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28thgin yats\etaF

33クリーム 志貴→草十郎 有彦→鳶丸:2012/05/12(土) 13:18:29 ID:qBrHFEcE0
「いよぉう草十郎!」
 バン、と背中を叩いて挨拶をしてくる鳶丸。
「おはよう。今朝は珍しく早いんだな」
「ああ、ちょっとした気紛れってヤツだ。ま、たまには
まじめな副生徒会長のフリをするのも悪くないかな、と」
 あはは、と陽気に笑う鳶丸。
 その笑顔を見て、ここが自分の世界なんだな、と
安心する自分がいた。
「………………」
「ん、どうした草の字。いきなり難しい顔して。
家に忘れ物でもしたのか?」

 ワスレモノデモ シタノカ

 ……その言葉が呪いのように頭のなかをかけまわる。

 だが、結局。
 忘れ物がなんであるのかは、思い出せなかった。

「……いや、何も忘れてないよ。そんな事より早く
教室に行こう。せっかく鳶丸が早起きしたっていう
のに遅刻しちゃ大損だろ?」
「はは、そりゃごもっとも」

 そうして友人と校門をくぐり抜ける。
 それで、何かが決定的に終わった。

「──────」
 背後に視線を感じて振り返る。
 振りかえった先には何もない。
 ただ、青色の椋鳥が飛び去っただけだ。

 静希草十郎は教室に向かっていく。
 今まで通り、平穏で慣れない毎日に戻るように。

                     END

34僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/12(土) 15:31:23 ID:mHyTgHks0
死亡じゃないENDがあったかと思うと割と穏便な内容だったんだなと痛感

35俯瞰風景:2012/05/13(日) 16:04:13 ID:vjPR9pfs0
「それじゃ、また」
「は?」

 旧知の友人みたいな言葉を残して、草十郎は廊下の先……
 ではなく、隣の教室に入っていった。

「蒼崎くん、今の飛び降り自殺でしたね」
「ええ、そのようですね」…曖昧に答える。
 正直、あまり興味はなかったからだ。
 その当事者の決意がどのようなものであれ、自殺はやはり自殺として扱われる。
 彼の最後の意志は飛行でもなく浮遊でもなく、墜落という単語で纏められてしまう。
 そこにあるのは虚しさだけだ。興味が持てる筈もない。
「去年は多かったって聞きましたが、まだ流行りだしたんでしょうか。
でも私には、自分で死んじゃうヒトの気持ちって分かりませんね。
―――蒼崎くんはわかります?」
 ええ、とまた曖昧な頷きをする。
 校門に目を移し、本来ありえない幻像を眺めるように答えた。
「自殺に理由はありません。たんに、今日は帰れなかっただけでしょう」

36静希→七夜:2012/05/14(月) 12:11:57 ID:iEiAfeF.0
/起承転

 君がこの何もない山奥を好きだといい、おそらくは
一生ここで静かに朽ちていくのでしょうと語った時、
やはり父は怖れを抱いた。
 子供のその望みは彼にとっての望みでもあり、そして、
それだけは果たされる事のない望みだと悟っていたため
である。



 一方、彼女はいたくご立腹だった。

 職員室から会議室に向かうまでの間、これから会う人物の
プロフィールを聞いたからだ。
 なんでも、その人物は生まれてから今の今まで、電気も
通っていない山奥で暮らしていたらしい。

 電気がないという事は、現在の文明社会の半分以上を知らない
事になる。

「なんて絶望的な断絶、戦後どころか戦前の話じゃない。
 ロビンソンにも程がある……!」

 彼女のそんな憤りもやむをえまい。

 なんでも、その山奥の村は長いこと暗殺集団として孤立して
いたらしい。
 麓の村とですら月に一度の伝書鳩で連絡をとるだけなんて、
現代日本とは思えない。
 いま確かなコトは、そんな状況で暮らしてきた人間が何を
考えて生きているか想像もできない、というコトだけだ。

37僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/14(月) 13:00:53 ID:FP3rXOc6O
ありがとう、ありがとう
オーソドックスなところから来てるね
買ってないようなので当然といえば当然だけど
本編ネタも楽しみにしてるぜ

38ベオ→アヴェンジャー 橙子→バゼット:2012/05/14(月) 18:14:33 ID:iEiAfeF.0
「これは私なりの、サーヴァントへの感謝の気持ちです。
 今まで色々付きあわせましたが、これからもお願いします」

 この愛想笑いである。

「胡散くさい、芝居くさい、抹香くさい!
 余裕のあるバゼットなんてバゼットじゃねえ!
 いっつも周りを怖がっていて、文句も言わず、気楽そうな
ヒトたちにめちゃくちゃ疎外感あるけど見栄張って
我慢してる……そんな、鎧のおかげでかろうじてリスト
カットを免れてるマスターはどこにいったんだ!」

39月姫:2012/05/16(水) 08:04:19 ID:Yx.xLCr.0
「うわあ! すごい、すごいよ先生! ラクガキが
ちっとも見えない!」
「あったりまえよ。わざわざ姉貴の所の魔眼殺しを
奪ってアリスに作らせた渾身の逸品なんだから。
 粗末にあつかったらただじゃおかないからね、志貴」
「うん、大事にする! けど、先生残念だね!
 あれだけイヤだった線がみんな消えちゃったけど、
先生が作ったんじゃないんだ、コレ」

「それは無理よ。だって私、マグロ漁師だもん」

 情けなさそうに苦笑して、先生はトランクを地面に
置いた。

40僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/16(水) 22:29:51 ID:urTqxfQw0
Fate/Zeroアニメ20話予告を見て思いついた小ネタ


ランスロット「やっと、戻りましたな。昔の貴方に」

黒セイバー「――安心しろ、ランスロット
       後は私が片を付ける。朋友よ、貴様の聖杯戦争は……終わりだ」

41足と腕 そして青色の魔法:2012/05/17(木) 12:10:26 ID:qm3OXK020
「……ほんと、アンタってばか」

 見上げながら青子は小さくつぶやいた。
 悔しいけれど、今はその手を拒めそうにない。
 青子は仕方なげに、草十郎の手を取ろうと手を伸ばす。

 けれど、その手が触れ合う事はなかった。
 しゃん、と鈴を鳴らす音。
 風は線を引いて走った。
 断頭台の刃は、胴体を裂くように横なぐりに。

 あっけなく崩れ落ちる。

 いや───崩れ落ちる、筈だった。

「な────────」
 当惑で息が漏れる。
 一体どうなっているのか、と。
 刃を振り下ろした姿勢のまま、橙子は呆然と草十郎を見た。

「────────真逆」

 彼女はようやく事態を掴んだ。
 横一線に薙ぎ払った必殺の一撃。
 それが止まった。
 敵の胴体をなぎ払う直前に、何かに刃を挟まれ霧散したのだ。

「──────足と、腕ッ!」

 またも奇蹟は起こったのだ。
 橙子の刃は、敵である静希草十郎によって止められていた。
 膝と肘。
 高速で切り払われるソレを、男は片足の膝と肘で、挟みこむ
ように止めたのだ。

「──────────」

 無論、彼女は知っている。
 素手で相手の武器────刃を受け止める無刀取りも、それ
実現する達人の事も。
 それでも、これが通常の戦いなら放心する事などなかっただろう。

 だが事は魔術戦。
 敵は死に体の素人だ。
 それが必殺の一撃、視えない刃を捉え、かつ素手で押し止めた
など、やはり正気の沙汰ではない……!

「───侮りすぎね、橙子さん」

 それは、闇の果てから響いてくるような声だった。

「………っ、我が目前に────!」

 橙子の体が流れる。
 接近した有珠に気づきルーンを描く。

 その瞬間。

「もぎゅ────!?」

 彼女の口内に、スイーツハーツがねじり込まれた。

423 久遠寺邸→遠野邸:2012/05/18(金) 08:05:09 ID:7P6BAQvc0
 ───丘の上にはお化け屋敷が建っている。

 それは三咲町に古くから伝わるむかし話。
 同時に街の近代化が終わった後のように、しめやかに伝わる
最新のうわさ話。

 たとえば、もう何年も前に朽ち果てた廃屋なのに、夜になる
と猫の着ぐるみが走ったりする。

 たとえば、丘の上の無数のカラスが集まって吸血鬼になる。

 たとえば、霧が深い日に子供が迷い込んで地下帝国にいく。

 たとえば、深夜、カットカットカットカットという声が
住宅地まで響いてくる。……これは遠野家には無関係な噂
なので改めたい。

 あと、たまに目を疑うような金髪美女が坂道を登っていく。

 噂話は日に日に種類を増していた。
 そんな感じで、穏やかなはずの丘の上の洋館は、数年前から
元気ハツラツだった。

43ウェイバー→アリス:2012/05/19(土) 00:23:38 ID:mhgjhElk0
ふと台所の片隅に、目立たぬように置かれた買い物袋が目に留まる。
そういえば彼は、こそこそと買い物をして何を買ったか教えてくれない時がある。
アリスは袋を開けて、手つかずのままのカップラーメンと緑茶パックを取り出した。
わざわざ3人分買ってある。激怒から魔術で消してしまおうとして、堪えた。
「こんなくだらない食事なんて取る気は無いのだけれど、・・・・・これ、私のだから」
外のことに興味を持とうと決めたばかりでも、ある。
せっかくの自分の物まで消してしまってもしょうがないし、とりあえず試してみるのもいい。
だけど本当に美味しいのかしら、これ?
アリスは訝しげに眉を顰めつつも、ともかくパッケージの中身を検め、
説明にある通りに、カップに緑茶パックを入れラーメンの蓋をはがしてお湯を沸かすところから始めた。

44フラットスナーク→トッキィー:2012/05/20(日) 00:55:22 ID:NYIrfC6o0
―――――体は夢で出来ている。

血潮は老いて 心は若く。
幾たびの小麦を超えて不敗。
傷つけるなら体ではなく、
子供たちの心にしたい。
彼のものは常に独り 夢の廃墟で自分に酔う。

故に、生涯に意味はなく。
その園は、きっと悪夢で出来ていた。
My whole life was "unlimited Kitsy land"

45ファム・ファタール 士郎→有珠 黒セイバー→ネロ・カオス:2012/05/20(日) 17:38:26 ID:qo8LSzN60
 …振り下ろせない。
 短剣を持つ手は震えるばかりで、一向にネロ・カオスの胸を
貫かない。

「──────────」
 彼は、ただわたしを見上げている。
 何の感慨もなく、対岸の火を見るように馬乗りになったわたしを
見つめている。

 たった数日。
 ゾウガメを見せてもらったあの夜から、まだ八日しか経っていない。
 ……いや、もう八日と言うべきか。
 ごつごつした甲羅、穏やかな亀の頭を見失ってから、もうそれだけ
の時間が経った。
 時速3キロの歩行、もしゃもしゃとした食事の風景は、いまも鮮明に
思い出せる。
 彼は敵対したわたしを一流と認め、さまざまな動物を繰り出して
くれた。

 ───何度傷を負おうと、死を迎えようと。
   その決意が鈍った事は一度もない。

 忘れない。
 あの夜を、あの奇跡を忘れる事など出来ない。

 ───陸でビタンバタン跳ねるマンボウ。

 それらは、
 彼がどう変貌しようとも失われない、切り取られた、永遠の
風景だった。

「──────────」
 そうして悟った。
 わたしに、ネロ・カオスは殺せない。
 見る影もなく破れたコート、纏った魔力さえ弱々しくなろうと、
わたしを感動させたガクガク動物ランドなのだ。

 それを───どうして、殺める事が出来ただろう。

46僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/21(月) 06:43:44 ID:kmFks7zg0
どんな状況だよw

47僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/21(月) 07:49:44 ID:YG1LvjrAO
どんな組み合わせかと思ったら水族館繋がりかw

48犬→狗:2012/05/21(月) 12:18:12 ID:fioFfrHo0
「そうか。でも狗はよくないな、鳶丸」
 難しい顔つきで草十郎は椅子に座る。
「あん? 犬がどうしたって?」
「狗はよくないって言った。喩えが違う気がするし、
なにより怖いぞ、アレ」
「? なんだよ、山奥育ちのくせに犬が怖いのかよ」
「そりゃたいていの生き物は怖いけど、狗は別格だ。
 槍を担いだ走狗ほど始末に負えないものはない。
 脚の速さも脅威だけど、なにより律儀すぎる。
 どこまででも追いかけてくるし、心臓潰しても
退かないんだぞ」

49僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/21(月) 13:56:37 ID:rYfWKZy.0
クランの猛犬w
そりゃ怖いよw

50そして、青の魔法 デッドブリッジ2 平手打ちシーン:2012/05/22(火) 07:07:49 ID:6jmJqv8M0
「──────」
 それより早く青子は動いた。
 草十郎の前に回りこんで、全身に回る魔力をすべて
カットしないまま、力のかぎり右手を振るってしまった。
 頬が飛び散る音と、廊下に膝をつく人影。

 ……しくじった。
 阿呆か、何を間違えたんだ愚妹は。
 忘れていたのか、うっかりしたのか。
 蒼崎青子という魔法使いが持つ性能、その根本的な部分を
どうして土壇場で忘れるのか。

 頬をえぐりとった穴から知蔵がダラダラとこぼれていく。

「っ、こうなったら魔法! コイツの時間を、また未来に
おいてくるしか!」
「───おまえは、最悪だ!」

51魔法使いの夜1 柳洞寺の怪談:2012/05/23(水) 07:26:02 ID:gAuC.s3g0
「……すまない、お金は払えないんだ。
 タダで入るわけにはいかない」

 彼にとって後ろめたいのはその一点だけである。
 目のペンキがいい感じで融解しているキッツィーちゃん象
に、バイバイ、と手を振る。
 赤ペンキを眼窩から流すマスコットを見物して、草十郎は
自宅へと引き返した。


FIN.

