかし現実問題、
間違を犯さない人間は皆無なのである。
イラッとしたのも束の間、タマは思い直し気を静めた。
- 103 :名無しの塾生:2008/11/17(月) 20:40:38
- タマ「気を静めるには修行に出るしかないな」
- 104 :名無しの塾生:2008/11/17(月) 21:14:41
- 休むも相場なり、だわね。
タマは修行もしたかったが何より最近の肉体の酷使を戒めた。
「ふぅ・・・蜜柑も林檎も最高だにゃぁ・・・もぐもぐ」
成金と化した僕が買って来た薄型かつ大型の高級TV、
それを見ながらの堀コタツは最高だった。
ちなみに座席部分はデザイナーズソファの特注品である。
- 105 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 05:28:04
- しかし、そんな生活も長くは続かなかったのである・・・!
- 106 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:16:50
- 「今日は、On-Bolo証券の酒井で御座います。
僕さんは御在宅でしょうか?」
オンライン証券会社から電話。
非日常的な事である。
「はぁ、私ですが・・・」
- 107 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:25:51
- 「実は僕さんが信用売りをなさっていたNeAGall株ですが、
内閣府の発表を受けまして急反発しております。
したがって当社と致しましては追証をお願い致したくお電話差し上げました。」
信用売りとは他人の株券を高く売って安く買い戻す事である。差額が利益だ。
追証とは、借金が拡大した時に、元の額で足りなくなった分の担保を上乗せする事である。
- 108 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:33:18
- 僕の現状を図で示すと以下の状況である。
株が値上がりした現時点の状態
借りた物=3,000万円の株券(必要担保:現金900万円)
↑
僕が取引した時
借りた物=1,000万円の株券(差し入れ担保:現金300万円)
- 109 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:42:42
- (必要担保)900万円−(差し入れてある担保)300万円=600万円
つまり僕は今600万円要求されているという事なのだ。
株券1000枚を1,000万円分を借りた時、最終的に株券1000枚を返せば問題ない。
しかし株価が値上がって1枚3万円になった時、1000枚の株券を返すには3,000万円も必要なのだ。
証券会社も普通の客が2000も3000も資金を持っているはずが無いと思い、
期日が来ても株券が戻って来ないリスクに備えて担保の追加を要求したのだ。
- 110 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:45:04
- (>>108-109は面倒なら読み飛ばしの事)
僕は600万円もの請求に度胆を抜かした。
「はうぁっ!!」
- 111 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 16:46:35
- 僕は何か手立てを考える必要があった。
(困ったな、どうにかして600万円用意しないと僕は破産だ!)
- 112 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 17:01:16
- という夢を見ていた。
(ふう、縁起の悪い夢だったなぁ)。
- 113 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 17:43:17
- あいかわらずタマはミロを飲んでいた。バナナが一房あった。
- 114 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 18:40:05
- 「ミロとバナナでミロバナナ・・・」
タマはミキサーでバナナとミロを調合した。
更にミロを濃い原液にし、
チョコバナナの要領でコーティングしたタイプも試作した。
- 115 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 18:45:33
- !これは美味しい。
タマは銀球食品会社に委託生産を依頼した。
「えー、ミロとバナナですか?そりゃ代金払ってくれるならやりますけど・・・」
- 116 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 19:06:18
- スーパー各社に商品を売り込むも大手はどこも相手にしてくれなかった。
- 117 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 20:21:53
- タマはひようらのドトールに行き、店に置いてくれるように頼んだ。
- 118 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 21:39:55
- 「支店が勝手に商品置く訳にもいかないしねぇ・・・」
既存店からは色好い返事がもらえない。
タマは東急と駅広場一角の賃借契約を結ぶ事にした。
これで一歩も退けなくなったにゃ。
- 119 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 22:08:36
- ミロバナナ片手に歩く学生が増えた。
今や日吉駅の名物である。
- 120 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 22:14:40
- タマがオーナーを務める日吉駅のラーメン屋「ねこぽっぽ」でも、
ミロバナナは好評だった。
- 121 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 23:13:34
- しかし、売れてくると必ず登場するものがある。
そう、模倣品だ。大手が資金力を背景にミロバナナをぱくろうとしていた。
- 122 :名無しの塾生:2008/11/18(火) 23:50:20
- タマのミロバナナには大手と差別化を図る武器が2つある。
- 123 :名無しの塾生:2008/11/20(木) 21:35:43
- 包装紙にタマの似顔絵と肉球がプリントされている。
- 124 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 10:08:12
- あと反り返った立派なバナナもプリントされていた。
- 125 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 12:40:16
- いつもひようらのスーパーで買っているものだ。
- 126 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 19:17:06
- ミロバナナはミロを使っているため、当然ながらネスレに使用料を払わなければならない。
そのため、タマはそれほどの利益が得られなかった。
- 127 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 19:17:35
- タマは屋台をペケに任せ、
高級料理を食べ歩いては高級漢方でカロリーオフを繰り返すという
贅沢な生活を送っていた。
「関東のグルメスポットは大抵回ったにゃぁ。」
- 128 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 19:30:02
- タマ「でも、一番のお気に入りは小満津なんですよね」
- 129 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 20:07:11
- タマ「小満津定食を食べるのがちょっとした贅沢なのよねー。すごいボリュームでお腹イパーイになるし。幸せ幸せ♪」
- 130 :名無しの塾生:2008/11/21(金) 22:23:39
- タマはひようらの顔である。
定食を食べらすたを喰らいつぼ八で呑んでも太らない体質をも持っていた。
「東急のお歳暮セット自分の為に買っちゃおうかしら。凄く楽しそうな商品が沢山載っているのよねぇ。」
- 131 :名無しの塾生:2008/11/22(土) 20:02:51
- タマがひようらを歩くと子供たちが寄ってきてサインをねだる。
- 132 :名無しの塾生:2008/11/22(土) 20:42:50
- 「Hahaha,ok kids.I'll give you fucking awesome autographes.」
こういう時タマは舶来猫のふりをする。
つまり地味なストレス発散なのである。
数日後ヤフオクに出品された自分のサインを見て、
寂しい気持ちになったのであった。
- 133 :名無しの塾生:2008/11/22(土) 20:51:31
- タマのバナナは大きく反り返っていた。
- 134 :名無しの塾生:2008/11/22(土) 20:59:48
- 昨日、ひようらのスーパーで買ってきたものだ。
- 135 :名無しの塾生:2008/11/22(土) 21:15:03
- 自分のサインが誰にも入札されないのを見て、自分で入札したタマであった。
- 136 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 18:15:18
- たまは世界の現状を見ていた。
原油高によって築かれた砂漠の摩天楼。
建築が中断された発展途上国の新鋭商業地区。
(世界の経済を手に入れるにゃ・・・この世界を手に入れる!)
- 137 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:23:32
- 一転街の往来を眺める。
片肘をつき虚ろな目で煙草をふかす営業者の男。
昼間から娯楽施設に金銭を浪費する社会不適合者。
熟れた社会の負の部分が溢れていた。
- 138 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:26:18
- タマ近影
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1172234040/754
- 139 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:27:46
- 現代で最大の武器になる知力の向上を図らず、
怠惰な人生を望む余り自ら落とし穴に侵入していく愚者の群れ。
たまと彼等が経済戦争をした時、
手の平で踊るのはどちらか既に明白だった。
- 140 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:36:05
- 富裕な国内市場に終始した各業界は今、海外に発展の機会を求めている。
固定費が安く、国内の様に過当競争が無いばかりか莫大な需要が眠っているからだ。
そう世界の競争は激化しているのだ。
まるで世界大戦の代理戦争をしているかの様である。
(だから、心の治癒が金を産む!)
- 141 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:46:24
- 国内でリラクゼーション製品のシェアが伸びている。
女性の社会進出はその独特の需要をも進展させていたのだ。
過激な経済戦争に渇望される魂の平穏、
既に産業は興っているが彼女には差別化を図る自信があった。
「たま極楽安堵co.ltd.を作るにゃ!」
- 142 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:51:29
- タマは国際化に備えて会社名を英名にした。
heaven&peaceful co.ltd.である。
そして葬儀会社に良く間違われた為、H&Pとして洒落た雰囲気を付与した。
- 143 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 19:54:15
- 思い直して、BANANA-BINBIN.corporationに社名を変更した。
- 144 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 20:05:03
- タマはまたミロバナナを食べていた。
- 145 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 20:12:42
- たまの目は恍惚としている。
- 146 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 22:44:27
- たまは歌を歌い始めた。
その曲は、
―――――――さよなら人類
- 147 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 23:07:21
- タマがカラオケで歌うのは、もちろん「Mi-Ke」である。
- 148 :名無しの塾生:2008/11/23(日) 23:28:17
- タマはリモコンが扱えないので、僕が操作してあげるのだ。
- 149 :名無しの塾生:2008/11/24(月) 19:57:13
- タマは猫なで声で歌を歌う。
- 150 :名無しの塾生:2008/11/24(月) 20:10:06
- バナナ〜はどーこへいったかな♪
バナナン バナナン バナナ♪
- 151 :名無しの塾生:2008/11/25(火) 19:11:22
- 「金・金・金、そろそろ飽きたにゃ・・・。」
たまの周辺には有象無象の亡者が寄ってくる。
玉の輿に乗りたい浅はかな女、金の欲しい低俗なチンピラ、
金をせびりに来る親戚等々である。
- 152 :名無しの塾生:2008/11/25(火) 19:13:57
- 武蔵小杉の豪華マンションから見降ろす下界は何処か寒々しかった。
雲1つ無い空とロマンチックな星空と華美なインテリアがもたらす至福は、
一ヶ月もすると慣れてしまっていた。
高い外車で人々の注目を浴びる事にも飽きた。
- 153 :名無しの塾生:2008/11/25(火) 19:17:21
- 繰越利益剰余金は順調に増えていき、終いには慈善活動もやってみせた。
(でも、或る程度慣れると皆飽きてしまうにゃ)。
- 154 :名無しの塾生:2008/11/26(水) 18:32:02
- 美しい夜空が広がっていた。
クリスマスが近く街の華やぎがタマにも感じられる。
冬の空気の中遠くの方をずっと眺めていた。
- 155 :名無しの塾生:2008/11/26(水) 20:00:24
- タマはこれまで恋仲の猫がいない。
- 156 :名無しの塾生:2008/11/26(水) 20:07:11
- タマは賢すぎるので雄が寄ってこないのだ。
- 157 :名無しの塾生:2008/11/26(水) 22:03:17
- タマはハイスクール時代は成績優秀、しかもなかなかの容姿を備えていた。それなりに自信もあった。
猫にとっては最高峰とされる大学への合格も確実と言われていた。しかし、これも運命なのか、タマは不合格であった。
そして、滑り止めのつもりで冷やかしで受けた慶應に来たのである。だから慶應にいるひよねこのことをまだ心からは好きになれない。
それがひよねこたちにも伝わっているのだろう。彼らも一線を越えようとはしなかった。
そんなタマは、タマが落ちた最高峰の大学に合格し、ネット上でもアイドル扱いをされている、ある雌猫に心のどこかで嫉妬していた。
- 158 :名無しの塾生:2008/11/26(水) 22:38:20
- その猫こそがミケだ。
- 159 :名無しの塾生:2008/11/27(木) 13:52:14
- タマはミケに対する攻撃をネット上で行うことがたびたびあった。
タマが慶應ちゃんねるを時々覗くのも、そこに似たような境遇の人間がいたからなのかもしれない。
- 160 :名無しの塾生:2008/11/27(木) 17:21:27
- 番狂わせとは恐ろしい物である。
だが彼女を知る者はその神々しいまでの実力を知っている。
次元の違う存在である事を。
そして、社会に出ればそういう矜持を霧散させ、
悟りを開いた人間にこそ真の人の脈が出来る事も彼女は知ったのだろう。
- 161 :名無しの塾生:2008/11/27(木) 18:57:27
- はじめはケイオークソを見下していた彼女であったが、
いつしかその場所が彼女にとって必要不可欠なコミュニケーションの場となり、
夜な夜な出現しては幅広い観点から多くの塾生と議論を繰り広げ、
いつしか塾生や塾員の相談役的役回りをこなしていたのであった。
- 162 :名無しの塾生:2008/11/27(木) 20:02:39
- ミケさん、マタタビがばれて退学になりそうです。
どうしたらいいですか?
こういう落ちこぼれの質問にも懇切丁寧に回答するミケであった。
- 163 :名無しの塾生:2008/11/28(金) 00:10:36
- 一方のタマは、こんな質問には答えるどころか、
「規則が守れないなら退学になって当たり前じゃん。これだからケイオークンは困るんだよね」と答えるだけであった。
それはさておき、ミケである。
- 164 :名無しの塾生:2008/11/28(金) 19:35:36
- ミケには秘密があった。
- 165 :名無しの塾生:2008/11/28(金) 21:21:33
- ミケにはタマがあった。
- 166 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 00:37:09
- タマにはバナナがあった。
- 167 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 07:23:59
- >>166は商坊である。
奴は下ネタが好きな低俗な人間なのだ。
- 168 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 08:13:37
- タマはミロバナナを作るためのバナナを持ち歩いていた。
いつでも思いついたレシピを試すためである。
ちなみに>>167は商坊の自作自演である。
バナナがなぜ下ネタになるのか、まともな感覚の持ち主には理解できないからである。
それはさておき、ミロバナナである。
- 169 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 09:12:33
- こうして
・商坊に間違われている事
・すぐ憤り、未だに精神が幼稚である人間性を露見させてしまっている事
が匿名のネット上からでも読み取られてしまうのである。
僕の読みは大分当っていた。
慶應チャンネルには「こいつ」が結構な頻度で書込みをし、
商坊の名無し潜伏による書込みに対して疑心暗鬼になっているのだ。
- 170 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 09:15:21
- ペケに任せた店は何とか利益を出していた。
「お姉ちゃんそろそろ引き上げ時だと思うよ」
最盛期より売上が落ちているのだ。
- 171 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 09:55:04
- タマ「何かアイデアはないの? あなた出番が少ないんだから頑張りなさいよ」
169が必死な件については、だれも言及しなかった。
- 172 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 09:57:28
- タマ「必死なのはあたしの方よ!」
- 173 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 10:35:09
- 混沌の状況を切り開くのはいつでも閃きである。
- 174 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 11:52:51
- タマは背に腹は代えられぬという思いから、あれほど嫌っていたミケに相談することにした。
- 175 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 15:33:16
- タマ「日吉駅のラーメン屋のお客さんが減ってきてるの、どうしたらいいと思います?」
- 176 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 17:16:07
- 内なる声(旅に出なさい・・・そこで答えが掴めるでしょう・・・)
資金もあるしタマは北へ旅立った。
- 177 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 17:28:26
- 実は、タマは鉄子である。
今回はこういう旅にしてみた。
http://doron.allabout.co.jp/1/217855/1/product/217855_14.htm
- 178 :名無しの塾生:2008/11/29(土) 22:40:45
- タマは考えた。自分が店を何日間も空けて大丈夫だろうか・・・。
- 179 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 08:21:08
- ペケ「何言ってるんだよ、最近、お姉ちゃん店にほとんどいないのに。」
- 180 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 14:33:48
- タマはまた考えた。ペケの出番が今まで以上になくなる・・・。
- 181 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 18:18:03
- ペケとしてはそれでも良かった。
姉に口出しされるのはそれなりに煩わしかったのだ。
- 182 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:03:29
- タマは鄙びた田園風景をぼんやりと眺めていた。
彼女の乗車するローカル線は歴史が染み込む古い木とタールの香りが漂っていた。
(何だか落ち着くわね)
ここではタマを急かす物は何も無い。
- 183 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:06:58
- あれは夏の日だった。
昼に下校する日で、学校から帰ったタマを母親が素麺で迎えてくれた。
冷えた素麺を啜りテレビで茶の間を対象にしたバラエティが流れていた。
夕方家族で食事に出掛ける予定を聞かされた後、友達の家へ遊びに出掛けた。
- 184 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:10:08
- ガタンガタン。
ワンマンの電車は2車両の隊列を組み、のどかな田舎を進む。
(そういえば、あの頃は只遊ぶ事ばかり考えていたっけ)。
才覚故に塾も苦痛では無かったが、やはり遊ぶ事の方に夢中になっていた気がする。
- 185 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:14:14
- 小川のせせらぎに、
成人の胸辺りまでの高さしかない小さな陸橋が覆い被さっている。
きっとあの下には可愛らしい生き物が暮らしているに違いない。
自然と人工物が調和しているかの様に見えた。
- 186 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:20:22
- 遠くの方に目をやると晴れ渡った土曜日の空を背景に、
薄らと山脈の青がグラデーションを作っていた。
一面を青と水色に囲まれたこの土地は、
あたかも生き物としての幸せに満ちているかの様な錯覚を与える。
- 187 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:21:40
- タマは少し瞼が重くなるのを感じ、そのまま自然に任せて目を閉じた。
- 188 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 19:47:26
- 気が付くと、タマは稚内に着いていた。
- 189 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 20:12:50
- 日本の最北端でタマのバナナは大きく反り返っていた。
- 190 :名無しの塾生:2008/11/30(日) 20:19:03
- 出発前、ひようらのスーパーで買っておいたものだ。
タマは、いつもミロバナナのことを考えているのだ。
- 191 :名無しの塾生:2008/12/01(月) 23:02:50
- タマ「ミロババナもいいけど、今日はカニを食べないとね」
- 192 :名無しの塾生:2008/12/01(月) 23:40:37
- 私は貝が食べたい・・・
どこからともなく中居君のダミ声が聞こえたような気がしたタマであった。
- 193 :名無しの塾生:2008/12/02(火) 21:15:07
- タマは顔なじみの店に入った。
「おやじさん、ホタテとタラバをお願い!」
- 194 :名無しの塾生:2008/12/02(火) 23:05:47
- 「え? ここはペットショップですけど…」
- 195 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 15:57:25
- 瞬間貝柱が宙を舞った!
「キシャー!」
二枚貝の飛翔の軌跡上にはピッと血潮を飛沫くタマの頬があった。
- 196 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 18:53:57
- タマは仕返しに野生の帆立とタラバを喰らってやった。
- 197 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 19:23:37
- その直後、タマはその場に倒れた。あたったのである・・・!
