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避難所用SS投下スレ11冊目

988ウルトラ5番目の使い魔 62話 (15/18) ◆213pT8BiCc:2017/08/10(木) 14:04:24 ID:TiRezyjA
 しかし、宇宙人はミジー星人たちの”小物っぷり”を甘く見すぎていた。
「あら? あの人たちは?」
 ふと、隣を見た宇宙人はいつの間にかミジー星人の三人がいなくなっているのに気付いた。
 そして、どこに? という疑問の解消に、彼の努力は必要とされなかった。なぜなら、彼の眼前で、ガラオンが猛烈なエンジン音をとどろかせて動き出したからである。
 
「なっ! あ、あなたたち!」
 
 宇宙人は、ガラオンの起こす振動と排気ガスの勢いで吹き飛ばされかけながらも、動き出したガラオンに向かって叫んだ。
 もちろん、動かしているのはミジー星人たち三人に他ならない。
「すっごーい! エネルギーが、前のガラオンのときの何十倍もあるわ。これなら、いくら動き続けたってへっちゃらそうよ」
「パワーもだぞ。こりゃ、スーパーガラオンって呼んでもいいな。でも、いったいどうしたんだろう?」
「フフ、どうやらワンゼットがガラオンに再構築されたときに、そのジェネレーターなどはそのまま組み込まれたようだな。だが、我々にはガラオンのほうがむしろ合っている。ようし、いくぞお前たち!」
「ラジャー!」
 ドルチェンコの指示で、カマチェンコとウドチェンコが操縦用の吊り輪を掴む。そしてガラオンは、怒りの表情を向けて、トリスタニアの方向へとドタドタドタと進撃を始めた。
 当然、唖然と見ていた宇宙人は激怒して叫ぶ。
「待ちなさいあなたたち! いったいどこへ行こうというのですか!」
 それに対して、ガラオンからドルチェンコの声がスピーカーで響く。
「フハハハ、聞かなくてもわかることよ。いまこそダイナに積もり積もった恨みを晴らすのだ!」
「なんですって! およしなさい! 今、余計な騒ぎを起こしても何のメリットもありません。戦いを挑むタイミングは、私にまかせる約束だったではないですか!」
「ダイナのことを一番よく知っているのは我々だ。ガラオンで出ていけば、奴は必ず現れる。ほかのウルトラマンが出てきても、このパワーアップしたガラオンなら敵ではないわ」
「そのロボットを修復してあげたのは私でしょう。恩人を裏切るのですか?」
「君の修理のおかげで使いやすくしてくれてありがとう」
「使いやすくしたぁ!?」
 さすがにこの時点で宇宙人もキレた。彼は自分がミジー星人たちの性格を見誤っていたことに、いまさらながら気が付いた。頭が良くて計画を立てて動く人間は、その場の勢いで考えなしに動くアホの思考を理解できない。
 いくらなんでもここまでアホな宇宙人はいないだろうと思っていた。しかしいた、もっとも珍獣を発見して喜ぶ趣味は彼にはなかったが。


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