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避難用作品投下スレ6

66終点/Last Resort:2010/08/27(金) 22:27:10 ID:w1hhOi020
「ゆめみさん、試作品だよね。どこに戻る家があるのかな、って思ったの。どこかの研究機関?」
「……分かりません」

 ゆめみは、ゆめみの生まれたところを知らなかった。
 どこで製造され、誰が電脳をプログラミングしたのか。
 アハトノインの姉妹機であることを考えれば、ここで生まれたのかもしれない。
 しかしそれも、もうすぐなくなろうとしている。
 つまり……家はない、ということだった。

「皆さんにお任せしようかと思います」

 だから、ゆめみは我が身をここにいる人達に預けることにした。
 そうすれば安全だからと感じたわけでもなく、そうすれば未来に進めると思ったわけでもない。
 命令上の優先事項として、目的が分からなくなった場合は指導者に委ねるという機能がついていただけのことだった。

「そうなんだ。まあ、たぶんリサさんなら良くしてくれるんじゃないかと思うの」
「はい」

 リサを多少なりとも知悉していることみはそう呟いた。
 自分達が量産品である以上またどこかで生産される可能性はある。
 リサはその辺りに詳しい人間であるし、その筋の研究機関に回されるのが当然の処置だと言えた。
 連絡橋を抜けて、少し階段を下った先にドックが見えた。
 移動するための小型潜水艦もそこにあり、見張りもいない。
 恐らくは侵入してきた自分達に対応するため、駆り出されたのだろう。
 もう戦闘を続行できるだけの体力もないこちら側にしてみればありがたいことだった。
 リサを始めとして、宗一、高槻といった機械に詳しい面々が内部へと乗り込み、起動できるかどうか確認しているようだった。


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