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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

321ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2018/01/31(水) 20:09:40 ID:WoSmxfsM
 残念そうとも無念そうとも言える様な表情を浮かべて、ハクレイは自分の黒髪を右手でクシャクシャと掻き毟る。
 自分の夢の中で喋っていたのだから、きっと記憶喪失に陥った自分に何かを思い出させてくれるのでは…と思っていた。
 しかし実際には何も思い出すことは出来ず、結局『謎の女性A』という扱いになってしまったのである。
 折角意味ありげに出てキレたというのに…博麗は胸中で謝りつつ、次にもう一人いた女性の事を思い出す。
 
―――…跡継ぎがいる以上、探すという時間の掛かる工程を省けたのだから

 『謎の女性A』とは違い、艶やかな大人の雰囲気がこれでもかと声色から漂い…そして妙に胡散臭い。
 どこが胡散臭いのか…と言われればどう答えて良いか分からないが、あえて言えば言葉…と言えばよいのだろうか?
 女性Aとは違いややゆっくりめのスピードに、何か隠し事をしているかのような低く抑えた声。
 そして喋り方からでもはっきりと分かる落ち着き払ったあの態度は、まるで色んな事を知り尽くした老人のようであった。
 恐らく俗にいう『人生経験が豊富な人』…というヤツなのであろうか。自分とはまるで違う性格の持ち主に違いない。
 
 そこまで思った所で…彼女はその夢が覚める直前、脳裏に過ったあの女性の姿を思い出す。
 金色の長髪にここでは見慣れないであろう白い服に白い帽子を被った、日傘を差したあの女性。
 もしかすれば、その落ち着き払った声の主は…彼女なのかもしれない。
 どうしてそう思ったのかは分からないが、あの言葉を聞いた直後に彼女の姿が過ったのだ。
 女性と声が関係しているのならば、そう思っても別に不思議ではないだろう。
「…とはいえ、彼女は何者だったのかしら…良く分からない事が多すぎるけど…けれど…―――アイツ、」
 「アイツ」のところで一旦言葉を止めた後、頭の中でその言葉が浮かび上がってくる。
 
―――人間じゃない様な気がするわ

 そう思った直後、唐突に浮かんできたその言葉に彼女は思わず目を丸くしてしまう。
 一体何を考えているのかと自分の頭を疑いつつも、呟こうとしたその一言を心の中で反芻させる。
(人間じゃない…人間じゃない…何考えてるのよ私?だってアレは…どう見ても人間…そう人間じゃない)
 馬鹿な事を考えている自分を叱咤しつつも、ハクレイはもう一度頭の中で彼女の姿を思い出す。
 服装などは確かにハルケギニアでは珍しいかもしれないが、それは自分にも当てはまる事だ。
 何より彼女の事は後姿でしか見ていないのだ。それでどうして人間じゃないと思ってしまったのだろうか?
 
 唐突に思ってしまった事で、バカ正直に悩もうとした直前に…ふと誰かの気配を後ろから感じた。
 ハクレイはそこで考えるのを一旦止めて、何気なく後ろを振り返ったが…案の定人影は見えない。
 玄関へ繋がる通路と、カトレアと自分たちの寝室がある二階へと続く階段が暗闇の中でぼんやりと見える。
 それ以外には誰かの気配とも言える様な物は見えず、彼女は気のせいかと自分の勘を疑ってしまう。
「疲れてるのかしら?変な時間に目ェ覚ましちゃったし…」
 一人呟き、再び視線を元に戻したハクレイがもう一眠りしようとソファーに背中を預けようとした時―――
 背後から聞こえてきたのだ。確実に人の足音だと確信できる音と、

「あっ…」
 という聞きなれた少女の声を。


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