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避難用作品投下スレ4

267こんにちは、その道のプロです。:2008/12/02(火) 23:51:50 ID:O6UEvEkI0
ギィ、と背もたれに少し強く寄りかかった後、反動で起き上がるようにしてエディは椅子から立ち上がる。
そのまますたすたと、エディは部屋に備え付けられていた机の元へと近づいていった。
机上には、無造作に広げられたA4用紙が散らばっている。
それらは同じく机上に設置されたパソコンとプリンターから出された物であり、エディが一晩かけて出した調査の成果でもあった。
データのハッキングは、エディの十八番でもある得意分野だ。
時間はかかったものの、ある程度のデータをエディは得ることができた。
しかし。
こうしてプリントアウトできたものは、その内のほんのごく一部でしかない。
あまりの膨大なデータにマシンスペックが追いつかず、途中でパソコン自体がクラッシュしてしまったのだ。
今このパソコンはエディがいくら電源を弄ろうにも、うんともすんとも反応しなくなってしまっている。

まだ落としきれていなかったデータのことを悔いるものの、こうして目に見える結果があることにエディも多少は楽観していた。
敵対する側の組織は、絶対の力で成り立っている訳ではないのはこの結果で明らかだ。
抗おうと思えば充分対抗できる範囲である可能性を技術者のレベルで見たエディだが、ここで彼は敵が主催側の人間だけではないことを思い出す。

「ソウダ……ああいう馬鹿女のことを、忘れチャなんねーゼ」

そう言って、エディは昨夜出くわした三人の男女の内の一人である、武器を振り回していた彼女のことを思い出し愚痴を溢した。
人を傷つけようとする人間を排除しないと、それこそ脱出しようと努力するこちらも痛手を負ってしまうだろう。
一々説得するにしても、キリがない。エディはそんな殺し合いに乗った人間に対し、容赦をする気が皆無であった。
そこには愛する友人等が手にかけられたという現実も、大きく関わっていたかもしれない。

溜息を漏らしつつそっとエディが手を伸ばしたA4サイズの用紙には、様々な数式や図式が印刷されていた。
エディがハッキングにより得た情報の一つであったが、如何せん彼が理解できる範囲の分野ではない。
魔方陣のような物が随所に挿し入れられていることから、魔術的な何かであろうとエディは予測付けている。
主催側が何者かを予測する際、その背景として絞る資料と考えれば充分だと、エディは一端そのレポートの束を端に寄せた。

次にエディが手に取ったのは、学生が手がけたレポートのように思われる簡素なプリントだった。
一度目を通したそれを、エディは再び読み込む。
変な図式等よりもこちらの方が現実的で、しかも情報としては役に立つレベルのものだ。
しかも内部の情報だということが一目で分かる。
エディは軽く舌を打ち、そうして自分達が管理されていることに対する嫌悪を顕にするのだった。


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