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避難用作品投下スレ3

106第二回定時放送(B−4):2007/12/20(木) 02:30:15 ID:SebB/CEY0
時刻は午前5時50分……

久瀬は数々の惨状を見せられ、疲弊しきっていた。
多すぎた。あまりにも死人が多すぎた。
実の所彼は少し期待していた。
時間が経てば混乱していた者も落ち着いて、殺し合いが収まってくれるのではないかと。
だが実際には、殺し合いはますます激しさを増していくばかりだった。

ある者は一方的に殺され、またある者は裏切られて殺された。
特に酷かったのは、指を1本1本切り落とされて惨殺された女性だった。
その女性は最期の瞬間まで想像を絶する悲鳴を上げ続け、返り血に塗れた加害者の女性は笑いながら包丁を振るい続けた。
その一部始終を見ていた久瀬はとうとう嘔吐感を堪えきれなくなり、腹の中の物を全て吐き出していた。

自分が確認出来ただけでも10名以上の人間が命を落としていた。
恐らく―――その倍以上の数の人間が、既に物言わぬ躯と化しているのではないか。


そして第2回放送の時がきた。

画面が真っ黒に染まり、ゆっくりと赤く浮かび上がる番号、そして名前。
「そ、そんな……こんなに大勢の人が……」
予想以上の死者の数に震えが止まらない。いや、しかしこの震えの原因はそれだけではないだろう。
『倉田佐祐理』。彼女の名前だけ、一際強い存在感を放つように思えるのは気のせいだろうか。
・・・・・・呼吸が、乱れる。知らずうちに漏れた涙が表す感情の揺れに、久瀬自身どうしていいか分からなかった。


『それじゃ久瀬君、今回もよろしく頼むよ』
一回目の放送の時と同じくウサギが一瞬画面に現れ、その一言だけを告げまた消える。
久瀬は今にも倒れこみそうなくらい疲弊していたが、それでも彼に選択肢は一つしか用意されいない。


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