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避難用作品投下スレ3

334意志の相続:2008/03/08(土) 03:24:17 ID:/js7YssY0
(観鈴……)

心の中で彼女の名前を呟き白いリボンを握り締める勝平の表情は、苦悶に満ちている。
分からない。
勝平は、分からなかった。
痛む胸が求める解答は導かれていない、そのためにも。
勝平は、もう一度観鈴に会いたいと思った。

リボンを鞄に仕舞いこみ、勝平はもう一度溜息をつく。
これから自分がどうしたら良いのか、その答えはまだ出ていない。
渦巻く勝平の心理は複雑で、本人でさえも心労を抱えるほどになっている。

『さて、ここで僕から一つ発表がある。なーに、心配はご無用さ。これは君らにとって朗報といえる事だからね』

もうここにいてもしょうがないということで、マナの横に転がるワルサーを拾い勝平が上げこの地を去ろうとした時だった。
放送の声の主が変わったことに対し勝平は訝しげな表情を浮かべると、注意深くその声に耳を傾ける。
……放送は、勝平の想像の範疇を超えていた。
放送を行っている主が一体何を言っているのか、勝平にはすぐの理解ができなかったくらいである。

(優勝して、生き返らせる? 何を言ってるんだ、だってどうせこの世界は……)

そこで勝平は、はたとなる。
そうだ。結局は、そうなのだ。
ループを止めるにしても結局はやり方が分からない以上、答えはそれしかないのだ。

「馬鹿馬鹿しい」

この世界は、ループする。
ならばどうすればいいのか。答えは一つだ。


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