「キックキックキックキック!
 なによそれつまんないわよ!っていうかなんでそんなに
あっさり帰るのよ実際! 草十郎素直すぎ! 金なさすぎ!
あと私ピンチすぎ!
 そもそもなによこの呪い人形、こんなヤバイ状態で登場する
のよあっちいって、あっちいってよぅ……!」

 某月某日、某時、遊園地。
 冬の夜空に蒼崎青子の悲鳴が響いた。

52口裂け女→ネロ・カオス:2012/05/24(木) 11:59:01 ID:Uh8I7Gns0
「怪談だよ。裸コートの教授ってヤツ。
 今じゃさすがに時代遅れだけどよ」

「えーとなんだっけ、深夜の公園には、コート姿のおっさんが
戦闘していて『栄養分が現れてくれた』とか言うんだよ。
 で、逃げようとしても殴ろうとしても動物に
追っかけられて食われるの。おっさんの性欲はおっかねえ
っつうか、アメコミの怪人っぽいっつうか」
「……いや、それ本気で怖くないか?
 家まで追ってくるのか、その裸コート?」
「窓から監視するらしいぜ。
 カーカーと、こう、カラスみた───ぎゃっ!?」

53僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/24(木) 12:00:05 ID:Uh8I7Gns0
「……おい。すると何か?
 お前は都会の人間はコートから象だしたり、カラスがでたり
するのが普通だと思ったのか?」
「……まあ、普通じゃないけど、特別でもないんじゃないか
と思ったんだ。
 ここは山に無い物があふれている、何でもありの場所だ。
だから、それぐらいやってのける人だって、もしかしている
のかなと」

54僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/24(木) 12:28:48 ID:M5Ocwyb.0
わくわく動物ランド馴染みすぎてるだろwww

55昏月→中華料理屋:2012/05/26(土) 10:18:02 ID:fH7HkGzo0
「時間は八時前、ぎりぎりセーフね。私泰山がいいな。
あそこの麻婆豆腐、最近ご無沙汰だったし」

 ポーカーのカードのように並べられた店々のお品書きを
取り出し、まだ見ぬ夕食にご満悦の生徒会長。そんな、幸せ
そうな青子をひと目も見ずに、有珠は慌てて返答する。

「わ、悪いけど、わたし夕飯済んでるの」

 しかし悲しいかな、この時の生徒会長は有珠が嫌がった事
を遠慮だと勘違いして頼んでしまうのだった。

56姉、帰る:2012/05/26(土) 10:20:52 ID:fH7HkGzo0
「……でも、ようやく合点がいった。
 認めたくないけど、今回の敵は間違いなく協会の重鎮。
 シュポンハイムの次期院長、コルネリウス・アルバ
その人よ、有珠」

 人気の絶えた地下の歩廊で。
 恐怖の念を噛むように、青子はそう言い切った。

「そんなわけナッシーーーーーング!!!!!!!!」

 久遠寺邸の隅まで響き渡る絶叫。
 まるでジェット戦闘機の爆音を聞いた様に耳が───
 鼓膜が破れ気絶しなかったのが、奇跡。

「じよーだんにもほどがある! あの人形を拵えたのが
アルバだと思ったのか!? 荒耶なら許しもするが
アルバはないだろう!?」

「なのに青子の知識ときたら、もう周瀬姉妹のダメな
方にも負けないだろ、否、
勝っちゃダメだと思うぞお姉ちゃんいろんな意味で!」

 それは声というより、肺活量の限りを尽くして吐き出される
空気の塊であった。
 屋敷の土台がグラグラ震える。

57まほよプロローグ ある騎士の物語。  時系列無視:2012/05/28(月) 00:05:54 ID:HvSe0DOM0
 それが今まで見てきた夢の感想。
 いつもならここで目が覚めて朝を迎える。

 ───だっていうのに。
 今朝に限って、夢には続きがあるようだった。

 ────とある家に、そいつは居候をしていた。

 おそらくは何か小さな悲劇で、争いによる惨状じゃない


 彼女はこみあげる涙をせいいっぱい我慢しながら、
祖父の客人に飛びついた。

 客人は何でもできる魔術使いだった。
 彼女自身「魔術」なんて見たコトもないし、おとぎ話の
空想だと分かっていたけれど、そんな常識とは違う基準で、
その人はそういうヒーローなんだと思っていた。

 だから。
 その正義の味方ならきっと、助けてくれると思ったのだ。


「その子猫の運命を変えろと言う」

 赤い外套の男は、困った顔で言った。

 助けたい、と彼女は懇願する。
 魔術使いは一度だけだぞと、
 それは世界を換える大事だとも言わず、


”契約しよう、我が死後を預ける。その報酬を、ここに貰い受けたい”


 まるで機械みたいにあっさりと、彼女の身勝手な願いを叶えて
くれた。

 「…………あ」

 気が付くと彼女の手には小さな生命。
 暖かい毛なみ。
 当然のように命の温度が感じられた。
 悲しみから嬉しさに変貌した涙が、瞳からこぼれている。

 胸には黄金の空みたいな果てのない、大きすぎる感謝の念。

58僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/28(月) 02:37:11 ID:UJ9uo0A60
ちょw
いくらなんでも報酬安すぎるw

59僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/28(月) 14:30:04 ID:pyK/fMfkO
愚かだけどありだな

60僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/29(火) 05:32:04 ID:fk1SmGZoO
そんなあまりにも安く、だが何より尊い報酬がスタートラインならきっと何兆の絶望を受けても磨耗することなどなかったろうにな

61僕はね、名無しさんなんだ:2012/05/31(木) 19:31:41 ID:VgucGqJs0
「答えろ青子! 貴様、彼の時間をどこにやった! そこに
あった熱量の帳尻を、どうやって合わせている!?」
「問題無いわ! アイツなら五分間で、ブラックバレル借りて
タイプサターン撃墜してたもの!」
「───おまえは、最高だ!」

62衝撃のマーボー 士郎→子ギル 言峰→イリヤ:2012/06/09(土) 18:20:22 ID:OykOyw7k0
プリヤ 子ギルvsイリヤ


カレイドライナー ツヴァイフォーム!!!

言葉がない。
なんで剣が折られているのか。
なんで神々の盾がこうも簡単に突破されるのか。
それもすごい勢いで。
額に汗を滲ませて、休憩などいらぬ、一度手を止めれば二度と
体が動かぬわ、という修羅の如き気迫。

というか意地になってないかあの娘、攻撃の威力が尋常じゃないぞ。
もしかしてあのステッキなのか。割烹着の悪魔と洗脳探偵が十年くらいタッグを組んで
合体事故のあげくワタシチートマホウショウジョ今後トモヨロシクみたいな
状態だというのか。

だとしたらまずい、あの娘もまずいが僕もまずい。
アレ全身の器官が魔術回路になってる。そうでなくちゃ説明できない。

「友のために身を滅ぼすか。」
「ああ…君は…君こそは…」
「僕の全力に相応しい!!!」

「天地乖離す開闢の星!!!」
「多元重奏飽和砲撃!!!」

63忘却録音:2012/06/09(土) 22:53:18 ID:Bn0UMaEM0

 その日の予定を終えて、彼は隠れ家に戻ってきた。
 天気は何日かぶりの曇りで、道はモノクロームの写真のように静まり返っていた。
 玄関の扉を開けて、中の様子をゆっくりと眺めた。
 家具にも装飾にも乏しい彼の部屋は、生活感というものが排除されていた。
 灰色の陽射しに照らされた、時が止まった部屋。
 その風景が今朝のものと一致するか確認してから、彼は中に足を踏み入れた。

「――――――」

 同時に、彼は鋭い痛みを覚えた。
 視線を後ろに向ける。
 そこには見知らぬ少女がいた。
 彼女はナイフをもって、深々と彼の背を刺していた。

「――――誰かな」

 静かに、彼は言った。
 少女は答えない。
 ただナイフを持つ手を震わせて、顔をあげる事もできないようだった。
 彼は、そんな彼女の体を観察した。
 身長、体重、髪の色、髪型、肌の色、骨格。
 彼が記憶しているかぎり、この少女の特徴を持っている知人はいなかった。
 けれど――――

「君は。私を殺すために待っていたのか」

 少女は答えない。
 彼は一回だけ肩をすくめて、自らの手を彼女に触れさせた。
 優しく、彼女の恐怖を和らげるように。

「ならもう行きたまえ。君の用件は済んだんだ。
 ……君は、こんな所にいてはいけない」

 少女は、その言葉にびくりと震えた。
 彼は、自らを殺す相手を、憎む事は無かった。
 殺人をした事よりその事実の方が恐ろしくなったのか、
 彼女はナイフから手を離して走り去った。

 彼にはわかっていた。
 あの少女は、一体誰であったのか。
 色々な特徴は、切り捨てて来たものの中から二人の人間を連想させ、
 ただ、その人達とは年齢が違っていた。
 それならば彼女にとって彼は両親の仇だったのだろう。

 彼はドアを閉め、内側からロックした。
 血を撒き散らしながら、あらゆる鍵を丁寧に閉めていった。
 やがて体は動かなくなって、彼は壁に背をついたまま座り込んだ。

 思った事は一つだけだ。

 自分が死ぬ時は、
 誰かの不利益となったために消されるだけなのかも知れない、と恐れていたが―――

 訪れたのは人間性を剥奪されての死ではない。
 彼は、正当な糾弾(にくしみ)のもとに斃された。
 そんな、彼にとって唯一と言えた人間的な救いが与えられたのだ。

 人々から異常者と罵られても、
 自分の選んだ道が間違っていると気づいても、

  “―――より多くの人々を守る”

 その理想の正しさだけを心の寄る辺にしてきた青年への、最期の報酬。

 そんな事に何の意味があったのかはわからない。
 ただ、一つだけ。
 彼は久しぶりに、自分が笑っているのだと実感できた。

64僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/09(土) 23:54:01 ID:O7GVbEaE0
エミヤ……


65僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/10(日) 20:03:38 ID:wWwDbWr60
悲しすぎる最後の報酬
でも、こんな終わり方も納得できてしまう

66マーボー→マー貌 士郎→ケイネス 言峰→ソラウ:2012/06/10(日) 20:59:41 ID:LNT23e0I0
なんかソラウがマー貌食ってる。

言葉がない。
なんで二人が私の寝ているベッドの横で腰を振っているのか。
なんで私の婚約者が私の従者にまたがってるのか。
それもパンパンスパンパンとすごい勢いで。
額に汗を滲ませて、休憩などいらぬ、一度腰を止めれば二度と
体が動かぬわ、という修羅の如き気迫。

というか絶倫すぎないかソラウ、マー貌の疲労感が半端じゃないぞ。
もしかして令呪なのか。私の指へし折り手にした令呪と供給してた魔力がタッグを組んで
合体事故のあげくレイジュヲモッテメイジルワタシヲダキツヅケナサイ今後トモズットヨロシクみたいな
状態だというのか。

だとしたらまずい、私のハートもまずいがソラウの一族もまずい。
アヘ顔ダブルピースになってる。ご両親に説明できない。

しゅごい、もうマー貌干物の様になって赤玉しか出てない。
ソラウはようやくマー貌から目を離し、今気づいたかのように私の方を見て一言。

「一緒にどう?あ、貴方はもう無理だったわよね」
「食うぞー!」

買ってきたのに乗ることが出来ずホコリを被っていた車椅子にジャンプしソラウとマー貌の間に突撃した。

67僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/10(日) 23:11:56 ID:ICyjigHU0
マー貌違うwww

68ネコ→トリ:2012/06/11(月) 18:45:12 ID:7I3m2QTw0

 うっすらと目を開けると、もう朝がやってきていた。
 うーん、と両翼を伸ばして嘴をあけ、さて、とベッドから跳ね起きた。

 トン、と絨毯に着地する。

 おお、なんという身の軽さ!
 こんなに体が軽くて調子がいい朝なんて、山を降りて以来かなー、と尾羽を揺らす。


―――――――?

