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架空戦記系ネタの書き込み その110

353名無しさん:2019/07/18(木) 18:32:14 HOST:175017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp

「くどい! そもそも諸君らが不甲斐ないから……!」  
ロシアとの戦争は敗北にまみれていた。きっかけはなんであったか。中央アジアのくそ野郎が南進して、カスピ海やペルシャ北部の山岳地帯で
散っていくのは毎度のことだ。問題は、イラク方面より侵入されたらだだっ広い平原での会戦を毎度、余儀なくされるということか。
だから、国防の意味からペルシャは自分から攻めることもあれば、攻められることが多かった。
まぁ、だからと言って北部の山岳地帯だって、安易に油断してはならない。アフガニスタンの草原回廊を渡ってモンゴルがやってきたように
山岳地帯においても侵入者は常に現れる。
第1次ロシアペルシャ戦争。最もロシアとの小競り合いなんぞ数えきれないから、特に大きいもので国際法上正式に戦争状態と認められた
一つの戦いの名をそう呼ぶ。
何とか、本国領土こそ守ったが、いろいろな領土を奪われ、十数年後取返しに第2次が起きて、トルコマンチャイ条約を結ばせられる。
それが、ペルシャの歴史。
だが、今はまだ、その第1次の真っ最中、敗北まっしぐらである点を除けば。
いや、一つだけ歴史においてまったく違う点があった。

「最新鋭の兵器をフランスから買ってやったんだ! もう負けるのは仕方がない。だが、一矢報いろ! 何が何でも!!」
この世界線、ペルシャだけではなく中東イスラム世界は――――

「――――経済的にはまだ、負けてない! 奴らとためを張れる!」
イスラムのもともとの繁栄は奴隷、香辛料、砂糖の三つの商品の貿易網とそれらを前提とした金融工学の発達によるものだ。
逆説的に言えば、奴隷、香辛料、砂糖の供給ルートが破壊されてしまえば、その繁栄は終結する。
そして、それを徹底的に破壊したのは……史実では日本銀をもってヒャッハーしたポルトガルとオランダだ。
だからこそ、この世界線では……。


  ―― 同年、オスマン帝国属領エジプト王国にて ――
 この年、ある悲劇が起きている。マルムークの大粛正。流血の大惨事。
エジプトの大王にして改革者、ムハンマド・アリー立ち上がる。
膨大なる流血の大河を生み出し、その代わりに彼が理想とする強いエジプトの建国と復権に向けて……。
ましてや、この世界線のイスラム文明圏は未だ経済力的にはヨーロッパと殴り合いが出来る。
最後には必ず負けるような戦いであったとしても殴り合いが出来る。
ムハンマド・アリーの大粛正は史実以上の流血の惨禍を引き起こす――――
――――地中海をかつてのようにエジプトのバスタブにするのだ。
インド洋の権益を我が物とするのだ。そして、そして、そして…………。




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