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避難用作品投下スレ6

141Behind Lies:2010/12/22(水) 00:26:02 ID:1LGJvfvw0
追い討ちのような宗一の言葉に、祐介は反射的に萎縮してしまう。
そんな自分が、祐介は恥ずかしくて仕方なかった。
何もできないくせに口だけは達者で、それで他人に迷惑をかけてしまうような存在。
今、祐介はそれに値する厄介な人間に該当することになる。
怖かった。
まとまっている良い雰囲気を、祐介の手で壊してしまうということ。
祐介の都合で宗一や渚、そして有紀寧の中に生まれてしまうかもしれない不快感は、どこまで大きくなってしまうか。
初音を守りたいという気持ちは誰よりも強いであろう祐介、しかし受けた情の心地良さを彼は知ってしまったのだ。
人の温もりに。気づいて、しまったのだ。

「那須さん、僕……っ」
「よし、それじゃあ時間で交代にするか」
「えっ?!」

頭を下げようとした祐介の姿勢が、中途半端な位置で止まる。
思わず上げた祐介の瞳に、けろっとした表情の宗一が映った。
気分を害している様子はない。宗一は、いたって平常である。

「一時間交代な。周辺探って、時間になったら絶対この家に戻ってくること。それで計二時間だろ?
 二時間探して出てこなかったら、そいつはもうここら辺にはいないってことだ。四人でもっと遠くに、改めて探しに行けばいい」
「……それで、いいの?」
「おいおい、俺は一時間しかやらないって言ってんだぞ? 長瀬こそいいのかよ」

こくこくと、反射的に祐介は何度も首を縦に振る。
空気を読めという気まずい雰囲気を押し付けられる訳でもなく、こちらの気持ちを汲み取ってくれた宗一の懐の大きさに、祐介は感謝するしかなかった。

「ただ万が一の時もあるし、身をどうやって固めるか……武器の調達は、難しいよな……」
「あ、それは……その……実は、銃があるんだ。一丁、だけだけど」
「へぇ。撃ったことは?」
「いや、まだ一度も……」
「弾に余裕があるなら、試し撃ちでもしてみるか? 後で見てやるよ。
 事情は言えねぇが、そういうのの扱いには自信あるんだぜ」


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