 む? なんか、妙にベッドが大きい。
 そういえば床も広いし、随分と部屋が拡大した感じ。

「なんスか?」

 な?と声をあげたつもりだった。

「なんなんッスか?」

 なんだ?と声をあげたんだってば。

「何wwwコレwwwww」

 なにごとー!?と声をあげたんだけどな、俺。

 ……いやもう、何が起きているかは判っているんだけど、納得がいかずに部屋中を走りまわった。
 トリ!? トリの呪いッスか!?
 昨日、あの鼻眼鏡をつけたまま眠ったのがまずかったって言うのかーーーー!?

「―――――――――」

 さて、そろそろ冷静に考えよう。
 静希草十郎はコマドリになってしまった。
 以上、終わり。





 廊下を全力で駆けぬけて停止する。
 あ。ここ、有珠の部屋の前だ。
 しかも扉はわずかに開いている。

「………………」

 ピンときた。
 コマドリになってしまった理由や対策を考えるのもいいが、
 トリならではの利点というものも考慮にいれなくてはいけない。
 例えば、普段なら覗き見ることなんかできない有珠の私生活を拝見しちゃうとかなんとか。

「………………」

 有珠は机に向かって書き物をしていた。
 ノートを開いて、本を見ながらなにやら難しい顔で鉛筆を走らせている。
 ちょっと興味が湧いてきたので、ひょい、と有珠に気付かれないように後ろに回って、
 机に広がったノートに目をやった。
 ノートの出だしには、

“落ちていく太陽。波の音だけが耳に響く”

 なんて、わけのわからない走り書きがあった。

「……?」

 現代文?と首をかしげて続きを見る。

69歌月十夜「ネコネコネコネコ!」:2012/06/11(月) 18:46:27 ID:7I3m2QTw0

―――そうして夕暮れの海岸で静希くんは私の肩にそっと手を置いた。

「馬鹿だな有珠。俺にとって大切なのは有珠だけだよ」

 近づく瞳と瞳。
 けれど私はその手を解く。

「―――嘘。静希くんは青子がいいんでしょう。体つきも、その―――」
「馬鹿だな有珠。ああいうのはデブっていうんだ。
 有珠の黒髪と華奢な体つきには敵わないよ」

 逃げる私を静希くんの五指が掴まえる。
 私たちはそのまま、どんな言葉もなくゆっくりと―――



「―――――――――!」

 ……自分で書いていて照れたのか、
 ごしゃー!と豪快に消しゴムをかけていく久遠寺有珠。

「…………。……… ――――!?」

 あ。目が合った。

 わなわなと肩を震わせてこっちを睨む有珠。

「……見、」

 見てない見てない、と首を振る。
 が、有珠はこっちの言い分なんてまるで聞いていない。

「―――そう、見たの」

 辺りに霧を漂わせだす有珠。

 まずい。
 アレは本気だ、と看破して有珠と向かい合ったまま移動していき―――
 一気に窓辺へと駆け寄った!


「――――――!」


 ざくり、なんて音をたてて、
 さっきまで自分がいた絨毯が無くなっていた。

 ざこん、ざくり、ぎごん、ぐしゃり!

「死ぬッスーーーーーー!」

 思いっきり絨毯を蹴って窓の隙間から飛び出る!
 ……って、いつのまにか外は暗くなっていて、


   【テムズトロル】
 こんなモノが構えてました。



「く――――――こんな、門番を」

 用意しているなんて、有珠はおっかないなあ。

「あの、ところでなんか本気で死にそうなんスけど、俺」
「オレ、抹タナ死」
「―――――――喋るッスか」

 呟いた時には遅かった。
 俺はコマドリの姿のまま、怪しい言葉遣いをする巨人にかぷかぷされてしまった。

70僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/11(月) 18:58:35 ID:85WWWS2.O
ひっでえやwwwww

71僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/14(木) 22:22:21 ID:3MqM213g0
ポエムひでえw
あと>>70のIDがすげえ

72Fate/Zero act16:2012/06/18(月) 01:45:51 ID:x1pk5xME0
「僕は――世界を――救うから、だ」
 ただひとつ、最後まで貫いた信念のその言葉、その響きのなんと空虚なことか。
 白い顔を鬱血させながら、アイリスフィールが切嗣を凝視する。いつの日も、慈愛と憧れだけを込めて
彼を見つめてきた緋色の瞳が、底抜けの祝詞と怨嗟に染まる。
「――祝ってやる――」
 優しかった細い五指が、切嗣の肩に掴みかかる。食い込んだその五指から、黒い泥が流れ込む。
「衛宮切嗣……オマエを祝う……苦しめ……死ぬまで悔め……絶対に、赦さない……」
「ああ、いいとも」

73僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/20(水) 18:38:29 ID:qtqIPWeg0
祝うなw

74僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/20(水) 18:52:11 ID:hpGgnzuE0
ぶっちゃけ祝われるほうが怖いな

75僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/20(水) 20:06:58 ID:lPPCeYXU0
菌糸類的には、祝うを”のろう”と読ませそうだから困る、いや困らないw

76僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/20(水) 20:50:52 ID:kVe6o14o0
初期のアンリマユを反転させたのを思い出すな

77見知った子供:2012/06/25(月) 01:49:46 ID:9tGiKFbM0
アニメZero最終話記念ということで


 と。
「???」
 一瞬、少年の幻と目があった。
 神や精霊たちならいざ知らず、鎧も来ていない普通の少年が光の中に見える、なんてコトはこっちの錯覚だと思ったのですが、
「……こっちに来ますね」
 見慣れない服の少年は、光の中をつっきって、このカムランの丘へ下りてくる。

「えっと、おはようございます」
「……はい?」
 思わず、間の抜けた返事をしてしまう。
「あれ、こっちだともうこんにちは、か?それじゃあやり直すよ。
 どうも、こんにちは」
「あ、えぇ。こんにちは」
 つられて挨拶。
 に、と嬉しそうに笑う男の子。

「――――――」
 やばい。
 やばいぐらいに記憶にない。
 見ず知らずの子に、挨拶される謂われはなく……しかも私を知っているそぶり……きっと会ったことがある筈だ、
 と頭を巡らす。

「……まったく覚えがないのですが。すみません、以前会ったことがありますか?」
「あれ、知らないか?」
 きょとん、と驚く男の子。
 すごい罪悪感が湧くのですが、悲しいかな思い当たる節はありません。
「うーん、そうだなぁ。鈍そうだし、いきなりじゃ無理ないか。けど、もう結構関係あるぞ俺たち。
 まあ正確には俺自身とではないんだけど」
「自分自身とではない?」
 いや。自分自身とではないって言われても、何のことか判るわけないですし……。
「んー、俺ではないけど俺の半身とか家族とか。まあ、半身については俺も詳しく知らないんだけど。
 同化してるけど知覚できない、みたいな」
 ますます分からない。
 彼は仕方ないな、と笑顔をうかべる。

「じゃあヒントをやるよ。俺の名字は、衛宮って言うんだ。
 その分野で思い当たるモノって少ないだろ?セイバー、いろんな人と関わってきただろうけど、東洋系の名前っ
 て少ないだろうし」
 少年の声に嫌味はまったくない。
 自分のことが分からないと言われているのに、なお朗らかな笑顔を向けてくる。
 それにしても、エミヤとセイバー―――って、もしかして……?
 衛宮という名字をしたセイバーという単語に関係ある者なら、一人だけ心当たりがあるようなないような。

「――――――え」
 ぜんぜん関係ない。
 ぜんぜん関係ないはずなのに、なんとなく、この少年と同じ名字……というか、さっきまで契約していた彼を思い浮かべてし
 まった。
「いや、でも―――もしかして、彼の子供は、一人ではなかった……?」
「残念だけど俺はただの養子だ。爺さんとは本当の家族ではないんだけど」
 邪気のない、天使のような笑顔。

「あ、でも安心してくれ。まだ今のところ契約には至らないみたいだから。
 まあ、魔法のように現れたらたとえ地獄に落ちようとも鮮明に思い返せるかもしれないけど、
 とりあえずまだセイバーの鞘ではないみたいだ」
「――――――」
 ぐわんぐわんと脳内が脱水状態。
 えっともしかして、
 もしかしてこの男の子は、その、

「切嗣の息子だよ。なんでも
 『生存者を見つけたけど、今にも死にそうだったから』
 って、持っていたアヴァロンってのを埋め込んだらしい。なんのことか俺にはよく分からないけど」

「―――嘘だ」
 ありえない、本気であり得ない。何かの間違いだとしてもほんっとーにありえない。


 なにがって、あのマスターの子供がこんなに可愛いハズがない……っ!

78僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/25(月) 15:03:03 ID:N1pkzVB20
なんというおねショタ

79cp聖杯→zero聖杯:2012/06/28(木) 09:17:13 ID:CJs3j05M0
聖杯さーん!

「杯リスフィール、僕はこの世界から争いをなくしたいんだ」
「しょうがないわね切嗣ったら、平和達成装置〜(サクッ)」
「…」
「私と貴方以外皆居なくなれば平和になるわよ」

80僕はね、名無しさんなんだ:2012/06/29(金) 22:52:45 ID:DV0rqsf.0
ある意味間違ってないのが何とも…
けどそれってイリヤも見捨ててないか?母親としていいのかそれで

81ランサーズヘブンⅡ 槍⇒狂 弓⇒剣(白) 士郎⇒剣:2012/07/01(日) 15:20:24 ID:Hepde/D20
空は快晴
強い日差しは季節の感覚を麻痺させる。
荒野の風は心地よく騎士たちの叫び声が気分を高揚させる。
文句の付け所のない絶好のロケーション。
ブリテンの騎士達とBANZOKUの戦場は、しかし。

この上なく対照的な二人によって、ギチギチの険悪空間に
なっているのであった。

「って、一人増えてるぅ……!?」

ランスロットの背後。
頼れる背中がキラリと光る、あの白い鎧の男は間違いなく太陽の騎士。

「フ、BANZOKU二百人目ヒット。
 よい戦場です。面白いように敵が倒せる。ところで後ろの男、
 今日それで何ヒット目ですか?」
「うるさいぞ、何で貴公に答えなければならないのだ。
 うるさいから余所でやれ余所で」

「フッ…まだ百人だけですか。あなたの戦闘スタイルではそんなところでしょうね、
 と、三百人目ヒィィィイット!!」

「だからうるさいと言っているだろう。敵が逃げるだろう敵が!」

「敵を倒せないのを他人の所為にするとは落ちましたねランスロット。
 近場の敵が逃げるのなら一気に殲滅すればいいだけでしょう。
 もっとも対人宝具しか持っていない貴方に可能だとは思えませんが、
 おっと失礼、四百人目ヒィィィイット!」

ヒャッホー、と歓声をあげる太陽の騎士。
……おかしいなあ。
敵と戦っている騎士を見るのって、こんなにも苦々しいものだったっけ……。

「…………というか、何ですかあれは」
……ホント、我が騎士ながら目を背けたい。

清廉潔白と旨とするような白い鎧、その手には擬似太陽が封じられた日輪の剣、
しかも聖者の数字で力が三倍になっているときましたか。
「……いいですね。アレ、約束された勝利の剣の姉妹剣ですよね。」

今のガウェインは私やランスロットと同等かあるいは凌駕するほどの実力なのだ。
真名開放さえすればほとんど剣がやってくれるという、もう戦いに来ているのか
宝具の調子を見に来ているのか判断つかないチートぶり。

「この分では夕暮れを待たずして勝負がつきますね!
 ランスロット、別にこの戦場のBANZOKUを倒しつくしてもかまわないのでしょう?」

「はいはい、できるのならやってもらおう。その時は二度と
 貴公を太陽の騎士とは呼ばんぞ」

「よく言ったランスロットこんな形で雌雄を決する時がこようとは…!
 どちらが円卓最強かここではっきりさせましょう!」

ノリノリのガウェインに、いいからどっかいってくれないかというランスロット。
……ほら、言わんことじゃない。
ヘンなコト口にするからヘンなのが寄ってくるんだ。

二人の邪魔をしないように、こっそりと戦場を後にする。
どうかガウェインが対BANZOKU最終兵器と呼ばれることがありませんように。

82僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/01(日) 20:11:04 ID:cBR.v0rw0
>>81
そんなノリでいいのか円卓の騎士www

83僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/01(日) 20:42:41 ID:R5aK5H6Q0
さっさと日没しろw

84僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/02(月) 19:35:26 ID:Axq3Qgnk0
こんなのに倒されるBANZOKUが哀れになってきたw

85Fate/Zero act16 + 衝撃のマーボー:2012/07/08(日) 01:13:45 ID:Kx5Lgzq.0
”受けて立つとも――”
 右手と左足の怪我はそのままだが、今ならば負ける気がしない。先の決着の不本意さを改めて思い出す。
借りは、返さなければ気が済まない。
 だが、そんな綺礼の意気込みは裏切られた。落ち着きを欠いた切嗣の視線は綺礼を捉えると、目に涙を溜めて、
生きている人間を見つけ出したと、心の底から喜んでいた。