- 198 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 20:10:49
- タマは即座に雪でカマクラを作成し治癒体制に入った。
店主(あぁもう迷惑だなぁ)
- 199 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 22:49:01
- タマはクラーク博士のことを思い出していた。
博士ならこんなときどうするんだろう・・・
- 200 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 22:55:40
- 博士「タマ君よ、タラバを抱け」
- 201 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 22:57:50
- タマは魚臭くなるのも構わず、タラバの殻を抱いてガクガク凍えていた。
- 202 :名無しの塾生:2008/12/03(水) 23:08:16
- そして、だんだんと意識が遠のいてきた。このまま、どうなるんだろう…。
- 203 :名無しの塾生:2008/12/04(木) 16:16:01
- タマはカニの殻を被った男の幻覚を見ていた。
カニ男「I'm crab people. Now you gonna be one of my brothers.」
体操着の男の胸には名札が付けてあった。
〜syob・・・〜
全部見きる前に幻覚は消えたのだった。
- 204 :名無しの塾生:2008/12/04(木) 19:49:06
- 気が付くとタマはホテルの一室にいた。
「お姉ちゃん、あんな所でカニを抱いて寝てたら死んでしまうよ。」
目の前にはペケがいた。
タマはあたりを見渡したがカニはどこにもない。
恐らくペケが平らげてしまったのだろうが、助けてくれたお礼ということで、
そのことは口に出すのをやめた。
- 205 :名無しの塾生:2008/12/06(土) 10:26:07
- カーテンの陰(craaaab people craaaab people・・・)
- 206 :名無しの塾生:2008/12/06(土) 16:54:52
- それにしても、何でこんな目にあうのか。
タマはこの段になって、ミケの陰謀説を疑い始めた。
- 207 :名無しの塾生:2008/12/06(土) 19:50:21
- ミケはタマの潜在能力に恐怖を感じていた。
- 208 :名無しの塾生:2008/12/07(日) 00:04:17
- 元はと言えば、カマクラを作りタラバ蟹を自ら抱いたタマの責任ではある。
タマ「何だか全てどうでも良くなってきたにゃ・・・」
- 209 :名無しの塾生:2008/12/07(日) 00:08:31
- タマは疲れていた。
そして、資本の力を使い、
スイートルームの沈み込むベッドで泥の様に眠った。
- 210 :名無しの塾生:2008/12/07(日) 18:16:07
- タマは北海道に来た目的をもう一度見直すことにした。
- 211 :名無しの塾生:2008/12/07(日) 21:57:55
- 北海道のジャスコにはバナナがいっぱいあった。
- 212 :名無しの塾生:2008/12/07(日) 23:20:31
- すでに皮がむけてしまったものもある。
- 213 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 00:52:37
- という夢を丸5日間眠っている間、見続けた。
- 214 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 14:16:58
- タマはこの夢から、経営再建・躍進のヒントを得たとか得ないとか。
- 215 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 16:38:32
- ピコーン!
タマは思い付いた。
そうだ、アメリカでビッグな夢を叶えよう。
大西洋の夕暮れの海岸沿いをオープンカーで走り抜けよう。
- 216 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 18:59:46
- ぺケ「よく言うよ。経営再建が先じゃないの」
- 217 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 19:28:48
- 売上が最盛期より落ちるのは自然な事である。
テイクオフ後にハードランディングをしない事こそ肝心なのだ。
タマはホテルの雑誌置き場で見たNEKOSIDENTの受け売りを言った。
- 218 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 19:30:58
- そしてキャンペーンやマイナーチェンジ等、
販促・販売刺激策を絶やさぬ様言い付け機上の人となった。
(ふふふ、壮大なオーシャンビューが私を待っているわ!)
- 219 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 20:25:19
- でも、タマは運転免許を持っていない。
- 220 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 21:05:34
- タマはタコベルへ向かった。
- 221 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 23:01:53
- タマはミロバナナを売り込んだ。
- 222 :名無しの塾生:2008/12/08(月) 23:07:44
- 現地の食習慣にそぐわないミロバナナは、さっぱり売れない。
- 223 :名無しの塾生:2008/12/09(火) 07:50:46
- タマは仕方なく日本へ帰った。
- 224 :名無しの塾生:2008/12/09(火) 09:44:59
- アメリカのネタに疎いのだ。
しょうがないので日本で作戦を練る事にした。
- 225 :名無しの塾生:2008/12/09(火) 21:55:29
- タマ「魚介類の好きな日本人と猫は、味覚が似ているんだよね」
- 226 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 06:54:17
- 今は世界的に魚介類が好まれている。
しかし、日本人以上の味覚を持った人間はいない。
そして、日本人に育てられている日本猫以上の味覚を持った猫もいない。
まずは日本で成功しよう。タマは決意を新たに、再スタートをちかった。
- 227 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:10:58
- (人生は不可思議で躍動感に溢れている・・・)
宇宙の法則に従って瞬く星々は人体に得体の知れぬ情動を与えた。
僕の眼前に広がる星の海。
- 228 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:18:04
- 恒星がその命を終えるまでに我々は何度滅びて来たのか。
まるで吹けば飛んでしまう様な儚い存在が無限の輪廻を繰り返して来たのだ。
或る時は漁夫として、或る時は母猿にしがみ付く野猿の子として、地球の元素として循環して来た。
- 229 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:20:40
- そう化学物質である。
我々は夥しい化学物質の結合体なのだ。
大地へ還り、形態を変え、再び生命へと結実する無限の旅人である。
- 230 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:24:46
- タマは我に返り、日本での再度成功をめざし、東京に戻った。
まずはミシュランガイド掲載を一里塚とした。
- 231 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:25:50
- 僕の頬にスッと一筋の涙が走る。
生命の壮大さに魂が震えたのだ。
この母なる大地が僕に与え給うた血潮が熱くなるのだ。
(生きるとは・・・眩しい生命の奔流。全ての物が輝きに舞う)
- 232 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:29:54
- 僕は東京タワー50周年で一通り感動に浸ると現実へ返った。
(さて・・・気晴らしも出来たし帰って勉強しようかな)
- 233 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 18:34:24
- タマは我に返り、日本での再度成功をめざし、東京に戻った。
まずはミシュランガイド掲載を一里塚とした。
- 234 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 19:51:42
- タマはラーメンのスープ作りに専念した。
- 235 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 20:49:25
- ぺケが言った「ミロバナナはどうするの?ずっと切り盛りしてきたのに」
- 236 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 21:41:10
- タマ「ラーメン屋は私の原点。そこから再出発するのよ」
- 237 :名無しの塾生:2008/12/10(水) 23:21:28
- ミロバナナは僕がぺケを手伝ってあげることにした。
- 238 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 16:42:57
- 夕暮れ空に白雲が漂っていた。
嗚呼今日も一日終わるのだな、
勉強に明け暮れていた僕は背を伸ばした。
- 239 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 16:46:53
- 大きくて良く磨きこまれている出窓は、
タマやミケ達の日頃の努力の賜物である。
薄らと朱が混じる空の下には多種多様な社用車が地上を駆け回る。
- 240 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 16:48:50
- 小高い丘になっているこの家に付けられた出窓。
このキャンパスには美しい自然と都市が綺麗に調和していた。
- 241 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 16:53:18
- (さて・・・夕方のピークが来るからペケのヘルプに入らないとな)
僕は差し入れにネコビタンDを持って日吉駅の方に向かう。
綱島街道の長い信号待ちを運良く5秒程で抜けると僕は目の前の光景に唖然とした。
(あの子は一体何をやっているんだ・・・)
- 242 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 16:55:36
- ペケは勝手にバイク屋の営業を始めていた。
- 243 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 17:31:31
- バイクと自転車を扱う店だ。
ペケ「アルベルトで寄り道したら、変な猫に会いましたー♪」
- 244 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 19:12:06
- 戦車も動くV6000エンジンを搭載した自転車が完成していた。
シャシーはダマスカス鋼で出来ている高級仕上げである。
- 245 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 20:10:55
- その自転車でラーメンの出前を始めるのだ。
- 246 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 20:42:01
- ミロバナナの純利益は全て無駄な高性能の実現へ費やされた。
言い換えると屋台ながらかなり儲かっていたという事である。
- 247 :名無しの塾生:2008/12/11(木) 21:00:21
- 今でも日吉駅の「ねこぽっぽ」には日本各地から猫とラーメンが好きな人が集まってきていた。
- 248 :名無しの塾生:2008/12/12(金) 20:03:51
- 今日も僕は知能の限りを尽くして闘った。
嗚呼ゼミの議論は戦場である。
勿論、人間の限定合理性を突破すべく議論は行われるが、
論壇の煌めきは能力顕現の輝きでもあるのだ。
「頭は常に研ぎ澄ましておかなきゃね。」
- 249 :名無しの塾生:2008/12/12(金) 20:07:59
- あまり論者を萎縮させては良い意見が封殺されてしまう。
能のある者数人が喧々諤々するだけでは、チームの生産性は未熟なレベルに抑えられてしまう。
各人がその持てる核を融合させ議論を凄まじく爆発させる、
そういう熱さがあって初めて生産性の高さを爆誕させる事が出来る。
- 250 :名無しの塾生:2008/12/12(金) 20:11:41
- 最強の人間の存在?それは幼稚な考えである。
近代市民社会然り、WEB2.0然り、人間の融合エネルギーは凄まじい。
どれほど尊い個人が居た所で、集団の前では塵に等しい無力な存在である。
(さて、ねこぽっぽに夕御飯食べに行こうっと)
- 251 :名無しの塾生:2008/12/12(金) 20:55:33
- ねこぽっぽは駅長室を改造して作っているだけあって、
なかなか豪華な店構えである。
- 252 :名無しの塾生:2008/12/12(金) 21:08:00
- 僕のバナナは大きく反り返っていた。
- 253 :名無しの塾生:2008/12/13(土) 10:39:27
- 僕は半チャーラーメンのセットを注文した。
- 254 :名無しの塾生:2008/12/13(土) 14:20:50
- 久し振りにタマが作ったラーメンを食べた。
なかなかおいしい。
- 255 :名無しの塾生:2008/12/13(土) 14:28:19
- タマ「ぉ、おいっち! おいっちっ!」
- 256 :名無しの塾生:2008/12/13(土) 17:59:13
- 僕「ぉ、おいっち! おいっちっ!」
- 257 :名無しの塾生:2008/12/14(日) 11:09:52
- やはり、タマが店にいると客足が伸びるようだ。
- 258 :名無しの塾生:2008/12/15(月) 19:06:32
- タマは招き猫である
- 259 :名無しの塾生:2008/12/16(火) 19:41:25
- 店が暇なとき、タマは店の前で招き猫のふりをすることがある。
- 260 :名無しの塾生:2008/12/16(火) 21:01:49
- 招き猫のバナナは大きく反り返っていた。
- 261 :名無しの塾生:2008/12/16(火) 21:04:18
- タマのバナナは伸びるようだ。
- 262 :名無しの塾生:2008/12/16(火) 21:11:08
- タマには各地の駅から1日駅長の依頼があった。
- 263 :名無しの塾生:2008/12/17(水) 00:27:59
- タマの金玉は大きいようだ
- 264 :名無しの塾生:2008/12/17(水) 08:46:04
- タマは日吉駅の1日駅長を受けることにした。
- 265 :名無しの塾生:2008/12/17(水) 20:16:22
- タマはすでに日吉駅の駅長である。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1121004438/608-614
- 266 :名無しの塾生:2008/12/17(水) 21:05:19
- 頭の中が混乱し、タマのバナナは暴発寸前だった。
- 267 :名無しの塾生:2008/12/17(水) 22:08:20
- タマは元住吉の駅長を兼ねることにした。
- 268 :名無しの塾生:2008/12/18(木) 21:01:41
- タマ「今年のクリスマスはミロバナナだね」
- 269 :名無しの塾生:2008/12/18(木) 21:54:22
- タマのバナナは暴発寸前だった。
- 270 :名無しの塾生:2008/12/18(木) 22:10:51
- タマはミロバナナの事業を今後どうしようか考えていた。
まずはクリスマスセールを打つか否か。そして来年は…。
- 271 :名無しの塾生:2008/12/18(木) 22:15:08
- クリスマスセールが成功すれば来年もミロバナナを続けよう、
タマはそう思った。
- 272 :名無しの塾生:2008/12/18(木) 23:16:35
- さて、やや出遅れ感のあるクリスマスセール。どうしようか。
これまでのやり方では通用しない、それだけはわかった。
- 273 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 07:48:58
- 「朝ミロバナナがいい!」と宣伝しよう。
- 274 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 15:45:39
- タマはサンタさんの格好をして、朝ミロバナナ、略して朝ミバを売り出した。
元住吉駅長の強権を発動して、販売エリアも拡大した。
もちろんペケも僕もサンタさんとトナカイさんの格好をして手伝うことになった。
- 275 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 19:26:55
- 思いっきりテレビでも朝ミバを取り上げてくれた。
- 276 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 20:03:06
- (「思いっきりイイテレビ」にて)
みの「やあタマちゃん! 元気〜? 朝ズバにあやかって朝ミバにしてくれたんだって〜? 今度飲みに行こうね〜」
「いいですか奥さん。朝にはミロバナナ、朝ズバ見ながら朝ミバですよ。え?他局の宣伝するなって? あ〜すいませんね(会場笑)」
はたして、その日の夕方から、ミロバナナは売れに売れた。
タマは急いで材料の緊急追加を始めた。ペケも僕も一生懸命働いたのだった。
- 277 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 20:09:06
- 日吉のスーパーからバナナが全て消えた・・・
- 278 :名無しの塾生:2008/12/19(金) 20:55:04
- ミロバナナの評判は一気に全国区になった。
バナナダイエットブームが一段落したのも束の間、それをはるかに上回る勢いでバナナはなくなった。
ミロバナナは大ヒットであった。来年も、ミロバナナを販売していくことに決めた。
タマは莫大な財産をまた築いたのであった。
- 279 :名無しの塾生:2008/12/20(土) 20:26:43
- タマは大学に寄付をして、「タマ記念ホール」が建設された。
- 280 :名無しの塾生:2008/12/20(土) 21:13:50
- 後の「タマキンホール」である。
- 281 :名無しの塾生:2008/12/20(土) 21:54:14
- タマ近影
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1172234040/754
- 282 :名無しの塾生:2008/12/21(日) 10:39:19
- ミロバナナのミリオンヒットは、大きな弊害をもたらした。
バナナ栽培用農場建設のため、東南アジアの熱帯林伐採が加速したのである…!
タマは、大きな衝撃を受けた。
- 283 :名無しの塾生:2008/12/21(日) 12:15:03
- タマはミロバナナの販売中止を決め、ラーメン屋に専念することにした。
- 284 :名無しの塾生:2008/12/21(日) 13:52:42
- ラーメン三郎という名前はどうだろうかとかんがえた。
- 285 :名無しの塾生:2008/12/22(月) 20:43:42
- そんなことよりラーメンだ。
まだ、タマにとって納得のいくスープが完成していない。
- 286 :名無しの塾生:2008/12/22(月) 22:43:41
- タマはラーメン三郎を留保しつつ、スープづくりに専念した。
- 287 :名無しの塾生:2008/12/22(月) 23:43:30
- そして、我慢に我慢を重ね、ようやくできたスープをタマは「ガマン汁」と名づけた。
- 288 :名無しの塾生:2008/12/22(月) 23:46:42
- さらにタマは彼女にお汁粉を作ってもらうことにした。
お汁粉を食べてたら、アンコが多いことに気づいた。
そこでタマは「おまん汁」と名づけることにした。
- 289 :名無しの塾生:2008/12/22(月) 23:52:14
- ついでにオムライスもセットとして売り出すことにした。
オムライスとアンコの組み合わせなので、タマはこれをオムアンコ定食と命名した。
- 290 :名無しの塾生:2008/12/23(火) 00:29:15
- ぺケ「それは没だね」
僕「まずいし、売れないよ」
タマは一からやり直しを余儀なくされた。
そもそもラーメンなんて向いてなかった。
- 291 :名無しの塾生:2008/12/23(火) 08:55:34
- 苦悩するタマのバナナは大きく反り返っていた。
- 292 :名無しの塾生:2008/12/23(火) 09:19:03
- タマが作るスープは魚介類をベースにしたすっきり系なのだが、
今ひとつコクが足りないのであった。
「海産物で何かコクがあるものを隠し味に使いたいな・・・」
- 293 :名無しの塾生:2008/12/23(火) 09:49:33
- タマは隠し味に自分のガマン汁を入れてみた。
- 294 :名無しの塾生:2008/12/23(火) 11:32:15
- イカの風味が新鮮だった。
- 295 :名無しの塾生:2008/12/25(木) 20:05:20
- タマはあんきもとかウニとか色々試してみた。
- 296 :名無しの塾生:2008/12/25(木) 22:18:59
- 「よし、僕の大好物も入れてみよう!」
そう言うとタマはラーメンの中に新鮮なネズミを入れてみた。
- 297 :名無しの塾生:2008/12/26(金) 12:43:36
- アクセントにバナナの輪切りをトッピング。
- 298 :名無しの塾生:2008/12/26(金) 20:12:18
- ラーメンにバナナは奇異な組み合わせだが、これが意外にイケた。
- 299 :名無しの塾生:2008/12/26(金) 21:14:05
- タマはラーメンバナナを売り出すことにした。
- 300 :名無しの塾生:2008/12/26(金) 23:25:20
- これは爆発的に売れた。
このラーメンの熱心なファンはタマラーと呼ばれ、週末になると109の
前には屋台が並んだ。
- 301 :名無しの塾生:2008/12/26(金) 23:56:11
- タマはいろいろな企画を考えた。
たとえば、ナルトの裏にタマのイラストが描かれていれば無料、など。
これはそこそこ当たった。集客も伸びた。
- 302 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 00:07:23
- タマのバナナも大きく伸びた。
- 303 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 01:21:47
- 再び順調にいきはじめたかのように見えたが、
タマはショッキングなニュースを知った。
飲み友達で、あの名司会者である、みのもんたが番組を降板するというのだ。
タマがタマホームに名義を貸していて、そのCMにみのさんが出演していることから交友がはじまっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081226-00000012-maiall-ent
タマは暫し呆然とした。
- 304 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 11:40:41
- 相変わらず元気なのはバナナだけであった。
- 305 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 12:10:31
- タマは少し休むことにした。
店舗の経営はぺケと僕に任せて、日吉キャンパスに行くことにした。
- 306 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 16:46:50
- タマは図書館で勉強を始めた。
- 307 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 17:56:43
- 次第に悶々としてきた。
- 308 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 18:14:58
- タマは公ニャン会計士になることを決意したのだった
- 309 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 18:28:42
- そこで受験科目の一つである簿っ記の勉強を始めることにした。
- 310 :名無しの塾生:2008/12/27(土) 21:24:50
- 隣を見るとあのミケがいた。
なぜ、ここにいるのだろう。
- 311 :名無しの塾生:2008/12/28(日) 10:04:37
- タマはミケの勧めで受験から得たノウハウを元に自己啓発本を出版した。
「日本人よ今こそ目覚めよ」
「地頭の心得①雑念は○のリソースを○・・・(本当)」
「地頭の心得②脳と○は○○しているので○○を・・・(本当)」
・
・
・
「勉学には生理的な王道がある。それは○○・・・(本当)」
どれも読んだ瞬間から漸次実益を発効する内容だったので本は爆発的にヒットした。
- 312 :名無しの塾生:2008/12/28(日) 19:26:20
- しかしここで読者からクレームがついた。
「ネコの通る道はたとえ勉学であっても王道ではなく、ケモノ道ではないのか?」
タマは頭が割られるような衝撃を覚えた。
- 313 :名無しの塾生:2008/12/29(月) 08:00:55
- タマは剃髪し出家した。
- 314 :名無しの塾生:2008/12/29(月) 16:30:07
- パイパン和尚の誕生である。
- 315 :名無しの塾生:2008/12/29(月) 21:24:29
- タマは俗世を離れ、山の深くで解脱のため、過酷な修行を始めた。
山にこもって三ヶ月もたった頃だろうか。
タマの体も痩せ細り、日々の糧たるわらびと葛の芽を刈り、鍋に煮ようとしていたタマに、
ひとつの面影が浮かんだ。
『僕』だ。
- 316 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:31:20
- タマは悟った。
僕君も自分もいつか死ぬ。
肉体は不可避的な死に蝕まれている、と。
- 317 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:35:32
- 見よ。
朝靄に包まれるこの高山も中腹に広がる美しい高原帯も、
全ては儚い限界を宿命に背負うから麗しい生命の光輝に満ちているのだ。
- 318 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:38:27
- “おちょんげちょ〜ん!”
