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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

209ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/10/31(火) 22:23:21 ID:.xFHoMyw
 丁度自分より一足先に立ち上がった彼女を見上げる形となったルイズは、フードの下にある顔を目にする。
 やはり声色から想像したよりも少し上程度の若い女性が、気の強そうな顔と薄いサファイアの様な碧眼で見下ろしていた。
 流石に顔と瞳の色だけではどんな人間なのかまでは判断つかないものの、貴族に向かって「悪い」とは何て言い草だろうか。
 お昼の事を考えてウキウキしていたところを水に差されたルイズが思わず怒鳴ろうとした直前女はスッと右手を差し出してきた。
 突然目の前に突き付けられたその手に驚きつつ、掴めという事なのかと察した彼女はスッと女の手を握る。
 すると予想通り。女は自分の右手に力を入れて、地面に倒れていたルイズを腕力だけで立ち上がらせる事が出来た。
 
 まさか腕一本で自分を起こした女の腕力に、ルイズは思わず驚いてしまう。
 一体どんな仕事に就けば、女であってもここまでの腕力が育ってしまうのだろうか?
 目を丸くして感心している最中、女はフードを被ったまま頭を下げて謝罪の言葉を述べてくれた。
「申し訳ない、何分急いでいたモノで前を見ていなかったよ…」
「え?いや…ま、まぁ!幸い怪我は…してないし別にいいわよ。次はこういう事にならないよう気を付けなさいよ」
 思いの外丁寧であったフードの女の謝罪にルイズは怒るタイミングを失ったことを苦々しく思うほかなかった。
 てっきり自分を倒したまま「急いでいるから」といって逃げるのを想像していただけに、変な肩透かしをも喰らっている。
 
 ひとまず女の謝罪を受け入れつつも、暫し苦みのある雰囲気を二人が包んだものの…それは長くは続かなかった。
 女の背後―――先ほど暑苦しいローブの姿で走り抜けてきた路地裏から複数の足音が聞こえてくるのにルイズは気が付いた。
 バタバタと喧しい靴音を響かせて近づいてくるその音にルイズが何かと思った直後、フードの女はそっと彼女に囁く。
「私はここを離れる。急で悪いが、お前も何も見なかった風を装ってここから歩いて立ち去るんだ」
「え?それってどういう――――…あ、ちょっと!」
 制止する暇もなく、女は言いたい事だけ言うとそのままルイズが歩いてきた道の方へバッと走り去っていく。
 思わず追いかけようとした彼女はしかし、路地裏から近づいてくる足音の主達がもうすぐで通りに出てくるのに気が付いた。
 
 ―――お前は何も見なかった風を装ってここからに立ち去るんだ
 
 とてもふざけているとは思えない雰囲気が感じられた言葉にルイズは咄嗟に従う事にした。
 どうしてか…と問われれば返事に困っていたかもれしないが、恐らくは「本能的に」という答えを出していたかもしれない。
 そうしてフードの女とは反対方向の道――『魅惑の妖精』亭へと続く道を再び歩き始めたルイズの耳に聞き慣れぬ男たちの声が聞こえてきた。
「…クソ!あの女どこ行きやがった?」
「通りに出たんなら容易に見つけられると思ったが…身のこなしの速いヤツ!」
 聞こえてきた二人分の男の声は聞いただけでも、相当に柄の悪い連中だと判別できるほどの言葉づかいである。
 例え平民であっても、一体どんな教育を受ければあんなオラついた気配が濃厚に漂う声色が出せるのであろう。
 それが気になったルイズが一瞬だけ顔を後ろに向けようとしたところで、新たに二人分の男の声が聞こえてきた。

「慌てるな、ここからそう遠くへは行ってない筈だ。手分けして探そう」
「この路地裏から出たのなら市街地方面に行ったかもしれん。あそこの路地は結構入り組んでいるからな。…俺とお前はあっちだ」
 最初に聞こえてきたチンピラ風の声とは違い、明らかにちゃんとした教育を受けているかのような言葉づかいであった。
 まるで軍でしっかりとした訓練を受けて来たかのような喋り方で、部下で露合う最初の二人に指示を飛ばしている。
 それに対し最初の二人が「あ、はい!」だの「わかりました」と返事を返している事から、後の二人はリーダー格なのであろうか?
 思わず一瞬だけ後ろを振り向こうとしたルイズはしかし、二人分の足音がこちらの方へ向かってくるのに気が付く。


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