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避難用作品投下スレ2

4離脱:2007/04/25(水) 00:05:46 ID:kfIOCBPU0
そのような真琴の様子に当の本人、イルファが気がつくことはない。
今起こっている事を目で見ることでしか判断できない彼女にとっては、身動きを取らない真琴は気絶した七海等と同列の認識しかできないでいた。

そんなイルファが目を覚ましたのは、本当につい先ほどのことであった。
バッテリーが切れてから数時間、ある程度の充電が完了した時点で彼女の自我は再び表に出ることになる。
目が覚めた所で見知らぬ部屋にて横になっていた自身の状態に驚きは隠せなかったイルファは、すぐさま飛び起き自分の損傷具合を確認した。
千鶴との戦闘で受けたダメージの他は特に新しいダメージもなかったようで、イルファは安堵の溜息を漏らす。
自身のデイバックがすぐ隣に置かれていたことから、誰か親切な人が保護をしてくれたのであろうことも簡単に想像がつくだろう。

(何はどうであれ、助かりました……)

落ち着いた所で自らの浅はかな行動を恥じる思いに駆られるイルファ、しかしその瞬間どうして自身がそこまで取り乱していたのかというのも思い出す。
何故あれだけ必死になって走り回っていたのか、それも予備バッテリーまで使い込んでしまう程。
そう、姫百合珊瑚と姫百合瑠璃の二人を保護しなければいけないという一番大切な彼女の任が、一気にイルファの思考回路を埋め尽くしていった。

「こうしてはいられません……っ!」

慌てて荷物を掴み、イルファはまだ充電が終わっていないプラグを力ずくで引っこ抜くとそのまま部屋を飛び出した。
あれからどれだけ時間が過ぎたのか、時計のないこの部屋では知る術もなくイルファの焦りは一層助長させることになる。
とにかく早く行動を起こさなければいけない、そうやって廊下を駆け出したイルファの聴覚器官に値する部々が捉えたのが、例の部屋で行われていた乱闘の喧しさであった。

本当ならば、主君の安全を考え無視して進むべきである。
しかしイルファとて、そこまで冷徹な思考回路を所持しているわけではなかった。

(誰か襲われているのでしたら、見過ごすことなどできませんね……)


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