僕からの意味不明なメールだ。
いつものタマなら堪らなく興醒めし無視する所だが、今日はクスりと笑えた。
どれ返信してやろう。
“ニンニクは、口と尻とで二度香る”
- 319 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:43:33
- 霊気漂うこの秘境にも電波は届くのだ。
倭国に生を刻んで来た古人はこの時代をどう感じるだろうか。
山は自らを訪れる全ての時代の思念をただ悠然と受け止めていた。
- 320 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:49:48
- 小さな頃は万能の人間を夢見た。
現実を知ってからは限界が持つ逆説的な美しさを知った。
この肉体は一滴の鉛球にその活動を停止せしめられ、
地球を覆う知のうねりの前には一人の愚者と化す。
だが、これが現実だ。
だからこそ、現実で眩しく輝く道が見つかった。
世界は美しかった。
- 321 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:52:38
- 人々はタマを褒め称えた。
鋭く集中された意識は問題の要点を貫き、
熟練の職人の手による太刀の様にパッと解決をもたらした。
「何と頭のキレる猫だ」
- 322 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:55:45
- 心技体は現代にも実益がある。
脳・精・肉を生理科学的に適した様に扱ってやれば、
生物はDNAの限界を超え現人神の如く能力を発揮する。
「何と素晴らしい猫!現実に降臨した形而上の如き存在!」
- 323 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 09:58:22
- 若者はここで驕るのだ。
「我こそは地上で最も尊く稀有な存在なり」
誰もがそうだ。
20歳前後は内に秘めた驕りもあって血気盛んなのである。
- 324 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 10:01:19
- 或る人はその力を遊びに出力し、
或る人はその力を己の研鑽に使い、
或る人はその力を教養の蓄積に用いた。
その力に気づけなかった人だけが地べたから天を見上げた。
自尊心との不可解な矛盾が分からず、恨めしそうに。
- 325 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 10:07:37
- タマは考える。
「もし日本人が皆、この力を得たら?」
間違いなく世界は日本の力に再度驚愕する事になる。
エコノミックアニマル所ではない。
「日本は地球上で最も気高いセントラルリージョンになる」
- 326 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 10:10:56
- 最高率の休息と最高率の勉学・業務。
全ての人々に充実感が溢れ英意有る競争を繰り広げる。
そこに疲労や逃避の文字は無い。
現実と闘う事が嬉しくて堪らないのだ。
- 327 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 10:17:09
- 一族・同胞と血の通った絆を結びながらも、
一度経済紛争最前線に降り立てば鬼神の如く力を振るう。
そんな民族。
科学最高位の使役者を最大数抱え、
世界中から富を集める抜群の商人連隊を擁する。
豊かな心と最大限に高められた能力の保持者達。
- 328 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 10:23:19
- 「私にはそんな民族を育てる宿命がある・・・!」
タマの野望は果てしない。
既にノウハウの蓄積は進んでいた。
日本に千年王国が出来る少し前、
夜明け手前の陰惨な時代のひとコマであった。
- 329 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 12:01:51
- タマは新年を霊山で迎えようとしていた。
- 330 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 12:11:30
- タマは妄想を膨らませ続けた。
バナナのほうもパンパンに膨張していた。
- 331 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 12:42:45
- >>330は間違っていると僕は思った。
『この物語を読み返すがいい。
バナナは伸びたり、膨張するのではない。
反り返るものなのだ。』と。
- 332 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 12:52:37
- そう、タマのバナナは実体からかけ離れたバブルによる膨張であった。
バブルはすでに弾けた。
タマは心を改め、これからはもの作りに専念しようと決心した。
- 333 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 13:10:11
- バブルか物造りかの極端な選択では通用しないのだ。
「お金も技術も要領良く使いこなす者が勝つのよ」
タマは毎度出現するバナナをパンパンにする技術で出荷する事にした。
利潤は直ちにニャン信金の劣後債に割り当てる事で、更なる利殖の原資にした。
- 334 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 16:50:43
- タマは年越しそばを食べるため、ひようらに帰ってきた。
- 335 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 17:45:31
- しかし、手持ちのお金がなかった。
- 336 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 17:56:07
- タマはねこぽっぽに入った。
ペケ「お姉ちゃん、どうしたんだよ?」
- 337 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 19:41:18
- 「カネがないのじゃ」
- 338 :名無しの塾生:2008/12/31(水) 20:09:57
- ペケ「お姉ちゃん、キャラ変わった?」
- 339 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 15:29:54
- タマは疲労から老けてしまったのだ・・・。
- 340 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 16:51:08
- タマはラーメンを食べて年を越した。
「今年も頑張ります」
- 341 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 17:20:03
- しかしここで通りすがりの幼稚園児からクレームがついた。
「年越しで食べるのは蕎麦ではないのか?」
タマは頭が割られるような衝撃を覚えた。
- 342 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 18:50:03
- 最近のタマのリアクションには光る物があった。
- 343 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 19:58:35
- タマは素直に蕎麦を食べて考えた。
そうだ、猫の世界の構造改革なら自分の権限を発揮出来る、と。
タマは自分が支配する縄張りの法人税率と相続税を0に引き下げた。
- 344 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:03:53
- foreign-cat“what's the hell!there're no tax!”
海外の猫企業本社を誘致し、その消費でひようらの税収を上げる策だ。
空前絶後の税金負担の軽さに世界中から猫企業がやって来た。
・
・
・
「最近、やたら猫が増えたな・・・」
僕の呟きにタマは素知らぬフリである。
- 345 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:13:11
- タマは今後の戦略を練るため、勝間某なる人物の書いた書物を読み漁った。
本の内容は大体、以下のとおり。
これからは個人の自立が大事ですよ、と。
個人として自立するためにはたくさん勉強しなければなりませんよ、と。
勉強するには脳をフルに活性化させる必要がありますよ、と。
そしてそのためにたくさんの酸素を体内に取り込む必要がありますよ、と。
「参考になるなぁ・・・」
タマは鼻の穴を膨らませて大きく深呼吸し、体内に酸素を取り込んだ。
- 346 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:13:19
- ひようらの税収は世界中の富の集積によって爆発的に増えていた。
街には落ち葉溜りに偽装したホテルやキャットフード飲食店(切り株)等、
産業が急速に勃興し、太陽電池による電力インフラの整備等も急ピッチで配備されつつある。
ふふふ街は今猫特需に沸いてるにゃ、タマは一匹ほくそ笑むのであった。
- 347 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:23:25
- タマは壇上に立った。
「我々は今、偉大なる一日の中に居るのであります。
人間に甘えず自律した社会・・・猫の猫による猫の為の社会の幕開けなのです!」
“うおおー!タマ万歳ー!”
“猫社会に幸あれー!”
“我々の時代に乾杯を!”
「ニャー!!」「ナオーン!」「フギャー!」「ナーウ!」
五月蝿いなぁ・・・最近の日吉は猫が多過ぎるよ。
文句を言う僕にやはりタマは素知らぬフリをするのであった。
- 348 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:24:33
- 「私の頭もソーラー発電で利用していいぞ」
それは鳥居・前塾長のありがたいお言葉であった。
- 349 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:25:14
- そして、ニヤリと笑ったタマのバナナは大きく反り返っていた。
- 350 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:26:06
- しかしタマはきっぱりと断った。
「早く慶應から出て行けよ」
- 351 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:27:02
- なんと日吉界隈は「ネコの惑星」ともいうべき状態であった。
- 352 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:33:12
- 街はやたらフンフンと鼻息を鳴らす猫で溢れ返っていたという。
それが酸素吸引の為とは人間に知る由も無かった。
「ねえタマ最近の日吉は風邪気味の子(猫)が多くないかい?」
「そうかしら、知らないわ」
タマはしらを切った。
- 353 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 20:53:27
- タマ「今年は猫年なんだよ」
- 354 :名無しの塾生:2009/01/01(木) 23:02:17
- そう、ネズミを追いかけてやってきたのは牛ではなくネコなのである。
- 355 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 00:59:48
- 勝間式呼吸法によりタマの能力は10倍パワーアップしていた。
「鼻の穴を広げるだけで、こんなに頭がよくなるなんて知らなかったにゃ」
いよいよ時代がタマに追いついてきたようだ。
- 356 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 06:15:25
- 新年明けましておめでとう御座います。
- 357 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 06:33:38
- 部下が持って来た財務諸表には潤沢なタマ$が最終利益欄に記載されていた。
$に換算すると大体10億㌦くらいだろうか。
猫社会の、しかも日吉地区単体では立派な物である。
- 358 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 09:01:15
- タマは再び大学に寄付をして、「第2タマ記念ホール」が建設された。
- 359 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 10:11:56
- タマは猫の上に立つのを嫌がった。
そしていつしか猫の間からはこう呼ばれるようになった。
「ともだち!」
タマは、自分の意に背いた猫を「絶交」するようになった。
- 360 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 10:29:40
- タマは自由気ままに生きるのを好むのだ。
- 361 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 10:43:30
- とりわけ、風に吹かれてブラブラするのが好きだ。
- 362 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:10:58
- タマは丘の上で新市街地を見渡していた。
夕日のワインレッドに寂しげな黒の斜が入った石造りの街並。
潮騒と明るい柑橘系の暖色に染められる海辺の景色。
米国の西海岸にも負けない感動の景観だ。
- 363 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:16:44
- “ブオー・・・ボッボッボ・・・”
遠洋より来る外国籍らしきタンカー。
この茜色の中で彼等の航海に終りが近づく。
丘陵を迂回して斜面の反対側に港が広がっているのだ。
遠距離輸送用のトラックが引切り無しに出入りし、
運搬基地で荷物の積載作業を行っていた。
- 364 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:22:52
- タマの眉と頬の感覚毛が夕暮れの冷たい風になびく。
一面燃える赤と宵闇の黒が入り混じる時間帯、幾分か感傷的にもなる。
(この命後何年続くかしら。日本が世界の頂点に立つ日まで私は死にたくない)
- 365 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:24:40
- 「タマは死すともバナナは死なず!」
渾身の力を振り絞り、夕日に向かって叫ぶタマであった。
- 366 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:25:36
- 若年者の衰退は今や世界レベルで波及している。
東亜では軍隊に強制入隊させ人間力の治癒を行っている国も多い。
文明のシロップに漬かり切った彼等が現実を見るのには少し手間が掛かるのだ。
- 367 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 11:31:18
- ちょっと、阿呆総理に電話を入れてみるか。
- 368 :読者の声:2009/01/02(金) 12:47:54
- だれか一人で突っ走って書いてるけど、はっきり言ってマスターベーション、おもしろくない。
- 369 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 12:56:41
- 作者のバナナは大きく反り返っていた。
- 370 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 13:03:57
- タマは新年に壮大な夢を見た。
タマが目を覚ましたとき、僕はまだ寝ていた。
- 371 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 13:53:59
- ここでは皆マスターべションなのである。
そう彼も・・・。
- 372 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 14:11:09
- 夢の中では夢精府状態であった。
- 373 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 14:12:48
- 他大生の低レベルな書込みはまだまだ続いた。
- 374 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 14:41:26
- さて、話を元に戻そう。
- 375 :読者の声:2009/01/02(金) 14:52:47
- 1人の連投はやめてほしいんだよね
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
- 376 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 15:15:51
- タマは虫ケラをいたぶっていた。
「下等生物を苛めるのは嫌いじゃないにゃ・・・」
理性と猫DNAの葛藤である。
- 377 :名無しの塾生:2009/01/02(金) 20:39:00
- 僕は見かねてネコジャラシを差し出した。
- 378 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 10:13:02
- タマは愛車のローライダーに乗り都会の海岸線を飛ばした。
BGMは海辺に似合うhiphopを選曲したファイルから流している。
純国産の彼女だが体が自然にノッて来てしまうから不思議だ。
“you know how I need you・・・I can love anything・・・”
チューンにはバラードhiphopも混ざっていた。
(恋に夢中になっていたのは随分前の話だわ)
そう、アイダホの田舎男ジョージの事である。
- 379 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 18:29:01
- 実のところタマは無免許である。
- 380 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 20:11:49
- タマの愛車は三輪車である。
- 381 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 20:45:13
- タマはサドルでタマタマを圧迫しないよう細心の注意を払った。
- 382 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 22:49:58
- 5分ほど経ったところで、タマの挙動不審な運転を怪しく思った警官が声をかけてきた。
- 383 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 22:56:21
- 「君、足が地面に付かないじゃないか。
危ないから、三輪車から降りて、押して帰りなさい。」
- 384 :名無しの塾生:2009/01/03(土) 23:51:51
- 「え、付いてない!?」
タマは自分の下半身に視線を向けた。
- 385 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 00:14:41
- なんと、玉と竿が大きすぎて足が地面につかなかったのである。
- 386 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 00:53:51
- 「こんなもん、いらないや」
タマは玉も竿もコンビニのゴミ箱に捨てて立ち去った。
- 387 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 02:44:19
- 捨てて立ち去った後、タマは玉と竿が実はタマの金玉と陰茎であることに気づいた。
- 388 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 06:34:02
- “もうこのスレも駄目だな。
ストレス溜まってるのか、下等な人物なのか、
スレッドのルールも守らないで下ネタだらけ(しかもつまんねー)。
糞ネタでボロボロじゃん。”
「今週のネタはネット掲示板か・・・」
僕は社会派漫画を読んでいた。
- 389 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 07:05:15
- 僕は今後タマスレに書き込まない事を決めた。
- 390 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 08:28:45
- 一部のスレ荒らしが連続書き込みでこの物語をつまらなくしていることに、
読者はもううんざりしているのであった。
- 391 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 09:06:20
- タマはトボトボと歩いて家に帰った。
「お帰り。今日はタマの好きなものを作ったよ」
僕がそう言って迎えてくれた。
- 392 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 15:19:24
- タマは、久方ぶりにミロバナナを目にした。
そして懐かしそうにそれを食べた。
なぜだろう、タマの目からは涙がこぼれた。
- 393 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 17:06:24
- ミロバナナに唐辛子が入っていたからだ。
- 394 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 17:17:35
- タマは初心に帰って、ミロバナナを1日30個限定で手作りすることにした。
もちろん、ねこぽっぽのみでの販売ある。
- 395 :名無しの塾生:2009/01/04(日) 17:18:39
- 販売ある→販売である
- 396 :名無しの塾生:2009/01/05(月) 22:09:22
- バナナブームがほどなくして過ぎ去ったように、ミロバナナも瞬間最大風速を計測したにすぎなかった。
が、それでもミロバナナは順調に売れた。そう、本当の意味でのファンは残ってくれていたのだ。
- 397 :名無しの塾生:2009/01/05(月) 22:09:57
- バナナブーム→バナナダイエットブーム
- 398 :名無しの塾生:2009/01/06(火) 20:44:37
- タマは今まで以上に心を込めてラーメンとミロバナナを作った。
「やっぱり、お客さんに喜んでもらうのが一番うれしいよね」
ペケも一生懸命手伝った。
- 399 :名無しの塾生:2009/01/07(水) 15:47:17
- タマは商売人としての本質は何であるかということに目覚めたのであった。
商売人が頂くお金はお客様の喜び料である・・・、
長い回り道を経てタマはようやくその境地に辿り着き、悟ったのであった。
- 400 :名無しの塾生:2009/01/07(水) 20:15:20
- タマ「今年はまた新しいことにも挑戦しよう」
- 401 :名無しの塾生:2009/01/08(木) 20:46:04
- タマは来たる食糧危機を見越し、農業を始めようと考えた。
- 402 :名無しの塾生:2009/01/08(木) 20:56:08
- それには農地の確保が必要だ。
タマは「タマ記念ホール」の屋上に目をつけた。
- 403 :名無しの塾生:2009/01/08(木) 21:16:43
- タマはホール屋上を視察しに行った。
すると、そこは学生生活に夢破れた塾生のたまり場と化していた。
- 404 :名無しの塾生:2009/01/08(木) 21:40:20
- タマ「塾生のみなさん、ここで一緒に農作業をする気はありませんか?」
- 405 :名無しの塾生:2009/01/08(木) 21:54:19
- 塾生たちはタマの声にも存在にも気付かなかった。
むしろ、関わりたくなさそうな様子で、1人また1人と去って行った。
10人ほどいた塾生も3人だけが残った。
タマはそのうちの1人、背が高く細身の男子塾生に改めて話しかけた。
- 406 :名無しの塾生:2009/01/09(金) 20:55:30
- タマ「食料自給率を少しでも高めるために、
自分で食べる野菜を自分で栽培してみないかい?」
- 407 :名無しの塾生:2009/01/09(金) 22:50:32
- 学生は答えた。ネコジャラシをつくるんだったら、僕はやらないよ。
- 408 :名無しの塾生:2009/01/10(土) 13:31:02
- タマ「そんなもの作りません。ミロの原料の大麦だけです。」
- 409 :名無しの塾生:2009/01/11(日) 15:10:30
- タマは学生にミロバナナを勧めた。
- 410 :名無しの塾生:2009/01/12(月) 06:14:58
- ミロバナナを口にした学生。
「こんなおいしいのは初めてです。大麦づくり、おもしろそう・・・!」
- 411 :名無しの塾生:2009/01/12(月) 21:51:17
- というわけで、タマと塾生3人で大麦作りが始まった。
僕ももちろん手伝った。
- 412 :名無しの塾生:2009/01/12(月) 23:45:41
- 日吉の気候は大麦栽培に不適ではないかという指摘は、ここでは問題ではない。
- 413 :名無しの塾生:2009/01/13(火) 20:51:06
- タマは有機栽培で大麦を育てた。
- 414 :名無しの塾生:2009/01/15(木) 10:40:51
- 大学当局も、シーズンスポーツという扱いで、夏季休業の間に「大麦栽培実習」という科目で1単位の履修を認めた。
- 415 :名無しの塾生:2009/01/15(木) 14:19:26
- タマには特別講師の肩書が付いた。
- 416 :名無しの塾生:2009/01/15(木) 19:23:12
- 抽選が必要なくらいに履修希望者が多かった。しかし、楽勝科目だと思って履修を希望してくる学生にタマは迎合しなかった。
- 417 :名無しの塾生:2009/01/15(木) 20:20:06
- そう、タマは指導する立場になると鬼に豹変するのだ。
以前、塾高が甲子園に出たとき、鬼コーチになったように・・・
- 418 :名無しの塾生:2009/01/15(木) 23:28:27
- 塾生の多くは熱心に活動してくれた。おかげで大麦は順調に生育している。
- 419 :名無しの塾生:2009/01/16(金) 22:39:37
- タマ「これからは、手作りのミロができるね」
- 420 :名無しの塾生:2009/01/17(土) 11:05:38
- 農業実習は思わぬ効用をもたらした。引きこもりがちだった学生たちが生き生きとしてきたのである。
タマは保護者からお礼の手紙ももらった。将来のことを真剣に考えはじめ、家族の会話も増えたそうだ。
タマが大学側から受け取る報酬は微々たるものだが、お金以上の価値のあるものにタマは気づき、そしてそれを受け取ったのであった。
- 421 :名無しの塾生:2009/01/17(土) 21:27:43
- 引きこもりがちだった学生のバナナは大きく反り返っていた。
- 422 :名無しの塾生:2009/01/18(日) 00:20:25
- 君がなにか伝えようと
にぎりかえしたその手は
僕のバナナのやらかい場所を
今でもまだしめつける
あれから僕たちは
何かを信じてこれたかなぁ
マドをそっとあけてみる
冬の風のにおいがした
- 423 :名無しの塾生:2009/01/18(日) 13:22:58
- タマが予想した以上に大麦の収穫があった。
収穫祭の席でタマは言った。
「皆さんのおかげで大麦がたくさんできました」
- 424 :名無しの塾生:2009/01/19(月) 19:41:31
- 履修して真剣に取り組んでくれた学生たちにはAの評価をつけた。
- 425 :名無しの塾生:2009/01/22(木) 20:58:22
- 実習に真面目に取り組まなかった学生も一部いた。
- 426 :名無しの塾生:2009/01/22(木) 22:58:50
- 「さて」と言うとタマは立ち上がり、西の空を見上げた。
日が沈もうとしており、3羽のトビがゆっくりと飛んでいた。
タマは明日から、収穫した大麦でパンを作ることにした。
- 427 :名無しの塾生:2009/01/22(木) 22:58:59
- そして本日の取り組み結果がこれである。
http://sumo.goo.ne.jp/hon_basho/torikumi/tori_533_1_12.html
- 428 :名無しの塾生:2009/01/23(金) 07:21:05
- タマは一部の学生には再履修を促した。
- 429 :名無しの塾生:2009/01/23(金) 23:45:46
- 最履修科目:「大麦」
- 430 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 00:16:56
- タマは学生たちのことを忘れ、パンを焼くことに専念した。
焼きながら、おばあちゃんやクララのことを思い出していた。
柔らかい白パンをたくさん焼こう。
- 431 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 01:02:48
- 丹念に焼き込むタマであった。
http://narity.seesaa.net/image/obu.jpg
- 432 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 01:20:58
- しかし、タマの納得するパンはなかなかできない。タマは少し悩み始めた。
- 433 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 02:28:59
- ぽろぽろと涙が流れ始めた。
- 434 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 02:38:56
- 心細くなって、ペケにメールを書いた。
その文面は、
- 435 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 10:19:31
- 「働いたら負けかなと思ってる」
- 436 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 15:37:27
- ぺケは激怒した。
- 437 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 16:17:17
- 「そんな簡単に一人前になれるわけないじゃないか!仕事をなめんじゃねえwwwww!!!!!!!」
http://image.blog.livedoor.jp/dssaffi/imgs/0/1/010c028c.jpg
- 438 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 16:23:35
- ぺケはそう思ったが、ミロバナナで儲けさせてもらったこともあり、
無難な手紙を返信した。その文面は、
- 439 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 20:02:26
- 「お姉ちゃんなら、きっとできるよ」
- 440 :名無しの塾生:2009/01/24(土) 20:55:02
- タマは呟いた・・・
Yes, we can!
