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避難用作品投下スレ6

153丸出しロワイアル:2011/05/12(木) 15:12:28 ID:UgVaFbGA0
「はは、太田さんはあったかいね」
「氷上君?」

頭を動かし、シュンはしがみつくように香奈子の腹部に抱きついた。
膝に乗っていたシュンの頭の位置が変わったので、香奈子の姿勢も自然と崩れる。
小さな声を上げながら体をぐらつかせる香奈子だが、それでもシュンの拘束は離れなかった。

「すごく、あったかいよ」

くぐもるシュンの声。
顔が隠れてしまっているので、香奈子が彼の表情を読み取ることはできない。
縋るような響きに、香奈子は言葉で返さずそっとシュンの体を摩るのだった。





シュンが更衣室を経ってから暫くした後、香奈子も彼を急いで追った。
無茶をしないと言うシュンの言葉を、香奈子も信じていない訳ではない。
それでも拭えぬ不安として、シュンが何か事に巻き込まれてしまう可能性というものは充分にあったのだ。

結果、香奈子の不安は的中した。
身動きを取ることなく地に伏せたままの人間が数人、シュンもその中の一人だった。
まるで砂漠の上に放られた魚が干からびきってしまっているような光景に、香奈子は絶句する。

争いに巻き込まれたか。
はたまた、彼が侵されてしまっている病の影響なのか。
震える手で脈を確かめ、シュンの生命が途絶えていないことがきちんと分かるまで香奈子は気が気でなかった。

「あなたが無事で、よかった」


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