「――――――――」
 言葉がない。
 なんでこの場所に切嗣がいるのか。
 なんであんなに虚ろな表情でせわしなくあちこち見回していたのか。
 それも抜け殻のような有様で。
 目に涙を滲ませて、誰かいないか、生きてる人はいないのか、という空虚な洞のような目。
 というか私を敵と認識してないのかあいつ、先程までの鋭い眼光なぞ見る影もないぞ。
 もしかして生存者を探してるのか。こんな大災害を招いてしまったあげく、罪滅ぼしに生き残りを助けるつもりなのか。
 だとしたらまずい。この火災もまずいが、切嗣もまずい。
 アレ、聖剣の鞘取り出そうとしてる。そうでなくちゃ説明できない。

「――生きてる。生きてる。生きてる。ありがとう」
 何故か感謝の言葉を切嗣は言う。
「……………………」
 用心しながら……いや、もう何に用心しているのか自分でもわからないが、……ともかく用心しながら身構える。
「――――――――」
 じっと切嗣の動きを観察する。
 ……凄い。聖剣の鞘、本当に取り出した。
 こいつ、ホントにアレを使用する気か……と、喉を鳴らした時、ふいに切嗣の手が止まった。

「――――――――」
「――――――――」
 視線が合う。
 切嗣は生気を取り戻した目で私を眺めて、

「――――僕はね、魔法使いなんだ」
「知っとるわ――――!」
 全力で返答した。

86僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/08(日) 08:18:04 ID:zqe.L10A0
まさかの生存者発見w

87僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/08(日) 21:24:45 ID:C.uwCxi60
ここでそうなったら■■士郎少年死んじゃうww

88キビシスの鏡:2012/07/21(土) 18:49:12 ID:iDwtHp520


 “―――……以外であるのならあらゆる土地を。
       伝え聞く怪物どもの国すら手に入れよう―――”


 後のウェセックス建国者、
 後の王室の祖セルディックは、宴の席でそう語った。

 七王国において唯一後世にまで残る国を築いた勇者は、
 その日、自らの武勇と部族を守るため、彼(か)の怪物達へ宣戦を布告したのだ。

 彼は勝利するに相応しい軍勢を揃え、
 敗北に陥らない為に多くの情報を心に刻んだ。
 信頼に足る軍団と、それを支える戦略。
 未だ見ぬ敵、未だ訪れぬ魔境であろうと、
 セルディックは欠片ほどの恐れもなかった。

 決戦の日。
 その敵軍を目の当たりにする瞬間まで。

 ……その島は、帝国の庇護を失ったモノたちの国の一つだった。

 海の果てには魔物が棲む。
 風説に曰く、そこは巨人殺しに満ち溢れ、
 竜殺しの武勲者も複数在り、悪魔を寄せ付けぬ童貞も存る。
 美しかった国に帝国時代の面影は無く、いまや比類なき人外魔境。


 国の名は“ブリテン”。
 今では海鳥でさえ近づかない、地上に顕現した修羅の国である。

89僕はね、名無しさんなんだ:2012/07/28(土) 02:58:49 ID:8PjheFo.O
>>88
わー、おっかねえ

90空の境界 俯瞰風景 式→士郎 幹也→凜:2012/09/01(土) 21:20:20 ID:SdPQQ8Fw0
「遠坂、今日は泊まってけ」
「は?なんでよ、突然」
 いいから、と士郎は手をひっぱる。……そりゃあ士郎の家に泊まれば一日分の食費と光熱費が浮く
から助かるし、今さら遠慮するような間柄でもないのだが。
「いいわよ、どうせ桜も藤村先生もいるんでしょ。行っても騒がしいだけだし。それとも何か用事でもあ
るの?」
 そんなものがないのは分かっている。
 分かっていて言っているんだから、士郎には反撃のチャンスはない……と思う。が、士郎はこっちに
非があるような、非難がましい目をして反撃してきた。
「マーボー」
「は?」
「言峰直伝の麻婆豆腐、鍋二つ分。お前がこの間作っていってそのままだ。始末してけ」
「……そういえば、そんな事もあったっけ」
 あったあった。
 この前泊まったとき、たまには中華料理が食べたいという藤村先生の要望で作った代物だ。
けど、なんだって誰も手を付けていないのだろう?そんなに辛くしてないはずなのに。
 まあ、そんな些細なことはどうでもいい。どうやらここは士郎に従うしかないようだ。でも、それは何と
なく癪に障るので少しだけ反撃することにしよう。
 士郎には、それを言われるとムキになるものの黙ってしまう、という泣き所があるのだ。もっとも、それ
は衛宮家の内情に詳しい人達の本心からの頼みでもあるのだけど、士郎はまだ聞き入れてくれない。
「しょうがない、今日は泊まるわ。でもね、士郎」
 うん?と視線を向ける士郎に、私は真顔で提案した。
「綺礼直伝はないでしょ。そこのところは訂正してちょうだい。それに余ったのならセイバーに食べさせ
ればいいじゃない。あの娘、何でも食べるんだから」
「――――――」
 セイバー、という言葉に反応する士郎。
 士郎は怒ったようにそっぽを向いて、うるさい、あんなものセイバーに出せるか、なんて事を呟いていた。

91僕はね、名無しさんなんだ:2012/09/20(木) 22:24:46 ID:qmq/kQEkO
>>90
味覚の壊れた女……
元ネタの甘さが文字通り消え去ったわ!

92いっときのユメ+心と体:2012/09/29(土) 23:28:40 ID:p38sv4tc0
――――だめ、だ。俺はいいから、セイバー」
 それでも、最後に残った理性でセイバーの肩に手を置こうとした。
 それを、

「……任せてほしいシロウ。私とて、殿方の悦ばせ方は知っています」

 わずかに熱を帯びた吐息と共に、肉棒に口付けをして止めてしまった。


「ん―――シロウ、じっとして、いて――――」

「っ――――――――!」

 あまりの感覚に腰が引く。
 ―――理性が、本当に吹き飛んだ。




「……信じられない。
 何が殿方の悦ばせ方は知っている、だ、このケダモノっ」

 ―――って。
 気持ちを切り替えて、セイバーに怒鳴りつけた。
 それもいつもの冷静な話し合いじゃなくて、こう、ホントにそっちが悪いんだぞと思い知らせる怒り方で。

「―――――――えっと、シロウ」
「……ばかセイバー。痛いって言ったのに。……もう二度とエッチなんてしないからな」
「あ――――う」

93僕はね、名無しさんなんだ:2012/09/30(日) 00:50:13 ID:2wl7FVm.0
けだものーっ

94僕はね、名無しさんなんだ:2012/10/01(月) 23:40:43 ID:YUJGOQtIO
SYUDOUだったのかSMだったのか。
それが問題だ

95僕はね、名無しさんなんだ:2012/10/04(木) 00:24:42 ID:JrwBhPas0
俺はセイバーが間違ったフェラして士郎のナニを噛むか何かしたのかと思った

96サー・ダン→凛 緑→赤:2013/03/21(木) 22:20:58 ID:kwRWQU3c0
「アーチャー、今すぐ岸波くんを開放しなさい」
「できないね。私は来客をつっけんどんに追い返すような使用人ではない、
キチッと茶を淹れてもてなすタイプなのだ。岸波くん、おかわりは?クッキーもあるぞ?」
「どうしても?」
「できないね」
「令呪をもって命じる『今後学園での敵マスターへの供応を永久に禁じる』!」
「……本気かね、このような事に令呪とは。そういう事で岸波くんおみやげだ、帰ってサーヴァントと食べるが良い」
「余計な事はいいから……。とにかく岸波くん、アリーナではキチッと決着つけるからこんな執事おかんに
ほだされないでね!」

97切嗣(意味を逆に):2013/04/08(月) 03:25:10 ID:Fd/oH1uU0
「ちっとも良くないな」

98僕はね、名無しさんなんだ:2013/08/17(土) 03:29:21 ID:MBpViLq.0
誰かCCCでネタ作ってくれないものかな。
いい加減忘れ去られてそうだけど。

99アンサー+CCC:2013/09/21(土) 20:44:47 ID:VLE/lUeE0
この先、衛宮士郎という人間が味わうであろう出来事が、
断片的に視えてしまう。



HE☆N☆TA☆Iだーーー!
お巡りさん、ここに立派なHENTAIがいます!

どこからどう見てもHEN☆TAIです。
大切な事だから二度言います。
HEN☆TAIです。
本当にありがとうございました。



変態だわーーーーーー!!
おまわりさんたすけて、
マッチョの変態がでたわーーー!

いたいけなアイドルを捕まえて、
突然指を突きつけて処女認定してくるの!
怖いわ! 助けてお父様ーーー!!



わー、流石に今の絵面はヤバかったわー。
私でもドン引きしたもの。
ないない、これはない。即アウト。



「―――その顔。今にも泣きそうな最低の面かまえからすると、
 おまえも見たな、衛宮士郎」

「ならば話は早い。それは全て事実だ、衛宮士郎」

100僕はね、名無しさんなんだ:2013/09/23(月) 11:17:10 ID:4UZFasmoO
乙www
でもこれ、士郎がアーチャー殺しに血路をあげそうだな

101泰山→アーネンエルベ:2013/09/30(月) 20:41:50 ID:tk1O33m60
て。

「げ―――いたのか式。ちょっとあってね、お茶をいただいてたよ」

なんか、幹也と女がパイ食ってる。

「――――――――」

言葉がない。
なんで幹也の前に知らない女がいるのか。
なんで幹也は震えながらコーヒーすすってるのか。
それもオレ抜きで。
額に冷や汗を滲ませて、氷などいらぬ、一度アイスに走れば
二度と夏にホットコーヒーなんて飲めなくなるわ、という修羅の如き気迫。

というかおかしくないか前の女のパイ、走ってる死の線が半端じゃないぞ。
もしかしてチャレンジメニューなのか。あのオレンジとヒマワリを絡めて
合体事故のあげくオレ外道オレンジトヒマワリノパイ今後トモヨロシク
みたいなのがチャレンジメニューなのか。

だとしたらまずい、この状況もまずいがあのパイもまずい。
アレ、絶対致死量のコハッキーヒマワリ入ってる。じゃなければ説明がつかない。

すごい、だというのにあのパイもうあと一切れしかない。
女はようやくパイから目を離し、今気付いたかのように私の方を見て一言

「あの方は幹也さんとお付き合いされている方ですか」
「『幹也さん』――――!?」

全力でアーネンエルベの扉を叩き切った。

102僕はね、名無しさんなんだ:2013/10/01(火) 22:15:48 ID:6sFqd2ZU0
――貴方が憎い、貴方が憎い。完璧な王である貴方が憎い。
私の存在を認めなかった貴方が憎い。私は、貴方の影で良かったのに。
貴方は一度も、背後を振りかえらなかった。

――だからこれは当然の罰だ、アーサー王。
お前の、貴様の、貴方の、何もかも、何もかもを破滅させてやったぞ!

