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クロイ方程式

15:2013/02/16(土) 19:35:10
俺はさっきまでいた教室まで戻ってきた。

「あ、柩」

十六夜栞は、俺の姿を見るとすぐさまに駆け寄ってきた。

パシンッ

16:2013/03/07(木) 19:09:51
十六夜栞からの平手打ち。

地味に痛い。

「バッカじゃない!?ねぇ、馬鹿なの?ねぇ」

しつこい女だ。

サバサバしてるかと思いきや、こんなにしつこいとは。

“女”ってもんがますます分からなくなる。

「もうっ。ホント、馬鹿すぎる」

十六夜栞が席に座る。

拗ねてるのだろうか。

「さぁさぁ皆席に着いてくださーい」

俺の後ろから担任が顔を出す。

「久遠くんも席に着いて」

やや強引に担任は俺を席に座らせた。

…子供でもないんだし、席ぐらい座れるのに。

「で、HRを始める前に皆さんに報告がありまーす」

HRって早くないか?

ふと教室の時計を見ると、時間は“8時20分”をさしている。

普通ならあまり時間を気にしないが、今日ばかりは気になる。

それに妙に落ち着かない。

これは一体なんだろう。

「今日はねー転校生を紹介しまーす」

それとは裏腹に担任はいつも通りHRを始める。

ガラガラッ。

教室の扉を開けて入ってきたのは、茶髪の男だった。

「赤神朔夜くん。両親の転勤でここに転校してきたの。
 では皆に一言」

担任がそう言うと、男の方は。

「赤神朔夜です。宜しくお願いします」

爽やか口調でそう言うと、そいつと目があった。

俺はすぐに逸らした。

「じゃ、赤神くんは久遠くんの隣に座ってね」

俺の左の席は空席。

ふーん。そいつはここに座るのか。

「よろしくね」

そいつは笑顔で俺に接してきた。

「…」

俺は無視した。

17:2013/04/05(金) 21:11:15
第2章 ゲーム

転校生がきてから、授業に集中できなくなった。

午前中の授業でも隣の奴がずっと俺に話しかけてくる。

俺は耳にイヤホンをさしてずっと音楽を聴いていた。

そうすればこいつの存在を消す事が出来る。

午前中の授業が終わって、昼休みの時間になった。

「柩ー中庭行こー」

十六夜栞が弁当包みを持って俺の席にやってきた。

「…」

俺は黙って席を外した。

18:2013/04/10(水) 20:28:07
一人にしてほしい。

半日中、隣のやつが話しかけてきて授業どころではなかった。

一人になれる時間がない。

昔はもっと楽だったはずなのに。

誰からも干渉されずに生きられたのに。

高校に入ったのが間違いだったんだな、きっと。

俺は一生自宅警備員でもよかった。

なのに、どうしてだろうな。

あの日、なんで学校に行きたい気分なんてなったんだろう。

自分の気持ちさえも押し殺して生きているようなものなのに。

…気の迷いだったのかもしれないな。

「ちょっとこっち来なさーい」

後ろから誰かに首根っこを掴まれ、後ろに引き摺られていく俺。

「はなせっ…よ」

俺は必死にもがくが、相手が力強いせいなのか、向こうは平気なよう。

廊下の隅の方に非常階段があるのだが、そこで首元が緩まった。

それと同時に頬に鈍い痛みが走った。

19:2013/04/12(金) 23:06:20
「言いたいことがあればはっきり言いな!」

俺をここまで引き摺ってきたのは、やはりこの女、十六夜栞だった。

暇人なのかって思った。

20:2013/04/13(土) 13:53:09
「アンタって本当に不器用ねぇ…」

十六夜栞は俺の前に屈み込む。

「ん、怪我してんじゃん」

十六夜栞は俺の手を掴み、服のポケットからハンカチを取り出した。

それを俺の手にあてる。

どうやら手をどこかできってしまったようだ。

「はなせっ!」

俺は手を強引に振り解いた。

「もう俺に構うんじゃねえ!!」

大きな声で叫ぶと、目の前の奴はビクリッと肩を震わせた。

「お前らが周りにいるだけで目障りなんだよ!!
 俺だってちゃんと生きてんだ!!お前らの玩具じゃねぇ!!」

廊下がざわつき始める。

そりゃそうだ。

あんな大声で言ったんだから。

注目されるのは分かってる。

…なんだよ、これ。

ただのやつあたりじゃねーか。

俺は掌を握りしめて、その場を立ち去った。

21:2013/04/13(土) 14:01:17
帰る所はもちろん家。

鞄もなにも持たずに、学校から出てきた。

もう皆滅びればいいんだ。

滅んで、俺一人だけになっちまえばいいんだ。

そしたら楽なのにさ。

目障りな奴らがたくさんいるから、こんな世の中になっちまったんだ。

こんな国…さっさと無くなればいい。

「お待ちしてましたよ。久遠柩様」

自分の世界に行ってたせいか、その声で現実に引き戻された。

「私(わたくし)が送ってくれました招待状、読んでいただけましたでしょうか?」

目の前には黒い服を身に纏った一人の女。

招待状?

なんの話をしてるんだ、この女は。

「申し遅れました。私、こうゆう者です」

その女は俺に一枚の名刺をわたしてきた。


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