- 441 :名無しの塾生:2009/01/25(日) 16:01:37
- タマが作るパンのコンセプトは、もちろん、ミロに合うパンである。
- 442 :名無しの塾生:2009/01/25(日) 16:07:27
- タマはミロパン仮称の開発を進めていた。
- 443 :名無しの塾生:2009/01/25(日) 23:38:01
- 開発を進める上で必要なのはパートナー。
そう考えたタマは、慶ちゃんの商坊というコテにミロパン開発の儲け話を持ちかけてみた。
しかし「おまえには経済学の視点も教養も足りない」と罵倒されただけであった。
- 444 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 00:27:56
- タマは賢いので「商坊の発言の『おまえ』という部分は『おれ』という意味の間違いだな」と
脳内補正して解釈したが、慰めの言葉も見当たらなかったので愛想笑いを浮かべただけで
立ち去った。
- 445 :商坊 ◆DcxmW6Fj0.:2009/01/26(月) 00:58:21
- >>443-444
ひどい話だな。
でもこの話をつくった作者が一番ひどい気がする。
- 446 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 01:09:22
- >>445
「当スレに参入する際には物語を作ってください。」と、タマはさりげなくいなした。
タマはペケと自分のために丁寧にコーヒーを入れると試作中のミロクッキーとともに出した。
ペケはミロクッキーをふしぎそうに眺めてから一口かじると、一言、
- 447 :商坊 ◆DcxmW6Fj0.:2009/01/26(月) 01:14:05
- >>446
「そうなんですか」と商坊はタマに言いました。
タマ「おじちゃん、頭いいんだね」
商坊「当たり前だ、IQ130あるからな」
- 448 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 01:40:41
- 「商坊はこんな軽い物語作りでも、直近のレスに続くようなレスを書けないんだな。
もう国語力全体が致命的に欠如していると言わざるを得ない。」
タマはそう吐き捨てるように言うと、セブンスターに火をつけて遠くを眺めた。
- 449 :さる元コテ ◆m9FOA77uiM:2009/01/26(月) 01:40:50
- そうした妄想を奏でる商坊に対し、タマは何も言わなかった。
いや何も言えなかった。金持ちで頭が良く異性にもてる、そんな
妄想を持つ男に対し何が言えるのだろう。
- 450 :商坊 ◆DcxmW6Fj0.:2009/01/26(月) 01:47:10
- タマはセブンスターをくわえながら納豆に言いました。
タマ「早くなぜ費用は発生主義で収益は実現主義で計上するのか言いなよ、おばちゃん」
納豆「わたしは家柄がいいのだぞ、数字は嫌いじゃ」
タマ「家柄なんか聞いてないぞ 早く答えろよ」
- 451 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 08:41:23
- 少し離れた所から見ていた僕は、必死に苦笑いの表情を隠していた。
ぺケはミロクッキーの感想を言えないまま、うずうずしていた。
- 452 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 20:27:14
- タマ近影
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1172234040/754
- 453 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 21:09:29
- 商坊のバナナは変色し、腐臭を放っていた。
- 454 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 21:57:46
- しかし慶ちゃんで皆にいじってもらえるだけ商坊は幸せ者である。
もし彼の書き込みが無視され続けていたら・・・日吉は血の海と化し
商坊のAAがネットのあちこちで張られるという惨劇が起きたはずだ。
そう考えてタマはほっと胸をなでおろした。
- 455 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 22:04:03
- 「商坊のいいところをみんなで見つけようよ!」と、ペケは学級委員長風に訴えた。
- 456 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 23:01:02
- かくして商坊のいいところを見つけるべく、神奈川県警による本格的な捜査が行われた。
捜査官は冷蔵庫の下、トイレの配水管、果てはマンホールの中まで念入りに調べ上げてみた。
- 457 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 23:01:51
- タマ「そんなことはどうでもいい。ぺケのミロクッキーの感想はまだなの?」
この物語の登場人物は1人と2匹なのである。
- 458 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 23:13:17
- ペケ「ミロクッキーより、ミロパンのほうが売れそうだね」
- 459 :名無しの塾生:2009/01/26(月) 23:15:31
- タマ「ミロクッキーはまずいのかい? ミロパンとミロバナナとセットで売り出したらおもしろいかなって」
僕「クッキーはミロの配合比率が難しいね。ボロボロくずれやすくなるから」
- 460 :名無しの塾生:2009/01/27(火) 21:21:36
- タマ「早くミロパンを完成させないと・・・」
- 461 :名無しの塾生:2009/01/27(火) 22:56:17
- タマはミロパンの完成に勤しんだ。しかし、ペケが思わぬ一言を発した。
「パンをミロにかるく浸して食べた方が安上がりだし好みにできるしおいしいじゃん。」
タマはその現実にショックを受けた。
- 462 :名無しの塾生:2009/01/28(水) 20:18:38
- タマはミロの味がしみ込み易いパンを作ることに方針を転換した。
- 463 :名無しの塾生:2009/01/28(水) 20:29:38
- 「ほんならカニパンでええやんけ!」
キレたペケはなぜか関西弁だった。
- 464 :名無しの塾生:2009/01/28(水) 22:32:39
- タマはミロとパンの組み合わせを取りやめ、別の事業を進めることにした。
- 465 :名無しの塾生:2009/01/29(木) 21:49:59
- それは自作のパンを使った「タマバーガー」の開発である。
- 466 :名無しの塾生:2009/01/30(金) 21:09:22
- タマはいきなり大々的に売り出すのは危険だと感じたため、
大手チェーンストアにお願いしてお試し価格で置いてもらえないか交渉することにした。
問題はその依頼先である。
- 467 :名無しの塾生:2009/01/31(土) 20:48:00
- とりあえず、学食にお願いすることにした。
- 468 :名無しの塾生:2009/01/31(土) 23:02:41
- 依頼先は慶應の各キャンパスの学食である。
1つの学食ではなく複数の学食に置いてもらうという、
タマ流のマーケティング戦略である。
タマの打診に対し、各学食から続々と返事が寄せられてきた。
- 469 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 00:29:19
- 回答はいずれも芳しいものではなかった。
- 470 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 00:40:59
- タマは落ち着きを取り戻すと、かすかな希望を持ってひようらのドトールにもお願いすることにした。
- 471 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 02:15:00
- しかしタマはひようらドトールに着く前にイチョウ並木で気が変わった。
「タマバーガーを完成させてみんなを喜ばせるには起業するしかない。」
株式会社「タマバーガー」を設立して一から育ててゆくことに決意した。
まずは資金集め。
タマはメディアのパソコンで「日本政策金融公庫」をググってみた。
参謀には慶ちゃんの例のコテを誘おうかと企みつつ…。
- 472 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 10:16:01
- しかし、それは机上の空論であることに気づき、タマは事業にする必要性さえないのではないかと感じ始めた。
趣味でつくってブログで紹介していけばいいかな。人気が出てくればブログ友達が増えて、やがてマスコミが紹介してくれるかもしれない。
タマはミロバナナでの苦い経験から、リスクのない、気楽な道を選ぶことにした。
そもそも、みのさんがタマホームのCMに出ている限り、タマの生活は安心、安泰なのである。
- 473 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 11:45:30
- ミロバナナと同様、タマバーガーもねこぽっぽで限定販売してみよう。
- 474 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 12:32:20
- タマバーガーはあまり売れなかった。
- 475 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 17:21:32
- >>472
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=机上の空論&stype=0&dtype=2
- 476 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 17:35:52
- タマはこういうときぺケに相談する。「どうしたらいい?」
ぺケは時には冷酷な、だが客観的な指摘をしてくれるのだ。
- 477 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 19:49:18
- ペケ「パンはすごく美味しいけど、中身が合ってないよ」
- 478 :名無しの塾生:2009/02/01(日) 23:20:09
- タマ「やっぱり私の好きなイワシじゃダメか……」
- 479 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 14:09:20
- タマは全ての新規事業を白紙に戻すことにした。
- 480 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 21:39:36
- 【盛り上がりそうなネタがふられると誰かがそれを潰すスレ】
- 481 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 21:41:57
- タマ「>>480
>>446」
- 482 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 21:45:12
- ぺケ「盛り上がりそうなネタじゃないからつぶされたんだろうな」
ぺケはぼそっと言った。
- 483 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 21:50:33
- あまり真面目腐った話だと面白くないよ・・・
僕はそう思ったのだった。
- 484 :名無しの塾生:2009/02/02(月) 22:43:26
- タマ「考えるのが面倒くさくなった。寝よう。起きたら何かが変わっているはずだ。」
- 485 :名無しの塾生:2009/02/03(火) 08:22:06
- 午睡の後、目覚めたタマのバナナは大きく反り返っていた。
- 486 :名無しの塾生:2009/02/03(火) 11:50:12
- そうだ、このバナナを食べよう。セルフサービスだ。
- 487 :名無しの塾生:2009/02/03(火) 13:46:18
- タマはメスなのにそんな夢を見ていた。
そして、目が覚めた。
- 488 :名無しの塾生:2009/02/03(火) 19:36:17
- 「最近、あまり勉強していないから、今日は図書館に行こうかな」
- 489 :名無しの塾生:2009/02/04(水) 13:34:07
- タマは日吉ではなく三田の図書館に行くことにした。
かなり久しぶりである。もう長期休業に入って学生も少ないだろう。
- 490 :名無しの塾生:2009/02/05(木) 16:11:03
- 横断歩道を渡り、タマは、てくてくと歩いた。
冬の風はつめたいが、どこかわくわくとした気持ちだった。
すると、前から、なつかしい顔があらわれた。
- 491 :名無しの塾生:2009/02/05(木) 17:19:47
- 「タマちゃん、久しぶりじゃない!!」
幼なじみのドラだった。
- 492 :名無しの塾生:2009/02/05(木) 23:43:42
- タマは驚いた・・・。あのドラが、こんなところに。まして、会えるなんて…!