「憎いか!?そんなに私が憎いのか!?モルガンの子であるオレが憎かったのか!?
 答えろ……答えろアーサーッ!!」

その叫びに、斬り結んでいたアーサーがようやく応じた。
冷ややかな、ただ一つの感情を窺わせる声で、王は宣告した。

「私は貴公自身を憎んだことなど一度もない。
 貴公に王位を譲らなかったのは――」
 
"貴公はなんか、将来赤のセイバーとか言われそうだからだ"

それは『キャラかぶり』という一つの回答。ただモードレッドの行く末だけを理解し、
一片の情もなく赤うぜえええええええええええええええええええとまくしたてた。

103ネコアルク→イヌ×××:2013/10/02(水) 00:42:20 ID:vZMF37Sk0
イヌシズネ「観布子よ……私は帰ってきた。
      なのに私の心はさえないどんより色。何故だ。
      何故私の話の劇場版がうやむやにー!?
      あまつさえ全七編+1のブルーレイBOXは既に出てた!!
      責任者出てこい!!30秒待つ!!」
      (しーん) 
イヌシズネ「…ハ、そういうことですか。
      世論は完全にコントロール済み。
      しょせんファンビジネスは売上がナンボっつーか。
      ま、泥棒猫にはお仕置きが必要ですよねー。でなきゃやってらんない。
      とまあ、倒す相手の心当たりなんざ、映画の数ほどあるのだが。
      こんな選択肢、沢山あっても切なくなるだけだよねー。
      まーいいや、はいそこのパンピー止まれー。
      さもなくば情け無用の未来視がワケもなく死を予告しますよー。」

藤乃「あら鮮花、お茶にすずらんの花が……
   今日は何かいいことありそうね」
鮮花「どうしてそうなるのよ!?この際だから言っておくけど、
   あなた時々口元歪ませながら曲がったこと言うけど……あら?
   ……ちょっと藤乃、部屋に犬が入って来てるわよ」
藤乃「なんですって?どこにそんな……
   って、え――イヌ!?」
イヌシズネ「何も聞かないで、私もよくわからない。わからないけど倒すわ。
      ほら、とりあえずその前にこの、バス停前でもらったポケットティッシュでその顔汁を拭きなよ」
藤乃「か、顔汁って……これは涙というものよ」
イヌシズネ「ほほう、そんなにうれしかった?ダメだわ、相手はメインヒロインなのに、
      私も不覚にももらい泣き」
藤乃「はあ……こうなっては仕方ないわ。
   こんなメインヒロインを目の敵にしているようなルームメイトは、一掃してしまいましょう」
イヌシズネ「やめたげてよお、せっかく帰って来たばかりなのに。
      あと、その別ヒロインに対するキレ芸には、
      某カレー先輩の知的財産権が発生しますので。イヌ法的に。」
藤乃「六人も……七人も……もう同じよね?
    ふふふ……うふふふふ………」
イヌシズネ「あ、やっぱこれダメだわ。なんつーか、人として。」

イヌシズネ「モデルにしたいぐらいっつーほどの美少女(いつざい)なんだけどなー。
      すぐなんかねじ曲げたがる危険思想さえなければ。」

イヌシズネ「ワン・トゥ・ワン・ディフェンス。」
幹也「……何が、何から、何を。」
イヌシズネ「いちいち筋道立てて聞かないで下さいよ、プリティボーイ。
      美女とイヌは少し謎めているくらいが魅力的、そうは思いません?」
幹也「君の場合は謎めいているんじゃなくて、単に視えるものが不思議なだけだろう?」
イヌシズネ「うむ、そうともいいますね……いや、何言ってるんですか?
      ところで……いいメガネですね、セクシィボーイ。」
幹也「え、これが何か?
   それと、そのボーイって言うのはやめてくれないかな。
   もうそんな歳じゃない。」
イヌシズネ「いえいえ。まだまだ十代って言っても通じますよー。
      一方その頃、アナタは私の銀幕デビューのお相手として活躍するんですよこれが」
幹也「……えーと、式との待ち合わせは何時だったかな?」
イヌシズネ「む、さりげない笑顔で退散する気満々ですか。
      やむを得ません、道理OUT無理IN!!
      8−0−1の超攻撃的布陣で行きます!!」

イヌシズネ「眼鏡奪うと美少女になるってのはよく聞くけど、
      童顔の美青年になるってのは新機軸だったなぁ」

104ネコアルク→イヌ×××:2013/10/02(水) 00:43:44 ID:vZMF37Sk0
イヌアキラ「おまわりさーん、ここに妖しいヤツが居ます!」
イヌシズネ「待て待て、お互いポリスメンとは関わりたくないランキングに
      ワントゥフィニッシュしてる常連組じゃない?
      さぐられたボストンバッグの中のスマート本が痛む身じゃん?」
イヌアキラ「それもそーだね、すみませーん、今の取り消しで。」
イヌシズネ「第一、うちらが両雄並び立った状態で、
      ポリスメンと対峙してどう話しつける気だったの?」
イヌアキラ「ゴメン、言ってみただけで後先考えてなかったよ、マイシスタ。
      げっヤバい!マジでポリスメン接近中!」
イヌシズネ「ここは、ヒットエンドラン……」
イヌアキラ「え、何それ?」
イヌシズネ「君がにくきゅーのやわらかっぷりでポリスメンを幻惑、
      私が逃げる時間を稼ぐ作戦ね!戦況に寄り尻尾をふることを許可する!」
イヌアキラ「待て待て、私イヌだけどこれが一方的に不利ということは理解できるよ!?」
イヌシズネ「チィ……しょせん原稿の中でしか理解できない
      血縁関係か……!ちなみに原稿と書いてたたかいと読む。」

イヌシズネ「君が中途半端な強敵で良かった……
      三人目ぐらいだったらキレてるところだったよ」
 
式「……何だ、これ?」
イヌシズネ「ついに見つけたぜ、照明カットイットオフ。
      あと『何だ』じゃなくてせめて『誰だ』でよろしく。」
式「知るか……あ、『カットイン』って言いたかったのか?
  どのみち断るけど。それで、オマエ、何だ?」
イヌシズネ「カッ!言った端からまた何だとか言うし!
      まあいい、アナタにいろいろかっさらわれた一小動物
     (ヒロインの座とか黒いあの人とか)……と言っておきましょうか」
式「人聞きの悪いこと言うな……そもそも、オマエと会ったのはこれが初めてだぞ」
イヌシズネ「おお、これは奇遇ですねー、私もなんかそんな気がしてました。
      はじめましてこんばんわ。アンドDEATH!!」
式「……なあ、だんだんムカついてきたんだけど。
  オマエ、アレか?新手の斬ろうとしても斬れない予測タイプの未来視の女?
  斬れない異能?つまり、オレへの天罰?」
イヌシズネ「そういうものが落ちる時点で、
      この人をヒロインデビューさせちゃいけなかったんじゃないかなあ…
      まあいっか、私の前に原稿はなく、私の後にも原稿はなし
      そんな締め切り前の私の生き様、視えるもんなら視さらせー!!」
式「しっかし弱そうだな……
  オレにも、恋敵を選ぶ権利ぐらいはあってもよさそうなんだけど」

イヌシズネ「見てよ……
      この目も眩むばかりのスポットライト……
      こりゃ最初のギャラの使い道はサングラスかなー」
静音「……えっ?これは太陽?あれはバス停?次は観布子駅前?
   ここはバス?まさか劇場版?うわ、最高!
   ハイハイ、おかまいなく、終点になったから降りますから。
   うふふー。なんか黒い服のわんこなお兄さんと会えるといいなー!
   つまりは出会いの道に歓談のお店……
   肌露出多め妙なエロス……
   ふふふ……ゾクゾクする……何だろ、そのジュウゾウ伊丹ワールド。」

105僕はね、名無しさんなんだ:2013/10/29(火) 05:45:21 ID:8GMffA960
staynightの真アサシンハサン先生ことハサン・サッバーハのランクはCだが右手の
妄想心音とスキル自己改造はすごい 短剣は微妙だが
アニメで桜とともでれるかな  次があるならこれでも出てほしい

106ゴルド活躍ルート:2013/11/12(火) 19:49:11 ID:7R3dX3zQ0
「黙れ! 黙れ、黙れ、黙れ! お前は私の命令に従うべきサーヴァントだろう!? 
たかだか使い魔風情が、私に意見するなど許されると思っているのか!? お前は黙って私に従っていればいい!」

ゴルドはここに至り、明確にセイバーを敵視した。 これは獅子身中の虫であり、マスターに逆らう危険なサーヴァントだ。
あの二画の令呪を心より惜しみ嘆く。何が英雄だ。何が英霊だ。何がサーヴァントだ。他愛も無い命令一つこなせないなど―。

「救う気はないのか?」
「黙っていろと言った―」

次の瞬間、ゴルドの意識は吹き飛んだ。
セイバーがその拳を腹部に叩き込んだのだ。

いや―――叩き込む、筈だった。

「な―――――――」

 当惑で息が漏れる。
 一体どうなっているのか、と。
 拳を振るった姿勢のまま、セイバーは呆然と目の前のマスターを見た。

「―――――――ばか、な」

 彼でさえ事態が掴めていない。
 全力で打ち込んだ拳の一撃。
 それが止まっている。
 ゴルドの腹部に叩き込む直前に、何かに拳が挟まれて停止している。

「――――足と、腕?」

 そんな奇蹟が起こりえるのか。
 彼の拳は、マスターであるゴルドによって止められていた。
 膝と肘。
 高速で叩き込まれる拳を、男は片足の膝と肘で、『挟み込むように止めていた』のだ。

「――――――――」

 確かに、それは有り得ないことではないだろう。
 素手で武器を持った敵を相手にする――――武術において素手で相手の武器を止める技があることも、
 それを可能とする達人が存在することも。
 それでも、これが通常の戦いなら放心する事などなかっただろう。
 だが事はマスター戦。
 ゴルドはあくまでただの魔術師だ。
 それが必殺の一撃、セイバーの拳を捉え、かつ素手で押し止めたなど、もはや正気の沙汰ではない……!

「───侮ったな、セイバー」

 それは、地の底から響いてくるような声だった。

「…………っっっ!!!!」

 セイバーの体が流れる。
 己の拳を全力で引き戻そうとする。
 その瞬間。

「がっ――――!?」

 彼の後頭部に、正体不明の衝撃が炸裂した。

107僕はね、名無しさんなんだ:2013/11/12(火) 22:14:24 ID:awHVD99U0

しかしこの改変も懐かしいなぁ

108アーチャーズヘブンⅠ 槍→弓 1/2:2014/02/21(金) 22:30:21 ID:nkX8nPHA0
 空は快晴。
 強い日差しは季節の感覚を麻痺させる。
 海風は頬に心地よく、ウミネコの鳴き声が寂しさを緩和させる。
 文句の付け所の無い絶好のロケーション。
 家族連れのお父さんや恋人たちに好まれそうな冬木の港は、しかし。

 この上下ともにギョシンさんばりにキメキメのズボンとジャケットの男によって、人の寄りつかぬ魔境と化していたのだった……!

「けど珍しく大人しいよな、実際」

 恐ろしいまでに大人しい。
 朱に交われば何とやらというが、ランサーたちがいなければこんなものなのかも知れぬ。
 その大人しさに敬意を払って、自動販売機で缶コーヒーを買ってみる。

「おーい、釣れてるか?」
「む。貴様か。ぼちぼちと言ったトコロだな。サバ山、クロダイ四、カワハギ三というところだ」
「げ。なんだそれ、節操ないな。港ってそんなに釣れるもんなのか」
「海だからな、種類が多いのは当たり前だ。
 まあ、それにしても少しばかり混ざりすぎではあるが、珍しいからいいのではないか?」

 実にいい加減である。
 缶コーヒーをパスしてビクを覗く。
 釣り上げられた魚はアーチャーの言よりバリエーション豊かだった。

「サバ、多いな」
「なぜか知らない入れ食いでな。そうそう、少し前まではタコが釣れた」

 あの竿は魔法の竿か。いや悪趣味なロッドは金に糸目をつけない99%カーボンの高級品だった。
 リールは最新技術の結晶、十六個のボールベアリングによるブレなしガタなしおまけに電動操作の高速巻き上げ式ときたか……!
 その他各種オプションもすべて最先端の高級品。この装備のお値段、一括で二十万とんで三千円というキチ○イ沙汰という品物である。
 この分なら、そのうち寿司屋のネタを制覇できるぞこの男……って、あれ?
 よく見ると、致命的に足りないものが一つあるような。

「アーチャー、一日中ここで釣りをしてるんだろ? クーラーボックスとかないのか?」

 クーラーボックスとは名の通り内側の温度が外気温と断絶されるもので、釣った魚を持って帰るには欠かせないアイテムだ。
 生ものは割と痛むのが早いし、出来るだけ鮮度を保たないといけない。
 釣った魚を食べるのなら、クーラーボックスは必要不可欠だ。
 
「ふむ、あったら便利なのだろうが私には不要だ。釣るのが目的であって食べるのは目的ではないからな。
 いや、誰かが美味しく食べてくれるというなら歓迎するがな」

 喋りながらも釣竿はわずかもブレない。
 恐るべきはアーチャーの両腕。
 力のみならず、機械のごとき精密さと持続時間である。

「言われてみればそうか。アンタが自分のために料理をするとは思えないし。ところでその竿はどこで買ったんだ?」
「いや、素晴らしい品揃えの店があってな。
 店内を丸一日かけて巡り、一番いい装備を選んだのだ。何故か店員の視線が痛かったが」

 フッと笑う。

109アーチャーズヘブンⅠ 槍→弓 2/2:2014/02/21(金) 22:31:43 ID:nkX8nPHA0

「…………………」

 アーチャー、それは普通にいやな客だ。

「いやまあ、結局は買わずに投影したのだが」
「ってやっぱりバッタもんかよっっ!」

 なんてコトだ、どうりで遠坂がアーチャーの魔力の減りが少し早いとかこぼしてると思ったら……。

「……はあ。で、せっかく作ったんだから有効活用していると。それで毎日釣り三昧なのか。
 ……アンタが大人しくしてる分には安心だけどさ。釣りってそんなに楽しいのか?」
「楽しさを伴った魔術鍛錬と言ったトコロか。リール(こんなもの)でも電子機器を投影できるようになれば幅が広がるからな。
 とにかく、これには少しばかり自信がある。こと釣りに関してはサーヴァント中最強の自負があるな。
 ランサーやギルガメッシュはともかく、手の内がわからないから今は攻めないと決めたのに勝手に柳洞寺に攻め込んだセイバーや痴話喧嘩の果てに勢いでガンドを連射して校内をボロボロにするような凛のように我慢が苦手な連中には入ってこれない世界だ」

