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避難用作品投下スレ5

893終点/《Mk43L/e》:2010/08/27(金) 21:27:57 ID:w1hhOi020
「お前が、必要なんだ」

 結局自分本位で動くことが根底に残っているのは変えようがない。
 だがそれがどうした。欲しいものを得るために他者と付き合うのだって悪くないはずだ。
 それも選択肢のひとつ。
 俺が手を取って無理矢理引っ張り上げてやると、しばらく面食らった顔をして俺を見ていたが、やがて照れ臭そうに顔を赤くして視線を逸らした。

「……別に、あたし一人で立てたよ」

 そうは言うものの、背中のダメージは思っている以上らしく一歩進むだけで痛そうな顔になっている。

「立てても歩けないようじゃな」
「うるっさいなー」
「ほれ」

 脇の下に頭を入れ、支えるようにして肩を組んでやる。
 小柄なまーりゃんの体の線はやっぱり細く、期待はずれもいいところだった。
 ちっ、もっとむっちりしとけってんだ。
 まーりゃんはしばらく複雑そうな顔をしていたが、俺が逃すはずもないので逃げられず、仕方なくという様子で合わせて歩き始めた。
 身長の違う奴に合わせて歩くのは中々難儀だったが、まあ出来なくもない。
 さてどこに向かったものかと考えていると、図ったかのようにポテトがぴこぴこと尻尾を揺らしていた。
 こっちに来いってか。
 手回しのいい犬だった。こいつとの腐れ縁もまだまだ続きそうだった。

「ゆめみ」
「はい」
「先にポテトと一緒に行って何か杖みたいなもの探して来い。少しは楽になるだろ」
「了解しました」


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