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避難用作品投下スレ3

207Q.常識的に考えて、本当に死んだ人間が生き返ると思う?:2008/01/17(木) 22:28:32 ID:2/q5zlEg0
「岡崎朋也……」

みちるは無言で拳を握り締める朋也の姿を、心配そうに眺めていた。
第二回目の放送、それが与えた衝撃でみちるの周りの人間は誰もが顔を硬くしていた。
幸いみちるが思う誰よりも大切な人物の名は、上がっていない。
それでも知人に値する神尾観鈴の死は、幼いみちるの心に死と向き合わなければいけないというリアルさを押し付ける。





一夜をゆったりと休養に当てた彼ら、一番最後に目を覚ますことになるみちるを起こしたのは、途中で朋也と見張りを交代したことで少々の眠気が残る十波由真だった。
布団を剥ぎ取られしぶしぶ目を開けたみちるのそれに、大きな欠伸を隠そうとしない由真の横顔が映る。
部屋を出て行く由真の背中を見送った後、みちるは備え付けられた鏡で髪を整えるとダイニングへすぐに向かった。
テーブルには既に朋也も、そしてもう一人の仲間である伊吹風子も席についている。
二つずつ向かい合うように固定された椅子、朋也と風子は隣同士で座っていた。

(……岡崎朋也とずっと一緒にいたのは、みちるなのに)

ちょっとしたジェラシーが湧き上がるものの、みちるもそこまで我侭な振る舞いをしようとはしない。
余程気に入っているのだろう、風子は無邪気に朋也から譲り受けた三角帽子を弄っていた。
それはみちるから見ても、微笑ましい光景だった。それこそ最愛の彼女との思い出がふと過ぎり、みちるは感傷的になりかける。

「さ、座った座った。さっさとご飯食べましょ」
「……って、おい十波。これ、支給品のパンじゃないのか?」
「そうだけど」

食卓についているのである、朋也でなくとも何か作った物が出されると思うのは不思議ではないはずだ。
しかし彼らの目の前に並べられたのは、支給された味気ないパンとコップに入った水だけであった。


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