 あ。
 いま、なんか亀裂走った。
 港だけに嵐の予兆を感じてみる。

「いいのか、そんなコト言って。口は災いのモトだぞアーチャー?」
「ふむ? 陰口の報復があるというコトか? そんなことは貴様が言いふらさない限り広まらないだろう。
 まあ、広まったところでどうということはないがな。彼女たちが釣りに興味を示すとは思えん。
 悪口に怒ったなら謝罪すれば済むだけのことだ」

 楽園を壊されず、謝罪すれば済む程度の悪口を心眼で選ぶのがアーチャーか。
 よっ、と当たりを引くアーチャー。

「サバか」
「サバだな」

 釣り上げた魚が気に入ったのか、アーチャーは釣り針を外してビクに入れる。

「―――――――」
「―――――――」

 会話が途切れる。
 話のネタがない釣り場ほど居づらいものはない。

「邪魔して悪かった。引き続き、サバを釣り上げてくれ」
「ふむ。差し入れには礼を言っておこう」

 港を後にする。
 人間、話してみないと分からないものだ。
 俺にとっては退屈きわまりない港だったが、摩耗した守護者(アーチャー)にとっては安らぎの空間らしい。

 夏の日と見間違うような明るい港。
 願わくば、心ない邪魔者たちによって、この平和が乱されなければいいのだが。

110アーチャーズヘブンⅡ 槍→弓 弓→剣&凛:2014/02/21(金) 22:34:17 ID:nkX8nPHA0
 空は快晴。
 強い日差しは季節の感覚を麻痺させる。
 海風は頬に心地よく、ウミネコの鳴き声が寂しさを緩和させる。
 文句の付け所の無い絶好のロケーション。
 午後の散歩を好むお爺ちゃんやマラソンに励むスポーツメンの清涼剤になりそうな冬木の港は、しかし。

 この上なく対照的な三人によって、モッキュモキュの憩い空間になっているのであった……!

「って、二人増えてるぅ……!?」

 アーチャーの背後。
 幸せそうな表情がきらりと光る、あの赤と青の少女は間違いなく俺の師匠とサーヴァント……!

「フ、イナダ十六匹目ごちそうさま。
 よい漁場です。面白いように魚が釣れる。ところで後ろの男、今日それで何ヒット目ですか?」
「うるさいぞ、何で君に答えなければならないのだ。うるさいから静かに食べたまえ静かに」
「ほう。もう三十八匹目ですか。
 道具に頼ったフィッシングスタイルならではと言ったところでしょうね、と、十七匹目ごちそうさまあぁぁぁ!」

※ごちそうさまとは食べ終わった時の挨拶です。シロウ、おかわりです、あとは食後一杯のお茶が怖いなどとお考えください。

「だからうるさいと言っているだろう。魚が逃げるだろう魚が!」
「釣れなかった時の言い訳を他人の所為にするつもりなんて落ちたわねアーチャー。
 近場の魚が逃げるのなら船釣りに変えればいいじゃない。
 もっとも、あなたの投影で船が作れるとは思えないけどね、あらごめんなさい、私も食べ終わってセイバーとの合計二十二匹目ごちそうさま」

 ヒャッホー、と舌鼓を打つ美少女二人。ちなみに遠坂はまだ一匹しか食べてない。
 ……おかしいなあ。
 釣った魚を掻っ攫われる大人の表情って、こんなにも生き生きしてるものだったっけ……。

「…………つーか、なんだありゃ」

 ……ホント、我がコト、我が身内ながら目を背けたい。
 三段重ねのステンレス製クッカー、ダッチオーブンは金に糸目をつけない焦げ付き防止加工済みの高級品。
 ガソリンツーバーナーは最新技術の結晶、風や外気温の影響を受けにくく、安定して強火をキープできおまけに調理時間を計るためのタイマー複数個付属ときたか……!

「いいなあ。あの包丁、最新式の穴あき包丁だよなあ……」

 赤い男の野外調理器具は衛宮邸の台所と同等か、あるいは凌駕するほどの設備なのだ。
 ちなみに釣りの方はデータさえ入力しておけばほとんどリールがやってくれるという、もう釣りに来ているのか料理をしに来ているのか判断のつかないハイテクアイテムのおかげで基本放置で問題ない。
 その他の調理器具もすべて最先端の高級品。あのキャンプ道具のお値段、一括で四十万とんで七千円というキチ○イ沙汰だ。

 ちなみに、言うまでもなくぜーんぶ投影によるバッタもんである。

「ふっふっふ。この分では日没を待たずに追いついてしまいますね!
 軽い準備運動のつもりで食べ始めたのですが様子を見るまでもない。
 ねえアーチャー、別にあなたの釣った魚を食べつくしても構わないのでしょう?」
「はいはい、できるのならやってもらおう。その時は二度と君をセイバーとは呼ばないぞ」
「よく言いましたアーチャー。
 ふふ、こんな形であなたと雌雄を決する時がこようとは……!
 どちらが最強のサーヴァントか、ここではっきりさせてあげましょう!」

 ノリノリのセイバーに、言葉だけは愚痴りながらも、幸せそうに給仕するアーチャー。
 ……ほら、言わんことじゃない。
 ヘンなコト口にするからヘンなのが寄ってくるんだ。

 三人の邪魔をしないように、こっそりと港を後にする。
 どうかあの男がアーチャーからコックに改名するようなコトがありませんように。

111アーチャーズヘブンⅢ 槍→弓 弓→剣&凛 金→色々:2014/02/21(金) 22:39:44 ID:nkX8nPHA0
 空は快晴。
 強い日差しは季節の感覚を麻痺させる。
 海風は頬に心地よく、ウミネコの鳴き声が寂しさを緩和させる。
 文句の付け所の無い絶好のロケーション。
 平和な冬木の街を象徴するかのような港は、しかし。

 今まさに、盆と正月が一緒に来たかのような賑わいを見せていた……!

「って、さらに増えてる―――!!?」

 誰が、いや何が増えたのかは言うまでもない。
 高級料亭の如くテーブルセットを展開する姿は紛れもなく……!

「おおー、素晴らしい! アチャ男、これはサシミか? 二十世紀の日本で好まれたというサシミなのだな! 一切れ貰うぞ!」 
「アーチャーさん。右側の焼き魚、そろそろ食べごろのように見えますけど。取り分けてもいいでしょうか?」
「うふふ。姉さんの食器は安物ですね。赤セイバーさんの食器は高級感があってかっこいいです。ちょっと趣味悪いですけど」
「アーチャー、今週のサンディーどこ?」

「はっはっは。騒々しいぞ、みんな。散歩してるお爺さん達に迷惑だろう。
 それはともかく、赤セイバー、確かにそれは刺身だ、一切れと言わず好きなだけ食べるといい。
 キャスター、それはまだ半生だ。狐だけに生が好きなのはわかるが、きちんと焼かないと寄生虫が危ない奴だからもう少し待ちたまえ。
 桜君、しっ、そんなことを言ったら凛に宝石をぶつけられるぞ……!
 マスター(Extra女)、サンディーはそこのバッグの中だ。私も後で読みたいので読み終わったら戻しておいてくれ」

「……誰?」

 えーと。
 あえていうなら電子の海から……豪華絢……爛……?

「しかし拍子抜けだな、最強のサーヴァントがいると聞いてやってきたがまるで話にならん!
 所詮は食っちゃ寝ニートサーヴァント、皇帝である余とは比べるべくもない!」

 ふっふっふ、と愉快そうに笑う皇帝陛下。
 ちなみに、NPCな桜は冬木の遠坂にほっぺたを引っ張られていたりする。

「フ。誰かと思えば私のそっくりさんですか。しかしスピンアウトネタを利用してアーチャーに料理を強要するとは。
 ……がっかりだ。他人に食事を作らせて自分は食べるだけなど、見下げ果てたぞ暴君皇帝……!」

 姦しい女性たちに囲まれながら、釣りと料理を並行作業する赤い男。
 というか、セイバーは人のこと言えないと思うぞ。

「ほう? そういう貴様が食べているのはSE.RA.PHのデータベースのみに残っている鯛の尾頭付きではないか。
 面白い。華やかさでは劣るが余の料理はアーチャー特製海鮮炊き込みご飯よ。どちらの料理がうまいか、競い合ってみるか騎士王……!」
「そ、それは一昨日士郎が作った炊き込みご飯の上位種……!!!
 馬鹿な、士郎でさえ作れない領域の料理を、なぜ貴女が……!?」

「それねー、私が頼んだのー。赤セイバーが、口利きしたらブロッサム先生からもらったエリクサーをくれるって言ったんだー」

 わーい、と波を打つEXTRAの主人公(女)。

「……………」

 そして先ほどから一秒たりとも休まずに動いてる赤い男。

「バカな……! 純真なマスターまで動員するとは、貴様それでも英霊か……!
 ええい、その炊き込みご飯、勝者が手にするというルールでどうか!?」
「望むところよ!
 貴様の尾頭付きは……もう食べ終えて無くなっているが、それはそれとして貴様は余のハレムに加えてやろう!」

「ほほう。赤セイバーさんと青セイバーさんの一騎打ちですか。こんなの滅多に見れませんねぇ。
 ご主人様も呼んで来ればよかったです」
「二人とも頑張ってください。怪我をしたらお薬はありますから」
「ところでアーチャー。なんであそこでサンディー読んでる子があんたのマスターなわけ? この節操なし(アーチャー)!」
「ねーねーアーチャー。マガティンはどこー?」

 もはや港にかつての平穏はない。
 思いのほかセイバーを気に入った皇帝と、なぜかプチ修羅場を迎えてる赤い男。
 そして。

「あ、アーチャーさん。これおかわりしてもいいですか?」
「……………ふむ。好きなだけ食べたまえ」

 遠坂の声を冷や汗流しながら受け流す、割と楽しそうなアーチャー。

「……帰ろう。ここはもう一般人の居ていい場所じゃない」

 港を後にする。
 見上げた空の高さにちょっとだけ眼が眩む。
 嗚呼。
 摩耗した守護者(アーチャー)よ、せめて偽りの四日間の中では安らぎあれ―――

112風雲キャメロット城・厨房編:2014/05/19(月) 22:55:42 ID:s5d.U2sA0

 戦場跡のような城の厨房。
 そこに、
 いつもと変わらぬ、ガウェイン卿の姿だけがあった。

「――――ガウェイン」
「?」
 ガウェインはさわやかに、本当にさわやかそうに、目の前にいる私を見た。
 挺身の歓喜に満ちた騎士の瞳。

「―――――――、ガウェ」

 立ち込める悪臭に胸を突かれて、声をあげることが出来なかった。

「ああ、来られたのですね我が王よ。随分と遅いので、夕餉は他所で済ませてしまわれたのかと思い違いをしておりました」

 きらり、と白い歯が光る。
 瞬間、背筋が凍った。
 言うべき言葉、するべきことを忘却させるほど、ガウェインが抱えているものは“奇妙”すぎた。

「―――ガウェイン卿。これは、なんだ?」

「え……これとは?」
 困惑する声は、私の質問に対してではない。
 ガウェインはまるで―――そんなことも分からないのですか、と哀れんでいるようだ。

「そうだ。ここには大量の食糧があった筈だ。あれは何処にいったのだ」
「………………」

 ……入口から厨房を一望する。
 棚に肉や野菜の姿はない。
 ……ガウェインの手元。
 大盾ほどもあろうかという器には、マーブル色の、得体の知れないものが山盛りになっている。

 ――――食材の形がない。
 ――――食材の匂いがない。
 ――――食材の痕跡すらない。

「ガウェイン、貴公」
「ええ、王の思っておられる通りです。あの食材たちは、もうこの厨房にはありません。
 なぜなら―――先程、私がこのように調理してしまいましたゆえ」

 ―――何だ。

「ああ、もちろん無駄になどしておりませんよ?
 実も皮も芽も、残さずキレイにすり潰しました。肉も野菜も、すべて混ぜ込んでございます」

 ―――何だ。

「そう、すべて徹底的にすり潰してございます。あれほどの種類と量だったので、少々てこずりましたが。
 ほら、匂いませんか? 芋と麦と、肉と野菜と、塩と香草と香辛料の香りが。
 ああ、お可哀相に、涙までお流しになられるとは。よほどお腹がすいておられたのですね。
 我が王よ。どうぞ、通常のいろいろ三倍増しでございます」

 ―――アレは、一体何の残骸だ。

「ガウェイン、あの食材、は――――」

 もう、私では取り戻せないところに、

「おやめください。そのような目で私を見るのは。
 ……騎士にとってはごく当然のことでございますよ? 戦場のみならずこのような平時の時であろうと、主君の欲するものあらば苦難を乗り越え差し出すが我らの勤め。
 忠義ある王のためならば、このような下男の真似事もなんのそ――」

