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クロイ方程式

19:2013/04/12(金) 23:06:20
「言いたいことがあればはっきり言いな!」

俺をここまで引き摺ってきたのは、やはりこの女、十六夜栞だった。

暇人なのかって思った。

20:2013/04/13(土) 13:53:09
「アンタって本当に不器用ねぇ…」

十六夜栞は俺の前に屈み込む。

「ん、怪我してんじゃん」

十六夜栞は俺の手を掴み、服のポケットからハンカチを取り出した。

それを俺の手にあてる。

どうやら手をどこかできってしまったようだ。

「はなせっ!」

俺は手を強引に振り解いた。

「もう俺に構うんじゃねえ!!」

大きな声で叫ぶと、目の前の奴はビクリッと肩を震わせた。

「お前らが周りにいるだけで目障りなんだよ!!
 俺だってちゃんと生きてんだ!!お前らの玩具じゃねぇ!!」

廊下がざわつき始める。

そりゃそうだ。

あんな大声で言ったんだから。

注目されるのは分かってる。

…なんだよ、これ。

ただのやつあたりじゃねーか。

俺は掌を握りしめて、その場を立ち去った。

21:2013/04/13(土) 14:01:17
帰る所はもちろん家。

鞄もなにも持たずに、学校から出てきた。

もう皆滅びればいいんだ。

滅んで、俺一人だけになっちまえばいいんだ。

そしたら楽なのにさ。

目障りな奴らがたくさんいるから、こんな世の中になっちまったんだ。

こんな国…さっさと無くなればいい。

「お待ちしてましたよ。久遠柩様」

自分の世界に行ってたせいか、その声で現実に引き戻された。

「私(わたくし)が送ってくれました招待状、読んでいただけましたでしょうか?」

目の前には黒い服を身に纏った一人の女。

招待状?

なんの話をしてるんだ、この女は。

「申し遅れました。私、こうゆう者です」

その女は俺に一枚の名刺をわたしてきた。


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