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日本大陸 クロススレ その193
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そして、その瞬間こそ、鏡子の待っていた瞬間であった。
「とったぁあああああああ!」
ホーミングレーザーキャノンとホーミングレーザーライフルの連射を放ちながら、後方からナハト・リッターが吶喊する。
後ろを、完全に6時方向を晒していたネウロイの片割れは、後ろ側からその形状を失っていく。
そして、動きが鈍ったところで、さらにナハト・リッターは加速。同時にその手には一つの武装が構えられた。
この哨戒任務においては使用頻度が少なく、しかしフェイルセーフも兼ねて搭載されていた、マギリング・ブレードだ。
「たああああああああ!」
レーザーの集中砲火でぐずぐずになったネウロイの身体に、その刃を止めるすべはない。
進行方向が一致しているために相対速度が殆どない状態であるが、そうであるがゆえに正確にコアを通り過ぎながら切り裂くことができた。
エーテルの刃による切断は正しくなされた。コアは真っ二つに切り裂かれ、形状崩壊を起こしていく。
同時に、スウォーム個体の半分近くが同じように形状崩壊を起こし、形を失って墜落していく。
どうやら、親個体と連動しているようだ、と鏡子は推測した。これで親個体は残り1体に減って、尚且つ飽和攻撃の密度も減る。
(一気に……!)
ブレードをしまうと、次の親個体目がけ、ナハト・リッターは飛翔する。
ブースターユニットをパージしている関係上、速度はさほど出ない。このまま逃げを打たれると追いつけなくなる。
だから、というように最短距離を飛び、同時に放てる火力を集中させて追撃をかけていく。
相手は前方にいる敵への攻撃力に特化しているあまり、後方からの攻撃に弱い、そのように判断していたのだ。
事実、ネウロイはこちらへと向ける攻撃がほぼ0になった。かろうじてスウォーム個体によるレーザーが飛んでくるが、この程度は怖くない。
「撃ち落す……!」
逆に、盾になるように進路をふさいでくるそれらを叩き落す。
こちらの火力が十全に投射できるならば、いくら数があろうとも怖くはない。
だが、相手もさるもの。相手をしている間にこちらとの距離を稼ごうとひたすらに加速していっている。
今からブースターユニットを呼び寄せてドッキングしても、その間はこの追いかけっこにおいては致命的になりかねない。
よって、火力を戦力で投射していく。そして追いかけ続ける。今度はこちらが追う側になったのだ、容赦しない。
「……まず!」
HUDからの警告と、目視での確認で、とっさに鏡子は機体を横にスライドさせる。
刹那の間に、レーザー光が先ほどまで飛んでいたところを貫いていったのだ。
「後方への備えもばっちりってわけ……」
生意気な、と思うが、お互い様だろう。
HUDにズームで表示されたのは、ネウロイの翼の後ろ側の付け根。そこからレーザーが放たれているのだ。
2枚ある翼の根本から2門ある発射港からは連続してこちらをけん制する射撃が連続してくる。
だが、逃がさない。その意志が鏡子にはあった。あえて、加速速度を抑え、姿勢制御に集中。
スウォーム個体が減ったのでこちらへの攻撃は弱いので、あえて受けつつ、良く照準を定める。
既に先ほど潰した個体のデータから、コアの位置はおおよそ見当がついている。半分になった円錐状ボディの先端付近。
通常ならばヘッドオンでの方が撃破の可能性は高いが、この際贅沢は言うまい。
(……!)
ホーミングレーザーライフルのホーミング機能をカット、代わりに収束モードに切り替える。
相対速度を合わせ、射線軸を固定し、彼我の間の大気の状況を勘案に入れたうえで、狙う。
相手は上下左右に飛び回り、狙いを外そうと必死だ。しかし、速度を優先している以上、どうしても単調になる。そこが狙い目となる。
「今」
トリガー。
そして、結果が生じる。
高出力で収束したレーザーは、たがえることなく飛び、ネウロイのボディを破砕し、コアを貫通したのだ。
それでももがくように飛行し、攻撃しようとしたが、ネウロイはついに墜落していく。そして地面を目前にして消滅した。
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