「――――ガウェイン。初めて、貴女を憎んだ」

 光が満ちる。
 何か巨大な穴が出来たように、剣から黒い光が漏れ出す。

「あわ、あわわ、あわわわ、我が王……!?」

 こんな時までさわやかに震え上がるガウェイン。

「“約束された――――”」

 真名が明かされる。
 闇に染まった聖剣は燃え盛る黒い太陽となり、

「“勝利の剣”――――!!!!!」

 逃げ場はない。
 黒い光は勢いを増し、極光となって厨房を飲み込んだ。
 ―――果てもない、終わりもない深い闇。
 視界が闇に呑まれる中、何処かで、くうくうおなかがなる声が、聞こえた気がした。



元ネタ、BADエンド40

113僕はね、名無しさんなんだ:2014/05/20(火) 00:45:41 ID:7JsIKeLg0
芽はやめろwwwwww
あとガウェイン女体化されてんぞw

114サクラノユメ:2014/06/29(日) 00:50:22 ID:FvEt1W/w0

 そうして衛宮士郎は死んだ。
 立ち尽くすカタチは一つの機械と変わらない。
 作り上げた剣を振り上げる機能はあっても、動かす意思がなければ残骸と変わらない。

 だが、人工の知能がなくとも。
 この世には沢山の、夢を織る機械がある。

 約束があった。
 いつか冬が過ぎて、春になったら────




 白く消え去ってしまいそうな陽射しの中、いつもの帰り道を駆けていく。

 こんなにもいい天気なのに、あたりには自分しかいなかった。
 息を弾ませて、変わり映えのない、変わってしまった町並みを通り過ぎて。
 暖かな陽射しが視界を眩ませて、風の心地よさだけが頬に触れていた。

“――――――――”

 おぼろげな記憶を頼りに走る。
 憶えているのは漠然とした道順で、あとは帰るべき場所の思い出しかない。
 ……憶えているといっても、それは『この交差点からこれこれこういった道順で行ける』といった、曖昧なものだ。
 焼きついた光景は、きっとその場所のものなのだろう。

“――――――帰るべき場所、か”

 そこがどこであるのかは、言われなくても識っていた。
 ……■は、きっと待っている。
 夢と知りながら交わした些細な約束。それを頼りにして、あの家を守っているのかもしれない。
 懐かしい坂道。
 古い家々が連なる道の、一番奥にひっそりと建つ屋敷。

 昔。
 衛宮という血の繋がらない家族が暮らしていた、その場所を。

“――――――――――”

 白く霞むような太陽。
 ほのかに香る空気の匂い。
 空はどこまでも澄んで、ゆらめく花弁が風に舞う。

 夏は黄色。秋は赤。冬は紫から白へ。
 あと、春は、そう―――彼女と同じ名前をした、薄紅色の門出の花。

────そこに、彼女が待っている。


 一面の花の庭。
 懐かしい土の匂い。
 咲き誇る春の樹に負けないぐらいの穏やかな笑顔。
 染み入るような愛おしさの中で、彼女は出迎えてくれる。



――――――おかえりなさい先輩、と。
          今度こそ、本当に。
       いつかの約束を叶えるように。

115僕はね、名無しさんなんだ:2014/12/01(月) 09:28:13 ID:hB24pS0.0
なんかカプ鯖のテキスト読んでたらまたetaF組み替えやりたくなってきた

116大絶滅!(ry 士郎→セイバー 1/2:2015/01/24(土) 17:53:59 ID:AH.13bH.0
24スレ934の続きみたいな


「おや?」
 きのこ倉庫の隅っこには誰もいない。
 たしか、あそこにはシールダーがいると征服王に聞いたのですが……
 「あれ、天気……」
 どうした事でしょう?
 あれほどいい天気だったのに、空は一転して厚い雲に覆われてしまった。

 っ、それどころかとんでもない風になってきた。
 ……いくらなんでも不自然ですね。
 私が此処に来た途端、こんな嵐が来るなんてまるで天変地異―――



―――時はきた。
人類の未来をかけた聖杯戦争を始めよう。
 貴方は選ばれた最優の英霊セイバー。
 たった一秒で奪われた未来を取り戻すためにやってきたのだが、
 『サーヴァントシステム』によって記憶が記録と化してしまった!
 しかし宿命は待ってはくれない。
 悲嘆にくれる貴方の前に、以前ボツられたはずの盾のサーヴァントが現れた……!
 戦うのならGrand orderへ。引き返すのならStay Nightへ進め。



「――――――、な」
 何かが心に直接語りかけてくる。
 あまりにも古い言語の為、何を言っているかはまったく分からなかったのだが、

「な、なんてコトだ……! 今回は英霊よりどりみどりな聖杯戦争で、
 なんだか今は準備中で、その勝者は未来を思い通りにできるですって……!!!!?」

 とまあ、概要はおおむね掴めた。

「はっはっは! うひょークカカコココキイキイ!
 その通りです選ばれた騎士王よ! あと待っていました、貴方を待っていました我が運命のライバルよ!」

「貴様、何者―――!?」

 あまりの暴風に目を開けていられない。
 倉庫の隅っこからひょっこり現れた謎の人物は、脳内麻薬マキシマムな笑い声をあげまくる。

「ハハハハハハ!
 何者かですって? 何者かですって? 何者かですってぇ!
 分かりませんか、そうか分かりませんよねゴージャスな私! すごいです気持ちワルイですよー!
 見てくださいセイバー、課金に溺れる悲喜こもごもとか人間の負の想念とか、そうゆうのが溢れてもうタイヘンです!」

 吹きすさぶ風、荒れ狂う稲光、激震する青き海。
 そしてみゃーみゃー鳴くジャンヌ・ダルク。
 いろんな意味でこの世の終わりとも言える光景がいま惜しげもなく大展開。
 くっ……この、ふってわいたアーマゲドンに星も激動しているというのかッッッッ!!!!?

117大絶滅!(ry 士郎→セイバー 2/2:2015/01/24(土) 17:56:09 ID:AH.13bH.0
「ま、まさか貴女は―――シール、ダー……!!!?
 バカな、貴女は確かにボツられた筈だ!」
「ボツキャラじゃないですー!
 いえ、SNではプロット段階でボツでしたが、だからこそ今回目を付けられたのです型月ドル箱アルトリア!
 フフフ、ボツられた者どもの怒りが私を蘇らせたのです。んー、見てほしいですねこの捨てられた子犬系パワー」

 私を連想させる魔力の渦。
 い、いったいどれほどのパワーアップを……!!!?

「って、なんですかその大きい盾ー!」
「ふふふ、気持ちはわかるけどそう驚かないでほしいですね。
 そう、今までの私は私じゃあない!
 えーと、言うなればこれまでの私が月姫のさっちんだとしたら、今からの私は月姫リメイクのさっちん!
 いや、旧Fateのセイバーだとしたら、蒼銀のセイバーなんですよ!」

「……………………」
 つまりやっと日の目を見るというコトだろうか。
 あと人の質問ぐらいちゃんと答えてほしい。

「まあいいでしょう。
 ともかく私たちは新作に抜擢されたんですね!? なんか宿命のライバルなんですね!?
 私は人類の未来の為に、貴女も人類の未来の為に戦うんですね!?」

「ナイスリアクション! 話が分かりますねセイバー! さてはこういうノリ好きでしょ貴女!」
「ええ! 結構ヤケですけど勝ったり負けたり守ったり意地はったり聖剣ブッパとか大好きです!
 そんなワケで、行くぞシールダー……!
 貴女には絶対に負けないッッッッ!」

「ク―――吠えるじゃないですか騎士王。
 だが今日は私の方が強い、覚醒したライバルの力を思い知るがいい……!
 行きますよセイバー!
 このFateのスマホゲームで私の出番エンドです……ッッッ!」



「……………………」
「……………………」
 嵐は去った。
 先ほどまで渦巻いていたよく分からない熱気も消え、イヤになるほど冷静になる私たち。

「じゃ、いつもの場所に戻りますね」
 ええ、と頷きだけで答える。
 彼女はゲームが運営開始される時まで待つしかないのだ。

「じゃあこれあげます。気が向いたら事前登録して下さいね」
 いそいそと倉庫のはじっこに移動するシールダー。
 あ、盾の宝具かぶった。

「……………………私も座に帰りますか」
 ここ三十分ばかりの記憶をまっさらに消去して倉庫を後にする。

 こうしてシールダーによる課金地獄のピンチは去ったのだが、彼女の最大の見せ場と、
 その場にいながら話についていけなかった聖処女の存在は誰に語られるコトもなく忘れられるのであった、まる。

118僕はね、名無しさんなんだ:2015/01/25(日) 00:55:10 ID:UV73ymNA0
ジャンヌ…w
GOが始動したらこのスレもまた賑やかになったりしないかねー

119神話礼装⇒キャストオフ:2015/01/30(金) 23:57:04 ID:PW0WT3C20
ギルガメッシュ、駆けつけてくれたのか……!
そしてあの姿は————エリザベートに見せた、キャストオフ……!

「フッ、目ざといではないか。
 この姿は原初のみぎり
 わが友と色々競い合った無飾の姿。」

「もはや王としての威光は示さぬ。
 単身でこの場に挑んだ貴様の勇姿に応え、
 その敵を打ち払う事のみに専心しよう。」

「わが裸身はこの世で最高水準のダイヤに勝る。
 この女相手には相応しかろう。
 存分に使うがいい、マスター!」

どこまでも慢心王…!

120FakeプロローグIV+Apocrypha:2015/02/22(日) 19:19:59 ID:r4V.SPio0
次の瞬間、少女の笑みの色がガラリと変わった。
「仮に、本物の聖杯戦争に切り替わった後にルーラーが来ても、もう遅いの」
無邪気な笑顔なのは同じなのだが、今は、子供がアリの行列を
 リズミカルに踏み潰している時のような、残酷な色に変貌している。

 彼女は恍惚に浸りながら、呼気を白く染めつつ意気揚々と語り続けた。

「これって凄い事だよ?あの聖処女をもう一度陵辱し尽くして、
 ブタの餌にもならないような消し炭に変えられるなんて!
 ああッ! 凄い! 最高!
 やっぱり来ないかな、来てくれないかな、ルーラー!
 あの時は心が折れてなかったけど、今回は仕事をやり終えた英雄じゃない。
 役目を果たせなかった聖杯の調停者として死ぬんだから、きっと悔しがると思う!」

 ちなみに召喚するルーラーに選ばれしサーヴァントは、極東において
 聖人に最も近い存在でありながら、聖人として認められなかった悲運の少年――
 天草四郎時貞という。

 まさに急転直下。
 少女は不意に笑顔を元に戻し、テンションを平坦に戻しながら
 もう誰もかまわないでください、とアピールする
ドクウサギみたいな生き物になってしまった。

121僕はね、名無しさんなんだ:2015/02/25(水) 09:57:18 ID:T8x7bs3oO
>>120
謎の老害黒幕フランチェスカもこのスレにかかればこんなもんw

122Fake:余章『ビトレイヤー』+その他:2015/02/25(水) 15:17:12 ID:Q4nVEK8g0
 師だったものの肉塊の前にしゃがみこみ、その一部をつかんで摘み上げる青年。
 不気味な光景ではあったが、非難する者はおろか、眉を顰める者すら存在しない。

「殺されれば死にますし、物理攻撃も大抵は効きます。中には蠢く水銀の礼装で数千発の散弾を防ぐ実力者や、体に住まう蟲に意識を移して生きながらえる魔人もいますが――まぁ、前者は対戦車ライフルは防げませんし、後者もミサイルが直撃すれば、ほぼ確実に死にます」

 男の発言をジョークと受け取ったのだろう。無表情だった迷彩服の男たちに失笑が広がる。
 だが――次の“発言”を聞いて、その笑い声はピタリと収まることとなった。


「―――侮ったな、ファルデウス」


それは、地の底から響いてくるような声だった。

「…………っっっ!!!!」

 ファルデウスは息を呑む。
 己と同じく呆然とする『部隊』に命令を下そうとする
 
 その瞬間。

「がっ――――!?」

 彼の後頭部に、正体不明の衝撃が炸裂した。


 若き米国の工作員の後頭部を小さな衝撃がえぐり抜き、すべては決着した。

 
 グチャ、という、軽くしめった破砕音
 青年の頭蓋を簡単に砕いた右腕は、悪夢のように指先を動かし、脳髄の海を指でかき出しながら掘り進む。

「――――腕と、首?」

 そんな悪夢が起こりえるのか。
 老人の腕は、体から千切れながらも裏切った弟子の頭を貫いていた。
 腕と首。
 弾丸で蜂の巣にされたソレは、脊髄を引きずる頭と千切れた腕で、裏切った弟子を殺害していたのだ。

 ファルデウスの体が倒れたと同時に、周囲から無数の弾丸が飛来し、再びランガルの残骸を引き裂き始める。
 その弾丸に晒されながらも、生首は全くの無表情だった。

「指揮者は死んだ。魔術師とは本人が強者である必要はなく、その業で最強のモノをつくればよい……ある封印指定の魔術師の言葉だ。――いかにも。人形師は、人形が敗れた時点で敗北である」

 ――――ここに勝敗は決した。
 いや、そんなものは初めから決していた。
 銃を振りかざす若造程度では、歴史を重ねた魔術師に敵う道理なんてない。
 
 ……自分たちは失敗した。
 こんな怪物どもと。関わるべきではなかったのだ。


 ――それが、総勢数十人の『部隊』の共通した最後の思考だった。
 
※※※


 しかしこの「――侮ったな」シリーズ、成田作品だとこの先マジにある可能性w

123EXエリザ+FGOハロウィンイベント:2015/10/23(金) 20:35:02 ID:WI5U8E5.0
うそ……これって、鯖落ち……?
あ、ああ、ああああ! 孤独はいや!
また一人ぼっちに戻るのはいや!