- 493 :名無しの塾生:2009/02/06(金) 18:04:04
- 長い間見なかったドラは、見違えるほどオシャレになっていた。
大きなスズがついた首輪は、赤くてピカピカと、かがやいていた。
あの懐かしい声を聞かなければ、彼女だと気づかなかったかもしれない。
- 494 :名無しの塾生:2009/02/06(金) 19:29:11
- 二人、いや二匹は、近くのドトールに入った。
- 495 :名無しの塾生:2009/02/06(金) 19:47:54
- ドラからはかぐわしい香水の匂いがした。
- 496 :名無しの塾生:2009/02/06(金) 22:45:02
- 「それにしても、何年ぶり?なににしよっか?」
そう言いながらも、ドラの目は、マタタビサンドAから離れない。
- 497 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 11:59:32
- タマ「マタタビサンドAがいいんじゃない」
- 498 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 16:35:48
- と声をかけようとした。
その瞬間、ドラは、注文をすることもなく、カウンターを乗り越えた。厨房の奥へと走り出した。
ドラの目は、らんらんと光っている。
- 499 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 17:14:14
- タマ「ドラちゃん、どーしたの?!」
- 500 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 19:38:27
- タマは驚いた
- 501 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 22:10:12
- ドラはマタタビサンドAを自ら作り始めた。
- 502 :名無しの塾生:2009/02/07(土) 22:16:10
- タマは、その手際の良さに驚いた。
- 503 :名無しの塾生:2009/02/08(日) 19:51:14
- ドラは厨房で修業経験があった。人間界で言う婚活である。
- 504 :名無しの塾生:2009/02/08(日) 20:40:07
- タマ「そうだ、ドラちゃんにタマバーガーのアドバイスを貰おう」
- 505 :名無しの塾生:2009/02/09(月) 07:05:46
- 点と点が線につながった瞬間である。
- 506 :名無しの塾生:2009/02/10(火) 20:16:17
- その線をマニアはネコスジと呼ぶ。
- 507 :名無しの塾生:2009/02/10(火) 22:30:33
- ドラ「やっぱり、魚のつみれのバーガーでしょ」
- 508 :名無しの塾生:2009/02/12(木) 16:31:08
- 暫くして落ち着くと、タマとドラは近況報告を交えながら雑談に興じた。
- 509 :名無しの塾生:2009/02/12(木) 17:08:14
- タマ「ドラちゃん、いつ、こっちに来たの?」
ドラ「先週よ。最近あっちも不景気だからねえ。」
ドラははるばる知床から出てきたのだ。
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1121004438/429-430参照)
- 510 :名無しの塾生:2009/02/15(日) 23:04:28
- タマ「向こうのおいしい魚が食べたい・・・」
- 511 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 18:20:50
- ドラ「うん、タマがそう言うと思ってさ。これ、知床のお土産。」
ドラは、口にくわえたお魚をテーブルの上に置いた。
- 512 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 19:48:39
- ドトールの店員「お客さん、困りますよ・・・」
- 513 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 20:44:28
- テーブルの上に置かれた知床の名産品は、ぴちぴちとはねている。
そう、マダラである。
- 514 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 21:30:05
- スライムがあらわれた。
- 515 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 22:40:27
- スライムは逃げ出した。
- 516 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 23:01:38
- 「ここだけの話なんだけど」
ドラが声を潜めて言った。
「釧路川にいるラッコって、あれ、実は背泳ぎが得意な私の弟なんだよね。
私は『バカなことやめなさい』って言ったんだけどねー。」
- 517 :名無しの塾生:2009/02/17(火) 23:14:05
- タマは思わず吹き出した。
「ドラって相変わらずおもしろいよねー」
- 518 :名無しの塾生:2009/02/20(金) 18:54:13
- ドラのバナナは大きく反り返っていた。
- 519 :名無しの塾生:2009/02/20(金) 19:30:02
- ドラ「ペケちゃんは元気にしてるの?」
- 520 :名無しの塾生:2009/02/22(日) 21:54:07
- 「この通り元気ですよ」
背後から声がした。ペケだ。
- 521 :名無しの塾生:2009/02/22(日) 22:09:32
- タマ「あれ、なんでここにいるの?」
- 522 :名無しの塾生:2009/02/22(日) 22:46:31
- ペケ「知床の魚の匂いを嗅ぎつけたんだよ」
- 523 :名無しの塾生:2009/02/27(金) 21:05:12
- ぺケは照れ笑いを見せた。
- 524 :名無しの塾生:2009/02/28(土) 19:54:45
- タマ「早くお魚食べようよ」
- 525 :名無しの塾生:2009/03/05(木) 22:12:47
- タマは「マイ七輪」を店内に持ち込み、知床のマダラを焼き始めた。
- 526 :名無しの塾生:2009/03/05(木) 23:26:47
- さすがに店長もキレた。
- 527 :名無しの塾生:2009/03/06(金) 23:07:35
- タマ「やっぱりマダラは知床に限る!」
- 528 :名無しの塾生:2009/03/06(金) 23:08:29
- タマとドラとぺケは店を追い出された。
タマ「次はどこに行こうか」
- 529 :名無しの塾生:2009/03/06(金) 23:20:05
- ドラ「ソープ」
- 530 :名無しの塾生:2009/03/06(金) 23:25:01
- タマ「ああ銭湯のことね! お台場にあるのよね。新橋からゆりかもめよ」
- 531 :名無しの塾生:2009/03/07(土) 10:03:22
- ドラ「いや、石鹸を買いたいだけなんだけど。なぜお風呂の話が出てくるの?」
- 532 :名無しの塾生:2009/03/07(土) 10:14:11
- ペケ「ねえちゃんは温泉好きだからね。石鹸ならローソンにあるからいこうよ」
- 533 :名無しの塾生:2009/03/07(土) 15:42:15
- ドラ「久しぶりに会えて楽しかったね。」
タマ「ねえ、今日どこに泊まるの? よかったら、私の家に来る?」
ペケ「あそこはお姉ちゃんの家じゃなくて、居候しているところじゃん。」
- 534 :名無しの塾生:2009/03/07(土) 20:14:26
- ドラ「実はね、そんなにゆっくりもしていられないの…。」
- 535 :名無しの塾生:2009/03/10(火) 19:45:22
- ドラは明日、知床に帰らなければならないのだ。
- 536 :名無しの塾生:2009/03/15(日) 21:05:12
- タマとドラは再会を誓いあった。ドラは知床に帰って行った。
- 537 :名無しの塾生:2009/03/15(日) 22:06:21
- タマはドラのアドバイス通り、魚のつみれでバーガーを作ることにした。
魚は知床のマダラを使ったのは言うまでもない。
- 538 :名無しの塾生:2009/03/18(水) 20:11:35
- そのころ、僕は家で勉強をしていた。
- 539 :名無しの塾生:2009/04/04(土) 20:02:03
- 「そういえば、最近、ミロバナナを食べていないな」
- 540 :名無しの塾生:2009/04/04(土) 21:50:23
- とりあえず家を出た。
- 541 :名無しの塾生:2009/04/04(土) 22:23:47
- ひようらもすっかり春だ。
- 542 :名無しの塾生:2009/04/08(水) 20:00:23
- 少し昼寝をしたいと思った。
- 543 :名無しの塾生:2009/04/08(水) 21:29:10
- 僕はドトールに入った。
- 544 :名無しの塾生:2009/04/09(木) 20:28:51
- タマがいた。
- 545 :名無しの塾生:2009/04/09(木) 21:18:28
- しかも、厨房の中に、だ。
- 546 :名無しの塾生:2009/04/10(金) 00:21:21
- いつかどこかで見た光景を思い出した。
- 547 :名無しの塾生:2009/04/12(日) 20:24:34
- 僕はタマバーガーを注文した。
- 548 :名無しの塾生:2009/04/12(日) 20:48:45
- タマはその手を止めた。
- 549 :名無しの塾生:2009/04/13(月) 01:06:03
- 商坊が復活したのだった
- 550 :名無しの塾生:2009/04/13(月) 19:01:35
- 商坊「最近、勝間がオレの書き込みをパクるんだ」
と自信満々に語った
- 551 :名無しの塾生:2009/04/13(月) 21:05:36
- 商坊「最近、宇宙から飛んでくる電波と頻繁に交信してるんだ」
と自信満々に語った
- 552 :名無しの塾生:2009/04/13(月) 22:52:52
- 僕はそのまま店を出た。今日は何もなかった、そういうことにしよう。
- 553 :名無しの塾生:2009/04/14(火) 07:14:39
- 家に帰るとタマがいた。
- 554 :名無しの塾生:2009/04/19(日) 20:52:43
- 僕はタマと一緒に小満津に行った。
タマ「今日は鯖が食べたいな」
- 555 :名無しの塾生:2009/04/19(日) 20:55:04
- 僕「じゃあ、ぼくは小満津定食にするよ。」
- 556 :名無しの塾生:2009/04/20(月) 18:50:38
- ふと隣を見ると、ペケが『カニオムレツ定食』を食べている。
ペケ「今日は洋食が食べたい気分なんでね。」
- 557 :名無しの塾生:2009/04/20(月) 19:08:39
- 僕「奇遇だね」
- 558 :名無しの塾生:2009/04/20(月) 20:02:08
- ペケ「君の顔など見たくは無かったがね」
一見社交性の欠片もない言葉の様に思えるが、
そこには職人としての高潔な思いが見え隠れしていたのだった。
僕(そうかペケは今日もあれを・・・)
- 559 :名無しの塾生:2009/04/20(月) 22:04:39
- 僕「どうしたんだよぺケ。冷たいじゃないか」
僕は努めて冷静を装った。
- 560 :名無しの塾生:2009/04/21(火) 19:28:30
- 秘密にしているがペケの職業はパンツ職人である。
タマ「嫌な天気ね・・・誰かが泣いてるみたい」
ペケ「ふん・・・この世は泣かされた奴の方が悪いのよ」
- 561 :名無しの塾生:2009/04/22(水) 21:34:13
- 日吉の夜は更けていった。
- 562 :名無しの塾生:2009/04/22(水) 21:37:40
- やがて、猫は、静かに、眠るのでしょう。
- 563 :名無しの塾生:2009/04/23(木) 22:42:27
- あくる日は快晴だった。
僕「タマ、今日はどこに行こっか?」
- 564 :名無しの塾生:2009/04/24(金) 23:34:06
- タマ「いつもの通りひようらか、日吉キャンパスの図書館で」
- 565 :名無しの塾生:2009/04/25(土) 13:49:35
- 僕「ほんとにタマはひようらが好きだなあ。」
- 566 :名無しの塾生:2009/04/25(土) 14:50:15
- タマ「ひようらに行くといつも必ず何かが起こるからね。
それこそ、探偵モノのアニメで、旅行先で必ず事件が起こるみたいに」
- 567 :名無しの塾生:2009/04/25(土) 20:04:22
- ひようらで子供たちの歓声が上がるのは、そこにタマがいるときである。
- 568 :名無しの塾生:2009/04/26(日) 12:26:31
- タマは子供が好きだ。
- 569 :名無しの塾生:2009/04/26(日) 17:07:54
- 「タマさーん!」と子供に言われると、
ついサービスをしてしまうタマであった。
- 570 :名無しの塾生:2009/04/26(日) 21:33:51
- タマは、この子どもたちが大人になるころ、この国は、この地域はどうなっているだろうか、
ときどき不安になることがあった。タマは自分に出来ることは何かと絶えず考えている。
そして、そのころには、タマはこの世に生きてはいないことも知っていた。
- 571 :名無しの塾生:2009/04/28(火) 01:07:09
- 子供達も大人達も宇宙を渦巻く何かに抗い必死に闘いました。
ギョロギョロとした目で国家の運命を睨めつけていました。
- 572 :名無しの塾生:2009/04/29(水) 19:38:53
- ひようらを歩いていたタマは、慣れないものを発見した。
- 573 :名無しの塾生:2009/04/29(水) 19:39:56
- 慣れない→見慣れない
- 574 :名無しの塾生:2009/04/29(水) 21:05:19
- 宙に浮ぶ桃尻である。
- 575 :名無しの塾生:2009/05/01(金) 22:20:20
- タマは元来、桃、特に白桃が好きだ。
- 576 :名無しの塾生:2009/05/01(金) 23:37:04
- 白桃を噛締めるタマの牙は鋭い。
噴出す果汁を見止めた僕はあの日の事を思い出した。
- 577 :名無しの塾生:2009/05/02(土) 22:02:45
- ある暑い夏の日、タマはスイカに丸ごとかぶりついていたのだ。
「メロンだって大丈夫だよ」
- 578 :名無しの塾生:2009/05/02(土) 23:58:05
- そんなことを思い出しながら、ドトールに入店した。
- 579 :あぼ〜ん:あぼ〜ん
- あぼ〜ん
- 580 :名無しの塾生:2009/05/03(日) 10:35:24
- タマと僕はいつものようにカプチーノを注文した。
- 581 :名無しの塾生:2009/05/03(日) 21:14:27
- ローストされた豆の香りが贅沢に鼻腔をくすぐる。
- 582 :名無しの塾生:2009/05/04(月) 17:45:59
- タマと僕は、GWだけど大したことしていないことに気付いていた。
今日はおいしい料理を食べ、高級な珈琲を口にしながら、
残り数日の連休の予定について話し合うことにしていたのだ。
- 583 :名無しの塾生:2009/05/04(月) 22:53:40
- 丸の内に場所を移した僕達は取り敢えず値の張るコーヒーと料理を注文した。
たま「瀬戸内海に面白い無人島が浮んでるの。
海にはお魚が一杯だし景色は美麗よ。」
- 584 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 10:30:33
- タマはその無人島に猫の楽園を作りたいと思っていた。
- 585 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 15:46:55
- タマはひよねこに無人島への移住を勧めたが、ひよねこたちは
日吉の住み良さに慣れており、移住には反対であった。
タマはそのことがひっかかってもいた。
- 586 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 16:18:45
- 僕(猫が駄目ならアナーキーな人間の楽園を作るのも悪くないな)
俗世間に飽いた人々を集めた夢の島を作る計画を提案した。
- 587 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 16:54:27
- 地上の楽園構想である。
- 588 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 18:36:20
- 結局タマと僕はあーだこーだ言いながら都心で時間を過ごした。
ふと辺りを見回すと、周囲は既に高層ビルの赤い点滅灯等の夜光に包まれていたのだった。
- 589 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 19:10:42
- 僕は呟いた
「帰ろう、我が家へ・・・!」
- 590 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 20:01:44
- タマ「やっぱり家が一番だね」
- 591 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 20:26:34
- 僕はマッサージチェアーで一日の疲れを揉み解していた。
(くくく・・・猫には分かるまい、猫には・・・!)
- 592 :名無しの塾生:2009/05/05(火) 22:09:20
- タマ「温泉に行きたい・・・」
- 593 :名無しの塾生:2009/05/06(水) 20:34:55
- 隣で漫画を読んでいた弟が顔を上げる。
(姉ちゃんは猫の癖にお風呂が大好きだからな)
- 594 :名無しの塾生:2009/05/06(水) 20:48:14
- ぺケ「この前お風呂でおぼれかけていたじゃん。やめといたほうがいいよ」
- 595 :名無しの塾生:2009/05/06(水) 21:43:02
- 先日、家のお風呂に入浴剤を入れようとして足が滑り
溺れそうになったのはここだけの話である。
- 596 :名無しの塾生:2009/05/06(水) 23:02:31
- 連休も終わり、日常が戻ってこようとしていた。
- 597 :名無しの塾生:2009/05/07(木) 20:48:09
- 街は雨でずぶ濡れ、ダイヤは乱れ、人々は悟った様な顔をしながら日常に追われる。
その点たまは何物にも縛られない自由な存在であると言えた。
- 598 :名無しの塾生:2009/05/07(木) 21:06:44
- タマは今日も図書館にいた。
- 599 :名無しの塾生:2009/05/08(金) 20:50:51
- (あらこの記述は面白いわね)
そこには人智を越える知能を持つ動物に関する文章が記されていた。
- 600 :名無しの塾生:2009/05/12(火) 19:45:50
- タマはその動物が意外にも近くにいることを知り、会いに行こうと思った。
- 601 :名無しの塾生:2009/05/13(水) 21:05:53
- ホーッ、ホーッ。
- 602 :名無しの塾生:2009/05/15(金) 20:31:55
- その声の主はフクロウだ。
- 603 :名無しの塾生:2009/05/16(土) 00:21:02
- それは多摩地方にだけ生息していると言われているタマブクロウである。
未だにメスは発見されていない幻の鳥なのである。
- 604 :名無しの塾生:2009/05/16(土) 10:02:40
- タマは鶏肉が大好物である。
- 605 :名無しの塾生:2009/05/17(日) 22:51:37
- タマ「はじめまして、フクロウさん」
- 606 :名無しの塾生:2009/05/17(日) 23:49:50
- タマは隙を見てフクロウを食べようと思っていた。
- 607 :名無しの塾生:2009/05/18(月) 20:29:56
- フクロウ「な、なにをするだー!」
- 608 :名無しの塾生:2009/05/18(月) 21:03:01
- ペケ「お姉ちゃん、お弁当を持ってきたから、フクロウを食べちゃだめだよ」
- 609 :名無しの塾生:2009/05/18(月) 22:19:23
- たまの目は正気を失っていた。
血に飢えた野獣のそれそのものであった。
- 610 :名無しの塾生:2009/05/18(月) 22:37:51
- ペケは慌ててタマの目の前にミロを差し出した。
- 611 :名無しの塾生:2009/05/18(月) 23:26:23
- ミロを飲まされたタマは我に返った。
体内からミロが完全になくなってしまうと、ケモノになってしまうのだ。
- 612 :名無しの塾生:2009/05/19(火) 19:09:43
- そんな時僕は奇妙な踊りでタマの脱力を誘うのである。
- 613 :名無しの塾生:2009/05/21(木) 16:41:10
- タマ「取り乱しました・・・」
- 614 :名無しの塾生:2009/05/21(木) 18:35:50
- ペケはミロと偽っていた明○コーヒー牛乳をサッと隠した。
- 615 :名無しの塾生:2009/05/21(木) 19:45:41
- タマ「何か今日のミロはいつものとは違うなあ」
- 616 :名無しの塾生:2009/05/22(金) 09:10:33
- タマ「まぁいいや。ひよドトでカプチーノ飲んでこよっと。」
- 617 :名無しの塾生:2009/05/22(金) 20:34:41
- 僕はタマの様子がおかしいのに気づいた。
- 618 :名無しの塾生:2009/05/22(金) 22:47:26
- やはり、コーヒー牛乳では完全に正気を取り戻すことはできないのだ。
- 619 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 08:45:51
- ぺケはあせった。ミロが品切れなのだ。
僕もそのことを知って、びっくりした。
街から、マスクとミロが消えた・・・。
- 620 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 11:02:38
- 実はミロの買占めはイヌの仕業であった
マスクの方は原因不明である
- 621 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 11:43:18
- ひよねことイヌとの抗争は今に始まったことではない。
イヌたちはタマを引きずり出したくて仕方なかったのだ。
が、タマとひよねこの意向は必ずしも一枚岩ではない。
- 622 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 14:57:39
- 僕とタマは麦芽を買ってきて、自分たちでミロを作ることに決めた。
- 623 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 14:59:23
- (訂正します)
僕とペケは麦芽を買ってきて、自分たちでミロを作ることに決めた。
- 624 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 16:18:01
- 急ぐのだ。タマがすべてを知ってしまう前に。
イヌたちを守るためにも。
- 625 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 20:37:26
- タマは悩んでいた。今更埃で充血していただけなんて!言えない。
「う、うおお〜」
- 626 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 21:50:43
- とりあえず、今夜はタマを小満津に連れて行って、魚を食べさせよう。
僕とペケの考えが一致した。
- 627 :名無しの塾生:2009/05/23(土) 22:02:01
- お腹が一杯になったら全てがどうでも良くなった一人と二匹であった。
- 628 :名無しの塾生:2009/05/24(日) 10:06:31
- イヌたちもホッと胸をなでおろした。
しかし、これですべてがうまくいったわけではない。
- 629 :名無しの塾生:2009/05/24(日) 21:02:17
- 僕「ほんがぁぁぁ!」
タマペケ「――ッ!?」
- 630 :名無しの塾生:2009/05/24(日) 22:36:48
- ひようらは波乱含みの様相を呈していた。
- 631 :名無しの塾生:2009/05/24(日) 22:56:35
- 僕は宇宙から毒電波を受信していたのだ。
タマは何かしらの因果が崩れ混沌が溢れ出た瞬間を肌で感じた。
- 632 :名無しの塾生:2009/05/26(火) 21:47:57
- タマ「地デジのキャラクターは猫にしなきゃ」
- 633 :名無しの塾生:2009/05/26(火) 22:42:46
- タマ「アンテナよし! 地デジよし! もとすみよし!」
タマはたのしそうだ。
- 634 :名無しの塾生:2009/05/27(水) 20:04:24
- ペケは興奮に身をよじった。
- 635 :名無しの塾生:2009/05/27(水) 21:57:28
- 僕はその光景を微笑ましく見ていた。
猫が地デジのキャラクターになるわけはないだろうけど。
- 636 :名無しの塾生:2009/05/28(木) 22:45:26
- 実は、タマには内々にキャラクターの打診があった。
- 637 :名無しの塾生:2009/05/28(木) 23:21:34
- 保護者である僕がそのことを知ったのは、例の公園でのあの事件があってからだった。
- 638 :名無しの塾生:2009/05/30(土) 21:23:09
- だが、タマにはミロのイメージが強すぎるという反対意見が出て、
内定が取り消されていたのだ。
- 639 :名無しの塾生:2009/05/30(土) 21:52:19
- 僕は後釜を狙って総務省に自分のプロマイドを送り付けていた。
- 640 :名無しの塾生:2009/05/30(土) 23:26:09
- しかし、素人が採用されるはずもない。
こうして、またいつもの日曜日を迎えたのであった。
- 641 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 00:30:34
- 「こうなったらAV男優にでもなる」とタマは決意した。
タマは週刊誌で山崎拓の一連のスキャンダルを読んでいた。
山崎がベッドで「俺はAV男優だ」と女性を誘惑していた事実を知って衝撃を受けた。
- 642 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 00:34:29
- 僕「タマはメスなんだから男優は無理だって」
タマは黙ってドトールに行くことにした。
- 643 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 00:35:25
- タマは山崎拓に会うことにした。
山崎「今の自民党はもうダメだ」
タマ「おじちゃんがダメにしたの?」
山崎「違う。森が下地を作り、小泉が実行した」
タマ「おじちゃんは何してたの?」
山崎「総裁選に出ようと思ってたが失敗した」
タマ「おじちゃん、失敗は顔だけにして」
山崎「あ?」
タマのその後は誰も知らない。
- 644 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 00:41:29
- タマはドトールでそんな妄想を展開していた。
ぺケ「お姉ちゃん、ミロをもってきたよ」
- 645 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 00:55:57
- 「ミロはもう飽きたな・・」
タマは心の中でつぶやいた。
「よし、歌舞伎町でミルクを飲んでこよう」
タマはお気に入りのホステスを指名し、ミルクを飲むことにした。
タマはのどが渇くと歌舞伎町に行くのであった。歌舞伎町はタマにとって水飲み場であった。
「水野美紀に似た女優なんだ」とタマはペケにいった。
ペケ「水飲み機?」
タマ「水野美紀。人の名前だよ」
- 646 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 01:12:16
- ぺケ「水野美紀と水野真紀と坂井真紀と酒井美紀の区別がつかないんだけど・・・」
- 647 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 09:29:09
- タマ「こまけぇこたぁいいんだよ!!」
- 648 :名無しの塾生:2009/05/31(日) 10:15:22
- タマは今朝もひようらを散策していた。
- 649 :名無しの塾生:2009/06/01(月) 18:11:36
- 私の夢は何なんだろう・・・。毎日同じことの繰り返し。
何か目標をもって行動を起こしても、いつも同じところに戻ってしまう。
こんなことをして一生が終わってしまうの・・・?
