[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
避難用作品投下スレ3
449
:
誰が為に
:2008/03/26(水) 16:13:39 ID:we92bBF.0
折原浩平は永遠から日常へと回帰するためにドアを開け放った。
* * *
「芳野、さん……」
瑞佳と詩子の身体を調べていた芳野は、黙って首を振る。もう手遅れだ、と付け加えて。
「畜生……なんで、俺はあんなことを」
仏頂面ないつもの芳野祐介は、もうそこにはいなかった。
突如瑞佳と詩子の命を奪った殺人鬼への怒りと、間違った判断を下してしまった自分への情けなさとが入り混じって。
何度も何度も、歯を食いしばりながら芳野は拳を地面に打ち付ける。血が滲むほどに、芳野の手は土埃で汚れていく。
「くそっ……くそっ!」
一際大きく拳を振り上げようとしたところで、芳野の異変を感じ取ったあかりが慌ててその腕を掴む。
拳先から僅かにあふれ出していた血が、あかりの目に留まる。
それは詩子の脳からあふれ出していたそれとはまた違う、土と赤が入り混じった絵の具のような汚い色だった。
「神岸、放せ」
「だ、だめです」
ドスを利かせた暗闇の中からの声に一瞬力を緩めてしまいそうになるが、それでもあかりなりの意地を出して芳野の腕をがっちりと止める。
ぎゅっ、と。抱きかかえるようにして。
「お願いです、自分だけを傷つけるようなことだけはしないでください……誰が悪いわけでもないんです。でも、みんなに責任があるんです。私も、長森さんも、柚木さんも……芳野さんにも」
なお振りほどこうとする芳野だったが、殴り続けていたせいで力が入らずあかりの拘束を受け続ける羽目になる。
力でねじ伏せることの出来なくなった芳野は、口先を武器に反論する。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板