誰も会いに来てくれないの!
声をかけても届かないの!
みんな走るフォウくんを見つめているの!

あんなに、あんなに一生懸命
用意したのに――鯖落ちじゃ
誰も私のパーティに来てくれないのよ!?

ねえ、やめて! お願い、やめて!
せめて、せめて――

せめて、鯖増強して……!

1242015年の時計塔→2016年の監獄塔:2016/05/26(木) 00:06:18 ID:0wdK/58Q0
「第六の裁き、第六の支配者――
 おまえは見るだろう。
 およそ人間の欲するところに限りなどない、と。」

「彼以上に強欲な生き物をオレは見たことがない。
「事実、驚嘆に値する。
 富を、金を、私財を腹へ溜め込むためならば
 実の娘を捧げようとした男さえ、彼には遠く及ぶまい。」

「彼の欲は、文字通りに世界へも及ぶのだ。
「その無謀、高潔、強欲! 喝采には相応しかろう!」

 その顔には初めて会う第六の支配者への緊張と、こぼれ出しそうな期待に満ちている。

「故に。故に。
 この上ない敬意と共に。我が黒炎は悉く破壊しよう。
 正しき想い、尊き願いにこそ、オレの炎は燃え上がる!」

 アヴェンジャーはノックもそぞろに裁きの間の扉を開ける。 

 裁きの間には、凛とした姿勢で佇む、年若い人影がひとつ。
 裁定者は振り向きながら、トレードマークだった聖旗を翻してアヴェンジャーを見据えた。
「……来ましたね。アヴェンジャー。
 前回は遅れを取りましたが、私も決断しました。貴方を倒し、貴方を止める」

「って、聖女の方じゃねえかクソがぁ!!!!」
 ガアン、と大人げなく椅子を蹴っ飛ばす復讐鬼。
 エドモン・ダンテスが見た夢は、恩讐の彼方に消え去った。

125僕はね、名無しさんなんだ:2016/05/26(木) 00:11:27 ID:Q7zy25xs0
うーん違和感ない

126大絶滅! 逆恨み甚だしい復讐者への復讐の伝説!①:2016/08/07(日) 11:41:13 ID:75/I7Z5.0
「あははははっ! うひょークカカコココキイキイ!
 その通り、恩讐の復讐者よ! あと待っていた、貴様を待っていた我が宿命の恋敵よ!」
「貴様、何者―――!?」
 あまりの暴風に目を開けていられない。
 監獄の暗がりからひょっこり現れた謎の人物は、脳内麻薬マキシマムな笑い声をあげまくる。
「アハハハハハハ! 何者かだって?何者かだって?何者かだってぇ!
 分からないか、そうさ分からないだろうなゴージャスなこの私ィ! すごい気持ちワルイぞー!
 見るがいいダンテス!、無限ランナーする白い生物へのユーザーの憎悪とかガチャに敗れたユーザーの負の想念とか、そうゆうのが溢れてもうタイヘンなのさ!」
 吹きすさぶ風、荒れ狂う稲光、激震する監獄塔。
 そしてみゃーみゃー鳴く海ネコ。
 いろんな意味でこの世の終わりとも言える光景がいま惜しげもなく大展開。
 くっ……この、ふってわいたアーマゲドンに監獄塔も激動しているというかッッッッ!!!!? 


「ま、まさか貴様は―――フェルナン―……!!!?バカな、お前は確か、死んだ筈だ!」
「死んでないのねー!いや、貴族院で裏切りを暴露され失脚した上に妻子から三行半突きつけられて自殺したのは確かだが、だからこそ地獄から蘇ったのだよ
 巌窟王――いや船乗りダンテスよ!ククク、魔術王がカルデアのマスターを監獄から脱出させた貴様への罰の為に私をお前に有利なバーサーカーで死霊として蘇らせたのだ。
 んー、見て欲しいものだな、復讐者である貴様に復讐するために滾る力を」

 魔神柱を連想させる威圧感。
 い、いったいどれほどのパワーアップを……!!!?

「って、ぜんぜん変わってねー!」
「ふふふ、気持ちはわかるけどそう驚かないでほしい。
 そう、今までの私は私じゃない!
 えーと、言うならばこれまでの私が遠坂葵に横恋慕する間桐雁夜だとしたら、
 今の私はフィオナ騎士団のディルムッド・オディナ!
 いや、円卓の騎士ランスロットだとしたら、貴様というアグラヴェインに対してのランスロットだ!」

「……………………」
 つまりはどのみち三角関係が原因で破滅するというコトだろうか。
 あと人の反応ぐらいちゃんと聞いといてほしい。

かつての復讐対象の妙なテンションに意表を突かれたのか、エドモンも一瞬の雰囲気に呑まれる。
だがそれも一瞬だ。
エドモンは溜息を吐いてにフェルナンを一瞥した後、パチンと指を鳴らして、
最後の登場人物達を招き入れた。

「な――――」

フェルナンの体が強ばる。
頭上からは、かつん、かつん、という固い複数の足音が下りてくる。

「―――さて。貴様には必要だろうから、紹介ぐらいはしておこう。
彼らはカルデアのサーヴァント。このグランドオーダーで、オレとマスターを同じくする英霊達だ」

「……なぜだ。私が、君に何かしたか?」

「何かしたも何も。あれだけのことをしたら、憎み憎まれるのは覚悟しろよ。
実を言うとな、監獄時代からのおまえから憎まれてるとか夢想だにしなかった。
それは船乗りダンテスという男があの頃はまだ単なるお人好しだったから」
「なら、助けて」
「ダメだ。おまえはフェルナン、オレの今の在り方はアヴェンジャー」
 かつん、と音がした。

 英霊たちが階下まで降りてきた音である。
 偉大な英霊の本質は、それこそ光だ。
 歴史を積み上げた人理の守り手としての光、それが監獄の中を照らしている。
 その光が、三つ、ある。
「生前からの巌窟王の決まりでね。俺を嵌めた連中は、例外なく復讐すると決めている」
 その場には、光る、

――――――アンデルセン、孔明、スカハサ(死霊特効)が。

127大絶滅! 逆恨み甚だしい復讐者への復讐の伝説!①:2016/08/07(日) 11:42:22 ID:75/I7Z5.0

「………………………」
「………………………」
 決着は着いた。
 先ほどまで渦巻いていたよく分からない熱気も消え、イヤになるほど冷静になるフェルナン。

「……一騎打ちなら、勝てる目もあったのに」
 相性悪いクラスと一騎打ちするわけないだろ、と追い打ちを掛ける。
 復讐とは、膝を屈した相手をさらに見下ろして煽るのも醍醐味の一つだ

「おーのーれー。だが忘れるなダンテス、私は何度でも蘇る(といいな)!
 例え私が滅びようと! この先にも同じく蘇ったダングラールとヴィルフォールが待っているのだー!
 ……おお、なんという人間の業……! 罪深きもの、汝の名は人間なりぃぃぃい…………」
 ゲイボルクでハリネズミにされスゥっと退場していくフェルナン。
 あ、ドロップ無いのか、しけてるな。

「………………………この先にダングラールとヴィルフォールもいるのか」
 ビーム聖剣持ちにこの先に撃ち込んでくれるように頼み、怨敵を物理的に焼却して踵返してその場を後にする。

 こうしてフェルナンによるエドモンへの復讐計画は防がれたのだが、フェルナンと、
 残り2人の仇の存在は誰に語り継がれるコトもなくエドモンから忘れられるのであった、まる

128僕はね、名無しさんなんだ:2016/08/07(日) 15:01:17 ID:SvWca7Cg0
ドロップないのかー

129衝撃のマ(ry +路地裏さつき ルーラー → ルーラー その他:2016/10/07(金) 01:12:08 ID:9DgU0tN.0
 なんか、神父がマーボー煮てる。
「――――――――」
 言葉がない。
 なんでこの場所に天草がいるのか。
 なんでエキシビジョン中のコロシアムのど真ん中で
 あんな煮立った釜みたいな麻婆豆腐を作っているのか。
 それもすごい勢いで。
 額に汗を滲ませて、手助けなど不要、一度手を止めれば
 二度と中華鍋が動きません、という修羅の如き気迫。
 というか意地になってないかあいつ、調理の手際が尋常じゃないぞ。
 もしかして美味いのか。あのラー油と唐辛子を百年間ぐらい煮込んで
 合体事故のあげくオレ外道マーボー今後トモヨロシクみたいな料理を
 ここで振る舞おうとでもいうのか。
 だとしたらまずい、天草もまずいがネロ祭もまずい。
 アレ、絶対やばげな量の芥子が入ってる。そうでなくちゃ説明できない。

「どうした、呆けていては演技にならんだろう。指揮を取ったらどうだ」
 後方にて待機している嵐の王は言う。
「………………」
 用心しながら……いや、もう何に用心しているのか自分でもわからないが……
 ともかく用心しながら相手の出方を伺う。
「――――――――」
 じっと天草の動きを観察する。
 ……凄い。あの聖人、料理の片手間に洗礼詠唱チャージ増やしてる。
 こいつ、ホントにコロシアムのど真ん中で一品作りきる気か……と、
 喉を鳴らした時、不意に天草の手が止まった。
「――――――――」
「――――――――」
 視線が合う。
 天草はいつもの穏やかな様子で俺を眺めて、
「お腹減りたまえ――――!」

「ぶほぉっ……!!!!?」
 あまりのショックにスッ転んだ。

「はーい!ネロ祭エキシビジョンフィナーレ第四の刺客!スーパー天草くんです!」
「はい、皆様方よくここまで来られました!
でも、本当にごめんなさい!ここを通す訳にはいかないんです!
あ、攻撃しなきゃ駄目でしたね、てへ☆ 見守りたまえ!」

 ……まずい。
 何か、よくない次元にワープアウトしてしまった模様。

「はい!新参者としてはイロモノ方向を狙うのも有りかなと思ったんです!
どこまでも抜け目なく、どこまでも強欲に!
というか、ぶっちゃけFGOでは体験クエストと監獄塔にしか出てないのに、
シリアスならともかくギャグ方向まで固まってないでーす!」

「でも天草くん、ハタっと気が付きました。
逆に言えば、今なら何をしてもオールオッケーです!」

「コンセプト的には味方だと頼りなく敵だとクソ厄介。
他のエクストラクラスの方々は
なんだかんだいってもまっとうな高レア性能だと思うのです。」

「だからこそ、こちらはその逆!
ボスエネミーとして輝く道を狙ってみたのです!
ふふ…無理ゲーですか?無理ゲーですって?最高の褒め言葉です、我が奇跡よ!」

 ピカー、と景気良く光る天草くん。

「…あのですね。私だって必死なんです。
とっとと宝具強化を貰って最弱SSRの座から脱出しなきゃいけないんです!

さもないと、他のエクストラクラスが金枠最弱の座から一抜けを狙って
ヤバイ勢いでガンガン攻めてくるんです双腕・零次収束(ツインアーム・ビッグクランチ)!」

130有間都古vsネコアルク+FGOすまないさんスキル強化:2016/10/11(火) 11:14:14 ID:gpnFT8hQ0
「んー、ソシャゲの強キャラとか流行は株価のように
変動するので、すまないさんはいいかげんストップ高だぜ。
つまり今がすまMAX。
攻撃力は10895より上にはあがりません」

「――また新しい遊びに手を出したみたいね。
面白いの、それ?」

「んー、これがあたしたちにはなんとも。
きのこが書くって言うからはじめたのににゃー。
いくら凝ってもソシャゲじゃあ限界があるっていうか。

いっそのコト、次はパチスロとか実写化に手を出してみっか!
うにゃにゃ、破滅の予感にドキドキするにゃー☆」

131清姫→黒桐:2016/12/21(水) 12:17:02 ID:kL4r7R4MO
ストーキング:EX
………………………
愛した標的を求め続けるためのスキル。
情報収集と胆力も含めた野生の本能とも言うべき代物で、最終的に中の人と中の人も結婚する。

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