タマはうつむきながらため息をついた。
- 650 :名無しの塾生:2009/06/01(月) 21:18:19
- 愁いに沈むタマの隣で、僕のバナナは大きく反り返っていた。
- 651 :名無しの塾生:2009/06/01(月) 21:31:35
- http://blog-imgs-29.fc2.com/u/n/a/unabe/20081004215144.jpg
- 652 :名無しの塾生:2009/06/01(月) 23:23:22
- >>651
反り返っててワロタ
- 653 :名無しの塾生:2009/06/01(月) 23:26:00
- 僕はひようらでバナナを買う。バナナは栄養価が高いからね。
タマもかつて撮影でスタジオに出入りしていたころは、スタッフにバナナの差し入れをしていた。
- 654 :名無しの塾生:2009/06/02(火) 20:16:50
- タマの夢は猫と人間の桃源郷を作ることだ。
そのためにタマは過酷な修行をしてきたのではなかったのか。
- 655 :名無しの塾生:2009/06/02(火) 22:02:25
- 3年前のタマとペケ
http://atky.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2009/01/31/2009_0127071003tonai0064.jpg
- 656 :名無しの塾生:2009/06/02(火) 23:41:02
- タマは最近気づいたことがあった。
実はタマの金玉は体温より一度低めに設定されている。
タマのタマタマに限らず、男のタマタマはラジエーターの役割を果たしていた。
- 657 :名無しの塾生:2009/06/03(水) 00:57:57
- http://chibita.de-blog.jp/blog/images/2008/06/12/cimg2232.jpg
- 658 :名無しの塾生:2009/06/03(水) 17:10:17
- タマはとりあえず日吉校舎に行くことにした。
以前つくった屋上の農園はどうなっているのだろう。
- 659 :名無しの塾生:2009/06/03(水) 19:50:44
- タマが知らないうちに、ペケと塾生たちが再び大麦を栽培していた。
- 660 :名無しの塾生:2009/06/03(水) 23:11:18
- 大麦のなかに大麻も混じっていた。何人かの塾生が栽培していたようだった。
すると、怖そうなボス格の塾生がペケに近付いてきた。
「失敗は顔だけにして」
ペケは必死に訴えた。塾生達はペケは体育館の裏に連れて行った・・・
- 661 :660:2009/06/03(水) 23:12:11
- 訂正 ペケは→ペケを
- 662 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 00:09:45
- ボス格「ぼっ、僕と付き合ってください!!」
- 663 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 01:44:47
- ペケ「うほ、いいおとこ!」
ペケの( * )がうずいた。
- 664 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 13:47:07
- 「何てことなの!」
タマは農園に火を放ち、大麻を焼き捨てると、
塾長に特別講師の辞表を提出した。
- 665 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 17:52:31
- しかし、大麻焼却は証拠隠滅行為とみなされ、タマは指名手配された。
特別講師も辞任ではなく解任となった。
- 666 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 19:30:07
- タマ「あのボス格のせいだ・・・」
- 667 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 20:35:28
- 山に逃れたタマは、またしても過酷な修行を始めた。
一方、ひようらの住民からはタマの嘆願書が出され、
大きなうねりとなった。
- 668 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 21:35:09
- だがタマはすぐに下山して歌舞伎町のお気に入りの女優を指名した。
タマ「いつもの子、水飲み機ね」
タマ「じゅ、じゅるっっ!! じゅっぼっじゅっぼぼ!!」「お、ぉいっちっ!!」
タマののどの渇きは癒された。
- 669 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 22:22:08
- タマの体は度重なる過酷な修行のせいで、
疲労骨折や靭帯損傷などの後遺症に苛まれた。
- 670 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 23:03:05
- 暫く休養をとることにした。
医者からはミロを控えるようにきつく言われたタマであった。
- 671 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 23:07:57
- 僕とペケは北海道から魚を取り寄せ、タマに食べさせた。
- 672 :名無しの塾生:2009/06/04(木) 23:36:33
- それは1匹9万8千円の高級魚だった。
- 673 :名無しの塾生:2009/06/05(金) 20:01:50
- 一か月の休養でタマの体調は回復した。
塾生の署名集めにより、特別講師の肩書も復活した。
例の屋上の農地には、再犯防止のため監視カメラが設置された。
- 674 :名無しの塾生:2009/06/05(金) 20:08:34
- タマは嬉しさのあまり、監視カメラの前でふざけたポーズをとってみた。
∧__∧
(´∀` )
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__)
- 675 :名無しの塾生:2009/06/05(金) 22:28:42
- タマは再び解任された。
- 676 :名無しの塾生:2009/06/05(金) 22:37:14
- 世の中そんなに甘い話は無いのだ。
だからこそ漫画や映画が人々に夢を与えるのだが、それはあくまで「夢」なのだ。
- 677 :名無しの塾生:2009/06/05(金) 23:41:39
- 僕とペケは再びタマを励ますことにした。
- 678 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 12:37:34
- 全てが嫌になったタマは私財を処分し、全てキャッシュに変えた。
そして雑居ビルの合間をウロウロしてはネオンに染められる生活を送った。
- 679 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 12:42:47
- その後のタマを知る者は誰もいない。
- 680 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 14:10:30
- そして月日が流れた・・・
- 681 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 15:20:47
- 「あんたね、この世界にもそれなりに礼儀ってもんがあるんだよ」
薄笑いを浮かべていた若い男の表情が凍りついた。
無駄の削がれた、洗練された動線が路地裏に走る。
- 682 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 18:50:32
- そんな日常が続いていたが、この物語には何の関係もない。
- 683 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 18:56:29
- タマは余興でバーテンダーをして過ごしていた。
(夜の街には独特の艶があるわ・・・)
- 684 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 18:57:41
- しかも日本ではない。タマは海外に飛び出していたのだ。
- 685 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 20:10:58
- タマはエチオピアにいた。
- 686 :名無しの塾生:2009/06/06(土) 23:54:23
- 僕とぺケは、そのことを風の便りに聞いた。
- 687 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 00:18:20
- タマ「今度はヨーロッパに行こうかな」
- 688 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 00:35:36
- イギリスのぶら下がり宿を体験するタマだった。
「く、くるしいわ・・・」
- 689 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 10:51:39
- タマはパリに行くことにした。
「そうよ、女なら一度は行きたい憧れのパリよ!」
- 690 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 11:05:21
- 海外に居ても、日本の魚が恋しいタマであった。
- 691 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 11:58:16
- タマはフランスの地で、ミロの新ブランドの精製に着手していた。
- 692 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 12:54:55
- タマはパリでは「タマコ」と呼ばれた。
- 693 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 12:55:28
- タマ「新ブランドの名称は『ノン・DE・ミロ』にしよう」
- 694 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 13:48:12
- タマ「そうそう、試作品をご主人とぺケに送らないとね!」
タマはノン・DE・ミロの入ったビンを国際便にて送った。
- 695 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 14:56:44
- ペケ「この新しいミロは洗練された味だね」
- 696 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 15:14:11
- 僕「でもネーミングがなあ・・・これで売れるのか」
- 697 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 19:30:18
- しかしタマは、新しいミロをフランスの社交界に送り込むことに成功した。
- 698 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 20:21:50
- そして、ノン・DE・ミロの日本上陸、逆輸入の時がやって来た・・・!
- 699 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 20:55:07
- ノン・DE・ミロを手にタマが日本に凱旋したのである。
- 700 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 20:57:29
- そしてテレビコマーシャルには何とアメリカ人俳優のロバート・デ・ニーロが起用された。
- 701 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 21:09:10
- ペケ「そういえば、昔、エステ・デ・ミロードというのがあったなあ・・・」
- 702 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 21:09:13
- タマはベッドから起き上がった。
タマ「そうか、これは全部夢なんだ」
再び歌舞伎町に出向いた。
タマ「いつもの水飲み機ね」
- 703 :名無しの塾生:2009/06/07(日) 22:06:49
- ぺケ「ははは、あまりにすごいことやっちゃったから、夢だと思ってるんだね」
タマ「そうみたい・・・困っちゃうわ」
僕「いいんだよ。それがあなたのいいところ、って昔のCMにもあったね」
いよいよ、ノン・DE・ミロ、大売り出しである・・・!
かつてのミロバナナに続き、メガヒット間違いなしの新商品の登場である!
- 704 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 00:50:05
- タマはあまりの高揚に現実感を失っていた。
いや、最早何がどうなっているのか嵐の様な物事の混乱だけがそこにあったのだ。
- 705 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 01:55:18
- タマ「これは全部夢なんだ」
再び歌舞伎町でお気に入りの女優のおっぱいに吸い付きだした。
タマ「じゅるっ!じゅっぼぼぼぼ! じゅっじゅじゅっぼじゅぼっぼ!!!」
タマ「お、ぉいっちっ! ぉ、いっちっ!!」
- 706 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 03:53:53
- ノン・DE・ミロはかくして解禁となった・・・!
- 707 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 20:34:06
- 僕「たま!?たま!!」
- 708 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 20:39:40
- ペケ「なんか、ボジョレー・ヌーヴォーみたいだなあ・・・」
- 709 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 20:50:33
- ミロの新ブランドは、ミロバナナに勝るとも劣らぬ勢いで売れていった。
しかし、タマは一抹の寂しさを抱えていた。
それは、ミロバナナを番組内で宣伝してくれたみのもんたが、番組を降板していたこと。
おもいっきりイイテレビはもう放送していないのだ。
- 710 :名無しの塾生:2009/06/08(月) 20:50:51
- タマ「みのさん、元気にしてるかなあ」
- 711 :名無しの塾生:2009/06/09(火) 19:41:33
- タマはまたしても大学に寄付をして、「第3タマ記念ホール」が建設された。
- 712 :名無しの塾生:2009/06/13(土) 00:34:31
- ミロの新ブランドは順調な売れ行きをつづけていた。
- 713 :名無しの塾生:2009/06/14(日) 21:09:03
- しかし、ブームは長く続かないことを熟知しているタマは、
新ブランドを3カ月の期間限定商品とすることに決めた。
- 714 :名無しの塾生:2009/06/14(日) 23:38:51
- ミロは売れに売れた。店舗から、マスクとミロが消えたとさえいわれた。
- 715 :名無しの塾生:2009/06/15(月) 18:01:37
- ついでに商坊も消えてほしいとさえいわれた
- 716 :名無しの塾生:2009/06/15(月) 21:44:32
- ミロが売れると忙しくなるのはタマではなくペケと僕だ。
- 717 :名無しの塾生:2009/06/17(水) 22:04:41
- はじめは、ぺケも僕も嬉しくて喜んで仕事を手伝っていた。でも…。
- 718 :名無しの塾生:2009/06/17(水) 22:33:21
- タマは次の計画を練るのに忙しくて、ミロを作っている時間がほとんどないのだ。
- 719 :名無しの塾生:2009/06/17(水) 22:50:55
- そんなことを知らない1人と1匹は、少しずつタマへの不信感を募らせていくのであった…。
- 720 :名無しの塾生:2009/06/18(木) 19:58:50
- ある日、夜中に目を覚ました僕は、隣の部屋でタマがさらに新たな商品の開発に
取り組んでいるのに気が付いた。
- 721 :名無しの塾生:2009/06/20(土) 23:18:38
- タマは開発の途中で突然叫んだ。
タマ「わちは飽きたんや、こら」
それからタマは銭湯に行くことにした。
実はタマのポコチンには般若の刺青が彫られてるのである。
お尻にはアルプスの少女ハイジが彫られており、足の裏には目玉のオヤジが彫られてた。
タマは新しいキャラを彫るたびに銭湯で一般人に見せては優越感に浸るのであった。
タマ「明日は何を彫ろうっかな」
- 722 :名無しの塾生:2009/06/20(土) 23:25:36
- タマが開発しようとしていたのは、次なるミロであった。
タマ「ミロをシリーズ化して、ロングセラーにしないと。一過性のブームで終わってはいけないわ」
- 723 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 09:02:13
- タマはこれまでの経験から、ブームの怖さをよくわかっていた。
- 724 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 09:45:58
- タマは何からも学ぶ。たとえば、若手お笑い芸人が一時期ブレイクして、
間もなく消えていくケースは、ブームの怖さそのものである。
地道に行くのが一番である。テレビに出ず、ライブでコツコツやっている
芸人は息が長い。タマも、過剰なメディア露出は控えることにした。
それはさておき、新商品、シリーズ化の商品開発である。
- 725 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 12:36:53
- ペケ「お姉ちゃんは、やっぱ、すごいわ」
- 726 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 14:33:18
- 「タマって雌だったのかよ」
タマはペケを眺めながらつぶやいた。
タマは仕方ないのでポコチンに入れる刺青の計画を白紙することにした。
- 727 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 14:36:38
- タマとペケは帰り道で、猫のような顔をした奇妙な生き物に出会った。
ペケ「おじちゃんは、何者なの?」
(・A・)「何でもいいんだよ」
タマ「猫に似てますね」
(・A・)「オマエガナ」
ペケ「おじちゃん、冗談は顔だけにして」
(・A・)「あ?」
ペケとタマのその後を知る者はいない。
- 728 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 15:02:18
- タマが商品開発をするときは、決まって変な夢を見る。
それは、考えすぎて頭の中が混乱しつつある表れだ。
それを、夢を見ることによってすっきりさせ、朝起きてすぐにアイデアを巡らすことができるようになっているのである。
- 729 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 15:08:45
- 日吉校舎の屋上の農地はペケに管理が引き継がれ、
(タマは暫く出入り禁止になっている)
再び大麦が栽培されていた。
- 730 :名無しの塾生:2009/06/21(日) 15:18:30
- ぺケはこの時漸くタマの苦労がわかってきた。そして、自らの軽率な言動を悔いた。
- 731 :名無しの塾生:2009/06/23(火) 20:09:06
- タマが最近、一番困っているのは、旅行客のおばさん達が「タマちゃーん!」と言いながら
駆け寄ってきて、タマの体に触ろうとすることだ。
はとバスの観光コースにひようらが組み込まれているのだ。
- 732 :名無しの塾生:2009/06/23(火) 20:38:28
- タマは対策を考えた。影武者を立てるのはどうか。
- 733 :名無しの塾生:2009/06/23(火) 21:31:32
- そうなると白羽の矢が立つのはペケしかいない。
- 734 :名無しの塾生:2009/06/23(火) 22:06:08
- peke「What's the hell ! I don't get it !」
連絡も無しに影武者にされたペケは混乱した。
- 735 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 19:43:07
- ペケは忽ちおばちゃんたちに囲まれた。
- 736 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 19:54:21
- しかし、おばちゃんたちも猫を見る目は伊達じゃない。
「なにこれ、タマちゃんじゃないじゃないの」
「汚いネコね。しっしっ!」
ぺケは、ひどく落胆した。
- 737 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 20:28:49
- ペケはアデランスで高級な毛を植毛した。
- 738 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 20:43:21
- ペケは再びおばちゃんたちに囲まれた。
- 739 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 20:54:01
- タマブランド、すなわち影武者としてのタマではなく、ぺケのオリジナルブランドの確立の瞬間であった・・・!
- 740 :名無しの塾生:2009/06/24(水) 22:48:43
- 「ペケちゃんもなかなか可愛いじゃないの」
おばちゃんたちは現金なのである。
- 741 :名無しの塾生:2009/06/25(木) 22:25:58
- ぺケはその気になった。しかし、海千山千のタマと違い、そのへんの
経験不足のぺケには、このような状況は極めて危険なことであった。
- 742 :名無しの塾生:2009/06/25(木) 22:39:16
- アッ―――――!!
- 743 :名無しの塾生:2009/06/25(木) 23:04:02
- ペケは毛を引っ張られた。
- 744 :名無しの塾生:2009/06/26(金) 21:45:34
- ペケは中高年に人気な美形アイドルと化した。
(プレゼントは怖くて食べられないね・・・)
新曲は「ペケのずんとこ節」である。
- 745 :名無しの塾生:2009/06/26(金) 22:13:09
- 「X(ペケ) JAPAN」のボーカルであったペケは演歌に転向したのだ。
- 746 :名無しの塾生:2009/06/27(土) 10:10:23
- タマはその様子を微笑ましく見ていた。
- 747 :名無しの塾生:2009/06/27(土) 18:05:34
- 僕「ずんどこ節より、カツオ節とか、股旅演歌のほうがネコを惹きつけるよ」
- 748 :名無しの塾生:2009/06/27(土) 18:36:38
- ぺケは僕の話を全く聞かなかった。タマの話もだ。
ぺケはいつの間にか自分の才能だけでチヤホヤされているものだと
思っていたのであった。
- 749 :名無しの塾生:2009/06/27(土) 19:43:33
- ペケにおばちゃんたちの注意が向けられている間、
タマは商品の開発に専念できた。
- 750 :名無しの塾生:2009/06/27(土) 21:02:00
- どれだけ状況に合った商才があったとて
人一人、猫一匹ではMD(商品開発)は出来ないのである。
- 751 :名無しの塾生:2009/06/28(日) 19:54:49
- ミロのシリーズ化、まずはこれに着手しなければ…タマは商品開発に余念がない。
- 752 :名無しの塾生:2009/06/28(日) 21:02:13
- タマにはネスレ本社(ネスレ日本ではない)から「特別アドバイザー」就任の要請が来ていたが、
タマは「一ファンとしてミロを応援したい」と言ってそれを断っていた。
- 753 :名無しの塾生:2009/06/28(日) 22:03:05
- そうしている内にミロが開発されたのだ。
- 754 :名無しの塾生:2009/06/28(日) 22:55:55
- ネスレ本社はタマを訴えることを検討していた。
- 755 :名無しの塾生:2009/06/29(月) 20:04:42
- 夏の夜空に流れ星が弧を描いた。
小高い丘から見下ろす街の灯りは、人々の人生その物の様で感慨深い。
「社名を変えて姿をくらますかにゃ・・・」
- 756 :名無しの塾生:2009/06/29(月) 20:10:16
- タマのXデーが近づいていた・・・!!!
