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避難用作品投下スレ2

363親友:2007/05/23(水) 21:32:27 ID:7JyTghbE0
朋也は多分に諦観の入り混じった笑みを浮かべながら、口を開いた。
「二つ目……平瀬村工場に脱出派の連中が集まってる。まだ脱出しようと思ってるんなら、そこに行くんだな」
陽平と杏の返事を待たずに続ける。
「三つ目……春原も杏も生き残れよ。すぐにあの世に来ちまったりしたら、ブン殴るからな」
朋也はすうっと息を吸い込んだ後、陽平に視線を戻した。
「さあ、やるならやれよ。じゃねえと俺はまたお前を襲っちまう。次は外さない……間違い無くこの手で、お前まで殺しちまう」

その言葉を受けた陽平は、左手で杏の顔を覆ってから、声を絞り出した。
「岡崎……今でも僕の事を親友って思ってくれてるかい?」
「わりい、俺お前のこと友達だと思ってねーや。でも――そうだな、来世なんてもんがあったら、またお前とつるみてえな」
陽平と朋也は――親友同士で、余りにも哀しい笑みを交換した。
そして、一発の銃声が響いた。


自分は結局誰も救えなかった。
渚も、秋生も、風子も、由真も、救う事が出来なかった。
自分の至らなさには、心底嫌気を覚える。
だが彰を倒す為に復讐鬼と化したのも、渚を生き返らせる為にゲームに乗ったのも、間違いだったとは思わない。
自分はいつだって、己の信念に従って行動してきたつもりだ。
結果は伴わなかったけれど、精一杯努力してきたつもりだ。
だから――自分の選んだ道だけは、絶対に後悔しない。
もしあの世があったとしたら、胸を張って渚と笑い合いたいから。
(渚……今そっちに行くよ……)
心の中でそう呟いた後、朋也の意識は闇に飲まれていった。

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