3.
財政運営に関する以下の問に答えよ。
① 基礎的財政収支(プライマリー・バランス)とは何か、定義を示せ
② 基礎的財政収支と公債残高の関係について、基礎的財政収支がどのような状態になれば公債残高は増加ないし減少するか答えよ
③ 公債残高対GDP比が上昇し続けないならば、財政は持続可能であるとする見方がある。すなわち、分母にあるGDP(国内総生産)の増加率が、分子にある公債残高の増加率よりも高いと、財政は持続可能であるといえる。この財政の持続可能性に関する条件として、ドーマー条件がある。
そこで、公債の名目利子率と公債残高増加率は、基礎的財政収支がどのような状態のとき等しきなるか答えよ(根拠は次問で問うので、どのような状態かのみ答えればよい)
④ ③で答えた状態が、なぜ公債の名目利子率と公債残高増加率を等しくするか、その根拠を政府の予算制約式に即して示せ。
⑤ ドーマー条件(名目経済成長率は公債の名目利子率よりも高い)を満たせば、常に財政が持続可能となる(名目経済成長率は公債残高増加率よりも高い)といえるか、基礎的財政収支の水準と関連付けて論じよ。
⑥ わが国の財政運営は、財政の持続可能性の観点からどのように評価できるか。2000年以降の財政運営で、転換点となる出来事に触れながら論評せよ。
4.
わが国の地方財政制度に関する以下の問に答えよ
字数を制限しないが、多く書けば高い得点が与えられるというわけではない。短くても要領を得た内容であれば、高い得点が与えられる。また、答案の内容が講義担当者の見解と一致しているか否かは全く関係がなく、唯一絶対の解が用意されているわけではない。そして、解答ではあなたの考えの首尾一貫性が問われる。したがって、ここで与えられる得点は、それぞれの答案の内容がいかに整合的であるかによって決まる。
① 地方公共財供給のパレート最適条件は何か、漏れなく全て答えよ(条件の内容のみ答えればよく、条件の導出過程は答えなくてよい。
② 分権的な地方政府が、中央政府の介入が一切ない中で、各地域で現在の地域住民の効用最大化を目的として成立や地方公共材供給を独自に決めるとする。この地方政府が、一括固定税のみを課税する場合、①で問うた地方公共材供給のパレート最適条件を満たすことができるか、その理由と共に答えよ。
③ 戦略的行動をする地方政府が、中央政府の介入が一切ない中で、各地域で人口の流出入を考慮して地域住民の効用最大化を目的として税率や地方公共材供給を独自に決めるとき、どのような税を用いれば、①で問うた地方公共材供給のパレート最適条件を満たすことができるか、その税目を過不足なく答えよ。
④地方交付税は、各自治体にはどのような算定方法で配分されるか、答案用紙3行以内で説明せよ(論評を加える必要はない)。
⑤現行の地方交付税の制度には、どのような点に問題があり、それをどのように改革する必要があると考えるか、あなたの見解を述べよ
⑥現行の地方債の制度には、どのような点に問題があり、それをどのように改革する必要があると考えるか、あなたの見解を述べよ。