- 757 :名無しの塾生:2009/06/30(火) 00:09:03
- タマはネスレ本社にライセンス料を払ってミロに関する商品を作っているわけだが、
ネスレはタマを広告塔であると考え、ライセンス料を非常に安くしてくれているのだ。
- 758 :名無しの塾生:2009/06/30(火) 18:55:23
- しかし今回、タマの行動に契約違反が見つかったのである・・・!
- 759 :名無しの塾生:2009/06/30(火) 21:55:20
- 「ミロという模倣品を造ってライセンス料をチョロまかそうとしたのですよ」
会議用のテレビ電話で説明を受けた僕は内容が腑に落ちなかった。
(あの品行方正なタマが?馬鹿な)
- 760 :名無しの塾生:2009/07/01(水) 20:58:26
- 実は「ミロ」を作ったのはタマではない。
- 761 :名無しの塾生:2009/07/04(土) 01:28:09
- 偽猫のタマである。
- 762 :名無しの塾生:2009/07/04(土) 16:51:11
- 実は偽猫のタマは犬である。
- 763 :名無しの塾生:2009/07/09(木) 17:01:03
- 以前ひよねこと抗争を起こした犬であった。
犬はひよねこではなく仲裁役のタマを目の敵にしていたのであった。
- 764 :名無しの塾生:2009/07/09(木) 20:09:00
- タマ「私になりすましてミロのインチキ商品を売るのは許さないよ!」
- 765 :名無しの塾生:2009/07/09(木) 21:52:36
- これは犬の作戦であった。ひよねことともにタマを滅ぼそうとしていたのだ
- 766 :名無しの塾生:2009/07/09(木) 22:37:36
- そのような事態も想定して、タマが作る商品には少量の秘伝のエキスが加えてあった。
- 767 :名無しの塾生:2009/07/10(金) 00:26:01
- 犬「ほっほほ〜いほっほほ〜い」
- 768 :名無しの塾生:2009/07/10(金) 00:36:41
- タマ「うほうほ? うほほ?」
ペケ「うひょひょ うひょひょ」
僕「シコシコシコシコシコシコシコシコ」
- 769 :名無しの塾生:2009/07/12(日) 20:34:59
- 結局のところ犬の作戦は失敗した。だが、タマはこのことを知らない。
何事もなかったかのように、また1週間が始まった。
- 770 :名無しの塾生:2009/07/12(日) 21:10:29
- ペケはエンターテイメントに飢えていた。
(日吉にはもっとエキサイティングな要素が必要だよ・・・)
- 771 :名無しの塾生:2009/07/13(月) 22:14:07
- タマはペケの短慮を憂慮していた。
- 772 :名無しの塾生:2009/07/14(火) 01:34:31
- ペケ「うほほ? うほうほ?」
- 773 :名無しの塾生:2009/07/14(火) 18:04:39
- タマはペケを勘当しようとしていた。
- 774 :名無しの塾生:2009/07/14(火) 19:43:09
- とはいえ、タマが今までやってきた事業は全て最終的にはペケが引き継いでいるので、
そういうわけにはいかないのである。
タマ「ペケがいるおかげで私もいろんなことができるわけだからね」
- 775 :名無しの塾生:2009/07/14(火) 21:01:32
- タマはどうにかしてぺケを排除できないものか考えた。
- 776 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 21:33:54
- タマは旅に出ることにした。
- 777 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 21:36:02
- >>776
「もっと面白いこと書けよ」とタマは思った。
最近の書き込みは平凡すぎてタマは嫌気が刺していた。
- 778 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 21:55:51
- ともあれ旅に出た。
- 779 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 23:02:24
- タマの旅といえば北海道である。
- 780 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 23:03:35
- タマ「やっぱ南青山にしようっと」
- 781 :名無しの塾生:2009/07/16(木) 23:48:37
- ぺケ「やめときな。南青山には商坊とかいうのがいるよ」
- 782 :名無しの塾生:2009/07/17(金) 01:04:41
- 実は商坊は埼玉に住んでいるのであった
- 783 :名無しの塾生:2009/07/17(金) 10:38:55
- その反動として、そして東京への憧れとして、千葉埼玉を馬鹿にするのであった。
- 784 :名無しの塾生:2009/07/17(金) 19:39:35
- タマはクラーク博士像の前に立った。
- 785 :名無しの塾生:2009/07/20(月) 21:22:53
- タマ「今年も帰ってきました」
- 786 :名無しの塾生:2009/07/22(水) 21:02:38
- タマは食には大いに関心があるが、日食には関心がない。
- 787 :名無しの塾生:2009/07/28(火) 19:19:29
- 一週間後、タマは戻ってきていた。
- 788 :名無しの塾生:2009/07/28(火) 21:47:54
- タマ「ひようらにいると落ち着くね」
- 789 :名無しの塾生:2009/07/29(水) 01:02:04
- 僕「タマの生活には進歩がないんだよ」
僕「ずっと日吉にいるじゃないか」
僕「たまには旅に出て手強い大人に会ってごらん、きっと成長するよ」
- 790 :名無しの塾生:2009/07/30(木) 19:40:13
- ということで、タマは再び旅に出た。
- 791 :名無しの塾生:2009/07/30(木) 23:21:54
- パスポートがないというかとれないので国内旅行だ。
- 792 :名無しの塾生:2009/07/31(金) 00:43:25
- タマは松本市内を旅していた。
タマ「ひよドトもいいけど、たまには旅先のドトールでマタるのも悪くないわね。」
- 793 :名無しの塾生:2009/07/31(金) 01:05:10
- タマ「ドトールは飽きたな。原宿のゴディバに行こうっと」
- 794 :名無しの塾生:2009/07/31(金) 01:24:11
- ぺケから電話がかかってきた。
「もうちょっと松本を観光したら? 松本城はいいよ!」
- 795 :名無しの塾生:2009/07/31(金) 22:02:23
- 松本城に行ったタマは、子供料金で入場させてもらえた。
- 796 :名無しの塾生:2009/08/01(土) 00:23:56
- タマは天守閣に登り、松本の街を見下ろしていた。
- 797 :名無しの塾生:2009/08/01(土) 00:28:32
- タマ「やっぱ表参道にいこうっと」
- 798 :名無しの塾生:2009/08/01(土) 01:12:08
- タマはそんなことを思いながら、松本市内を眺めていた。
- 799 :名無しの塾生:2009/08/02(日) 10:57:07
- タマはこのあと、上高地に行こうか、それとも立山黒部に行こうかと考えていた。
- 800 :名無しの塾生:2009/08/02(日) 11:32:53
- しかし、そのまえにタマは銀行で現金をおろしてくる必要があることに気づいた。
- 801 :名無しの塾生:2009/08/02(日) 19:30:52
- とりあえず、タマは3万円ほどおろしてきた。
- 802 :名無しの塾生:2009/08/02(日) 22:12:34
- 「猫に小判とはこのことだにゃ」
タマは自嘲的に笑った。
- 803 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 22:15:13
- 今夜は松本市内のホテルに泊まろう、タマはそう思った。
- 804 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 22:24:58
- タマは松本城からほど近いビジネスホテルに泊まった。
タマ「朝食無料なんてスバラシイ!!明日の朝は、いっぱい食べよ〜っと。」
タマは明日の朝食を楽しみにしていた。
- 805 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 22:26:14
- タマ「やっぱ渋谷にいこうっと」
- 806 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 22:46:50
- 翌朝、朝食会場に行ったタマは驚いた。
- 807 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 22:56:59
- タマ「朝食会場じゃなくて渋谷にいこうと思ったのに…」
タマ「なんで話が急に変わってしまうんだ?」
タマは狼狽した。
- 808 :名無しの塾生:2009/08/03(月) 23:13:51
- タマは夢を見ていたことに気づいた。
「松本市内をめぐってつかれたからにゃ」
それはそうと、朝食を楽しみにしていた。
- 809 :名無しの塾生:2009/08/04(火) 00:09:59
- タマ「うはっ。パンが5種類もある。サラダに卵、スープにジュース、コーヒー、紅茶♪」
タマは食べた。時間の限り食べた。飲み物も、全種類制覇した。タマは満足げだった。
タマ「これで一泊4000円なんて、スバラシイ!!またこようっと。」
タマはチェックアウトの前に、ホテルのアメニティグッズを鞄に詰め込んでいたw
- 810 :名無しの塾生:2009/08/04(火) 00:15:29
- タマ「俺は渋谷にいるんじゃないのかよ」
- 811 :名無しの塾生:2009/08/04(火) 09:07:45
- タマはホテルをチェックアウトした。
次はどこに行こうか。
実は、まだ時間がある。
- 812 :名無しの塾生:2009/08/04(火) 10:02:07
- タマは松本駅前ドトールでおやつを買いこみ、上高地へ向かった。
- 813 :名無しの塾生:2009/08/04(火) 20:16:55
- バスに乗ったタマは昼前に上高地に着いた。
- 814 :名無しの塾生:2009/08/06(木) 22:58:55
- タマは川沿いの道を歩き始めた。
- 815 :名無しの塾生:2009/08/08(土) 17:28:16
- 川面には力強く輝き続ける太陽が映っていた
- 816 :名無しの塾生:2009/08/08(土) 21:13:00
- タマ「風が気持ちいいねー」
- 817 :名無しの塾生:2009/08/08(土) 21:38:16
- 美しい地球と生命の営み。
ほのかな感動に包まれたタマは心地良い午睡を味わうのだった。
- 818 :名無しの塾生:2009/08/08(土) 22:06:40
- タマは夢を見た。
- 819 :名無しの塾生:2009/08/11(火) 20:28:00
- 夢の中でタマは地球の神だった。
直属の上司は宇宙の神であり太陽は会社の備品の一つだった。
(・・・この仕事って何をすれば契約義務を果たせるのかしら)
- 820 :名無しの塾生:2009/08/11(火) 22:05:39
- タマは川や海を魚で溢れさせ、猫にとって住みよい地球にしようとした。
それは人間にとっても住みよい地球のはずだ。
- 821 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 11:44:41
- しかし、地球の神に対抗する邪悪の神がいた。
- 822 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 13:20:58
- その名を753という
- 823 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 14:57:14
- なごみ? タマの神は思った。
- 824 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 19:29:15
- 競合が現れて以来、
地球には災厄と幸福との両方が溢れる様になった。
美しくも醜い混沌の世界の到来である。
- 825 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 19:33:42
- タマは目を覚ました。
現代の世界、そして人間の世の中というものが抱える問題の
根源を見た思いがした。
- 826 :名無しの塾生:2009/08/12(水) 20:52:41
- 上高地は夕暮れを迎えていた。
- 827 :名無しの塾生:2009/08/13(木) 23:33:24
- タマはテクテクと道を歩いた。
- 828 :名無しの塾生:2009/08/14(金) 22:10:37
- タマはバスに乗り高山に向かった。
今夜は高山に泊まるつもりだ。
- 829 :名無しの塾生:2009/08/18(火) 22:07:27
- タマは高山ラーメンを食べに行った。
- 830 :名無しの塾生:2009/08/20(木) 20:04:31
- 高山に着き、ラーメン屋を探すタマのバナナは大きく反り返っていた。
- 831 :名無しの塾生:2009/08/22(土) 16:14:20
- タマは駅近くのラーメン屋に入った。
- 832 :名無しの塾生:2009/08/22(土) 18:33:08
- タマ「BUKKAKEラーメンください」
- 833 :名無しの塾生:2009/08/23(日) 14:01:01
- 店員「お客さん、ちゃんと並んで」
よく見ると店の前には長蛇の列が・・・。1時間半以上待つという。
- 834 :名無しの塾生:2009/08/23(日) 22:31:36
- タマは持っていた小説を読んで時間を潰す事にした。
- 835 :名無しの塾生:2009/08/23(日) 22:45:56
- タイトルは「私はこうして公認会計士になりました」
慶應ちゃんねるの有名なコテハンが執筆した名著であった
- 836 :名無しの塾生:2009/08/23(日) 22:59:27
- その内容は
著者の公認会計士に合格するまでの波乱に満ちた人生経験と
合格後の輝かしい活躍と功績がつづられ
最後には実は全て著者の妄想であったというシュールなオチに世界中が喝采した
- 837 :名無しの塾生:2009/08/24(月) 21:42:47
- 途中で眠ってしまったタマが目を覚ましたとき、
ラーメン屋はすでに閉店していた。
- 838 :名無しの塾生:2009/08/24(月) 22:54:38
- タマは裏口にまわった。
- 839 :名無しの塾生:2009/08/25(火) 19:50:14
- 店員「お客さん、困りますよー」
- 840 :名無しの塾生:2009/08/25(火) 22:59:58
- タマは店員に言った。なぜ起こしてくれなかったのかと。
- 841 :名無しの塾生:2009/08/27(木) 21:48:23
- 店員「起こそうとしたんですけど、『ミロ・・・』って寝言ばかり言って
起きなかったんですよ」
- 842 :名無しの塾生:2009/08/28(金) 21:35:17
- タマは呆然として立ち尽くした。
- 843 :名無しの塾生:2009/08/28(金) 22:27:55
- 目をひん剥いたその表情はまさに驚天動地といった様子である。
- 844 :名無しの塾生:2009/08/28(金) 22:52:56
- 何かが切れたタマは、そのままフラフラと倒れこんでしまった。
- 845 :名無しの塾生:2009/09/01(火) 21:50:32
- タマが気づくと、僕の家に帰っていた。
- 846 :名無しの塾生:2009/09/04(金) 21:08:07
- 庭からりんりんと響く心地良い夜想曲に心が充たされる。
(私はここ何日か・・・とても大変な日々を過ごしていた気がするわ)
意識も肉体も次第に宵闇へ溶けていった。
- 847 :名無しの塾生:2009/09/04(金) 21:13:00
- 僕「お帰り。何か食べる?」
- 848 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 00:46:51
- タマはボーっとしたまま床に座っていた。
- 849 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 09:52:00
- 一体猫の一生とは何なのか?
タマは空の月に目をやり思索に耽りながら僕の問いに空返事をした。
- 850 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 10:12:15
- 猫は、死期を悟るとご主人の元を静かに離れるという。
タマもいつかそんな日が来ることを少しずつ感じ始めていた。
- 851 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 14:11:14
-
所謂猫エイズの潜伏期が明けようとしていたのだ。
縄張り争い時の裂傷による血液感染がその原因である。
- 852 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 14:56:22
- タマは自分の死期が近いことを悟った。
残された時間で、自分に何ができるか…。
限りある生を全うしたい・・・タマは強く思った。そして、行動を起こそうとした。
- 853 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 15:41:20
- タマ近影
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1172234040/754
- 854 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 15:45:53
- タマの最期の旅が始まった・・・!
- 855 :名無しの塾生:2009/09/05(土) 19:45:58
- タマはネコの黄門様になるのだ。
- 856 :名無しの塾生:2009/09/07(月) 21:05:24
- ふと目が覚めた翌朝。
タマの容態はどういう訳か快方に向かっていた。
「今なら二郎が5杯は入るわ」
- 857 :名無しの塾生:2009/09/08(火) 19:32:19
- ミロを飲むとタマは復活するのである。
- 858 :名無しの塾生:2009/09/08(火) 22:33:55
- タマはこれまで何が起こっていたかを振り返った。
- 859 :名無しの塾生:2009/09/09(水) 07:42:52
- タマ「結局、高山ラーメンを食べられなかっただけじゃない?」
- 860 :名無しの塾生:2009/09/09(水) 18:43:10
- タマは高山を出ることにした。
- 861 :名無しの塾生:2009/09/09(水) 19:41:31
- タマ「次はどこに行こうかにゃ」
- 862 :名無しの塾生:2009/09/09(水) 21:00:06
- タマは山の麓で休耕田耕しに明け暮れた。
- 863 :名無しの塾生:2009/09/10(木) 20:58:36
- タマは自給自足の生活を始めた。
- 864 :名無しの塾生:2009/09/11(金) 20:14:52
- 畝の上を這う芋虫を見てすらも地球の鼓動を感じるのだ。
秋めいて過ごし易くなったのと何処か燻した様な外気の匂いとに、
タマは生きる悦びを噛締めるのだった。
- 865 :名無しの塾生:2009/09/11(金) 20:56:24
- タマは畑で麦を作り、川で魚を獲った。
- 866 :名無しの塾生:2009/09/12(土) 18:17:50
- そしてスーパーで買ってきたチョコバーをもぐもぐ食べた。
- 867 :名無しの塾生:2009/09/12(土) 21:04:34
- (うーん、幸せ・・・)
- 868 :名無しの塾生:2009/09/13(日) 19:35:31
- バナナは買わないのか?
