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避難用作品投下スレ3

259思惑/Unstoppable Monster:2008/02/01(金) 15:04:20 ID:nHUW/EJY0
 答えない弥生の様子を肯定と取ったか、麻亜子はふふん、と得意げに鼻を鳴らしながら続ける。
「あたし達がするべきことはさ、お互いに助け合うことだと思うんだなコレが。助け合いの輪、不戦の誓い桃園の誓い。ああ美しきかな友情よ。どう? ここは連携してさ、あの二人組、やっつけてみない?」
 弥生の表情は変わらぬままだったが、麻亜子は確かな手ごたえを感じていた。当初の予定と違って独り占めは出来なくなったがこのように状況に応じて敵味方を変えるような人間は手懐けておいた方がいいと考えていたし、遠目からでも分かる好戦的な神尾晴子も恩を売っておけば後で役立つとも考えていた。

「内容に拠ります。危険な行動は出来ません」

 来た。乗ってきた。
 麻亜子はほくそ笑みながらいやいや、と手を振る。
「どっちかったら危険なのはあちきの方だからさ。まあ聞きなよ奥さぁ〜ん」
 ヒソヒソと内緒話でもするように弥生に耳打ちする。弥生はその内容を聞いていたが、確かに危険はこちらの方が少ない。いざとなれば見捨てて逃げればいいし、麻亜子からしてみても裏切れる余地はない。上手く行けば全員が利益を得られる。
「……分かりました。あなたの作戦に力を貸しましょう。やって下さい」
 弥生は麻亜子から離れると、少し先にある茂みの向こうへと姿を消した。麻亜子はその姿を少し見つめながらふぅ、と安堵のため息を漏らす。

「やー、良かった良かったぁ。流石は口先の魔術師と言われるあたしだね。んっふっふ、将来外交官にでもなっちゃおーかなー」
「やぁっ!」
「おっと、決着がつきそうかな?」

 素早く姿勢を整えると、僅かに茂みから身を乗り出しながらボウガンを構え、今にも止めを刺そうとしている柏木耕一……ではなく、柏木梓の方へと照準を向ける。
 別に攻撃するのはどちらでも良かった。それに当たっても外れてもそれほど作戦に問題はない。どうせ撃つなら当てやすい止まっている標的に撃ちたかったからだ。
「まーりゃんバスター……シュートっ!」
 ボウガンから発射された矢が、一直線に飛んでいく。ラッキーなことに、それは柏木梓の頭部目掛けて飛んでいた。命中すれば脳を貫き即死させること間違いなかった。が……


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