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避難用作品投下スレ2

511最終決戦前/獅子身中の虫:2007/06/04(月) 22:03:38 ID:2xcWSEzE0
「私、ささら、柳川さん、佐祐理は『高天原』を目指して、進める所まで進む。この際余り無理はしないようにして下さい。
 あくまで勝負は『ラストリゾート』を破壊してからなのですから、後から来る味方がスムーズに進めるように倒せる敵だけ倒しておけば十分です。
 春原君と藤林さんは『首輪爆弾遠隔操作装置』を破壊して欲しい所ですが、万が一敵の防御が厚いようなら引き返してください」

そこまで環の話を聞いて、秋子が一つ疑問を口にする。
「……どうして今更『首輪爆弾遠隔操作装置』を破壊する必要があるのですか? 
 私達はもう首輪をしていませんし、無駄な場所に戦力を投入するのはどうかと思いますが」
「第四回放送で名前が呼ばれなかった内の六人とは、未だ連絡が取れていません。それだけの人間が、まだ首輪に縛られたままなんです。
 遠隔操作装置システムの乗っ取りがいつまで保つか分かりませんし、状況が許せば破壊しておきたい」
それは確実に余分な行動であり、心の贅肉に他ならない。
それでも、あくまで極力多くの人間を救えるように動く――それが環達に共通した行動方針だった。

秋子が頷くのを確認してから、環は続ける。
「『ラストリゾート』は鎌石村に居る高槻さん達に破壊して貰います。
 珊瑚ちゃんは敵施設の機能をもっと奪う為にハッキングするので、此処に残ります。
 以上が私達の作戦です。秋子さん達は自分がどの役目に参加したいか、皆が出発するまでに選んで下さい」
そこまで言い終えると、環はバッと立ち上がった。
総勢九名の視線が、例外無く環一人に集中する。

「これまで多くの――本当に多くの人達が殺されてしまいました。この島で流された涙の数と血の数は、とても数え切れません。
 私が一緒に行動していた仲間達も、昔からの知人も、殆どが殺されてしまいました」
しん、と静寂に包まれた部屋の中、環は言葉を紡いでゆく。
「生き残った人達は、私も、そして恐らくは皆さんも、深い悲しみを背負っている事でしょう。
 これまで私達は篁の思うがままに弄ばれ、どう足掻いてもこの殺し合いを食い止められませんでした。
 死んでしまった人間は何をやっても生き返らない――失ったモノは、二度と取り戻せない」


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