- 869 :名無しの塾生:2009/09/13(日) 22:15:20
- タマは家に帰って休む事にした。
偶然発見した廃屋に居を構え、雨露を凌ぐ為に用立てていたのだ。
- 870 :名無しの塾生:2009/09/15(火) 22:45:38
- タマが帰ると、僕が黙ってミロバナナを出してくれた。
今でも細々とペケが作っているものだ。
- 871 :名無しの塾生:2009/09/16(水) 21:00:19
- (皆の所に帰って来い、そうい言っているの・・・)
- 872 :名無しの塾生:2009/09/17(木) 19:47:41
- タマはまた勉強したいと思った。
- 873 :名無しの塾生:2009/09/22(火) 20:12:40
- 連休中、図書館に向かうタマの姿があった。
- 874 :名無しの塾生:2009/09/22(火) 22:43:10
- しかし、インフルエンザ対策のため、臨時休館となっていた。
- 875 :名無しの塾生:2009/09/23(水) 00:14:13
- タマ「われ!怒るぞ コラ!」
- 876 :名無しの塾生:2009/09/23(水) 14:12:22
- とはいうものの、怒っても仕方ないので
タマは久々に日吉駅に行ってみた。
- 877 :名無しの塾生:2009/09/23(水) 22:29:55
- 銀玉のてっぺんにはくぼみがある。タマはそのくぼみに入って見た。
- 878 :名無しの塾生:2009/09/24(木) 22:23:11
- タマが呪文を唱えると、銀玉は浮き上がり、空を飛び始めた。
- 879 :名無しの塾生:2009/09/29(火) 18:05:23
- タマは銀玉に乗って海外に向かうことにした。
- 880 :名無しの塾生:2009/10/01(木) 19:51:15
- 海外といっても北海道だ。
- 881 :名無しの塾生:2009/10/07(水) 21:25:56
- タマは大雪山系の紅葉を見た。
- 882 :名無しの塾生:2009/10/08(木) 13:32:40
- 穏やかに過ごしていたのもつかの間、台風に襲われた。
- 883 :名無しの塾生:2009/10/08(木) 21:04:21
- タマは札幌へ移動し、台風の通過を待った。
銀玉は北大のクラーク像の前に置かせてもらった。
- 884 :名無しの塾生:2009/10/08(木) 23:09:13
- 嵐に狂う石狩川の流れは生命を荒々しく包み込んでいた。
万物を育み奪うその姿はまさに輪廻。
全ての生ける者が畏怖する父なる存在であった。
- 885 :名無しの塾生:2009/10/09(金) 19:38:40
- 嵐を呼ぶ猫、それがタマである。
- 886 :名無しの塾生:2009/10/09(金) 21:06:37
- タマはまた一皮むけた。
- 887 :名無しの塾生:2009/10/10(土) 20:27:33
- タマ「お魚食べに行こうっと」
- 888 :名無しの塾生:2009/10/10(土) 20:52:09
- タマは釧路港に向かった。
- 889 :名無しの塾生:2009/10/11(日) 15:11:47
- タマ「秋といえばやっぱり秋刀魚でしょ」
- 890 :名無しの塾生:2009/10/11(日) 21:28:43
- タマ「いや、マツタケかな」
- 891 :名無しの塾生:2009/10/12(月) 10:38:15
- 「お客さん、港にマツタケはないですよ・・・」
- 892 :名無しの塾生:2009/10/12(月) 13:24:14
- タマは秋刀魚を探した。
- 893 :名無しの塾生:2009/10/12(月) 19:43:44
- 「お客さん、それあげるよ」
タマは港に水揚げするときにこぼれて落ちている秋刀魚を貰った。
- 894 :名無しの塾生:2009/10/13(火) 18:30:09
- タマは秋刀魚をどうやって食べようか考え抜いた。
- 895 :名無しの塾生:2009/10/13(火) 20:17:15
- タマは炉端焼きの店に秋刀魚を持ち込んだ。
- 896 :名無しの塾生:2009/10/14(水) 19:59:34
- 谷の様な陰影を浮かべた皮膚。
老いた、しかし熟成された雰囲気を持った男がタマを出迎えた。
- 897 :名無しの塾生:2009/10/15(木) 19:41:38
- おやじさんはタマから秋刀魚を受け取ると、慣れた手つきで焼き始めた。
- 898 :名無しの塾生:2009/10/17(土) 08:19:05
- たちまちいいにおいがたちのぼった。
- 899 :名無しの塾生:2009/10/20(火) 18:48:22
- 「さんまぁ・・・さんまぁ・・・」
- 900 :名無しの塾生:2009/10/20(火) 19:41:43
- タマは生唾を飲み込みながら、秋刀魚が焼き上がるのを待った。
- 901 :名無しの塾生:2009/10/20(火) 19:42:49
- タマはそのまま寝てしまった。
- 902 :名無しの塾生:2009/10/20(火) 19:51:36
- タマが目を覚ますと、隣にはペケがいた。
「お姉ちゃんが起きないから、秋刀魚食べちゃったよ」
- 903 :名無しの塾生:2009/10/20(火) 21:30:57
- タマは激怒した。同時に以前にも似たようなことがあったのを思い出した。
- 904 :名無しの塾生:2009/10/21(水) 20:05:37
- 高山でもラーメンを食べそびれたタマであった。
ペケ「お姉ちゃん、サンマの代わりに、釧路ラーメンを食べに行こうよ」
タマはすぐに機嫌を直した。
- 905 :名無しの塾生:2009/10/21(水) 20:13:41
- タマは思った。自分は欲を出すとロクなことがない。私欲にとらわれず、大欲に生きよう。
自分のためではなく、世のため人のためになる活動をしていこう、そう誓ったのであった。
- 906 :名無しの塾生:2009/10/21(水) 21:09:03
- とりあえず、釧路のラーメンは美味しく食べたタマであった。
- 907 :名無しの塾生:2009/10/21(水) 23:07:04
- 翌日、タマは機上の人となった。
- 908 :名無しの塾生:2009/10/22(木) 06:01:54
- タマは札幌に銀玉を置き忘れたことを思い出し、クロネコ宅急便に電話をした。
「お客さん、困りますよ・・・」
- 909 :名無しの塾生:2009/10/25(日) 21:47:47
- そうは言ったが、宅急便は同じ猫のよしみで、銀玉を日吉駅まで運んでくれたのだった。
- 910 :名無しの塾生:2009/10/26(月) 15:16:36
- タマは暫く休むことにした。
- 911 :名無しの塾生:2009/10/26(月) 21:01:33
- しかし、家に一日中いるタマではない。
久しぶりに図書館に行った。
- 912 :名無しの塾生:2009/10/27(火) 16:24:32
- 臨時休館は終わっていたが、タマはカードを忘れていた。
- 913 :名無しの塾生:2009/10/27(火) 17:33:35
- タマ「カード忘れたちゃった。肉球で押印すればいい?」
- 914 :名無しの塾生:2009/10/27(火) 20:27:00
- 「駄目です!!!」
職員の怒号が響いた。
- 915 :名無しの塾生:2009/10/28(水) 19:48:53
- タマは仕方なくカードを取りに帰った。
- 916 :名無しの塾生:2009/10/29(木) 21:51:29
- タマのカードは特製でスルメでできている。
- 917 :名無しの塾生:2009/10/29(木) 22:15:34
- お腹の空いたタマはそのスルメを食べてしまった。
- 918 :名無しの塾生:2009/10/30(金) 07:48:11
- ペケ「お姉ちゃん、スルメはあんまり食べないほうがいいよ」
- 919 :名無しの塾生:2009/10/30(金) 20:09:57
- しかし、数々の修行で鍛えられたタマの体は、
少々のスルメくらいではどうということもない。
タマ「あたしゃ、そんなヤワなネコじゃないんだよ!」
- 920 :名無しの塾生:2009/10/30(金) 23:41:18
- ともかく、カードの再発行まで図書館入館はできなくなった。
- 921 :名無しの塾生:2009/10/31(土) 20:23:26
- 新しいカードは通常のものになった。
- 922 :名無しの塾生:2009/11/04(水) 19:43:11
- 久しぶりに入館したタマは、ある本の前で目がとまった。
- 923 :名無しの塾生:2009/11/05(木) 00:35:06
- タマ「Siemens・・・? なんて読むんだろう・・」
タマ「わかった、ザーメンだ」
- 924 :名無しの塾生:2009/11/05(木) 14:30:44
- 僕はタマを叩いた
- 925 :名無しの塾生:2009/11/05(木) 19:56:17
- タマはときどきボケるので僕は突っ込みを入れている。
- 926 :名無しの塾生:2009/11/05(木) 22:08:14
- タマは図書館を出た。
- 927 :名無しの塾生:2009/11/06(金) 19:41:13
- タマと僕は小満津へ行った。
http://gourmet.livedoor.com/restaurant/18752/photos/detail/29078/
- 928 :名無しの塾生:2009/11/07(土) 11:46:21
- 1人と1匹はたらふく食べた。が、財布を忘れてきたことに気づいた。
- 929 :名無しの塾生:2009/11/07(土) 13:35:40
- 結局、ペケを呼び出して立て替えてもらったのだった。
- 930 :名無しの塾生:2009/11/07(土) 16:33:18
- ぺケは普段は温厚だがこの時ばかりは怒っていた。
- 931 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 14:53:14
- タマはお詫びにペケにプレゼントをした。
- 932 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 15:00:50
- タマ「ペケ、ありがとう〜。お礼にひよドトのドリンクチケットあげるよ。」
- 933 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 15:40:09
- ぺケはますます激怒した。
「お礼じゃなくてお詫びでしょ!このすっとこどっこい!!!」
- 934 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 16:08:01
- 数日後、ペケの元に、大好物である北海道のカニが届いた。
タマからだった。
- 935 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 21:56:23
- 僕は思った。タマは「男はつらいよ」の寅さんだ。ぺケはさくらだ。
- 936 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 22:27:10
- シリーズ第8作はフィリピン!…パブ。
ペケ「あら、バナナが届いたわ。こんなに反り返っちゃって…。」
- 937 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 22:27:38
- その頃、会計士業界は深刻な就職難であった
- 938 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 22:54:17
- 確かにタマには放浪癖があり、騒動も起こすのだが、
愛すべきキャラであった。
そしてそのことは、ペケが最もよく理解していた。
- 939 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 22:57:16
- しかし、寅さんと違ってタマはいつも恋をして振られる、というパターンにはまっているわけではない。
放浪癖とその性格から言って、あるいは「裸の大将」かもしれない。
- 940 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 23:00:19
- タマ「わ、わ、わたしはそう思うんだな」
- 941 :名無しの塾生:2009/11/08(日) 23:12:21
- 僕「別に話し方まで真似することはないよ…」
- 942 :名無しの塾生:2009/11/09(月) 20:45:02
- タマは今日もひようらを歩いていた。
- 943 :名無しの塾生:2009/11/09(月) 21:29:59
- タマはマルヤでイカ明太巻きを、東急でお茶を買い、来往舎の一階スペースで食べた。
タマ「イカ明太うま―――(゚∀゚)―――い!!」
- 944 :名無しの塾生:2009/11/09(月) 22:32:12
- そう、タマはよく食べるのである。
そして、タマがおいしそうに食べるものは売り上げが飛躍的に伸びる、
というのが定説であった。
- 945 :名無しの塾生:2009/11/10(火) 16:29:44
- もちろん中にはタマの口に合わないものもある。
- 946 :名無しの塾生:2009/11/10(火) 17:11:00
- タマ「ひようらのセルフのさぬきうどんのお店、イマイチだったわ。やっぱり猫は細麺をチュルチュル食べるほうがいい。讃岐うどんより稲庭うどんよね〜。」
- 947 :名無しの塾生:2009/11/10(火) 20:23:50
- ペケ「お姉ちゃんは麺食いだからね」
- 948 :名無しの塾生:2009/11/10(火) 21:06:19
- タマ「あら、ペケだって、うどんを茹で始めたら、いつも台所まで走ってきてたじゃない。」
- 949 :名無しの塾生:2009/11/10(火) 22:51:27
- 仲のいい姉弟猫のやりとりを僕は微笑ましく聞いていた。
- 950 :名無しの塾生:2009/11/12(木) 21:08:31
- ペケ「お姉ちゃんとよく麺の取り合いをやったよね」
- 951 :名無しの塾生:2009/11/12(木) 22:05:23
- 近所から麺取り死亡遊戯として恐れられたあの取り合いの事である。
- 952 :名無しの塾生:2009/11/14(土) 18:57:15
- タマは腹いせに、冷やさず熱いままのうどんをぺケに食べさせた。
それによりぺケは舌を火傷したのである。
- 953 :名無しの塾生:2009/11/14(土) 19:51:54
- ペケは猫の中でも猫舌のほうである。
- 954 :名無しの塾生:2009/11/18(水) 19:43:14
- 冬になると、タマとペケは鍋の中の魚の切り身やつみれの取り合いをしたものだ。
- 955 :名無しの塾生:2009/11/18(水) 21:27:01
- タマの目はギラギラしているのだ、そんな時には。
- 956 :名無しの塾生:2009/11/19(木) 21:07:27
- タマもペケもそうやって逞しく成長したのだった。
- 957 :名無しの塾生:2009/11/20(金) 22:45:00
- しかし、そんな日々も長くは続かなかったのだ…。
- 958 :名無しの塾生:2009/11/21(土) 15:23:23
- タマとペケの両親が急死して、二匹は野良になったのだった。
- 959 :名無しの塾生:2009/11/21(土) 21:38:25
- タマは言った。
「たとえ野良だとしても、女の子は誰でもプリンセス。どんな時も、堂々としていなければ…。」
- 960 :名無しの塾生:2009/11/21(土) 22:38:08
- その時から、タマは孤高なプリンセスを目指した。
- 961 :名無しの塾生:2009/11/21(土) 22:48:46
- しかし、僕に会ってからちょっと予定が変わってきた。
- 962 :名無しの塾生:2009/11/22(日) 10:33:26
- 僕と同居を始めてからタマは安楽な生活に慣れてしまいがちになるので
ときどき過酷な修行に出て気高さを忘れないようにしていた。
それが放浪癖ともいわれる所以である。
- 963 :名無しの塾生:2009/11/22(日) 11:35:17
- おかげで、ペケが店の運営を任されることになることがたびたびある。
- 964 :名無しの塾生:2009/11/24(火) 20:55:39
- ペケはタマよりも運営が堅実であった。
そのため、タマは安心して店を空けることができた。
- 965 :名無しの塾生:2009/11/26(木) 00:42:03
- タマは気恥ずかしくてペケに感謝の気持ちをなかなか伝えられずにいた。
- 966 :名無しの塾生:2009/11/26(木) 01:18:19
- そこでタマは思いついた。
「ひよドトのドリンクチケットをペケに贈ろう!!」
- 967 :名無しの塾生:2009/11/26(木) 14:26:10
- ペケ「もうちょっとましなものはくれないのかよ・・・」
- 968 :名無しの塾生:2009/11/27(金) 11:13:02
- タマ「じゃあ、ドトールのコーヒーメーカーと豆のセットを…。」
- 969 :名無しの塾生:2009/11/27(金) 19:30:37
- ペケ「お姉ちゃんはドトールがほんとに好きだねえ・・・」
- 970 :名無しの塾生:2009/11/28(土) 13:59:18
- 僕はスターバックスによく行く。しかしタマには内緒である。
- 971 :名無しの塾生:2009/11/28(土) 16:17:25
- 実はタマはそのことをずっと前から知っていた。
知らぬふりをしているのはタマの優しさである。
- 972 :名無しの塾生:2009/12/01(火) 22:17:57
- タマがドトールフリークなのにはわけがある。
- 973 :名無しの塾生:2009/12/02(水) 19:57:12
- タマの味覚では、ドトールのカプチーノの味はミロに近いからだ。
- 974 :名無しの塾生:2009/12/02(水) 22:28:24
- タマがミロをこよなく愛するようになったきっかけについては あまり知られていない。
- 975 :名無しの塾生:2009/12/03(木) 20:31:14
- タマが野良になって飢えていたとき、ミロに命を救われたのだ。
- 976 :名無しの塾生:2009/12/05(土) 22:46:31
- そのミロを差し出したのが僕だった。タマとの初めての出会いだった。
- 977 :名無しの塾生:2009/12/06(日) 15:05:07
- タマはミロを一気に飲み干すと僕に言った。
「ありがとう。ミロっておいしんだね」
- 978 :名無しの塾生:2009/12/09(水) 22:03:16
- タマと僕の初めての出会いは以前にもこういう記述がある。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/school/5444/1121004438/725-745
おそらくタマの記憶違いか僕の記憶違いかのどちらかだろうが、
初めて会ったとき、空腹のタマがミロを一気飲みしたのは間違いない。
- 979 :名無しの塾生:2009/12/10(木) 00:41:10
- 実のところ、僕はいつからタマと一緒に過ごすようになったのか、はっきりとは覚えていない。
断片的な記憶はあるのだが。みんな、パラレルワールドに生きているのかもしれない。
それはさておき、タマもペケも仲が良くて微笑ましい。僕はクリスマスを前に思った。
- 980 :名無しの塾生:2009/12/10(木) 20:12:53
- タマが子供の頃、クリスマスイブにはサーモンの入ったクリームシチューを食べるのが
定番だった。
- 981 :名無しの塾生:2009/12/16(水) 21:20:35
- タマはいつでもお腹を空かせている。
- 982 :名無しの塾生:2009/12/16(水) 23:09:31
- タマ「カフェラテをサイズアップして、ミラノサンドコーンドビーフでも食べるとするか。評判いいみたいだし。こないだひよドトでTカードも作ったから、ポイント貯まるのも楽しいし♪」
タマはニヤニヤしながらひよドトへ向かった。
- 983 :名無しの塾生:2009/12/18(金) 22:49:02
- タマが座る席はいつも決まっている。
タマ「やっぱり、この席は落ち着くねえ」
- 984 :名無しの塾生:2009/12/20(日) 00:17:13
- タマは同じことを繰り返している。猫だからといえばそれまでだが、
それは、イチローが同じことを積み重ねて大記録を打ち立てたことを考えれば、
タマのめざすところが少しは想像できるのかもしれない。
- 985 :名無しの塾生:2009/12/20(日) 10:30:46
- タマはミラノサンドを食べ、カフェラテを飲んでご満悦であった。
- 986 :名無しの塾生:2009/12/20(日) 13:21:29
- カフェラテを飲んだタマの背中に突如天使の羽が生えた。
タマは空を駆け抜け雲の彼方へと姿を消していった。
- 987 :名無しの塾生:2009/12/20(日) 22:56:45
- タマは冬の札幌に降り立った。
- 988 :名無しの塾生:2009/12/20(日) 22:58:39
- クラーク先生のところに行かなければ・・・タマは思った。
- 989 :名無しの塾生:2009/12/21(月) 21:07:13
- 北海道に来ると、タマは必ずクラーク博士像に立ち寄っている。
- 990 :名無しの塾生:2009/12/22(火) 10:04:26
- タマはある決意をしていた。その報告にやってきたのである。
- 991 :名無しの塾生:2009/12/24(木) 22:42:52
- タマ「私は猫と人間の架け橋になりたいのです」
- 992 :名無しの塾生:2009/12/25(金) 01:46:22
- その言葉は、まさにクラーク博士の影響を受けた新渡戸稲造のそれと同じであった。
- 993 :名無しの塾生:2009/12/26(土) 14:01:07
- クラーク博士「タマ君よ、頑張りたまえ」
- 994 :名無しの塾生:2009/12/27(日) 02:29:06
- タマ「はい」
- 995 :名無しの塾生:2009/12/27(日) 09:33:05
- タマは急いでひようらに帰った。
- 996 :名無しの塾生:2009/12/27(日) 10:44:46
- タマはとりあえずひよドトへ行き、年末年始用のインスタントのコーヒーなどを買い込んだ。
タマ「これで家でもドトれるわ♪」
- 997 :名無しの塾生:2009/12/27(日) 12:11:56
- タマが家に帰ると、僕とペケがこたつで寛いでいた。
- 998 :名無しの塾生:2009/12/27(日) 22:01:16
- タマ「やっぱり我が家が一番ね」
ほっとして緊張から解放されたのか、タマはそのまま眠ってしまった。
- 999 :名無しの塾生:2009/12/28(月) 21:02:44
- タマとペケと僕は川の字になって寝た。
年末の幸せな夜だった。
- 1000 :名無しの塾生:2009/12/28(月) 21:03:09
-
続く・・・
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